ひろがるスカイ!プリキュア ~天駆ける若き王者~   作:リュオネイル

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はい、今回から原作アニメ第2話です!

では、どうぞ!


ヒーローガールと王子、異世界のお家にお邪魔する

「ふわぁ~……ここが、ましろさんのお家!? もしかしてましろさんって、この世界のプリンセス!? ましろ姫ですか!?」

「なんと!? そうだったのか!?」

「えぇ!? そ、そんなんじゃないよ……!」

 

 俺たちは今、先ほど知り合った虹ヶ丘ましろの屋敷のような大きさの家の前にいる。 なぜ今ここにいるのか? それは今から数十分ほど前くらいまで遡る。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

「そ、そうでした……ここは夢の世界で、スカイランドへ帰る方法が分からないんでしたね」

「しかもここへ来たのも、あのブタが生み出したあの穴からやって来たしな……奴がどこに行ったのか分からん以上、帰る方法もないに等しいからな……」

 

 ソラが俺の言葉を聞いてソラは困ったように言い、俺も解決策を思いつこうと思案に暮れていた時、ましろが申し訳なさそうに話してきた。

 

「あ、あの……ソラちゃん、エア君……困っているところ、ほんっとうにごめんなんだけど……」

「ん? どうしたんだ、ましろ?」

「どうかしましたか?」

「えっと……私たち、すっごく注目されてるよぉ!」

 

 ましろの叫びに似た声に周りを見渡してみると、騒ぎが収まって人々が戻って来たのかいつの間にか多くの人々が少し離れた距離でこちらを見ていた。 そしてソラは何かを察して前に歩み始める。そして手を振って人々に呼びかける。

 

「皆さーん! 安心してください、もう安全です!」

「そ、ソラちゃん……!」

「なるほど……先ほどの騒ぎで、いまだ困惑していたというわけか。 さすがはソラ、ヒーローを目指すだけはある」

「エア君も、納得してないで……! ソラちゃん、あのね……!」

 

 ましろがソラに何か言おうとした時、どこからかサイレンのような音が聞こえてきた。

 

「? 何の音ですか?」

「わぁあ……!? お、お邪魔しました~……!」

「ん? お、おいましろ? どこへ行くんだ?」

 

 その音を聞いた途端、ましろはそそくさとこの場から逃げるようにソラを押しながら早足に歩いていく。 俺もその後ろをついていった。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 それから数十分後、たどり着いたのが貴族が住まうほどの大きな屋敷のような家――ましろの家だったということだ。

 

「(つい家まで連れてきちゃったけど、これからどうしよう……おばあちゃんになんて言えば……)」

 

 ソラの驚きにましろは苦笑して否定し、扉の前で何か考え事をしているかと思ったら、扉が急に開いた。

 

「うわぁ!?」

「ましろさん、おかえりなさい」

 

 扉から出てきたのは、眼鏡をかけた穏やかそうなおばあさんだ。 ……しかし、なぜだろう。 このおばあさんとは、会ったことはないはずなのに、見覚えがあるのは……?

 

「お、おばあちゃん!? こ、これ絶対信じてもらえないと思うけど聞いて! この子たちが空の上からピュー!って、それからモンスターがバーっ!って、それからそれから、キラキラってなってウワァーっ!って……!」

「大変だったわねぇ」

「「っ!」」

「さ、お上がりなさい」

 

 ましろの身振り手振りによる説明を受けながら、おばあさんはソラとエル、そして俺を見ながら家に上がるように言う。

 

「え? えぇ!? 自分で言うのもなんだけど、今の説明でOKなのおかしくない?」

「ふわぁ……」

「恐らく、おおよその見当を察したんだろう。 その上で、俺たちを受け入れてくれるとは……ましろは、良き祖母を持ったな」

「……お邪魔します」

 

 おばあさんの許可を得て、家の中に上がっていく。 そして今のソファーにおばあさん、ましろ、ソラとエルと俺がそれぞれ座り、現在の状況を整理していた。

 

「スカイランド……こことは別の世界があるだなんて……まだ信じられないよ」

 

 頬を摘まみ、何度も引っ張り現実だと実感するましろ。 俺もまさか、こんな魔法のような世界が存在しているなど、城にいたときは想像だにもしなかったのだ。

 

「私だって、自分が別の世界にいるだなんんて信じられません。 ……それに」

「プリキュア、についてか」

「っ! エア君、何か知ってるの!?」

 

 俺が呟いたプリキュアという単語にましろが食いつき、俺の方を見てきた。 ソラも目を見開いて俺を見ていた。

 

「知っている……というわけではないが、以前城の文献にそのような言葉を見たことがあってな。 ソラが変身したのは、それではないかと」

「そう、ですか……」

「……ねぇおばあちゃん、お部屋の百科事典にプリキュアの事何か載ってない? お願い、調べてあげて……」

「私の事より、この子とエアさんをお家に返してあげられる方法を見つけるのが先です」

 

