ハイネ
>『へぇ、皆さんHR6なん ですか』
>HR6といえば、一般的に一流ハンターと呼ばれるレベルで、10年以上の経験、修行、時間が必要とされている。ただ例外も多々ある。
>そして、今目の前にいる3人。
>どう見てもまだ20代。
>その若さでHR6とは、驚くばかりである。
>
>今は船の上。
>船で密林に向かっている。密林は、巨大な湖に面したところにあるので、そこまで船で送ってもらうのだ。スティング
>『お前たちは何を採りに行 くんだ?』
>長槍を持ったスティングがハイネとシンに聞いた。
>シン
>『特産キノコです』
>シンがクエストの詳細が書かれた紙を取り出して言った。
>ハンターがクエストに出る際、そのクエストの詳細が書かれた用紙を渡されるのだ。
>支給品は現地に着いた時に渡される。
>アウル
>『キノコか。確か洞窟ん中 にいっぱいあったよな』ステラ
>『うん。イャンクックが寝 るとこ』
>教えてくれるのはありがたいが、2人にはどこのことを言っているのかさっぱりだ。
>スティング
>『バカ野郎。こいつらは初 めてなんだぞ。んな具体 的なこと教えてもわかん ねぇだろ』
>アウルとステラは『そうか』と呟いた。
>スティング
>『いいか、お前たちが拠点 とするキャンプ地に崖か らつたが垂れ下がってん だ。それ登ってしばらく 行くと洞窟の入口がある 。そこを入るんだ。でも さっきステラが言ったみ たいにそこは大型のモン スターの休息ポイントで もある。気をつけねぇと いきなり死んじまうぞ』その場所への行き方、さらに忠告と、いろいろ詳しく聞かせてくれた。
>見た目より優しい人だと、シンは思いを改めた。
>だってスティングって、目付き怖いもん。
>シン
>『脅かさないでくださいよ 』
>シンが苦笑いする。
>ハイネ
>『見えてきたぞ、シン』
>ハイネが船の外、近づいてくる大陸を指差す。
>一面、緑の大地だ。
>シン
>『…』
>見ているだけで気が引き締まる。
>シンもハイネも、またアウルたち3人組も同じ気持ちだった。
>スティング
>『上陸するぞ』
>船を砂浜に引き上げる。
>船といっても、木オンリーで造ったいかだだが。
>そこには別のハンターたちが使用したと思われる別の船(いかだ)が4つあった。スティング
>『よし、ここからは別々だ な』
>スティングが一番に砂浜に降り立つ。
>アウルは弓を背中に、矢のケースを腰に備え付けスティングに続く。
>ステラはもとから二本の剣を背負っていた。
>アウルに続く。
>見たとおり、スティングはガンランス、アウルは弓矢、ステラは双剣だ。
>今になって気づいたが、3人とも、武器も防具も、シンやハイネの知らないものばかりだ。
>シン
>『皆さん、ありがとうござ いましたぁ』
>シンは船の上から叫んだ。ハイネ
>『またいつか』
>ハイネもシンに続ける。
>ステラとアウルはこちらを向いて手を振っていたが、スティングは振り向かず、手をあげる。
>アウルたちは上位クエストを受けたので、指定地は密林ではなく、密林奥地となる。
>上位レベルのハンターになれば、下位ハンターが狩りを行う場所よりもさらに奥になるのだ。
>もちろん、それだけモンスターは強く、下位ハンターは奥地への立ち入りを禁じられている。
>もし入れば、文字通り、生きて帰ってこれない。
>ハイネ
>『よし、オレたちも行くか 』
>ハイネは気合いを入れ直すように、シンの方を見る。シン
>『お、おう』
>眼前に広がる緑の大地に目をうばわれていたシンが、ぎこちない返事をした。
>確かに、見てとれる3つの風景は目をうばわれるほどに美しい。
>青く澄み切った空、エメラルドブルーに広がる海、そして翠したたる山々。
>天候も快晴なので、ハンターデビューの2人には、まさに最高のスタートだ。
>ハイネ
>『さっき言ってたとおり、 これは賭けをふまえた競 争な。このクエストの制 限時間は24時間。その間 に特産キノコを20個採っ て、ここに戻ってくるこ と』
>クエストには、そのクエスト内容に応じて制限時間が定められている。
>今、シンたちが受けたクエストの制限時間は24時間。上位クエストになれば、1週間や2週間、場合によっては1ヶ月というのもザラにある。
>シン
>『約束通り、負けた方は契 約金を全額ゆずる、で問 題ないな?』
>このクエスト内容は、24時間以内に特産キノコ20本の納品だ。
>そして、負けた方は契約金をすべてゆずる。
>クエスト成功後、契約金は倍となって返ってくるので、それをすべてくれてやるということだ。
>ハイネ
>『当たり前よ』
>自信気に言ったシンに、同じく自信気に返すハイネ。互いに勝つ気でいる。
>まぁ、2人とも、負けた時の悲しみを考えるのではなく、勝った時の喜びと相手を蔑む悦びを考えている。いわゆるポジティブ思考。ハイネ
>『もしクエストが成功しな くても、24時間後にはこ の場所に戻ってくること にしよう』
>シン
>『つまり、遅くても明日の 今ごろには決着がついて るってことか。ジョート ーだ』
>お互いに手を握る。
>ハイネ
>『じゃ、スタートだ』
>握っていた手を離し、軽く叩きあって、お互い別々の道をいく。
>目の前には、スティングが言っていた、崖から垂れ下がっているつた、があったが、2人はあえてそれを使わなかった。
>
>アウル
>『なぁ、スティング。あの 2人どう思う?』
>アウルたちは、上位クエストの拠点となる、密林奥地のキャンプ地を目指して歩いていた。
>スティング
>『どう、とは?』
>先頭を歩くスティングは振り向かずに言ったが、機嫌はいいようだ。
>アウルとステラにはわかる。
>アウル
>『だから、ハンターとして やっていけるかってこと 』
>スティングは数秒の間隔をあけて、
>スティング
>『大丈夫だ』
>と言った。
>スティングが根拠のない言葉を口にするのは珍しい。さすがにアウルも驚いた。なぜかスティングには、その言葉が頭に浮かんできた。いや、その言葉しか浮かんでこなかったのだ。
>ステラも笑顔でうなづいている。
>
>勢いよく駆け出したシン。行き着いたのは、林の中。視界はあまりよくない。
>細長い木が立ち込める林を、シンはそれをなぎ倒しながら進んでいく。
>シン
>『あ~、ウザい』
>木の葉が顔にあたる。
>痛くはないのだが、最高にウザい。
>シンは木の葉に対し、無駄にキレている。
>すると、深緑の視界の中に動く青い物体が現れた。
>そこから『ギャオウ』と、鳥の鳴き声のような声がする。
>鳥竜種の一種、青い鱗が特徴のランポスだ。
>シン
>『モンスターか』
>シンはすかさず両手に双剣をとる。
>新人ハンターのシンであるが、少しのモンスターの知識ならある。
>もちろん、目の前にいるランポスの知識も。
>シン
>『さぁ、初ハントだ』
>シンは双剣を攻防一対の構えをとり、いざ狩り開始。