トピアがこの世界に来て6日目の朝。食堂兼会議室に集った一同に新メンバーが紹介された。なお本日の朝食は 伝説の 特級の 高級な 上質な サンドイッチであった。
トピア「昨日の夕食からご一緒していますが、こちら熟練の鍛冶屋の妖精、シュミットさんです」
シュミット≪シュミットオバチャンだわよ。よろしくね≫
トピアに紹介されたシュミットは頭をぺこりと下げた。頭が大きくてバランスが悪そうだが、妖精だからか特にバランスを崩した様子は無い。
挨拶を終えたシュミットはテーブルの上の小さな椅子にちょこんと座った。この椅子にスピーカーがついているらしく、シュミットの念話はこの場の全員に聞こえていた。謎のテクノロジーだ。
マイン「熟練の鍛冶屋の妖精……? まあ見るからに人間ではないことは確かだが」
トピア「見た通りの妖精さんですので、マナで動く設備の操作に凄まじい力を持っています。私が1週間掛かりそうな資料作成をカミールさんとの協働で1日かからず終わらせそうなくらいです」
サティ「それはすごい戦力ね」
スコア「見た目によらないな。いや待てよ、
スコアはコメントしながら何やら考え込んでいた。
テクス「情報処理に強いとなればプログラムはどうでござるか?」
シュミット≪デジタルで動くものはオバチャンにはちょっと難しいわねえ≫
テクス「うーん無念でござる」
妖精は科学と相性が悪いようだった。電子の妖精なら話も変わるのだろうが、ここにはいない。
トリオ「プログラム関係の人手が足りとらんからの。どっかにおらんかの?」
Techインベントリ機能の解析、Tech OSと
ラリー「デジタルなら
サティ「メカニックはテレポーターを製造可能な唯一の人材だからあまり他に使いたくはないわね。スチームパンカーも汚染浄化用の重要物資の生産者じゃなかった?」
ラリー「まあそうなんだが。
実は
また、
マイン「しかしサイボーグ? 体が機械なだけで頭は人間ではないのか?」
ラリー「そのはずなんだが、殆どロボットみてえな喋り方する不思議な奴なんだ」
テクス「ダメ元でもいいので連れてこられないでござるか?」
ラリー「
ラリーが
サティ「そうね、昨日の襲撃でも全く何ともなかったし大丈夫よ。カミールやファムの方も大丈夫?」
カミール「私は問題無いぞ」
ファム「ええ、トピアさんに強力な装備を作ってもらったので大丈夫です」
現在サティはその
ラリー「分かった。この後
テクス「お願いするでござる」
トピア「では紹介を続けますね。こちらは民衆を守る使命から参加を決断された上級聖騎士さんです」
聖騎士「ウッ! 我は使命のために名を捨てた聖騎士! 民の安全を守るのが我々の使命だ! すなわち人々を脅かすBETAとやらも我が敵である! 宜しくお願いする!」
トピアの斜め後ろの席から立ち上がった聖騎士はいつも通り剣を顔の前に立ててウッと挨拶した。お察しの通り、トピアがモンスタープリズムに入れて持ち帰った方の聖騎士Lv.60だ。
先ほどまで一緒に食事していたので、珍しく兜を取った姿だ。金髪碧眼で、顔の作りはラリーやスコアと同じ十人並であるが、表情が引き締まっているのでそこそこいい男に見えた。
トピア「この聖騎士さんなかなかすごいですよ。既にLv.60に達してるだけでなく、基礎ライフが11,820もあるんです」
そう、戦う相手としては別に怖くないが、ライフが1万前後というのは人間にしては驚異的なステータスである。
ラリー「それは凄まじいな」
聖騎士「いや、トピア殿に比べれば我々などはまだまだである」
ファーヴニルをさくさく狩り続けるトピアの猛威を知った聖騎士は、元々の人の良さもあってかなり謙虚になっていた。だが謙虚な騎士と聞いて黙っていられないのがマインだ。
マイン「おいィちょっと待てニンジャ、ネームレスも一人称も謙虚な
マインがテーブルに拳を叩き付けながら抗議を始めた。
言われてみれば被ってるか、と
テクス「いやマインは謙虚でもナイトでもないでござるからなあ」
カミール「むしろ騎士仲間が増えたと考えるのはどうだ?」
マイン「騎士仲間? ……フン、いいだろう。騎士の肩書きに泥を塗るような真似は許さんからな」
聖騎士「承知、この剣にかけて」
テクス「どう考えても騎士の肩書きに泥を塗っているのはマインの方でござるよね? ツッコミ待ちでござるか?」
スコア「いや、同じ騎士でも聖騎士だから品格が高いのだろう」
テクス「そうでござるな」
マイン「さっきからうるさいぞ貴様ら! バラバラにされたいのか!?」
言われたことを自ら証明していくマインのスタイルにラリーは腹を抱えて笑っていた。トピアも噴き出さないのが精一杯だ。
トピア「ックフ、ああ失礼。あとこの聖騎士さん、捕獲のためにたいまつで炙った私の怪我を心配してくれるという、びっくりするほど
カミール「いや炙ったってキミ……」
サティ「信用出来る人格者なのはありがたいけど、貴女そんな相手に何してるのよ」
トピア「犠牲を出さずにファーヴニルの封印を解く方法を考えた結果ですが……少しは反省しています」
聖騎士「何、我らが未熟だっただけのこと」
テクス「聖人でござるか? ……聖騎士でござったな」
トピア「今はまだ装備がデフォのままですが、これから装備を強化するとかなり強くなる見込みなのでご期待下さい」
聖騎士「うむ、宜しくお願いする」
トピア「それと聖騎士さん用の基本装備の提供を宜しくお願いします。特に通信機の在庫はありますか?」
サティ「予備があるわよ。ボックスに入れておくわね」
トピア「宜しくお願いします」
聖騎士「かたじけない」
トピア「新メンバーの紹介を終わりまして、他に受け渡しのある人は……いませんね? では工場長の衛星観測情報からお願いします」
一同を見渡しても他の受け渡しは無さそうだったので、トピアはトリオ工場長に報告を促した。
トリオ「うむ。とはいえ今日は取り立てて新しい情報は無いの。騎士の姉ちゃんの仕事が進んでコアが2つ増えたくらいじゃの」
トリオ工場長はいつも通り画面に地図を表示した。
トピア「おお、この大陸の赤道上をほぼ押さえましたね」
マイン「フフフ、コアから観測出来る範囲での原油産出可能量は既に電力用途での必要量を軽く超えているぞ」
サティ「順調で有難いわ」
トピア「では受け渡しと最重要の衛星観測情報の共有が終わったところで、今日も一日ご安全に! あとモスロンの襲撃前に聖騎士さんの装備を急いで強化しますので、リモート会議の開始は30分後とさせていただきます!」
ラリー「あ、俺が予定を繰り上げて
トリオ「それはまあ、順番的に仕方ないの。とりあえず仕事を始めておくか」
こうして今日も