ファイナルハンターG   作:N_ローゼン

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二人の受付嬢

>シン、ハイネ

>『《死神衆》…』

>

>※《死神衆》、数年前まで存在し、5人で構成されていたハンターの犯罪集団。当時のギルドもその逮捕に全力をあげていたが、その正体すらわからないでいた。結局、誰一人逮捕できないまま時が流れ、現在では解散したと言われている。 

>サクから言われたその言葉。

>実際に対峙したシンは、その言葉に深く納得してしまう。

>サク

>『ラウ・ル・クルーゼ』

>シンとハイネは聞いたことない名前だ。

>しかし、サクの口からはサラッと出た。

>サク

>『ハンターの間じゃ、有名 な名前です。その名は死 を呼ぶと言われ、何より 恐れられています』

>サクが掲示板に目を向ける。

>シンとハイネもつられて目を移す。

>掲示板には《密林への立ち入りを禁止する》という記事が中心を占領しているが、その隅には《危険、要注意人物》という古い貼り紙が貼られている。

>おそらく、かなり前から貼られているのだろう。

>その要注意人物と書かれた貼り紙に、まぎれもなくあの時シンを襲った死神と呼ばれる男の写真が記載されていた。

>シン

>『あいつだ…』

>要注意人物の写真を見て、シンが呟く。

>ハイネ

>『アレが死神?』

>今度はハイネが疑問形で呟く。

>その死神の装備はわからないが、焦げ茶色の防具で頭は頭巾型になっているため顔はわからない。

>それでも、死神ラウ・ル・クルーゼはすべてのハンターの頭の中にとどめられている危険人物。

>これはすでに常識として認識されている。

>サク

>『でもシンさん、あのクル ーゼに襲われてよく無事 でしたね』

>サクが心より喜ぶような口調で言ってくれた。

>シン

>『あの時、別のハンターに 助けられたんです』

>シンはあの時の救世主様を思い返し、そのことを話す。

>サク

>『助けられたんですか?ク ルーゼから?』

>先ほども言ったとおり、クルーゼは超危険人物。

>例え目の前で誰かがクルーゼに襲われていても、助けようなんて思うやつはいないだろう。

>それを知っているからこそ、サクは『ウソでしょ』を込めた疑問形を放った。

>シン

>『ホントですホント。黒髪 の眼鏡をかけた…』

>黒髪に眼鏡、ありきたりすぎるだろ。

>普通ならそう思うが、サクにはたった一人、思いあたる人物がいた。

>黒髪に眼鏡、そして何よりクルーゼと対等の実力者。サク

>『それって、ハ…』

>イク

>『ハオのことなんじゃない ?』

>隣から元気よく割り込んでくる、青いメイド服の女の子。

>イクである。

>ハイネ

>『ハオ?ハオって、あの“ 氷の竜騎士”のハオ・レ ギンス?』

>ハイネが興奮したようにイクに問い詰める。

>イクもなんだか嬉しそうに答える。

>イク

>『そう、そのハオよ。現在 最も“白銀の竜王”に近 いとされるハンターの一 人の』

>ハオ・レギンス。現在たった4人しかいないHR10のハンターの一人。

>“氷の竜騎士”という通り名で呼ばれ、太刀を扱う、文字通り最強のハンターの一人だ。

>さすがに、シンでも知っている名前だ。

>ただ、あの時助けてくれた救世主様が、ハオだとは思わなかったが。

>シン

>『なんでイクさん、そんな にテンション高いの?』

サク『ごめんね。この子、ハオ くんにホレてんの』

>なぜかサクが謝る。

>イク

>『ホレてないわよ~』

>ホレてるようだ。

>こうしてイクも混ざって、話は再開する。

>まずは、シンがクルーゼに襲われハオに助けられた時の状況を語る。

>ハイネ

>『なぁ、今さらなんだけど さ、そのクルーゼっての 、ハンターだよな?』

>根本的なことを今さら。

>サクとイクは『まぁ、一応ね』と答える。

>シン

>『でも、そんな犯罪者が、 よくハンターやっていら れるよな』

>クルーゼが起こした犯罪は知らないが、手配書Sクラスの犯罪者って、相当だ。そんな犯罪者がハンターを続けられるのか、とシンは思っているのだ。

>イク

>『ハンターってのは、基本 的に誰でもなれるからな 。老若男女、バカだろう が、犯罪者だろうが』

>そう、ハンターになるためには、ただ一つ。

