【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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123. そんな体裁を整えるために刀以外不可になったんですかアレ

 トピアはラリーのゼニス(Zenith)セットのエンチャント再付与を終わらせ、次の装備の検討へと進んだ。

 

トピア「では次は私の装備ですね。円環魔導士の装(フォーム・サーキュラー・ソーサラー)の方からお願いします」

 

カミール「これだね。Mk.4と私の自衛用装備を組み合わせて作ってみたよ」

 

 

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トピア「なるほど、ボールライトニングをもう一つつけることで間断なく連射出来るようにしましたか。良い方針です。ハイリザレクションやフロストマイン、サモンメテオが付いているのもスキルポイントの消費が抑えられてなおかつ連射に対応しているのは良いですね。新型スキルでは性能向上が確認出来たマジックシールドとタイムロック……このルーニックバレッジの新型はどんな感じですか?」

 

カミール「威力は0.5倍で同時発射数も5発と、従来のLv2から3程度の性能なんだけどね、クールダウンは5秒から3秒に縮まっているし、何より良いのが消費マナが1というところだ。有射程攻撃でこれは有用だろう」

 

トピア「なるほど、威力が減った代わりに手軽に使えるようになって雑魚の掃討に連発出来る性能ですね。良い判断です」

 

 戦車(タンク)級など兎に角数が多いターゲットは距離によってはボールライトニングで待ち受けるよりも新型ルーニックバレッジで積極的に掃討する方が捗りそうだ。

 

トピア「では性能には問題ありませんので、現状入手困難な宇宙の貝殻、飛翔記章、マナフラワーをモルファのリングに戻して、あとはやっぱりこれですね」

 

 トピアは性能で優越するバルダーヘルムをしれっとクラシカルウィッチハット赤(新)に入れ替えた。一応ルーンストリームLv1は付いているが、他の装備にLv6が付いているので効果は無い。

 

 

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カミール「……ああ、それは見た目の問題かい? 流石にそれは読めなかったね」

 

トピア「やはり師匠とお揃いの帽子は外せませんよ! 従来装備ではつけられるエンチャントの都合で魔法装備以外は妥協してましたけど、今ならエンチャントを気にしなくていいので性能も誤差程度です!」

 

シュミット≪トピアちゃんはお師匠さん大好きだものねえ≫

 

 なお何故新型かというと、頭装備には新型のエンチャントとスキルをつける設計になっていることと、同じクラシカルウィッチハットでも旧型に比べ新型の方が防御力(DEF)がレガシー表記でも30も高いからだ。まあバルダーヘルムはそれより更に10高いのだが。

 

トピア「魔法装備はこれでいいとして、次は双剣ですね。こっちの頭装備は性能優先でいいですよ」

 

カミール「ならばこうだな」

 

 

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トピア「Mk.4に比べ単発0.98倍……まあ攻撃力に寄与しないアクセサリを付けてますし、居合斬りの運用を前提にすると空回りアセンにも出来ないのでこのくらいでしょうね。居合斬りの並列数が増えているのと回復魔法が複数ついていること、与ダメージ割合増を減らして装甲貫徹力に回していること、あとは防御力(DEF)が大きく向上しているのが大きな違いですね」

 

 採用された武器はガラクサイトの剣。これは単純にルーンソング以上の攻撃力があるからだ。攻撃力はともかく使い勝手を考えるとゼニス(Zenith)が最強なのだが、生憎当分手に入らない。

 

カミール「いっそ弓でも使うかい?」

 

トピア「実戦でいきなり使い慣れないものを使うと予想外のトラブルに見舞われるのでやめておきましょう」

 

シュミット≪無茶をするように見えて案外堅実よねトピアちゃん≫

 

トピア「というわけで、今すぐ手に入らない宇宙の貝殻と飛翔記章とマナフラワーを既存アクセサリに戻すとこうですね」

 

 

【挿絵表示】

 

 

シュミット≪だわね≫

 

カミール「しかしこう、キミの突撃(デストロイヤー)級との戦い方を聞いたんだが、こう、危なくないかい?」

 

トピア「うん? 慣れれば普通に出来ますよ?」

 

カミール「いや出来ないと言ってるんじゃない。ミスがなくてもちょっとの外的要因で重大事故になるんじゃないかということだ。予想外のトラブルが怖いというのはキミも今言っていたじゃないか」

 

 カミールが言うのは回避アクションの無敵時間を利用して相手に当たりながら居合斬りの一撃で突撃(デストロイヤー)級をぶった切るという頭のおかしい戦い方のことだ。しかもトピアは前回防御力(DEF)0状態でこれをやっていたのだ。

 常人の発想ではないことは勿論、一つの間違いで即死するような戦い方なので、むしろ生き残っていることの方が不思議であった。

 しかしトピアは光線(レーザー)属種が存在しないイージーな戦場でチュートリアルをクリアした程度の認識でしかなく、認識に大きな隔たりがあった。

 

トピア「まあご心配は分からなくもないですが、前回は突然のことで対策する暇も碌に無かったので。でも今回は攻撃力(ATK)に余裕があるので自分の防御力(DEF)が下がるバフをかける必要も無いですし、タイムロックをかけてから悠々と攻撃しても良いので前回より更に簡単ですよ」

 

