ファイナルハンターG   作:N_ローゼン

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新たなクエスト

>ギルバート

>『数名のハンターを捜索に 向かわせたが、今のとこ ろ発見したとの連絡はう けていない』

>明朝、ギルドマスターであるギルバートの部屋に、ギルバートやイクやサク、その他数名のハンターたちが集まっていた。

>ハンターA

>『あのクルーゼが出たって マジかよ?』

>ハンターB

>『誰の情報よ?確証はあん の?』

>雪山に向かう前に、シンとハイネから密林で死神クルーゼに遭遇したと話していた。

>犯罪者であるクルーゼを、ギルドとしては逮捕しなければならない立場にある。とはいってもHR10のクルーゼと対等に戦える者など数えるほどしかいない。今、この場に集まっているハンターたちもすべてブラックリストハンターだ。

>ハンターA

>『こんな時にケンとヴァニ ラは駆り出されてるし、 正直オレたちがクルーゼ と戦っても勝敗は目に見 えてるだろ』

>ケン、ケネスの通称だ。

>ハンターC

>『そういえば、ヴァニラた ちがセルケト討伐に向か ったのって密林でしょ? で、クルーゼが出たんも 密林でしょ?まさかばっ たりなんて…』

>まぁ、可能性はあるわな。ギルバート

>『やつらの心配なら無用だ ろう。殺しても死なぬや からだ』

>イク

>『特にケンはな…』

>

>密林…

>ケネス

>『ハッックション』

>くしゃみを一発。

>ヴァニラ

>『どうしたのよ?かぜ?』セルケトを狩りにきたケネスとヴァニラは、安全地帯にてただいま休息中。

>ケネスは回復薬を2、3本飲んで座り込んでいる。ヴァニラはその隣でボウガンの弾を調合している。

>ケネス

>『どっかの女子がオレの噂 でもしてんだろ』

>ヴァニラ

>『ああ~、バカって?』

>どうでもよさそうな言い方で、顔も向けず呟く。

>ケネス

>『バカってさ~、オレそこ まで頭悪く…』

>   『バァーン』

>ヴァニラ

>『ぎゃ』

>ケネス

>『?』

>ケネスの隣で何かが爆発した。ヴァニラが、拡散弾の調合をミスったようだ。

>ヴァニラ

>『もー』

>ケネス

>『たから、タル爆弾持って くるくらいなら、調合書 持ってこいって…』

>ヴァニラ

>『何よ』

>見事な八つ当たり。

>ケネス

>『ハハハ…』

>昔の偉人は『触らぬ神に祟りなし』という格言を残したそうだ。おそらくその偉人も、今のケネスと同じような状況に陥っていたのだろう。

> 

>

>そんな切り詰めた早朝が送られていたころ、シンとハイネは小高い丘の芝生の上で寝ていた。

>シン

>『ん?』

>そよ風がシンを目覚めさせた。

>シン

>「あ~、あのまま寝ちまっ たのか…」

>時刻は9:30。

>隣ではハイネがピクピクしながら寝息をたてている。大方、昨日シドのストレイキャッツでバカみたいに食い荒らしたので、その反動みたいなものだろう。

>それにしても、寝ながらピクピク(痙攣?)するなんて器用なやつだ。

>シン

>『お~い大丈夫か?ハイネ ~』

>ハイネ

>『…うっ』

>寝ながら吐くとかやめてくれよ。

>シンも驚くだろうし、何よりハイネ自身が起きた時に見る自分の有り様にひどく驚かれると思う。

>数分後、やっと起きたハイネは二日酔いのごとき吐き気が襲ってきたらしく、小川の水を飲んだり吐いたりしていた。

>ハイネ

>『うわ~、気分最悪~』このティーズ村は、他の4つの村より活気があるし規模もデカい。

>とはいっても現代の都会のようなゴタゴタしたところではない。

>自然あふれるといったような感じで、村の中にも普通に飲めるような水の川が流れていたりする。

>気候も常夏ということで年中、草花がしげっている。シン

>『で、今日はどうするよ? 昨日帰ってきたばっかっ ていっても、実質ほとん ど気球の中だったわけだ し』

>ハイネ

>『へ?んなん、もちクエス ト行くに決まってんじゃ ん。…うっ』

>まずはその二日酔いのごとき吐き気とやらをなんとかしような。

>まず、朝食をとることになった。

>ハイネいわく…

>『二日酔いには向かい酒と いう風に、一見とりすぎ たものをさらにとるとい う無茶な行為。否。これ はとりすぎたものをさら にとることで、互いを相 殺し合う荒療治。ならば 、今、我が身のこの状態 も、オレが何かを食すこ とによって改善されるの だ』