 ソラの言葉におばあさんは驚き、俺もソラの方を見やる。

 

「約束したんです。 パパとママの所に、返してあげるって!」

「ソラ……」

 

 自分の身に起こった事よりも、エルとの約束を優先するとは……ソラ、君はやっぱり……。

 

「ヒーローは泣いている子供を、絶対に見捨てません!」

「えぅっ!? あぁぁあぁ~っ!」

「あぁむしろ泣かせた~!?」

「何をやってるんだ、ソラ?」

「あぁっ、ごめんね、ごめんね!?」

 

 ソラの大声にそれまでソラの腕の中で寝ていたエルが驚いて泣き出し、何とかあやそうと奮闘する俺たち三人。 しかし、泣き止むどころかさらに泣き出し、状況は悪化するばかりだった。

 

「もしかしたら、お腹が空いてるのかも!?」

「それだ! ミルク買ってくる! でも、ミルクってコンビニに売ってるの!? 味の種類とかあるの!?ど、どどどうすれば……!?」

「は、母親はいないのか!? 赤ん坊は、母乳を飲むものだろう!?」

「お母さんは今、お父さんと海外出張中で今はいないんだよぉ!」

 

 慌てる俺達とは正反対におばあさんは静かに言葉を紡いだ。

 

「キッチンの棚、一番下に粉ミルクとマグがあるわ」

「えぇ!?」

「き、キッチンですか!? わ、分かりました! ましろ、キッチンはどこだ!?」

「え、えぇと……案内するね!」

「ミルクは人肌の温度でね。 フフッ」

 

 ましろの案内によってキッチンにたどり着き、おばあさんの指示通りの場所に粉ミルクとマグがあり、その場で作ってエルの所まで持っていった。

 

「……ぷはぁ!」

 

 ソラの言うとおり、エルはお腹を空かせていたらしく、ミルクを飲ませると満足そうにしていた。 そしてある程度飲ませると、マグをましろに渡し、エルを抱き上げて背中を軽くトントンと叩く。

 

「けぷっ」

「わぁ……すごぉい!」

「流石、年の離れた弟がいるソラだな。 手慣れている」

「はい!」

「そうなの? でもやっぱりすごいよ!」

 

 ましろはそばで見ているおばあさんに向き、疑問に思っていたことを口にする。

 

「ところでおばあちゃん、どうして家に粉ミルクとマグなんてあるの?」

「おむつもあるわよ」

「えぇ~!?」

「もしや、ましろの赤ん坊の頃の……」

「いや私もう中学生なんだけど!? 仮に私のだとしても、賞味期限とか色々やばいよ!?」

「……出会いに偶然はない。人と人が巡り合うこと、それはいつだって必然……運命……物語の始まり……」

「……? おばあさん、それはどういう……?」

 

 おばあさんの言葉に俺は首をかしげる。 ソラとましろも、顔を見合わせて困惑していた。

 

「あなた達の世界に戻る方法が見つかるまで、二階の空いている部屋を好きに使ってちょうだい」

「って、ちょっ……おばあちゃん!?」

 

 困惑する俺たちにそう言って居間から出るおばあさん。 いまだ困惑していた俺達だったが、再び寝たエルの事もあり、とりあえず俺たちは二階に上がり、エルを揺り籠に寝かせた。

 

「お家から攫われて、別の世界に放り込まれて、モンスターに狙われて……大変な一日だったね」

「あの……ましろさん、この部屋本当に使わせてもらっていいんでしょうか?」

「おばあさんのご厚意とはいえ、一気に二部屋も使われるのは、そちらも何かと不都合が……」

「いいんじゃないかな? エア君だって、ソラちゃんの部屋の隣にしてるし」

「ごめんなさい。 私、出来るだけ早く出ていきますので……」

「えぇ!?」

 

 ソラの発言にましろは驚く。 俺もソラの言葉に口を挟んだ。

 

「待てソラ、それなら出ていくなら俺の方だろう」

「ちょっ」

「な、何でですか?!」

「エルはソラに懐いているし、そのソラが出ていくのはよろしくないだろう。 それに、ソラはヒーローを目指しているとはいえ年端のいかない少女だ。 俺も王子である前に男だ。 女性を野宿させるような真似はさせられない」

「そ、それを言うならエアさんだってエルちゃんのお兄さんですよ! 他人の私より身内のエアさんがそばにいた方が……!」

「あの」

「エルにとって同性の方が色々と楽だろうし、年も離れている。 ソラはそういうのは手慣れているから、問題はないだろう」

「だとしても、エルちゃんにとってこっちの世界で唯一の家族なんですよ! その貴方が、エルちゃんのそばを離れたら!」

「だから……!」

 

