新しいコアを設置してからそこから別のコアを打ち上げるまでには、それなりの手順が必要だ。
まず最低限必要なのは、
しかしコア:ニュークリアスをただ射出して配置しても、設備を作る資材が全く無くては初動で躓く。そこで通常は設備を作るために必要な資材を一緒に搭載して射出することになる。
まず必要なのは発電設備だが、これはFICSIT製の方が性能が高く、今回は別の班の担当なのでFICSIT用資材は別カウントになる。
採掘に必要なエアブラストドリル。1基あたり銅65、鉛50、トリウム75、シリコン60。
原油の採掘や露出水源からの水の汲み上げに必要なサーマルポンプ。1基あたり銅80、メタガラス90、チタン40、トリウム35、シリコン30。
地下からの水の汲み上げに必要なウォーターポンプ。鉛30、メタガラス30、黒鉛30。
物資の輸送に必要なチタンコンベアー。1グリッドあたり銅1、鉛1、チタン1。
圧縮輸送に使うプラスタニウムコンベアー。1グリッドあたり黒鉛1、シリコン1、プラスタニウム1。
コンベアーを十字交差させるジャンクション。1グリッドあたり銅2。
特定の物資を仕分けするソーター。1基あたり銅2、鉛2。
コンベアーを最大3方向に分岐するルーター。1基あたり銅3。
コンベアーを最大7方向に分岐するディストリビューター。1基あたり銅4、鉛4。
オーバーフローを左右に流すオーバーフローゲート。1基あたり銅4、鉛2。
オーバーフローを正面に流すアンダーフローゲート。1基あたり銅4、鉛2。
地形や建物を30mまでまたぐブリッジコンベアー。1つあたり銅4,鉛4。
地形や建物を90mまでまたぐフェーズコンベアー。1つあたり鉛10、黒鉛10、シリコン7、フェーズファイバー5。
物資を最大550m離れた所まで飛ばすマスドライバー。1基あたり鉛125、チタン125、トリウム50、シリコン75。
最大無線接続数10、最大接続距離60mだが狭い隙間に設置可能な電源ノード(10m×10m)。1基あたり銅1、鉛3。
最大無線接続数15、最大接続距離150mの大型電源ノード(20m×20m)。1基あたり鉛3、チタン5、シリコン3。
最大無線接続数は2に限られるが電力をロス無しで最大400m無線伝送するサージタワー(20m×20m)。1基あたり鉛10、チタン7、シリコン15、サージ合金15。
コアの容量を増やす他独立したストレージにもなるコンテナー。1基あたりチタン100。
設備から特定の資源を取り出すのに使う搬出機。1基あたりチタン25、シリコン30。
消費電力30kWであたりを照らすイルミネーター。1基あたり鉛8、黒鉛12、シリコン8。
全ての設備の動作を最大2.5倍速に加速する加速ドーム。1基あたり鉛200、チタン130、シリコン130、プラスタニウム80、サージ合金120。更に最大加速のためには常時シリコンとフェーズファイバーを消費する。このためのシリコンとフェーズファイバーはテレポーターロジスティクスやストレージロジスティクスで管理されるため必ずしも現地で作る必要は無いが、工場の拡大により需要が増え続けているため生産力も順次拡大する必要がある。
何らかの原因で設備が破壊された際の自動修復に役立つ他、採掘ドリルの摩耗修復にももはや必須の修復プロジェクター。1基あたり鉛100、チタン25、シリコン40。
ここまでで銅、鉛、チタン、黒鉛、シリコン、プラスタニウム、サージ合金、トリウム、フェーズファイバーが要求されている。
そして要求資材を製造するための工場にもまた資材が必要だ。
石炭を黒鉛にする黒鉛圧縮機。1基あたり銅75、鉛30。
電力1.08MWと水を使う代わりに黒鉛圧縮機より変換率が高いマルチ圧縮機。1基あたり鉛100、黒鉛50、チタン100、シリコン25。
