担当ウマ娘をこれでもかと甘やかす(イチャイチャする)話   作:瀧音静

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僕にはこれ位が限界だったよ……。


マンハッタンカフェ

「トレーナーさん……お願いが……」

 

 マンハッタンカフェと共に――アグネスタキオンとも一緒になって歩んだトゥインクルシリーズ三年間。

 無事に走り切り、年末の有馬記念も無事に勝利を飾ってくれて。

 年度代表ウマ娘に選ばれた担当の、必要な書類を整理していた時の事。

 珍しく、カフェからトレーナー室へとやって来て、俺にそう伝えてきた。

 どうしたの? と問えば、

 

「三年間経つと……ウマ娘はトレーナーさんに甘える権利が貰えると……聞きました」

 

 真っ直ぐに俺の目を見ながら。

 俺は初耳な事を言ってきて。

 

「なので……甘えに……来ました」

 

 少し頬を赤らめながら、目線を逸らしてそう宣言したマンハッタンカフェは。

 俺の様子を探り、自分の主張を通してくれるかを待っている。

 俺は手に持った書類を机に置いて立ち上がり。

 いいよ。何がしたい? とカフェへと手を伸ばす。

 

「では……コーヒーを……」

 

 俺の行動に顔が明るくなったカフェが、甘える内容を口にして。

 コーヒーだな! と淹れようとすると、

 

「淹れるので……待っていてください……」

 

 手を引かれ、ソファに座らされ。

 カフェが、トレーナー室にあるコーヒーミルへと駆けていき。

 これまたトレーナー室に置かれている数種類のコーヒー豆を、慣れた手つきでミルの中へ。

 そのままカフェの手によって挽かれ、カフェの手によって淹れられたコーヒーの入ったカップが、目の前へ差し出される。

 ありがとうと言って受け取って、香りを楽しみまずは一口。

 香りは芳醇。酸味が控えめで、舌の根に確かに苦みは来るが、長くは続かずスッと消える。

 とても飲みやすく、美味しいコーヒーだった。

 

「お気に……召したでしょうか?」

 

 不安そうに俺の表情を窺うカフェに、とても美味しい事を告げると、やっぱり笑顔に。

 そうだ! カフェが有馬記念を勝った時に学園から貰ったクッキーが合いそうだ。

 カフェに、机の引き出しからクッキーの入った缶を取って貰い、それをコーヒー受けに。

 そして、立ったままのカフェに座らないのか? と尋ねると、

 

「では……失礼します……」

 

 と、俺の膝の上へ。

 一瞬戸惑ったが、これも恐らくは甘える行為の一環。

 ならば俺が拒否する理由はないと、カフェを受け入れて一緒にコーヒーを楽しむ。

 カフェにクッキーを取って貰おうと声をかけると、

 

「……どうぞ」

 

 と、俺の口元まで運んでくれて。

 お礼を言って咥え、一口で全て口の中へ。

 それを見てふふっと笑うカフェの頭を、俺はゆっくりと撫でてやった。

 

 

 コーヒーも飲み終わり、クッキーも食べ終わって何をしようと思っていると、カフェから、

 

「トレーナーさん……尻尾の……手入れを……」

 

 と要望が。

 やった事無いよ? と言うと、

 

「クリームを馴染ませて……拭き取って……ブラシで梳くだけですから」

 

 だそうで。

 まぁカフェの頼みを断る理由も無いし、いいよと答えると。

 

「では……お願いします」

 

 と、俺の膝から降りてソファに座り。

 代わりに、自分の尻尾を俺の膝の上に乗せる。

 そして、持って来たポーチからブラシとクリームとを取り出して、俺に渡してくる。

 受け取り、クリームを手に出して……。

 どれくらいが適量か分からないが、とりあえず少ない方が失敗は無いか、とやや控えめに。

 両手を擦り合わせ、馴染ませたら、カフェの尻尾へと塗っていく。

 

「汚れや油を絡め……浮かせるクリームなので……最後は拭き取らないといけません」

 

 と、塗り込んでいる間に次の手順を教えてくれるので、拭き取りようのタオルを用意。

 これは、塗り込んだ後は時間を置いた方がいいの? と尋ねると、

 

「五分ほど……このままです……」

 

 だそうで。

 手に付いたクリームを先に拭き取りながら、カフェの頭を撫で。

 そうして時間が経つまでを過ごすと、

 

「そろそろ……」

 

 と言うのでタオルでしっかりと拭き取っていく。

 尻尾の毛に沿い、タオルを滑らせ。

 ゆっくりゆっくり、丁寧に。

 そうして拭き取ると、カフェの尻尾は光沢感が出て、まるで濡れているかとすら思うほど。

 こんなになるんだなと言うと、

 

「タキオンさんの……自信作だそうなので……」

 

 カフェ自身も、自分の肩越しに尻尾を確認し、少し驚いている様子。

 正直、タキオンが作ったものという事で効果は半信半疑だったそうだ。

 ただ、こうして奇麗になっているのを見て、

 

「あの方も……たまには良いものを作るんですね……」

 

 と感心していた。

 さて、クリームは拭き取り終わったし。次はブラシで梳くんだっけか?

 ブラシを持つと、梳きやすい様に尻尾を持ち上げてくれ、それに手を添えてゆっくりと梳いていく。

 そうして、元のカフェの尻尾の毛並みになるまで、何度も何度も繰り返してやるのだった。




お友だちが登場してない理由は、こんな甘い空間に居られるわけないからです。

と言うわけで次回予告。
 わずか四度の戦いで神話になった超光速の粒子。
 アプリで常に甘えまくってる超光速の粒子をもっともっと甘やかせたらいいなー。
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