機動戦士ガンダム 水星の魔女 ドローン戦争(大嘘)   作:妄想設定家

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本当のドローン戦争が始まった日

「デリング総裁、あなたはよく私の計画を受けれいましたね。保険は掛けていたとはいえ、その場で殺しにかかられることも覚悟していたのにやけにあっさり受け入れるものだから、拍子抜けしましたよ。」

 

「エルノラ・サマヤか。その理由など単純だ。私にとってドローン戦争の再発を防ぐということが、貴様という復讐者を招き入れる危険性より遥かに優越するというだけだ」

 

いまでも思い出せてしまうあの地獄の戦場をこの世に再び生み出さないためになら、私はどんなことでもするし、やってきたのだから。

 

 

■■■年■■月■■日

ドローン戦争中期 ある戦場 デリング隊

 

「デリング隊長!敵機20!また、すべてドローンです!」

 

「ドローンなら型に嵌めれば、どうとでもなる。フォーメーションを崩すなよ!」

 

ドローンには臨機応変さが足りない。

攻撃の狙いは正確だが、狙いがわかり易すぎて少し戦場を経験したパイロットであれば簡単に回避するか盾で防ぐことができる。

防御面は更にお粗末で、速力に任せた回避行動しか取れない。本当に最初期は盾で防ぐコンセプトであろうドローンもあったが、盾で攻撃受けた後の判断が遅すぎてただの的になっていた。

 

「敵機すべて撃墜しました。やりましたねデリング隊長!俺たちの隊の被害ゼロですよ!」

 

ドローンのAIは搭載されたセンサーで戦場の情報を私達などより遥かに多く知ることができる。

だが、知った情報を判断へとつなげるスピードがあまりに遅すぎた。

撃墜された後になって最適な戦術機動を導き出してもなんの意味もないのだ。

 

「気を抜くなよ。ドローンは私達の体力を消耗させるために使い捨てるのが敵の戦術だ。あと数回のドローンの波状攻撃の後、有人機の精鋭部隊が来るはずだ。」

 

戦場の主役は人間。

それがまだまだ続くと私は考えていた。

だが、そうではなかった。

 

「司令部よりBフィールドを守備する全部隊に警告。Aフィールドの守備隊が全滅した。敵の新型ドローンが原因だ。Bフィールドに向けて移動を開始している。攻撃に備えよ」

 

司令部からの警告とともに敵ドローンのデータが送られてきた。

機動力は今私達が撃墜した旧型の2倍近いがそれは問題ではない。

本当に問題なのは

 

「隊長。新手は対ドローンフォーメーションが通じないようですね」

 

「学習したということなのだろうな」

 

だが違和感がある。

私たち側でも当然ながらドローン兵器は実用化され運用されているし研究されている。

昨日話した技術者達いわく

 

「現在のAIの学習システムではリアルタイムで学習して実践することなどできない。事前に学習したことを学習した状況になれば実践できる程度が精々だ。人間が行っているその場その場の判断を行うAIを今の人類は実現できていない」

 

とのことだった。

実際対ドローンフォーメーションはドローンが事前学習した状況を意図的に作り出すことで、行動を誘発し撃墜することが基本的な考えだったし、今のドローンにもそれが通用していた。

 

「隊長、敵ドローン接敵まで後5分です。どうします?」

 

「対ドローンフォーメーションが通じないなら、有人機相手と思ってやるしかないだろう。幸いなことにAフィールドの味方の善戦により敵機の数はこちらより少ない、バディーを崩さずやればどうとでもなる」

 

そして私達はそのドローン達と会敵した。

ドローン戦争をドローン戦争たらしめる最悪の始まり達と

 

「隊長、こいつら本当にドローンですか!?」

 

ラジャンの言うとおりだ。

こちらの一定の行動に対し、自動的に一定の行動パータンを返してくることがある。という点ではドローンらしさがあるが、次同じ行動をして嵌めようとしても対応される。

部下たちの練度が高いおかげでこちらが優位に戦況をすすめているが、部下がすでに2機落とされている。

 

今までのドローン相手では考えられない被害だ。

 

「遠隔操作型を疑いを司令部に進言し、遠距離通信は完全にジャミングしてもらっている以上スタンドアローン型のドローンで間違いないはずだ」

 

敵機の機動は人が耐えることができるものを超えている。

である以上ドローンであることは明白なはずなのだが、敵ドローンの動きにどうしても人間味があることを感じてしまう。

例えば敵ドローンを撃墜すると他の敵ドローンの行動に動揺がでる。

機動が多少乱れるくらいなら、データリンクがなくなった事による影響かと思えるが、交戦中の相手を無視して、ドローンを撃墜した機体へ攻撃を仕掛け、隙を晒して撃墜される様など、まるで訓練されていない新兵の行動を見ているようだ。

 

今も残っていた2機の内1機を撃墜した瞬間に残った1機の動きが露骨に鈍った。

お陰で安々と最後の1機を撃墜できたわけだが、

 

「デリング隊長、これからの敵のドローンがすべてこれに置き換わるなら、まずいことになりますよ」

 

人間の限界に縛られないドローンは機体の限界まで速度を出せるようになるはずだ。

私達より速く動き、私達より早く判断する。

そんなAIが生まれようとしているのか?

 

その時の私は間抜けにもそんな事を考えていた。

人が、いや国家という化け物が戦争の狂気にのまれたならば、どんなことでもやるのだという実感が全く持って足りていなかったのだ。

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