鎧衣 左近と名乗る男性に連れられて篁は車の中にいた。
「で?何故私がキョウトに出向かないといけないんだ?」
「簡単ですよ。一週間前にあなたがやったブリタニア軍一個中隊撃滅、そして詳細が一切不明の新型KMF。それに興味を示さないほうがおかしいですよ」
「はぁ‥‥」
左近の発言に心当たりがありすぎる唯依はため息をついた。
そもそもオオサカゲットー内でさえ唯依がやったと知れ渡っているのに他の地域で知られていないわけがない。
(少々腑抜けていたか…)
そう思いつつ唯依は外を見た。車の外に自然豊かな樹海が広がっている。
ブリタニア軍による日本制圧後も富士を中心とした山脈遅滞はブリタニアの手は入っておらず富士山のサクラダイト採掘施設の他は小規模な都市があるのみであった。
転生してからはほとんど都市や廃墟にて生活していた唯依からすれば久々に見る自然の森。
今は悲惨な現実を忘れて自然を見たいという気持ちもあって景色を眺めていた所‥‥
「っ!?止まってください!」
「はい?分かりましたがどうしたのですか?」
突然慌てて車を止めるように言ってきた唯依の顔を見て左近も何かあると悟って車を止めさせた。
そして唯依は車を降りて先ほど見えた残骸に向かって走っていった。
(間違いない。あれはまさか‥‥!?)
そして目撃したのは‥‥
「戦術機…だと!?」
彼女が開発していないはずの二機の戦術機が残骸となってもなお何かを守るように擱座し、そのそばに三人の銀髪の少女が横たわっていた。
「おやおや…これはまた。なかなかな拾い物ですなぁ」
「言っている場合ですか!早く搬送するんです!!」
そう言われつつもいてもたってもいられず唯依は三人の少女を車に乗せていくように言い、キョウトに向かった。
数十分後
キョウト
「よくぞ参った、篁 唯依殿」
「は。桐原殿」
「…ほう。教えてもおらんのによくぞ分かったな?」
「政財界について勉強していた時期があったもので…」
ちなみに篁の父は軍の高官であったこともあって官邸に出入りしておりその付き添いに付き合わされて見たことがあったのだ。
「さて、おぬしに来てもらったのはほかでもない。ある者がそなたと会いたいと言っておってな?」
「ある者?」
その言葉に唯依は頭を傾げたが‥‥
「うむ。入ってこい」
「失礼いたします」
「っ!?」
前世の記憶がある唯依は桐原の呼ぶ声にこたえて入って来た女性の顔を見て驚愕した。
「初めまして、煌武院悠陽と申します」
そう。マブラヴ世界において政威大将軍の地位におり、さらに日本の象徴的立場であった煌武院悠陽だったのだ。
「は、初めまして!篁唯依と申します!!」
唯依は驚き半分パニック半分という状況下であったがしっかりと挨拶を返した。
「ふふふ…。そんなにかしこまらなくても構いませんよ?」
「はっはい!!」
そう言いながら悠陽は唯依のそばに来て…
「篁さん、あなたを呼んだ理由を御話しましょう。お願いがあるのです」
「お、お願いですか?」
「戦術機…あの兵器の技術提供とブリタニアへの抵抗勢力への参加です」
「う、ううん…こ、ここはいったい?」
次回 結成