反射的に身構えたスコアをさしおいて前に出たラリーが早速商談に入った。
ラリー「おう
トリュフ「……白金貨2枚だ」
スコア「喋った!?」
トリュフ「そりゃあ喋るよ。……うん、確かに白金貨2枚戴いたよ」
スコア「いや失礼。びっくりしてしまってつい」
トリュフ「……まあ頭を下げられるだけ上等な人間かな。酷い人間は私を食材にしようとするからね。私は
非常にテンションが低いが、どうも機嫌を損ねたことだけが原因ではなさそうだ。
トピア「宜しくお願いしますね」
スコア「よろしく頼む」
聖騎士「宜しくお願いする」
ラリー「んで住居は地下の集合住宅に移れるか? ここだと
トリュフのアミガサタケ「
アミガサタケの言葉の節々から人間への不信感が滲み出ていた。余程碌でもない目に遭わされてきたのだろう。
だが実際には危険でもいいかを尋ねているのではなく、ここにアミガサタケ専用の防衛設備を設置するのは面倒だから移ってくれと要請しているのだ。
何で最初から地下に呼ばないのかと言えば、
スコア「どうするラリー?」
ラリー「あー……
トリオ≪安全性の問題だけならユグドラシルの拠点から出ない限りはモスロンも問題無く迎撃出来るぞい?≫
ラリー「む、いつの間にかそんなことになってたのか。じゃあこのままでもいいか。悪いな、邪魔した」
トリュフのアミガサタケ「うん、理解してもらえて助かるよ」
警戒感は全く薄れた気配が無いが、ひとまず必要なものを購入してラリー達はアミガサタケの部屋を出た。
ラリー「じゃあ俺はこの
そう言い残して、ラリーはポータル経由で自分の工房へと駆けていった。
トピア「はい、お願いします。……会議は私の報告の番でしたね。お待たせしました」
マイン≪おう、早くしろ≫
テクス≪どうせ仕事しながら聞いてるんだから構わんでござろうに≫
トピア「まず宝石樹園に必要な熟練の炉を必要なだけ設置したわけですが……あ、工場長アレで足りました?」
トリオ≪うむ、宝石樹園を忘却の遺跡全体まで広げても足りる計算じゃ≫
トピア「それは良かった。その後ワールドLv8に到達したわけですが、結果があの教化騒ぎですね」
マイン≪あれは酷かったな≫
トピア「大変お騒がせしました」
アヌビス神≪XX(欠陥に気付かなかったのは悪かった)≫
トピアとアヌビス神は改めて頭を下げた。それだけのやらかしだったのだ。
サティ≪それは今後気をつけてくれればいいから続きをお願い≫
トピア「はい、それからワールドLv8設備の検証を済ませまして、まずは急ぎの万能岩盤製造機をお届けした次第です」
トリオ≪あれはいいものじゃ≫
サティ≪助かるわ≫
ラリー≪元々鉱脈の無い鉱石も量産できるようになったしな≫
トピア「次に一部の設備に必要なラッシュ金貨とラッシュ銀貨を稼ぎにボスラッシュダンジョンに潜ってひとまず130階まで踏破してきました」
ラリー≪130階? それ何階まであるんだ?≫
トピア「説明が無いので分かりません。それでラッシュ金貨は必要数揃ったんですが、スキル付与のために数百枚必要なラッシュ銀貨の方がまだまだ足りません。しかし複数人でボスラッシュダンジョンに挑むと頭数倍のラッシュ銀貨が入手出来ることが判明しました。ですので、次回稼ぎに行く際……隔離作業が終了して操縦訓練も終わったあたりですね、には手を空けられる人には手伝っていただきたく。あ、聖騎士さんは既に頭数に入ってます」
聖騎士「無論だ」
スコア「どのくらいの強さが必要なんだ?」
トピア「攻略しながら測定してみたところ、130階で最も耐久力のある相手の耐久力が226万くらいですね」
テクス≪攻略しながらそんな相手を測定する余裕があったんでござるか……≫
ラリー≪そのくらいなら今のゼニスでも2秒かからねえな≫
スコア「まあファントムスパークでも一撃だが、クールダウンの問題があるな」
トピア「基本的には敵の耐久力がそれほどでもない1階からやり直して私と聖騎士さんが敵をなぎ倒していきますので、攻撃力や手数が足りない人は攻撃を受けないように立ち回っていただければ十分です。倒されなければそれだけで稼ぎが増えますので」
テクス≪聖騎士殿はそんなに強いんでござるか?≫
トピア「装備の★の数が全部9以下で精錬石の量産が効くので、防具を最大まで強化したら一撃で320万までは出せるようになりました」
マイン≪それは相当な戦力だが、我の装備はどうなっているのだ?≫
戦力が増強されているのはいいのだが、自分より後から入ってきた聖騎士の装備が先に充実していることがマインには気に食わないようだった。
サティ≪あなたの装備は工場長の手が空いてからという話だから後回しになってるんでしょうに。それで、そのダンジョンの危険性はどうなの?≫
トピア「負けてしまった場合ですか? ペナルティは無いそうですが、試しに死んでみたりはしてないので分かりませんね」
サティ≪そこじゃないんだけれど……まあいいわ≫
死んだ場合にどうなるかではなく数合わせでついていった場合に死ぬような危険が無いかを心配しているのだが、どうも通じていないようだ。まあペナルティが無いと言うのなら大丈夫なのだろう。
トピア「それと、レガシー小麦畑を使って装備強化のためのエンチャントの量産を始めまして、足りない種類を考えつく限り集めてきました」
トリオ≪あの小麦畑には世話になっとるの≫
工場長が特に世話になっているのはその小麦を直接使って作ったバイオエタノールと、小麦のエンチャントを移し替えて作ったワインである。
テクス≪ああ、聖騎士殿はそのエンチャント集めの際にファーヴニル素材集めで縁があったんでござるな?≫
聖騎士「ファーヴニル素材……いやまあそうなのだが」
人々のために封印を守護してきたファーヴニルがここではただの素材扱いでしかないことに聖騎士はカルチャーショックを受けていた。
トピア「あとは★×10以上の精錬石を作るのに必要な武器をドロップするボスを捜し回って、どうにか10、11、12まで揃えました。★×13は該当武器をドロップするボスがいないためまともに精錬強化出来ませんのでレアリティを下げるか或いは他の装備に変更して下さい」
ラリー≪★×13……
トピア「その方向でお願いします。戦闘班の最終的なエンチャント・スキル構成を確定するために今カミールさんとシュミットさんに新旧比較資料を作ってもらってますので、我々三人の装備強化はそれまでお待ちください。私からの報告は以上です」
ラリー「おうトピア出来たぜ、例の奴!」
トピア「おやラリーさん」
トピアが報告を終えると丁度ラリーが戻ってきてインベントリから金属のアタッシュケースのようなものを取り出した。
ラリー「こいつがお待ちかねの
乗り物と聞いていたが、それは大分コンパクトに収まるようであった。