ファイナルハンターG   作:N_ローゼン

27 / 50
赤毛のハンター

>ハイネ

>『ホント余裕だな、このク エスト。これで2000zく れるってんだから、シド も太っ腹だよな~』

>シン

>『まったくだ』

>クエスト開始数時間で、すでに8つのサボテンの花を入手した。

>日は完全に“朝日”と呼ばれるものになり、シンとハイネは気温の異常な上昇を肌で感じていた。

>現在2人はクーラードリンクの必要のないエリアを歩いている。

>シン

>『にしても暑い…』

>照りつける太陽の光にダイレクトアタックされ、今にもライフポイントがゼロになりそうな勢いだ。

>シンはポッケ出身なので、砂漠の極端な暑さに弱いということもあるのだが。それにしても夜と昼の寒暖の差が激しい。

>ハイネ

>『朝の気温でそんなこと言 ってたら、昼には干物に なっちまうぞ?』

>さすがはクロノス出身。やっとそれらしい一言がこぼれた。

>ハイネ

>『ちょっと休憩でもすっか ?』

>シンの様子を見て、ハイネが提案した。

>シンにとって慣れない土地で5時間以上も歩きっぱなしだったのだから、疲れがたまっても仕方がない。雪山の時はハイネもへばっていたし。

>シン

>『おう。すまんな』

>2人は岩の影になっている場所に腰を下ろし、携帯食料と水を頬張る。

>その間にも、肌でわかるほど気温が上昇する。

>シン

>『ふぅ~』

>額の汗をぬぐう。

>日陰にいて、ただじっとしているだけなのに汗が止まらない。

>空を見上げると黒い影がたくさん飛んでいる。

>飛竜種や翼竜種だ。

>ハイネ

>『もう行けそうか?』

>ハイネは元気に立ち上がる。

>シン

>『大丈夫、行ける行ける』シンはそう言って、ハイネが差し出した手をとって立ち上がった。

>サボテンの花はすでに8つ入手している。残りは3つだ。

>2人は多少ながら暑さが比較的低い岩場をうろついていた。

>しかし、砂地のエリアとは違い、見通しが悪い上、隠れられる場所もある。現に昨夜、この辺りのエリアでゲネポスに襲われた。

>ハイネ

>『背後には気ぃつけとけよ 。突然ゲネポスに噛まれ て麻痺って、チーンって なることも少なくないん だからな』

>シン

>『マジで』

>そんなことを話していると、2人の前に羽を持つヤツが天空より降臨した。

>ハイネ

>『ゲネポスじゃなかったな 』

>シン

>『ホント、どこにでもいる な』

>その正体はランゴスタだ。すでに見慣れたその黄色いボディ。密林や雪山で何度も目撃した。

>ランゴスタはハイネたちをロックオンしたらしく、腹の針をつきだし攻撃姿勢をとっている。

>シン

>『ランゴスタ1匹ぐらい、 オレで十分だろ』

>シンが双剣に手をかける。まだランゴスタは双剣の攻撃範囲外にいる。

>シンはカウンターで決めるつもりだ。

>しばし動きを止めていたランゴスタは、熱風の風が吹くと同時に急降下する。

>シン

>『───』

>動きを見切り、斬り込む。毒針に気をつけ、2つの剣がランゴスタの腹を斬り裂く。

>連撃によって、ランゴスタはバラバラに砕け散った。シン

>『……』

>しかし、その時シンも倒れた。

>後ろで見ていたハイネがあわてて駆け寄る。

>ハイネ

>『シン、どした?』

>抱き起こしたシンは、少し振るえていた。麻痺の症状だ。

>ランゴスタを斬り裂いた時、砕けたランゴスタの毒針がうまく防具の関節に入り込み、シンの左肩に突き刺さったようだ。

>ハイネ

>『運悪いな、シン。ちょっ と我慢しろよ』

>ハイネは笑って、シンの肩に刺さったランゴスタの毒針を抜く。

>キズはそんなに深くないし、症状から見ても体内に入った麻痺毒は微量だろうと推測できる。

>しかし、倒したランゴスタの毒針が刺さるなんて運が悪い。

>ハイネ

>『ちょっと休んでろ。麻痺 は時間がたてば自然に回 復する』

>ハイネがシンを抱えて岩の陰へ場所を移す。

>とその時、何を察して来たのか、ゲネポスの一箇小隊が現れた。

>ハイネ

>『ちぃ…、空気読めよな。 こんな時に…』

>ハイネは岩を背にシンを下ろし、大剣のつかを取る。ゲネポスの数は6頭。

>シンを守りながらではちょっとキツい。それに背後は岩壁。逃げ道はない。

