ラリー≪やったのか……?≫
自分たちの周囲に群がるBETAを迎撃しながら様子を見ていると、
トピア≪只今戻りました≫
スコア「無事かトピアさん!?」
マイン≪何だ貴様、プラン11はやめたのか?≫
トピア≪ええはい、運が良ければ
プラン11、
マイン≪まあいい、とっとと戦列に復帰しろ≫
トピア≪アラホラサッサー!≫
トピアは大袈裟な敬礼を返すと火力を合流方向に集中し、何事も無く戻ってきた。
スコア「トピアさん、無事で良かったが、一体どうやったんだ?」
トピア≪あれ、飲まれる瞬間に
トピアは通信用カメラの前に
スコア「……あの手を伸ばしたのが既に蒸着アクションだったのか」
トピア≪そうそう、それです≫
確かに右掌を天にかざすあの形は蒸着を実行する時のものだった。飲まれる瞬間最後に見えた右手のショッキングさだけが印象に残っていたが、冷静だったら気付いていたかもしれない。まあ
現在のトピアの装備、
攻撃力はラリーほどではないが必要十分であり、装甲貫徹力131万、DPSは最大で2億2千万に達している。ミラージュに比べれば防御がおろそかなことに目を瞑れば十分な戦闘能力だ。
トピア≪それで、中には新種の
トピア≪雑魚BETAを片付け終わって暫くして、行き先が違うと分かったので
ラリー≪ああ、それであんな陸にあげられた魚みたいになってたんだな≫
いわゆる一寸法師戦術だ。他のBETAを搭載することを前提とした
トピア≪特に電撃がよく効いたので、電撃なら多分外からでもいけますね。今回は私が中にいたので使えなかったと思いますが……そろそろ装備を換装する余裕がありそうですね?≫
先ほどから会話しながらも、スコア達はBETAとの戦闘を継続している。まだまだBETAは湧いてくるが、しかし先ほどに比べるとやや勢いが減じている。今なら有人機3機とAI随伴機4機で護衛すれば1機ずつなら戦闘モードを解除して装備アップデートが可能だろう。AIにはまだ細かい指示が出来ないが、随伴護衛くらいは出来る。
マイン≪よし、1機ずつローテーションで換装を開始しろ。位置的にはスパイダー3からだな≫
スコア「スパイダー3了解」
確かにスコアのいるあたりが一番BETAの密度が薄くなっているのでスコアは即座に了承し、戦闘モードを解除、Techビルドモードに切り替えて換装に入った。とはいえ当初の予定と違ってコア経由で本土に帰還出来ない。戦場に突っ立っている状態を長く続けるのは危険なのでスコアは装備の説明も読まずにオンラインアップデートを実行した。現状の装備を無条件に最新版に差し替える手続きだ。また、新型7.5GW核融合炉と重水素燃料の生産があれから大分進んだようで、在庫が充実しているので並列装備数を増やすことを勧められ、これも無条件で承諾した。武装が更にパワーアップしているなら一層の大電力を要求されるのは必然だからだ。
しかしそうして進行したアップデートは99%で停止した。エラーログを見るに、Techインベントリに重大なエラーが発生して使用不能になったようだった。スコアはまず先日まで不安定なことに定評があったTech OSに不具合が残っていたのではないかと疑ったが、信頼と実績のFICSIT製をベースにした通信機もエラーを吐いており、本土との通信が繋がらないことに気付いてその不穏さに真顔になった。ハイヴ01まではまだ900kmほどある筈だが、こんな所まで
ハイヴ10とハイヴ03での運用は結局空振りに終わったが、実はこの
それはそれとして、単なるノイズ電波でTechのインベントリアクセスを妨害することは出来ない。いやBETAのことだから何らかの手段で実現した可能性を否定出来ないのだが。スコアは試しに自前のインベントリとクラウドストレージ、
スコアは次に一番近くに陣取る聖騎士に状況の確認を試みた。
スコア「聖騎士卿、そちらの通信状況とインベントリはどうだ?」
聖騎士≪む、待たれよ。……どちらも何かエラーが出ているであるな?≫
スコア「ということは、インベントリは恐らくローカルではなくサーバーの方の問題か……」
通信の方は衛星とやりとりするための施設をあちらこちらに設置して冗長性を確保していたので、それが一斉に潰される可能性はかなり低い。単なる不具合でなければインベントリサーバーが使えなくなるような何かが本土で起きているのかとスコアは不安に思い、同時に何故かファムの顔がよぎった。
いやそんなはずはない、とスコアは頭を振って不安を振り払い、とりあえずスコアは現状で換装出来ている最新版の装備をどう運用するかを考えるため、その説明を読み……そしてそのあまりの出鱈目さに噴き出した。
スコア「いや、これは……頼もしすぎるなうちの開発力は」
流石は現状でも殆ど苦戦していないミラージュの決戦用武装だ、とスコアは満足した。
本土の状況に不安があるのならこの作戦をとっとと片付けて帰るべきなのだと考えたスコアは、作戦のための戦力配分を相談することにした。
ヒッチハイクでどっか行ったまま攻略作戦を開始するパターンも途中まで書いたんですが、それでこっそり姿をくらませたとしても作戦上のメリットが吃驚するほど無いので没になりました。