ファイナルハンターG   作:N_ローゼン

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灼熱下の死闘

>さんさんと降り注ぐ日光。雲一つない青空の中心には、太陽と呼ばれる球体が、惜し気もなく熱を地上へ送り続けている。

>物影が存在しない砂浜には、その太陽から送り込まれる熱によって一面陽炎が立ち上る始末だ。いや、影がないと言えば嘘になる。

>陽炎のモヤモヤの中、2つの人影がだらしなく立ちすくしていた。

>シン

>『ハイネ、暑い』

>片方の人影が、もう片方の人影に現状を報告する。

>ハイネ

>『ああ、暑い』

>もう片方の人影が、片方の人影の現状報告に対し、返事と復唱をかます。

>現在2人がいるのは、密林の砂浜のエリア。湖と隣接するこのエリアは、白い砂浜が広がり木々がほとんど存在しない。そのため太陽の日光が砂地に直撃、反射し、まるで小さい砂漠のような環境になるのだ。

>シン

>『なんでこんなに天気いい んだよ?』

>シンのこの嘆きは誰に向けられたものなのか?

>シンたちの言う通り、今日はものすごく暑いのだ。クーラードリンクはいらないまでも、身体の限界ギリギリの猛暑だ。身体的にはなんとかなっても、精神的にはかなりツラい。

>ハイネ

>『知らんよ。嵐の後だから だろ?』

>なんかやけくそになったハイネが、やけくそに答える。異常な暑さが体力とやる気を削り取る。

>砂浜がそんなに暑いなら別の場所に行けばいいじゃないか、と言われるかもしれないが、それがそうもいかないのだ。

>先ほどまで、2人は林の中をさ迷っていた。しかし、林の中はこの砂浜より過酷な状況だったのだ。照りつける日光はもちろんのこと、先日までの嵐のせいで恐ろしく湿度が高いのだ。つまり、蒸し暑い。

