【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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 そして速攻マイナス評価付けられるまでセットでしたね。はい、いつものことです。


154. プラン5 降誕祭作戦(オペレーション・ジングルベル)を開始せよ

 出撃したトピア達戦闘班はハイヴ03の攻略前にまずはハイヴ10跡から出撃してコア045跡へと向かった。時間節約のためまずはガンマGで距離を稼ぎ、接敵予想ポイント前でトキソピッド・ミラージュに搭乗し、更に前進。ハイヴ10跡からコア045跡へ2/3ほど進んだあたりで問題の一輪車(アインラッド)級に遭遇した。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 試しにトピアはその一輪車(アインラッド)級の中心線を指定して全128基のレーザーを斉射してみた。すると8秒ほどで中身ごと真っ二つに割れた。500m以上の前進を許した形だ。

 

トピア「うーん、本来の1/10,000とは言わないまでも1/1,000くらいまでは軽減されてますね」

 

 レーザーで撃破出来ないことはないが、非常に効率が悪い。一輪車(アインラッド)級は従来の突撃(デストロイヤー)級と同じくらいの割合で生産されているので、こんなペースでは迎撃が間に合わない。

 

スコア≪次は私だな≫

 

 スコアはミサイルタレットを起動し、後ろ向きに配置した16基を除いた48基から1発ずつのミサイルを発射した。ミサイルは煙をたなびかせて加速しながら48体の一輪車(アインラッド)級へと向かっていき、命中。約半数がレーザーで撃墜されながらも命中した標的は全て撃破した。やはり光線(レーザー)属種の存在する戦場では初速が遅く迎撃されやすいのが問題だ。

 

トピア「レーザーよりは確実に効いてますが、やはりレーザー迎撃される分戦果が不安定ですね」

 

ラリー≪じゃあ次は俺だな≫

 

 ラリーは放電タレットを起動し、大分接近してきた目の前のBETA群に32基全力斉射してみた。すると周囲を白く染めるほどの強烈な雷光が迸り、射程400m圏内の一輪車(アインラッド)級複数を含む多数のBETAを巻き込んで瞬時に消し炭にした。

 放電タレット32機は2.5倍駆動で1,386MWの消費、威力は6000万DPS。特に耐性が無いのならこの結果になるのは妥当だ。一輪車(アインラッド)級は大量の脚を切り飛ばしても本体を倒しても慣性でそのまま質量兵器として転がってくるのが厄介だったが、電撃で沸騰させられると車輪の形が歪んでまっすぐ走行出来ないのか、あらぬ方向へと転がってはばたばたと横倒しになっていった。

 

ラリー≪……思った以上に効果絶大なんだが?≫

 

トピア「まあ十分効いているのは確かですが、射程の他にも他の武装との併用が難しいのが難点ですね。ミサイルを高速連射して飽和攻撃する方が簡単そうです」

 

 放電タレットは一輪車(アインラッド)級に対する効果が絶大で範囲攻撃にもなるのは有利だが、射程が400mと他のタレットに比べ短く、そもそも落雷という現象を攻撃にしているだけなので、強烈な電磁場で電子機器や他の武装の稼働を阻害するのが難点だった。レーザーはまだ収束が甘くなるのを許容すれば使えるが、ミサイルは放電に巻き込まれて誘爆するし、レールガンはレーザー以上に狙いが定まらなくなる。勿論無線通信機も使えない。各機で手分けして別の武装を使えば運用出来そうではあるが、現在は横一列になって各自が受け持つ範囲のBETAを殲滅中なのでそれも難しい。

 一方ミサイルタレットは本来5秒に1発しか撃てなかったのが2.5倍速で2秒に1発になり、それが48発同時に前に撃てるので、秒間24発発射出来る計算になる。レーザーで適度に光線(レーザー)属種を減らしていけば迎撃を飽和させることも可能だろう。

 

 

 

 トピア達は前進して1時間ほどでコア045跡地に到着した。コア:ニュークリアスは素材として美味しいのか、それとも技術研究目的なのか、機能停止した設備の大部分が持ち去られた後であった。

 

トピア「司令部へ。コア045跡地に到着しましたが、再設置しますか?」

 

マイン≪いや、ミラージュから再設置出来ることを知られたくない。再設置の為の周辺整備は建設ロボットに任せて素通りし、ハイヴ03攻略にかかれ≫

 

トピア「了解、このまま前進します」

 

 

 

 戦闘班は更に西進し、2時間ほどでハイヴ03の地表構造物(モニュメント)が見えるところに辿り着いた。ハイヴ03はフェイズ5に達しており、以下のような構造だ。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 ハイヴ10と基本構造が似ているが、ハイヴ10に比べるとセキュリティ意識が幾らかあるのか、主縦坑(メインシャフト)を経由しないと大広間(メインホール)に辿り着けない構造になっており、その大広間(メインホール)には重光線(レーザー)級らしき影が多数確認されている。やる気があって大変宜しい。

 なお大広間(メインホール)に続く横坑(ドリフト)は断面図では東の斜め上から繋がっているように見えるが、実際には北側からフラットに繋がっている。

 

マイン≪よし、プラン5 降誕祭作戦(オペレーション・ジングルベル)を開始せよ。スパイダー1は地表構造物(モニュメント)の頂上へ、スパイダー2からスパイダー4はスパイダー1を地表構造物(モニュメント)まで護衛し、突入後は退路を確保しろ≫

