爆豪勝己はそんな事言わない!!   作:荼枳尼天

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おひたし


オリ主としてこれからどうすんのよ。

 

 

 

 

 ぴょこんぴょこんと、毛が跳ねる。

 アホ毛と呼称されるソレは爆発頭と並んでもなお一際大きい存在感を放っていた。

 隣の爆発頭、爆豪勝己と同じ白金色のアホ毛は本人の感情に反応してるのかしていないのか様々な反応を見せる。

 

(……悩みでもあンのか?)

 

 爆豪’sアーカイブでは、裂散が悩んだりするとアホ毛の先端が宙に円を書くと記録されている。

 それは今まさに起こっている現象であり、そして同時に全く起きたことのなかったことであるから、流石の爆豪も困惑している訳である。

 

「う、うみゅう…わ、わからんのよ…この裂散の頭を持ってしても…わからんのですよ…」

 

 まあ、アホ毛の様子など関係ないほどに感情が表面に出ている訳だが。

 

「裂散。いくら悩もうがバカがバカなのは変わンねェぞ」

 

「なにをぅ!!あたしバカじゃねえし!この前の模試だって雄英行けそうだったし!!!」

 

「行けなきゃ困る。てか勉強できたとしてもテメェはアタマが回んねだろが」

 

「ま、回るし!!」

 

 そこで裂散が物理的に頭を回そうとし始めるが先んじて爆豪が「首痛めンぞ」と頭を掴んで止める。

 当然の帰結として爆豪の指の間から飛び出たアホ毛だけが回り始めるのだが、それに気を止めることなく足は進んでいく。

 

 

ーーーこの時、裂散が考えていたのは『ヘドロ事件』がどのような形で襲来するのか、である。

 

 裂散の天ッ才的な頭脳を持ってしても全ての可能性を網羅しての行動を導き出すのは至難。

 というか無理。通常時の裂散がそのような都合のいい最適解を導き出せる訳もなく、こうして頭から湯気を出しているわけである。

 

 そもそもの話、いくら前世よかマシな脳みそを持っていても中身に入っているサラリーマンがポンコツなのだからポテンシャルが全部発揮出来るはずもないのだ。

 つまるところ、人間の本質はそう変わらないという話である。

 

 

 ◇◇◇

 

「カツくん。ママがじゃがいも買ってきてって」

 

「あぁ?芋ォ?…なら早く買って帰らねェとヤベェな」

 

「そだね。…ッ?!ほぁあ!!カツくん!カツくん!ヒーローチップスだよぉ!!買ってこ?!」

 

「猿かオメェは。ダメだ」

 

「えぇ?!なんで?なんでぇ!あれ美味しいしヒーローのカードだって豪華「太ンぞ」はい…」

 

 現在、裂散と爆豪は地元のスーパーに来ていた。

 夕食の材料を買うためである。

 

 あれ?ヘドロは?なにもなかったの?

 

 と思う者もいるかもしれないが、裂散は思い至ったのである、ヘドロ事件の現場がどこなのか分からないためどこで何をしたらいいか分からないのだ。

 

 この街を網羅してたらまだ違うのかもしれないが、今までそんなこと考えて生きてきていないし、そもそもサラリーマンver.の裂散が覚醒したのはつい最近だ。

 

 と、言うわけで不可能なもんは不可能なのだ。努力でどうにかなるもんでもないので、裂散は考えるのをやめた。

 

 考えるのをやめた結果が「日常送ってればなんか変化あるやろ」という雑さなのは裂散の愛嬌だと思って欲しい。

 

「こんなもんでいいだろ。早く帰ンぞ。夕飯が遅くなる」

 

「らじゃ!」

 

 おどけるように敬礼し、レジに向かい精算しつつがなく買い物を終える。

 結局買ったヒーローチップスを早速開け食べ始める裂散を横目に爆豪はスマホを弄る。

 適当に開いたのはSNSだったのだが、1番初めに目に入ったのがNO.1ヒーロー『オールマイト』がこの街に来たという記事だった。

 

「オールマイトがこの街に…なんでだ?」

 

「んへ?!はにはに?」

 

「食いながら喋んな。この街にオールマイトが来たらしい」

 

「ほへー…ゆうへいにはいふんじゃない?」

 

「口の中身溢れんぞ…ふん…そうか雄英の職員になるために来たのか…じゃあ来年からNO.1ヒーローの教育が受けれンのか…ッ!」

 

 テンションが急上昇したのか、買い物袋をもっている方のは逆の手が小さく爆発を起こした。

 

(ほほほう。マジでヒロアカ始まってんじゃん。テンション上がってきたァ)

 

 テンションが上がったのは裂散も同じだったのか、無意識のうちに手のひらからまあまあの量の可燃性ガスを漏らした。

 サラリーマンの自分が覚醒した影響で個性の制御が甘くなったのか定かでは無いが、手のひらから出たまあまあの量の可燃性ガスは結果的に裂散達を助けることとなった。

 

「SサイズとMサイズの隠れ蓑っ?!?!」

 

 ドッパァアンッッ!!

 

 まあまあの量の可燃性ガスは爆豪が起こした小さな爆発に反応し、デカい爆発を起こす。

 しょうもない心理から起こった連鎖現象は襲ってきた下手人、ヘドロ野郎の体を容易く吹き飛ばした。

 

「うおぁあああ?!なに?!なに?!」

 

「…あぁ?」

 

 突然起こった爆発にヒーローチップスを攫われたがそんなことは些細な問題だ。

 裂散は珍しく頭を素早く回し、吹き飛んだ人間がヘドロ野郎だと結論付ける。

 不意打ち気味に襲われかけたことも加味し、素早く後退して戦闘状態に入る。

 

「こいつ。ネットニュースで見たコンビニ強盗か…?」

「ん?そうなんじゃない?襲われた時点で敵でしょ!」

「見方によっては個性の暴発で吹き飛んだ可哀想なヤツなんだがなァ」

「…アタシ悪くない!!」

「構えろ。来ンぞ」

 

 爆豪のその言葉を受け、裂散がヘドロ野郎がいた場所に目を向けると爆風で吹き飛んだ体を集め終わったのか体積を元に戻したヘドロ野郎が怒りで目を充血させていた。

 

「アァ…アァ…いきなり爆発させるなんて…酷いじゃないかぁ…」

 

「いや…あれは不可抗力仕方ないコラテラルダメージでぇ…」

「意味わかんねェ言葉でまくし立てても敵は止まんねェ。合わせろ。裂散」

「りょーかい!!」

 

「当たり個性の…隠れ蓑ォオオオオオオオ!!」

 

 戦いの火蓋はグダグダに切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 




よろです。
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