>それに比べれば、まだ風通しのいい砂浜の方がマシ…かもしれない。

>ハイネ

>『さっきからランポスも一 匹もいねぇじゃんか』

>シン

>『この暑さだから、ランポ スもぶっ倒れてんじゃな いのか?』

>ブツブツと文句をたれながら、湖の沿岸をのそのそと歩を進める。

>すると、その時、

>シン

>『な』

>突然シンが、砂の下から伸びたハサミに足首をとらえられ、その場に倒れ込んだ。

>そのハサミの正体は、砂の中から姿を現した。

>ハイネ

>『ヤオザミ』

>ハイネがとっさにシンの方へ振り向く。すると、その瞬間、ハイネの目の前から別のヤオザミが砂の中から両のハサミを突き立て、ハイネに飛びかかってきた。ハイネ

>『っ』

>ハイネはかがんで、紙一重でそれをかわした。

>シン

>『くぅっ…』

>ヤオザミのハサミはジリジリとシンの足首を締め付けていく。シンも防具がなければ、足首など簡単に切断されているところだ。

>倒れた状態であるため、反撃もままならない。

>ハイネ

>『シン』

>飛び込んできたハイネが、シンの足首をはさんだヤオザミの腕を大きく振り上げた大剣で叩き斬る。

>シンはとっさに足首のハサミを振り払い、立ち上がって体勢を立て直す。

>ヤオザミも2匹そろって敵意むき出しだ。

>シン

>『くそっ、ヒヤッとさせや がって』

>ハイネ

>『ま、暑かったところだし 、ちょうどいいんじゃね ?』

>ヤオザミ、小型の甲殻種で強固な甲殻と強力なハサミが特徴。そのハサミは、人体も余裕で切断できるほどに強力。

>ハンター2人は、ヤオザミ2匹とにらみ合う。

>ハイネ

>『まったく、ヤオザミ相手 にしてる場合じゃないっ ての。さっさとやんぜ』シン

>『そのつもりだ』

>ハイネが大剣を肩に担ぎ上げ、シンは片方の双剣をペン回しのように手首で一回転させる。

>と、余裕をこいてたのもつかの間。

>シンとハイネの周りの砂がごそごそとうずき始めた。シン、ハイネ

>『?』

>何かの気配を感じとった2人は、周りを見回す。

>するとそこから無数のヤオザミが砂の中から這い出てきた。

>『な…』と冷や汗とともに、無意識のうちに絶望の声をあげいた。

>それにしても、みるみる出てくる出てくる。あっという間に取り囲まれた。

>どうやらこの砂浜一帯に住んでいらっしゃるヤオザミ様一同がお集まりなってくださったようだ。

>ハイネ

>『どーする?逃げるか?』シン

>『逃げれるモンなら逃げた いけど、そうもいかない んじゃないか?』

>はかってかヤオザミ軍団は隙間まくシンとハイネを取り囲んでいる。無理に突破しようとすれば、返り討ちに合うのは目に見えていた。選択肢は用意されていなかったのだ。

>2人は互いの背を預けあった。

>ハイネ

>『死ぬんじゃねぇぞ。お前 が死んだら、またダチ探 さなきゃいけねぇからよ 』

>シン

>『なんでお前は生き残る前 提なんだよ?』

>ハイネ

>『オレには刀衆になるって “目標”があっからな。 そいつを持ってるやつは 、なかなかにしぶといん だよ』

>シン

>『ならオレも大丈夫だ。オ レにも“目的”があるか らな』

>目測で20匹ほどであろうか。どんどん増えている気もするが。

>とても心地よい殺気を放っている。

>ハイネ

>『んじゃ、ここを切り抜け た後で、ソイツを聞かし てもらうとするか』

>シン

>『断る』

>いざ、戦闘開始。火蓋は2人のハンターの一歩から切っておとされた。

>ヤオザミ軍団も散開して、各個に応戦する。

>シンの右の剣の一撃。ヤオザミの左のハサミの一撃。激突した両者の一撃は、ハサミの又に剣が交わっている構図だ。

>ハイネは大剣で右下から左上への斬り上げ。下方向からの攻撃で、ヤオザミは片方のハサミを失い胴体にも少々のダメージ。そしてそのまま振り上げた大剣を同じヤオザミに振り下ろす。ヤオザミは数で迫る。

>タイマンならシンたちも負けはしないだろうが、今は何せ数が多すぎる。

>複数のモンスターを単独で狩る場合の対処法も、一応は2人とも熟知している。シン

>『ハァ』

>ヤオザミのハサミを切り落とし、胴体に一突き。ヤオザミはうめき声とともにアワを吹いて生き絶える。

>ハイネ

>『4匹目ェー』

>大きく大剣を振り下ろし、ヤオザミのハサミを斬り砕く。

>藍色の返り血が2人の防具を染めあげる。

>シン、ハイネ

>『ハァハァ…』

>2人は息をきらした状態で再び背中合わせになる。

>ヤオザミの数は確実に減っている。それでも『たくさん』という言葉を使うには充分な数が健在だ。

>それに、そろそろ武器の切れ味が心もとなくなってきた。

>シン

>『チィ…、どうよるよ?こ のままじゃ、武器が使い 物にならなくなるぜ?』ハイネ

>『さぁ、ヤオザミの殻で磨 げばいいんじゃないか? 』

>無駄口をたたく間もなく、ヤオザミは迫ってくる。

>シンはジャンプでかわし、ハイネは大剣でガードする。そのままシンはヤオザミの甲殻の上に着地した。

>ハイネは大剣に取りついていたヤオザミを振り払い、そのヤオザミの甲殻に縦斬り。

>『バキンッ』という鈍い音。無残にも大剣は弾かれてしまった。やはりヤオザミと言えど甲殻は堅かった。と、そんな余裕もかましてられない。

>ハイネの大剣を防ぎきったヤオザミは、体勢を崩したハイネの間合いに回り込み、ハイネの左手首をハサミで挟み込む。

>ハサミ

>『っ』

>そしてもう片方のハサミで、アッパーの要領でハイネの腹を突いた。

>シン

>『ハイネ』

>シンがすかさず駆け寄り、回転斬りで、ハイネの手首と腹をとらえているヤオザミのハサミを斬り裂く。

>シン

>『大丈夫か?』

>ハイネ

>『ちょっと痛かった…』

>ハイネが腹を押さえて片膝をつく。

>先ほどのヤオザミの一撃、大きな傷にはなっていないものの、ダメージ的には大きかったようだ。

>ヤオザミどもはアワを吹き、ハサミを高らかに振り上げて、威嚇のポーズをとっている。

>シン

>『…』

>まだヤオザミは当初の半分以上が残っている。それに対しシンとハイネの体力、スタミナ、武器の切れ味は持ちそうにない。

>状況は最悪に向かって一直線だった。

>その時、

> 『バキッ、グチャッ』

>と、2人の背後から奇怪な物音が聞こえた。何かが割れた後、何かがつぶれたような、そんな音だ。

>2人はゆっくり首を回す。『ア゛ア゛ア゛ァーー』、聞き慣れた甲高い鳴き声。2人の眼に飛び込んできたのは、見慣れたランポスよりも一回り大きな体格、頭部に目立つ赤いトサカの鳥竜種。ドスランポスだ。

>シン

>『…』

>ハイネ

>『あっちゃ~』

>あっけにとられるシンとハイネ。

>ドスランポスは、ヤオザミをその強靭な脚で踏み潰していたのだ

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