石炭と砂からシリコンを作るシリコン溶鉱炉。1基あたり銅30、鉛25。同じシリコン製造設備でも石炭と砂とピラタイトからシリコンを作るシリコンクルーシブルはピラタイトの製造コストが重いので考慮しなくて良い。
砂と鉛からメタガラスを作る溶解炉。1基あたり銅60、鉛30、黒鉛30。
チタンと石油からプラスタニウムを作るプラスタニウム圧縮機。1基あたり銅115、チタン80、黒鉛60、シリコン80。
砂とトリウムからフェーズファイバーを作るフェーズ織機。1基あたり鉛120、トリウム75、シリコン130。
銅と鉛とチタンとシリコンからサージ合金を作る合金溶鉱炉。1基あたり鉛80、トリウム70、シリコン80。
近隣に石油資源が足りない場合に砂と水から石油を作る石油抽出機。1基あたり銅150、鉛115、黒鉛175、トリウム115、シリコン75。
近隣に石油資源が足りない場合に胞子ポッドから石油を抽出する胞子圧縮機。1基あたり鉛35、シリコン30。
その胞子を水で培養する培養機。1基あたり銅25、鉛25、シリコン10。
新たに砂、石炭、石油、胞子ポッドが原料として要求されている。
ここまでで逆に要求されていないのはスクラップ、爆発性化合物、ピラタイトで、スクラップは汎用リサイクル資源なので除外するとして、あと2つは電力や武装に使っていたのが現状では必要無くなっている形だ。
つまり爆発物やスクラップを除いた殆どの資源の採掘・製造が必要ということになるので、結構覚えるのが大変な仕事なのだ。しかもそれぞれの工場が単位時間あたりに要求する材料を必要なだけ採掘してコンベアで送り込むのに結構な計算が必要だ。チタンコンベアーの運送能力が結構高く、複数のドリルの採掘物をまとめて運ぶことになるからだ。この運送能力をはみ出した分だけ渋滞して採掘力を持て余し、逆に足りなければ搬入先の工場の稼働率が下がるのだから重要なところだ。オーバーフローゲートやアンダーフローゲートを上手く使わなくてはならない。
工場には必要材料の比率に応じた本数のチタンコンベアで搬入を行うため、例えば最も複雑な合金溶鉱炉群ならば銅3本、チタン2本、鉛4本、シリコン3本の搬入用チタンコンベアーを接続する。そしてチタンコンベアーの運送能力一杯の11物資単位毎秒の処理能力を確保するために製造時間1.33秒の処理能力である合金溶鉱炉を11×1.33=14.7、つまり15台並べて一つの工場セットとする。この工場セット自体はライブラリに登録してあるためそのままセットで設置すれば良いが、設備が密集してくると敷地の問題で悩むこともある。
更に仕上げに加速ドームを並べて2.5倍速にするのだが、このドームの効果範囲が2つ同時に表示出来ないので効果漏れを無くすには無駄に職人技を要求される。
そんな説明をしながら次のコアを送り出すための設備を一通り組み上げていったマインにトピア達が拍手を送っていた。
トピア「いやあ素晴らしいお手並みでしたマインさん」
モモ王女「お見事でしたわ!」
マイン「それほどでもない」
トピア「ただ、一つだけ重大な問題があるんですが」
マイン「何だ貴様、我の仕事に文句があるのか?」
トピア「その逆ですよ。ちょっと研修中の皆さんを見てみてください」
マイン「んん?」
研修に来た作業員見習いをマインが見渡してみると、その殆どが唸るか遠い目をしているという有様だった。
トピア「つまりはマインさんの仕事が高度すぎて真似出来そうな人がほぼいないという問題です」
何しろ相応の教養があるだろう聖騎士ですらパーセンテージの計算で詰まっていたのだから、それより教養が無いだろうはじまりの島の島民にとっては難しすぎて理解出来なかったのだ。比較的賢いであろうファムでも業務内容は理解出来ても実際に計算しながら仕事が出来るかというと恐らく無理だ。