 

 スパイダー幾つというのはこの部隊のコールサインで、1番がトピア機、2番がラリー機、3番がスコア機、4番が聖騎士機となっていた。つまり頂上へ行くのはトピア機だけだ。

 なおコールサインが無くても作戦指示は出来るが、単純に「1番機」と頭に番号を付けるよりも「スパイダー」というコールサインで注意を引いてから「1」と告げることで番号の聞き逃しが発生しづらくなるのでこうしている。

 

トピア「スパイダー1了解、降誕祭作戦(オペレーション・ジングルベル)を実行します、皆さん地表構造物(モニュメント)まで宜しくお願いします」

 

聖騎士≪任されよ≫

 

スコア≪まあ万が一も無いだろうが≫

 

ラリー≪兎に角行くか≫

 

 トピア達は4機のトキソピッド・ミラージュで横一列になって地表構造物(モニュメント)の麓まで進み、トピアのミラージュが8つの脚で器用に地表構造物(モニュメント)をよじ登っている間、他の3機が散開してその周囲を警戒、随時迎撃。一応ここまでにクアッドを1機ずつ連れ歩いていたのだが、BETAの数が多く、横や後ろから出てくることも多いので遠距離からのレーザー狙撃によって全て撃墜されている。残骸は回収済だ。

 

トピア「ではまた後でお会いしましょう。攻略RTAいっきまーす!」

 

 トピアはミラージュを年末のサンタクロースのように気軽に地表構造物(モニュメント)頂上の(ベント)に飛び込ませた。確かにここは最短ルートではあるが、何故誰も使わないのかといえば、最も激しい攻撃に晒されるからだ。地表構造物(モニュメント)頂上から主縦坑(メインシャフト)の底まで3,800m、自由落下で28秒かかる。しかもミラージュの胴体の上下面はウェポンベイがあるので前方、側面、後方ほど防御が万全ではない。クアッドによる修復も無く、一見破れかぶれにも見えるが、当然そんなことはない。トピアはミラージュの底面ウェポンベイに組み込んだ統合建設システムブロックを使って直径80m×厚み20mの円形プレートを取り出し、ミラージュの脚にそれを接続した。

 これは生産班がミラージュシールドと名付けた防御ツールで、一方向からのレーザーを跳ね返すことだけに特化したものだ。開口部は一切無く、照射された光線の波長を読み取ってナノマシンで誘電体多層膜を最大反射率に調整する第1層。その次の反射しきれなかったレーザーをプラスタニウム板で受け止める第2層。最後にミラージュの核融合炉から供給される電力で冷却と()()を行う第3層。開口部になるカメラが無いのでロックオン機能も無く、まっすぐ跳ね返すために水平を保つ必要があるが、これはシールドを保持しているトキソピッド・ミラージュ本体のバランサーが担当する。

 直下からは軽く100以上の数になる重光線(レーザー)級やその隙間に陣取った光線(レーザー)級がレーザーを雨あられと浴びせかけるが、全く応えた様子も無く反射し続ける。途中、ハイヴ24同様に浅い層に潜んでいた伏兵の重光線(レーザー)級からも撃ち下ろしのレーザーが降ってくるが、数が少ないので反射と自前のレーザーで片付ける。

 なおシールドに修復機能を付ける余裕があるのだから、当然ミラージュ本体にも修復機能が付いている。これはクアッドと同等のもので、修復システムは機体の中央にしまってあるので、単独でもまず撃墜される危険が無い。突入前にクアッドを撃墜させたのは、今がチャンスだと思わせるための作戦の一環である。おまけに機体全体を覆う新型バリアまで搭載しているが、反射した方が攻撃が捗るのでまだ使っていない。

 そうして28秒後には落着。BETA密度が高すぎて逃げ遅れた何体かの重光線(レーザー)級を押し潰しながらあっさり主縦坑(メインシャフト)の底に着地した。そしてミラージュシールドをインベントリに回収すると同時に予め展開しておいたミラー端末を経由した全方位レーザーと指向性爆薬弾頭ミサイルの連射で周囲を一掃。引き続きどこからともなく湧いてくるBETA群を引き連れ、順次迎撃しながら横坑(ドリフト)を通って大広間(メインホール)へと到達した。

 全高120mほどに成長した巨大な頭脳(ブレイン)級の前に出ると、通信がオフラインになり、電子機器の幾つかが微妙な不調を訴えかけたので、恐らく前回と同じ妨害電波でも発しているのだろう。今回は直接搭乗しているトピアは全くそれを気にせず反射レーザーと電撃タレットを全門展開。標的が近く、しかもでかいので、もはや照準や収束など気にする必要も無い。

 

トピア「んんんんメリークリスマァァス!!」

 

 トピアはアイサツとともに直視出来ないほどの激しいイルミネーション、つまりレーザーと放電の合計で1億8165万DPSとなる火力を投射し、頭脳(ブレイン)級を消し炭にした。こんな最短ルート攻略ではマップを覚える手間が要らないのも当たり前で、大広間(メインホール)に至る横坑(ドリフト)が一本しかないのでむしろ迷う余地が無かったくらいだ。なおRTA記録は突入から62秒であった。

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