「なぁ...コユキ」
「どーしたんですか?先生」
「私...最近...我慢できないんだ。どうしても...やりたい」
「え、何を」
先生は大きく空気を肺にいれて大声で叫んだ
「生徒たちにドッキリを仕掛けたい!!!」
ビリビリと空気が震え、つい耳を塞いでしまっていた。
「ちょっと、声大きいですって」
「だから協力してくれ」
「えぇ...ガン無視ですかぁ...?」
「なぁコユキ。私は生徒たちの善き指導者となれるような行動を心がけていた。」
「生徒の足を舐めたりしてますけどね」
「勿論、その行動に嘘偽りは無く、私は本心から生徒たちの善き指導者でありたいと願っていることを前提にして話を聞いて欲しいんだが...」
「私は...ッ!生徒たちの...!泣き顔が見たいんだ...!!!」
「えぇ...」
「分かるか?!普段気の強い子が情けなく腰を抜かして泣き叫ぶところとか、逆に普段気の弱い子が気丈に振る舞っているところとか!それに...」
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「落ち着きましたか?かれこれ一時間ぐらい語ってましたけど」
ゼェゼェと息を切らす先生
「あぁ...すまない...それでコユキに協力して欲しいんだ。ドッキリと伝える役割を担って欲しい。こんなことコユキにしか頼めないんだ。」
一瞬頬が熱くなった。がよくよく考えてみる
「それ...怒られるときに私も一緒に怒られて欲しいだけじゃ...」
「そうとも言えるな」
「まぁ私も見たいんで手伝いますけど...誰にどんなドッキリを仕掛けるんですか?」
そう聞くと先生は目をキラキラさせながら答える
「最初の相手は決めてるんだ。」
「ほー。その相手とは?」
「セミナーの会計担当、ユウカにしようと思う。」
「いきなりユウカ先輩ですか。怒られるだろうなぁ...」
「それは覚悟してるよ...サヤから仮死薬を貰ってきたから、私が過労死したっていうドッキリを仕掛けようと思ってる。」
「えぇ...悪趣味すぎません?」
「まぁまぁ...ドッキリだから。それで今回、コユキには別室でモニタリングしてて欲しいんだ。仮死薬を飲んだら30分心臓が止まっちゃって対応できないからヤバそうなら止めに入って欲しい。」
「分かりました。実行日は?」
「明日にしよう。明日、ユウカがシャーレの経費の計算を手伝いに来てくれるから」
「うわ...手伝いに来てくれるユウカ先輩にそんなことするとか先生鬼畜ですね...」
「じゃあコユキ。明日は頼むよ」
「りょーかいです先生。怒られるときは一緒ですよ?」
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薄暗い部屋の中でヘッドフォンを着ける。カリカリと先生がペンを動かす音が聞こえてくる。モニターには聞こえてくる音通り、ちゃんと仕事している先生が写し出されている。
「さて、そろそろユウカ先輩が先生のもとにくる時間ですね。どんな反応をするんでしょうか」
『そろそろかな。じゃあこの薬を...』
ゴクッ...と先生が薬を飲んで少しした後、バタッ!という重い音と同時に同時に先生が机に倒れてしまった。
「...事情しっててもやっぱり心配しますね...うわ先生、血糊仕込んで血痰みたいにしてる...」
少ししてコンコンとドアをノックする音が聞こえる
『先生。手伝いに来ましたよ。また今日も書類溜め込んでるんでしょう?』
『先生?返事してください。寝てるんですか?入りますよ』
スーっと自動ドアが開き、ユウカが入ってくる。そして机に突っ伏している先生を見て溜め息をつきながら先生に近づいていく。
『せーんーせーいー?私に計算を手伝って欲しいっていうから私今日来てるのに!自分は寝てるなんて!いいご身分ですね~?』
ユウカはツンツンと頬をつつく。しかし先生から返事も、反応も無い。
『ほら。起きてください。仕事の続きをしますよ~先生。今日もやること沢山あるんですから。早くやらないと今日中に終わらないですよ~』
そう言ってユウカは先生を揺する。しかしそれでも先生の反応は無い。少し苛立ったのかユウカが『もう!先生!』と先生を強く揺すると先生は椅子から床へと落ち、ドタ!っという鈍い音がする。ユウカは、今まで先生に隠れて見えなかった机の血と、床に倒れた先生を交互に見て、少し同様した様子を見せた後、先生を抱き抱え『先生!!大丈夫ですか?!先生!!』と語りかけながら冷静に先生の脈を取っているが顔は青ざめ、手は震えている。
『嘘...脈がない...瞳孔も...開いていて反応がない...』
「見てて気の毒になるぐらい動揺してますね...まぁそりゃ当然ですけど...」
『ッ!そうだ!救急車!救急車を呼ばないと...』
「おっとっと。それされるとバレちゃうので...ポチっとなっと」