マイン「ええい、雁首揃えて役に立たん奴らめ」
トピア「とりあえずマインさんと同じことをやらせるのは無理ですので、難しい計算と高度な目測が必要ない手順を設定しましょう。出来ますよね?」
マイン「……仕方ない、それも込みで教えてやろう」
マインは追加で手を抜くための手法まで教え込んでいった。
複数のドリルからの物資を1本のチタンコンベアーに合流させる場合、コンベアーの先をコンテナーやコアに接続して詰まりを無くした状態で合流前の部分に物資が滞留したら11物資/秒を超えているのでオーバーフローゲートで横に流して対処し、溢れた分を次のコンベアに合流させること。ただし現状は物資効率より時間効率優先なのでオーバーフローゲート以降の手順は省いてよい。
加速ドームの配置をするときは複数人で別々の加速ドームを指定することで複数同時に効果範囲を表示し範囲漏れを無くすこと。
こういった手法によって、とりあえず難しい計算が出来ない人員でも作業速度にこだわらなければ仕事が出来るようになった。作業速度は大体10人集まってマイン1人分と言ったところだ。10人いればマインの仕事が倍速になるのならまあ何とかなった方で、慣れればもっと手早く仕事が進む様になるだろう。
ちなみにトピアは1/2マイン、モモ王女は1/3マインほどの速度で仕事をこなしていた。マインは大体このくらいの能力を想定していたということで、元々の要求水準が少々高すぎたのだった。相手に現代人程度の教養があればもっと何とかなったかもしれない。
なおストレージロジスティクスを使えばコンベアラインはもっと単純化出来るのだが、この近距離で完結する物流までストレージロジスティクスに入れてしまうとTechインベントリ管理サーバーに負荷が掛かりすぎてクラッシュする可能性が捨てきれないので使っていない。テレポーターロジスティクスにすれば幅10mをとらなくなるのでスペースの圧縮は出来るが、近距離物流は多くの場合コンベアだけで組んだ方が単純になる。
同様にストレージロジスティクスのお陰でコア打ち上げ時に全ての資材を積み込む必要性は必ずしも無くなっているが、設備用資材の生産量が増えるほどコアの増殖ペースが上がるため結局工場の増設は必要だ。
他の部署はマインの所ほど苦戦はしていなかったが、コア017と018の担当防衛線に上陸襲撃が始まった。しかしこの2つはコア周辺整備をマインとトピアが担当し、タレットがある程度配備出来ていたので戦闘班が赴くまでもなく撃退出来ていると連絡が来ていた。新たに工場長に仕事を任された衛星観測担当班も機能しているようだ。
新人研修が一通り落ち着いた所で、トピア達はコア001に集合して講習を受けた。完成して数も揃い始めたトキソピッド・ミラージュの操縦訓練だ。トキソピッド・ミラージュとは一通りの改造が完了して量産ラインに乗った新型トキソピッドのことである。命名はマインだ。
ミラージュのメイン武装である25連装レーザーは
操縦訓練が終わり、トピア達はそれぞれの仕事に戻った。各戦線で自動撃退出来ているのは良いがこの調子だと今日の会議は流れそうだなと思いながらトピアが2つ目のコア周辺を整備中、通信機に呼び出しがかかった。会議モードだ。
マイン≪戦闘班はコア025に集合せよ、
マインから送られてきた地図には既に030までのコアが並んでいる。この地図で言うと想定防衛ラインの青い部分が防衛準備が出来ていて、灰色の部分が出来ていない部分だ。なるほどコア025は完成している部分が短く、上陸点がずれるとまずいことになりそうだ。
トピア「分かりました、すぐに向かいます!」
トピアはコア周辺設備の整備を切り上げて戦場へと向かった。