>ということらしい。

>シン

>『んな、無茶苦茶な…』

>シンのぼやきが、ハイネの耳に入ることはなかった。しかも、あろうことか、来た店がストレイキャッツ。昨日あれだけ食い散らかしたのだ。入りづらい…。

>ハイネ

>『おはよーさーん』

>ハイネ、申し訳なさそうにしなければいけないのはアナタなんですが。

>昨日、シンもタダ飯にありつけたのだが、あくまで適量だ。ハイネほどじゃない。

>シド

>『あら、ハイネちゃん、シ ンちゃん。おはよう』

>案外普通な対応で出迎えてくれたストレイキャッツオーナーのシド。

>ハイネは店内に入るや、ついた席は昨日と同じ屋外のテーブル。どうやらハイネのお気に入りの席らしい。ハイネ

>『コーヒーとサンドイッチ 頼むわ。あ、ミックスサ ンドな』

>シン

>『オレはヨーグルトお願い します』

>シド

>『はいは~い』

>あくまでハイネたちの前では明るく振る舞う。

>おそらく昨夜は涙で枕を濡らしたことだろう。

>ロン

>『ニ゛ャ~…』

>先輩アイルー

>『ちゃんと床拭くニャ』店内ではロンが先輩アイルーにしごかれている。

>シンはさっさとヨーグルトをたいらげ、ハイネが食い終わるのを待っていた。

>ロンがシンの足にしがみつき助けを求め、先輩アイルーがそれを引き剥がそうとしていたりと、なかなかにぎやかなアイルーたちだ。ハイネ

>『お待っと~さん』

>ハイネがコーヒーをすすって言った。

>シン

>『じゃ、行くか』

>シンが足にしがみついていたロンを離す。

>ロン

>『ニャア~、そんな殺生ニ ャ~』

>先輩アイルー

>『次は窓ニャー』

>今回は料金は払わなければいけないだろう。

>ハイネはまたタダ飯を期待していたようだが、シンに気圧され、しぶしぶ財布を開けた。

>シド

>『まいどあり~』

>その時のシドの顔は本当の意味で笑っていた。

>シン

>『ハイネ、二日酔いのごと き吐き気は治ったか?』ハイネ

>『おう、もうバッチリ』

>あの無茶苦茶な理論の結果そう言えるのはスゴいぞ。シンは呆れる内心、感心していた。

>シド

>『2人とも、これからクエ スト?』

>店を出る間際、シドがハイネとシンに問いかけた。

>ハイネ

>『ん?そうだけど?』

>シド

>『だったらわたしのクエス ト受けてくれない?』

>ハイネ、シン

>『へ?』

>つまり、シドが直接シンとハイネにクエストを依頼するのだ。

>こういう依頼は、本来ブラックリストハンターがクエストを受注する時にするやり方だ。ブラックリストハンターは、ギルドを通したクエストではなく、依頼人から直接クエストを受けることによって、その間で契約がかわされ、莫大な報酬金や無理難題のクエストなどを取り引きする。こういう契約を直接契約という。ま、今回はシドが2人を気に入ったためにクエストを頼んだわけだ。

>ハイネ

>『シドのクエスト?内容と かは?』

>シド

>『な~に、簡単よ。砂漠に 行って、サボテンの花を 採ってきてほしいの』

>[サボテンの花]、砂漠に分布する植物。

>シド

>『報酬は2人に2000zずつ あげるわ。契約金はなし 。制限日時は明日が終わ るまで』

>つまり、明日の23:59までということ。

>シン

>『これって、スッゴい好条 件じゃん。いいんですか ?』

>昨日、ハイネがあれだけタダ飯にありついたのに、と内心思っていた。

>シド

>『いいのいいの』

>シドはおばさんくさく手を振る。

>シド

>『じゃ、受注してもらえる わね?』

>シンとハイネはもちろん首を縦にふる。

>シド

>『砂漠までは気球で行かな きゃならないわ。一流の 運び屋、わたしが紹介す るわ』

>

 

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