コユキがボタンを押すとブゥゥゥゥン。という重苦しい音がし、シャーレ中の電気が消えた。
『!?なんで...?!こんなときに限って停電なんて...?!携帯も通じない。ジャミングされてる?!』
『ダメよ早瀬ユウカ。落ち着いて...こんな大規模な襲撃、誰かが気づいてくれるはず。私がやるべき事は先生の命を繋ぐことだけ...!』
そう言ってユウカは先生の心臓マッサージと人工呼吸を始める。しかし何秒たっても何分たっても電気は復旧せず、救急車がシャーレにくる様子もない。先ほどまで暖かかった先生の体がゆっくりと熱を奪われていくのをユウカは手で感じている。背後からゆっくりと、しかし着実に近づいてきている先生の死という現実を受け入れたくないように一心不乱に心臓マッサージを続けている。
『お願い...!お願い...!誰か...!誰か!!先生を助けて...!』
普段ならその声に反応し、どんな薄い糸でも手繰り寄せ、生徒を、生徒たちを助ける先生。だがそんな希望の象徴が、奇跡の権現が動かない今、希望などあるはずもなく、奇跡など起こりうるわけもなく、ユウカはただただ先生の命が失われるのを間近で、無力をひしひしと感じながら受け入れるしかなかった。
そうして20分ほどが経った。ユウカは知っていた。心臓が停止した後、数分以内に全身の細胞が死んでしまうことを。20分も経てば、救助の確率が0%に近づくことを。しかしそんなことを知りながらユウカはただ涙を流しながら心肺蘇生を試みる。
『ねぇ...!なんで!!起きて!起きてよぉ!せんせえ!!!』
「...見てて苦しくなってきますね...これは...そろそろ30分経ちますし、このドッキリ大成功の看板を持って執務室に向かいますか。その前に、電気を点けてっと」
ブゥゥゥゥゥンとまた重苦しい音を立てて電気が復旧する。
コユキは、執務室の前の自動扉まで近づく。中からはズン!ズン!と何かを押す音が聞こえてくる。(うわぁ...言いたくないなぁ...)と思いながら1歩前に踏み出し、自動ドアを開ける。スーっと音もなく自動ドアは開き、中で先生を助けようと頑張っているユウカ先輩が見える。表情は必死そのもので、大粒の涙をポロポロと溢しながら心臓マッサージを行っている。まだ、執務室に入ってきた私に気づいていないみたいだ。
「?!やった...心臓が動き始めた!先生!先生!!」
ユウカ先輩がそう叫ぶ。ああ、薬の効果が切れたんだなと思い、まずはユウカ先輩に声をかけることにした。
「先輩!大丈夫ですか?!」
「コユキ!早く連絡して救急車を呼んで!」
「にはは...分かりました」
言いづらい...!!!先生。早くなんとかして...!!
その願いが通じたのか先生が体を起こす。キョロキョロと周りを見渡し、すんごい顔をしてる私を見て状況を理解したみたいだ。
「先生...!よかった!!本当に...生きてて良かった!!」
泣き叫ぶユウカ先輩が先生に抱きつく...言うなら...今!
「ドッキリ!!!!大成功!!!!」
隠してた板を見せつけながらヤケクソ気味に大声で言う。それに合わせて先生も「ドッキリ大成功!!」と言った。ユウカ先輩はきょとーんとした表情で固まり、少しした後、安堵した様子で「良かった...先生は無事なんだ...」と胸を撫で下ろした。もしかしてこれ怒られずに済むのでは...そう思ったのも束の間。ユウカ先輩が口を開く。
「で、先生!コユキ!これ一体どう言うことですか!説明してください!」と怒気に満ちた表情でこちらを向いてきた。怒られないように恐る恐る話し始める。
「あの...先生がドッキリ仕掛けたい...ってことで...薬を飲んで...一時的に仮死状態になって貰ってました...すいませんでした!!!」
先生と私で同時に頭を下げる。
「本当に...本当に!心配したんですから!もう二度とこんなことしないでくださいね...!」
「だけど、なんてこんなことしたんですか?」
先生はちょっと考え、ボソボソと口を開いた
「それは...その...ユウカの泣き顔が見たくて...」
「はぁーー??!!そんな理由で?!ちょっとそこに正座してください!」
「「ごめんなさーーーい!!!」」
深夜になっても説教は終わらず、結局次の日、私と先生とユウカ先輩で昨日の分の仕事を終わらせた。
やっぱり涙を流すユウカは可愛いね(暗黒微笑)
これからもいろんな生徒を泣かせてあげるからね!待っててね!
ドッキリの種類どんなんがいいですか?
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今みたいに死ネタだけ
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そのキャラのトラウマを抉るような発言
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両方