「タァーイムッッ!!」

 

 俺とソラの言い合いが白熱した時、ましろが俺とソラの間に入り、両手を俺たちの前に突き出し、小声で止めた。

 

「ま、ましろさん……?」

「ど、どうした?」

「……二人とも、エルちゃんが起きちゃう」

「「…………あ」」

 

 ましろの指摘に俺とソラは口を閉ざし、申し訳なさに顔を俯く。 そんな俺たちにましろは微笑みながら言葉を紡ぐ。

 

「大丈夫だよ。 二人が出ていく必要なんてないし、迷惑だなんて……」

「ましろさん」

 

 ソラはましろの言葉を遮り、片膝をついて頭を垂れた。 その様はまさに忠誠を誓う騎士のようだ。

 

「今日の御恩は、決して忘れません。 今より私、ソラ=ハレワタールは、ましろさんを守る騎士となり、全身全霊忠義を尽くし、貴女をお守りすることを誓います」

「ハハハ……時代劇かな?」

「ましろ……いや、ましろ殿」

「ましろ殿!?」

 

 ソラの誓いの言葉に苦笑しながら突っ込むましろに、俺はましろに頭を下げる。

 

「異世界より来た我らを受け入れたその度量、そして気遣うその優しさ、私は痛く感銘を受けた。 この恩、必ず貴殿に返すと約束する。 無事に帰ることができた暁には相応の褒美を……」

「い、いいから! 私、そういうのは本当にいいから!?」

 

 俺の感謝の言葉にましろはブンブンと両手を振って遮り、俺とソラに頭を上げるように言う。

 

「じゃあ、どうすれば……?」

「この、感謝の気持ちを……」

「う~ん……あっ! なら、友達……なんていうのはどうかな?」

「っ! ~~~~っ! はいっ!」

「友、達……友達か……ましろ殿がそれでよければ」

「う、うん……あ、あと『殿』はいらないかな? それと、着替えはとりあえず私のジャージ……あ、でもエア君の着替えどうしようかな?」

 

 ましろがあぁでもないこうでもないと色々と考えているうちにソラはうつらうつらとなっていき、ソラを誘導して寝かせた。

 

「まぁ、足りないものとかあったら、私隣の部屋にいるから……ぁ」

「……どうやら、大変だったのはエルだけではなかったようだな」

「そうだね……無理ないよね。 おやすみ、ソラちゃん」

 

 ましろはそう言ってソラに布団をかぶせ、俺とましろもそれぞれの部屋へ戻り、その日を終えた。

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 翌朝、気持ちよく目が覚めた俺はソラ達と食卓を囲んでいる。 エルはましろに抱かれ、ミルクを飲んでいる。

 

「ぷはぁ!」

「いっぱい飲むね! 粉ミルク買い足した方がよさそう……。 えっと、確かこんな感じかな?」

 

 ましろは不慣れな手つきでエルの背中をトントンと軽く叩く。

 

「けぷっ」

「わぁぁ……!」

 

 げっぷさせることに成功したましろは喜んでいた。 その横で俺とソラは朝食をいただいていた。 朝ごはんの内容は白ご飯に味噌汁、卵焼きに焼き鮭にほうれん草のお浸しという和食だった(なお、名前はおばあさんから聞いた)。

 見たことのない食材の数々にソラはおそるおそる鮭を一摘みし、口に含んだ。

 

「んっ! う、うっう……うっまぁ~いっ! なんですか、この魚!? 臭みがなくて歯ごたえプリプリ! 甘味がブワァ~!と口の中に広がって! 目の前に大海原が広がっているようです!」

「グルメレポーターかな?」

「うん、確かに美味いな……特にこの味噌汁、俺は好きだな」

「ふふっ、どんどん食べてね」

「はい! いただきます!」

 

 ソラは赤い木の実のようなものを掴み、口の方に運ぶ。

 

「あ、それは……」

「あ~ん! ……っ!? ~~~~~っ!!!??」

「ど、どうしたソラ!? まさか、今の赤い木の実に何か毒性が!?」

「あ~……梅干しはハードル高めだったかな?」

 

 赤い木の実を食べた途端、ソラが急に悶え始め慌てる俺。 そんな俺たちを見てましろは予想通りといった感じの様子だった。




はい、今回は原作アニメ第二話の前半パートでした!

いやぁ今週のヒロプリ、曇り要素多めの回でしたね……次回で晴れると思うので安心ですが、シャララ隊長にはぜひ生還してほしいものです。あと、ヒーローものでよくある展開として追加戦士登場というのもあるのですが……前作のデリプリでも登場してたので、今作でも登場するといいですね!

さて、本小説の主人公の容姿ですが……次回で書こうと思います!

では、今回はここまで! また次回~!
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