>ハイネ

>『ホント、シンってば運悪 すぎ』

>ゲネポスが横に展開する。両者、少しの沈黙を挟んで、ゲネポスの1頭がハイネに踏み込んだ時………

>ガードの体勢をとっていたハイネの前に、女が降ってきて、ゲネポスの首を切断した。

>ハイネ

>『』

>その女は静かに地に足をつけた。

>女

>『お~と、失礼』

>太刀と思われる武器を肩にのせ、ハイネに向き直る。ハイネ

>『…』

>頭の中で情報整理中…。

>シンが倒れて、ゲネポスに追い詰められて、絶体絶命の時に女が降ってきて、『お~と、失礼』。

>情報整理終了。

>以上をふまえて、一言。

>ハイネ

>『誰?』

>女

>『まぁまぁ、細かいことは 気にせずに、ね?』

>頭防具はつけていないので、その顔はよく見ることができた。

>赤毛のポニーテールで、肩にのせている武器は白銀の刀身と蒼白のつかの太刀。防具は赤色。

>ハイネは、この女は頭防具をしていないと思ったようだが、実際は“ピアス”という形で防具は装着されています。

>ハイネ

>『え~と…』

>ハイネは頭上を見上げる。背後に立ちはだかる岩壁の高さは目測で4、50m。『どこから降ってきたんだよ、この女』と思うハイネ。

>女は太刀をさやに戻して、シンを覗き込む。

>女

>『どうしたの、その子?ゲ ネポスにやられちゃった ?』

>背後でゲネポスが唸り声をあげているのに、この女は完全無視。

>ハイネはとりあえず、正直に回答する。

>ハイネ

>『ゲネポスじゃなくて、ラ ンゴスタに…』

>その時、痺れをきらせたゲネポスが女の背後から襲いかかった。

>女

>『邪魔』

>女はとっさにポーチの中に手を突っ込み、あるものを襲ってきたゲネポスに投げつけた。

>“投げナイフ”だ。

>一度の振りで2頭のゲネポスの頭に投げナイフが命中。その直後、そのゲネポスの頭が爆発した。

>ハイネ

>『』

>女が投げた投げナイフは、“起爆ナイフ”という命中直後に爆発する特殊なアイテムだった。

>残り3頭のゲネポスは一歩さがる。

>女は右手の指の間に起爆ナイフをはさんでゲネポスに向き直る。

>女

>『さぁ、帰った帰った』

>ゲネポスは女の言葉に従うように、背を向け去っていく。

>女

>『よしよし、あの3匹は利 口だね』

>何か満足したような口調で女は起爆ナイフをポーチにしまい、かわって別のものを取り出した。

>ハイネ

>『あの~』

>女

>『その子、ランゴスタに刺 されたんだよね。じゃ、 これ飲んで』

>女が取り出したのは麻痺毒の解毒薬だ。

>女は座り込んでいるシンにそれを飲ませてやる。

>その時にハイネは気づいた。その女の腕についてる黒いバックル。

>それは“黒曜金”といってブラックリストハンターの証である。

>ハイネ

>『あなた、ブラックリスト ハンターですか?』

>女

>『まぁね』

>女はシンに解毒薬を飲ませ、『もう大丈夫』と言って立ち上がった。そしてなぜか“秘薬”を2人分くれたのだ。

>ハイネ

>『い、いいんですか?』

>女

>『いいのいいの、気にしな いで。そこの坊やが目を 覚ましたら、飲ませてあ げてね。ハンターは助け 合いが大切なのよ』

>女はウインクしてそう言った。

>シンはまだ意識がボーっとしているようだ。

>ハイネ

>『あなた、一体…』

>??

>『お嬢おぉーー』

>ハイネの言葉をかき消して、頭上から大きな声がした。女とハイネは上を見上げる。

>すると、そこからアイルーが降ってきてハイネの顔面に激突。

>ハイネ

>『んがっ』

>アイルー

>『あ、すまんニャ』

>アイルーはハイネの頭に乗っかったままで話を進める。

>女

>『シャルル、見つかった? 』

>アイルー=シャルル

>『ニャ、あっちニャ』

>シャルルと呼ばれるアイルーは、ハイネの頭の上で持っていた棒(武器)を『あっち』という方角に向けた。その方角はまぎれもなく、“奥地”への向きだった。女

>『じゃ、もう行くね。気を つけてね~』

>シャルルがハイネの頭から飛び降り、女はそれを追うように去っていった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。