>シン、ハイネ
>『いってきま~す』
>岩山の一角にテントを広げ、拠点となるキャンプ地を築いた。
>時刻は真夜中。
>夜の砂漠ではホットドリンクが必要になる。
>2人はまたしてもホットドリンク、クーラードリンクを持ってくるのを忘れた。しかし、ゼノンがホット・クーラードリンクを持てるだけくれたのだ。なんでかわからんけど。
>後は、支給品を2人でわけ、準備完了。
>ホットドリンクを飲み、夜の砂漠に繰り出す。
>ハイネ
>『さっぷーけーだな』
>シン
>『同じく』
>拠点の岩山を降りたその場の風景は砂のみ。
>黒い空と砂の海。なんだかやる気のなくなる風景だ。さて、これからどうしよう?
>ハイネ
>『サボテンの花ってどこに あんの?』
>シン
>『いや、砂漠はハイネの担 当だろ』
>雪山のシンの時のような頼れる発言は一切なしのハイネ。
>実際、ヴェスティンフルス一族は砂漠に住む一族だったが、ハイネは一族が滅亡してからはティーズに住んでいるのだ。
>ハイネ
>『ハハ~。正直、砂漠のこ と、あんま覚えてなかっ たりして~』
>覚えてないんですね。
>ため息をつくシンは、当然ですよね。
>シン
>『とりあえず歩き回ろう。 突っ立っててもしょーが ないし』
>砂漠でもシンがリードしそうだ。実力はあるのにな、ハイネって。
>砂を踏み、歩き出すシンとハイネ。
>星空の下、見回す限りの砂の地を歩いていく。ホントにモンスターの1匹も見当たらない。
>砂漠のモンスターとしてはゲネポス、ガレオスあたりがポピュラーなところだが、今はその2種どころか、生き物の気配すらしない。みんな寝てんのかな?
>シン
>『あ、なんか生えてる』
>シンが、砂から顔を出した植物をあさる。
>[火薬草][トウガラシ]を手に入れた。
>シン
>『ん~、ないな~。サボテ ンの花』
>ハイネ
>『よ~し、次行ってみよ~ 』
>しばらく砂の野原をさ迷った。拠点の岩山を見失わないように気をつけながら。そして、3時間歩いた。
>ホットドリンクの持続時間がきれる前に、それが必要とならないエリアに待避した。
>ハイネ
>『後ホットドリンクは4本 。余裕があると、なんだ か気が楽だな』
>前回の雪山では2本しかなかったので、大変な目にあった。
>それに比べたら、ハイネの言うとおり今回は余裕がある。
>それにサボテンの花もすでに4つゲット。そんなに珍しいアイテムでもなさそうだ。
>ちなみにサボテンの花は11個採る予定。
>シドは個数を指定しなかったが、そういう時は10個と相場は決まっている。暗黙のルールみたいなものだ。そしてハイネが墓参りする用に、もう1本。
>シン
>『ここら辺は岩場か』
>ハイネ
>『何か出てきそうな雰囲気 。あ~、ヤダヤダ』
>砂地と違って、あからさまに何かの気配がする。
>『ア゛ア゛ー』
>聞き覚えのある甲高い鳴き声。
>砂漠の鳥竜種ゲネポスだ。シン
>『黄色い鱗…。ゲネポス』ハイネ
>『ああ、やっぱり出てきた か。やつら麻痺属性の毒 持ってっから、牙には気 ぃつけろよ』
>数は5頭。しかも敵の数体は頭上の岩の上。あまりよろしくない状況だ。
>ハイネ
>『…』
>ハイネは辺りの状態をチラ見で確認する。何か気になる点でもあるように。
>ハイネ
>『シン、今回は突破すんぞ 。左前方を切り抜ける』シン
>『え?』
>理由は後回しだ、という感じにハイネが走り出す。よくわからないシンは、一応それに合わせる。
>まずハイネが前方の2頭のゲネポスに横なぎの斬撃。ゲネポスは双方ともバックステップで回避する。
>そのハイネが開けた道をシンが駆け抜ける。