>ギルドに自分の力を認めさせる。例えば、ハンター試験に合格する等。

>これのみが条件なのだ。

>それ以外の個人的事情などは、一切関与しない。

>そうは言っても、ハンター試験にも色々あるので、一概には言えないのだが。

>シン

>『確かに…』

>ハイネ

>『クルーゼの起こした犯罪 って、具体的にどんなの があるんだ?』

>なんだか自然にタメ口になってきた。

>2人(サクとイク)と話していたら、その愛想のよさにまるで同級生のように思えてくるのだ。

>サク

>『密猟、密売、密輸、など 例をあげればキリがあり ません』

>海を隔てた大陸には、大きな町があるという。

>密輸の相手はその大陸だ。サク

>『シンさん。できれば、ク ルーゼに遭遇したことは 他言しないでもらえませ んか?』

>シン

>『え?』

>死神衆と名を馳せ、未だなお人々の脳裏に焼き付いている悪魔。

>そんなやつがこの近辺をうろついていると噂になれば、パニックは必至だ。

>シン

>『でもそれじゃ、また誰か がアイツに襲われるかも …』

>サク

>『クルーゼの処置はギルド の方へ要請しておきます すので』

>受付嬢として、ハンターたちの混乱はどうしても避けたいのであろう。

>シンも『わかった』と首を縦にふる。

>イク

>『それにしても、昨日はセ ルケトで、今日はクルー ゼか。面倒なものばっか 持ち帰ってきて。問題児 だな、キミたち』

>イクが小悪魔みたいに笑う。

>サク

>『お2人とも、クエストは 何になさいます?』

>サクは受付のテーブルの上にのせてある☆1のクエストの一覧表を見て、思い出したように聞いてくる。

>ハイネ

>『今日は行くつもりはない んだ。ちょっと新しいク エストが気になって、見 にきただけなんだよ』

>すっかり同級生気分だ。

>まだ、サクにタメ口ってのは、少々抵抗はあるが。

>サク

>『昨日は2人ともお疲れで したからね』

>何しろ、ハイネはセルケトに、シンはクルーゼに遭遇していきなり死ぬ思いをしたのだから。

>シン

>『密林はいつ解放されそう ?』

>イク

>『そうね。今、ハイネくん が言ってたセルケトを狩 りにいってるやつらがい てね。そいつらが帰って き次第ね』

>サクはともかく、イクにまで『くん』づけされるのは、何か恥ずかしい。

>ちなみに、そのセルケトを狩りにいっているハンターというのが、この前のケネスである。

>イク

>『んん~、一般的にセルケ トって討伐すんのに2週 間ぐらいかかんのよ。ま ぁ、アイツらなら10日 ぐらいで終わらせんじゃ ない』

>セルケトを10日。

>イクはあっさりと言ったが、これは相当難しいことなのだ。

>ちなみに、今別のクエストでセルケト討伐に出ているスティングたちは12日を目安にしている。

>ハイネ

>『10日か…。じゃ、それ までオレたちは、別の指 定地のクエストを受けて 時間を潰しておこうか』ハイネの提案にシンも首を縦にふる。

>密林は寒暖の気候がないので、新人ハンターたちには好まれている。

>シンたちもしばらくは、密林で腕を磨くつもりだったのだ。

>その後、シンとハイネはイクとサクとのおしゃべりでその日を終えた。

>明日はクエストに出ようとハイネが言っていた。

>もちろん今度は2人いっしょにだ。

>

>その夜、シンはハイネが仲間(ダチ)になってくれてよかったなと、他人にはとても言えない恥ずかしいことを考えながら、ベッドに横たわった。

>

>イク

>『いい子ね、あの子たち。 なんだか昔を思い出すわ 』

>風呂上がりのイクが頭からバスタオルを被って、サクに話しかけた。

>もちろん、あの子たちというのはシンとハイネのことだ。

>サク

>『そうね。ちっちゃいころ ハオくんとマオくんみた い』

>ハオくん、これは先ほどのハオ・レギンスのこと。

>マオくん、こいつの詳細はまた後ほど語ろう。

>サクもイクと同じことを考えていたようだ。

>イク

>『これからの成長が楽しみ ね』

>風呂からあがったばかりなのか、顔を赤らめて微笑んだ。

>サク

>『イクってば、お母さんみたい』

>サクも笑いかける。

>2人は夜遅くまで、昔話を交えてシンとハイネのことを語り合っていた

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