カミール「そうか……ところでこれを見てくれないか?」

 

 カミールが次に表示したのは槍装備の設計表2種であった。

 

 

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トピア「槍装備ですか。思った通り空回りアセンの方が圧倒的に有利ですが……なかなか面白い設計ですね。中華斬舞(ちゅうかざんまい)の最後の突きだけ連続で叩き込んでいくスタイルですか。ハッ、これが牙突ゼロスタイル?」

 

 中華斬舞(ちゅうかざんまい)は毎秒6回前後の連続突きの方が目立っているが、最後の突きの威力が通常攻撃の20倍でクリティカル倍率も普通に乗るため、実は結構装甲貫徹力に優れるのだ。最後の突きだけ使うのであればその場から動けないデメリットは気にならないし、装備に7つもつけて7連装、もしくは自前と併せて8連装で回していくなら居合斬りの倍以上の長大なクールダウンも気にせず連射出来る。

 通常アセンのプランAは最も攻撃力が高い『原始的な水晶の槍』、空回りアセンでは攻撃力がほどほどで耐久力限界が無い『コバルトの薙刀(Cobalt Naginata)』が選択されている。魔法、双剣、槍と3つとも武器がクラフトピア産ではなくなってしまったが、コバルトの薙刀ならばトピアに文句は無い。原始的な水晶の槍は見た目が本当に原始人の槍のようなのであまり使いたくなかったが。

 

カミール「残念ながらTier5の槍スキル『流星衝』が未実装なのでTier4を大量に並べることになってしまったけどね」

 

トピア「あー、実装予定にだけ新しく入ってるんですね。残念。……もしかして槍以外には実装されてたりします?」

 

カミール「鋭いな。どうも従来では専用のTier5技が無かった武器にも専用技をつけようとしたらしくてね。まず双剣には『双剣乱舞』という連続技があったが、これは名前から分かるだろう?」

 

トピア「『百花繚乱』と同じで乱舞技だから装甲貫徹力が低いんですね」

 

カミール「そうだ。もう一方の大剣専用の『ブラッドスカージ』は威力倍率は40倍と高いのだけど、毎回スタミナを全部使ってしまう上に大剣は慣れていないだろう?」

 

トピア「ですねえ」

 

カミール「後は『居合斬り』を刀専用にすることで強引に刀専用のTier5技をでっち上げたようだね」

 

トピア「そんな体裁を整えるために刀以外不可になったんですかアレ」

 

 こんなところで残念な事実が明らかになってしまった。レガシー装備にレガシースキルを付けられるように出来ていなければ危ないところだ。

 

カミール「未実装なのが片手剣専用の『エクスカリバー』と槍専用の『流星衝』だね。性能も仮置きでよく分からないよ」

 

 結局流星衝の詳細は分からないままだ。名前からして一撃必殺の突撃技のように思えるが。

 

トピア「エクスカリバーの方は前から未実装で置いてありましたね。そうなるともうTier5技が使えないのは槍だけですか。普段使いするくらい通常攻撃は強いんですけどね」

 

カミール「そうだね。それで話を戻すけれど、突撃(デストロイヤー)級を貫く威力があるし、双剣よりもこっちの槍装備の方が使いやすそうじゃないか? そもそも本職は槍なんだろう?」

 

トピア「うーん、連続居合斬りに比べるとDPSが半分くらいなので重頭脳(ブレイン)級を仕留めるときに若干の不安がありますが……前回は100万DPSも無かったので行けると言えば行けますね。……ところで何でそんなに熱心に勧めるんですか?」

 

カミール「何でってそりゃあキミぃ……」

 

トピア「?」

 

 カミールは視線を逸らして押し黙ってしまった。要領を得ない返答に、トピアは首を傾げた。

 

シュミット≪カミールちゃんはトピアちゃんがあんまり無茶をするから心配なんだわさ≫

 

カミール「……まあ、ストレートに言えばそうだよ」

 

 カミールは照れ隠しに眼鏡を弄んでいた。どうやら本当にそうらしい。

 トピアは現状をまとめてみた。心配してもらえるのは決して悪い気分ではないが、それで逆に危険になるならば反論するべきだ。しかし提示されたプランをよく考えてみると、槍でも突撃(デストロイヤー)級や重頭脳(ブレイン)級を仕留めるのに十分な火力を得られる上に、双剣も既に前回戦ったときよりもパワーアップした状態で手元に残る。しかも魔法装備の装甲貫徹力はともかくDPSは槍以上で、600万を超えるので恐らくこれだけでも重頭脳(ブレイン)級は普通に撃滅出来る。悪くないどころか普通に有益な提案である。

 

トピア「分かりました、今回は槍を使いましょう」

 

カミール「分かってくれたか!」

 

トピア「ええ、逆に危険になるようならはっきり突っぱねましたが、カミールさんらしい有益な提案でしたからね。私の想定を超えてくるとは流石はカミールさんです」

 

カミール「……突然真正面から褒めないでくれたまえよ」

 

 真正面から笑顔で褒められたカミールは、顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。

 端からその様子を見ていたシュミットは、わかりみが深いと言わんばかりに繰り返し頷いていた。

 

 なお槍装備を現状で用意出来る内容に修正すると以下のようになった。

 

 

【挿絵表示】

 

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