>シン
>『』
>頭上の岩の上から、3頭のゲネポスがシンに飛びかかる。
>シン
>『…』
>シンはそれに気づきつつも、走り続ける。そしてギリギリまで引き寄せたところで緊急回避。
>同じところに飛び込んできた3頭のゲネポスは、互いに激突しあった。
>シン
>『よし』
>激突しあった3頭のゲネポスは、その3頭で仲間割れを始めた。
>ハイネ
>『ハァア』
>ハイネが残る2頭のゲネポスの片方を斬り裂いた。
>ゲネポスの鱗も、大剣の攻撃力にはかなわない。
>そして、もう片方のゲネポスを放置プレーして、シンを追う。
>もちろんそのゲネポスは追撃に入る。さっきの3頭のゲネポスは、現在進行形で仲間割れ中。
>ハイネ
>『シン』
>シン
>『おぉう』
>シンが物陰から飛び出し、ハイネを追撃していたゲネポスに不意討ちを食らわした。
>2人はそのまま逃走。
>しばらくハイネを先頭に走っていた。
>シン
>『で、ハイネ。どういうこ とだよ?』
>ハイネは辺りを確認して止まる。
>ハイネ
>『あそこはドスゲネポスの 徘徊路だ』
>ドスゲネポス、ゲネポスの群のリーダー。他のゲネポスよりも数段高い戦闘力をもつ。
>中級以上のハンターなら問題なく討伐できるが、今のシンとハイネのレベルでは不可能だ。
>シン
>『ドスギアノスみたいなモ ンか』
>ポッケ出身のシンには、ギアノスで例えるとわかりやすい。
>基本的にこの種の鳥竜種は能力や特性が違うだけで、その他の行動パターンはほとんど同じなのである。
>ハイネ
>『一応、オレもクロノスの 出身だからな。ドスゲネ ポスの徘徊路はなんとな くわかる』
>シンも、雪山でのドスギアノスの徘徊路はわかる。
>ハイネ
>『オレたちの装備でドスゲ ネポスと戦闘なんてこと になったらマズいからよ 』
>2人は再び歩き出す。
>空はまだ暗い。しかし、もう少しで夜が明け始める。ハイネたちにとっては、モンスターが寝静まっている夜のうちに済ませたかったのだが。
>シン
>『ハイネ、ヴェスティンフ ルス一族の里ってどこに あんのさ?』
>ハイネ
>『砂漠奥地の一郭だよ。ま ぁ、オレらは入れないけ どな』
>“奥地”に入れるのは上位ハンター以上。モンスターのレベルが桁違いになるからだ。このことは以前にも言ったが、そんな危険地帯に居住区を構えていたヴェスティンフルス一族の凄さを理解してもらいたい。
>シン
>『おいおい、入れないんじ ゃ、どうやって行くんだ よ?』
>ハイネ
>『まぁ、もともと規則破る つもりでいたんだけど、 ゼノンさんが連れてって くれるって言ってくれて るからさ』
>下位ハンターの“奥地”への立ち入りはギルドによって禁止されている。
>ハイネ
>『そういう理由もあって、 一族が滅んでからの2年 間、一度も墓参りに行っ たことなくてよ』
>シン
>『…』
>ハイネが前を歩いているため、その表情は確認できなかった。
>シン
>『オレが行ってもいいのか ?』
>背後からの質問に、ハイネが振り向く。少し不思議そうな顔をしていた。
>こう言ったシンの心情もわからなくはないが。
>ハイネ
>『ふん、当たり前だろ』
>笑いを込めて返した。
>ハイネ
>『いっしょに行ってくれや 。オレのダチ、みんなに も紹介してぇからよ』
>シンとしては気を使った発言だったのだが、ハイネにはそんなもの必要なかったようだ。
>シン
>『おう』
>気がつけば、空の暗黒は取り払われ、辺りが色づき始めていた。
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