[2025/11/02]細かい加筆修正を行いました。
軌道エレベーターを目印に拠点を目指すトピア一行。トピアは今回の仕事の発端から説明を始めていた。
トピア「……それでまあ、このシームレスワールドのベータテストを終わらせる為に外敵を駆除せよというのが今回の目的になっているわけで」
トリオ「新しい世界の構築とそれを阻害する外敵……? 儂いつの間にか天地創造神話を聞いとるんじゃが?」
トピア「ちなみに軌道エレベーターの横に浮いてるのがクラエル神に仕えるアヌビス神の神殿です」
トリオ「……ふむ、まあ神の実在は別にそれでええわい」
確かによく見てみればそこに不自然な半球状の岩塊が浮いている。大分ファンタジックであるが、トピアの非常識さに比べればまだ理解出来なくもないのでトリオは軽く流した。
トピア「で、うちの上司が言うには、私を含め七人のマイスターで力を合わせて使命を果たせということでしたので、当初はてっきり別の神的存在の傘下の
トリオ「ああ、マイスターっちうのは何かと思うとったら、そこから出てきとったんか。儂もいつの間にか神さんに認められるほどになっとったとはのう」
サティ「そこなんだけど、その上司さんが呼び寄せたと言ってたの? そうでないのなら集まるのを知ってただけの可能性もあるんじゃないの?」
トピア「んん? ……言い回し上は確かにその可能性がありますね。これまでの行状が邪神クラエル・ザ・グレートなので、てっきりまたやらかしたのかと思ってましたが」
トリオ「おう、お嬢ちゃんの上司は邪神なのか?」
トピア「よく分からないスイッチを押すまで絶対に出られない部屋に閉じ込めておいて、それを押したらお前が地球文明を滅ぼすスイッチを押したんだから新しい世界の文明を育てる仕事をしろとか申しつけてくる理不尽の権化ですよ? しかもお前が滅ぼしたって3回も念押しするんですよ?」
サティ「それは間違いなく邪神ね」
トリオ「疑う余地が無いの」
女神的存在の評価はここでもやはり邪神で一致していた。
トピア「ただまあ、その仕事自体は割と楽しかったのと、上司の仕事が進まないとこちらもこれ以上進まないというところで1年ほど放置されてまして、仕事に飢えていた所に今回のお話が回ってきました」
トピア「それで、師匠に推薦されたこともあって、外敵がどういうものなのかの詳しい説明を聞かないまま来てしまったんですが、まさかあの悪名高きBETAとは……」
トリオ「そう、そのベータじゃよ。アレ何なんじゃ?」
トピア「Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race、略してB,E,T,Aのベータです」
トリオ「こっちの言葉じゃと人類に敵対的な異星起源種といったところか?」
トピア「はい。まあその実態は資源採掘の為に自ら星間移動し増殖し続ける生体重機のようですけれども」
サティ「生体重機? アレが?」
トリオ「はー……なるほどの。どっかしら儂らと似ておると思ったら同業者か。笑えんの」
トリオ「それで、交渉が不可能とか言うとったが、知能が低いのか?」
トピア「いえ、学習すれば会話可能になるくらいの知能はあるようですよ。ただ根本的な問題として、連中にとっての生命体とはBETAという炭素系生体重機を作った
トリオ「最悪のカバチタレじゃのう。滅ぼすしか無いわけじゃわい」
サティ「全くだわ」
一種の同業者であると分かってばつが悪そうにしていたトリオとサティもBETAのあまりの話の通じなさに表情を歪めており、やはり根本的にわかり合えない異物であるということを理解したようだ。
トピア「それで、あっという間に増殖するのは既に実感があると思いますが、もう一つの厄介な特性がこの学習能力で、これのせいで航空戦力の使用は推奨されません」
サティ「遠距離攻撃手段が乏しいようだったから有効そうだけど、もし使ったらどうなるの?」
トピア「その遠距離攻撃手段を整え始めます。2週間ほどで有効射程が最低でも200㎞、命中精度が恐ろしく高く、航空機だけでなく戦車も瞬時に撃破するトンデモレーザーをぶっ放す
トリオ「は? 200km? 単位間違っとらんか? 宇宙での話か?」
トピア「残念ながら地上での射程で、更に上位の重
トリオ「出鱈目じゃのう」
トピア「そしてこちらはそれなりにBETAを追い込まないと出現しない上に数もそうは出てこないですが、更に上位である超重
地球サイズの惑星であれば、人間の背丈なら5km程度で地平線に隠れるが、軌道エレベーターほどの高さがある場合は地平線を利用出来ないため光線種の射程が満額となり、地球の一周が約4万kmなので緯度や経度にして重
サティ「ちょっと待って、そんなの出てきたらどうやって戦うの?」
サティが頭を抱えて泣き言を言うが、つまりその規模が大雑把に計算出来ているということである。
トピア「お察しの通り、相当戦いづらくなるので出てこないようにするのが一番です。とはいえ単なるアウトレンジ攻撃に対する対抗策として
トリオ「そいつらと戦わざるを得ん場合は?」
トピア「その場合、まず地平線を盾にして地表伝いに接近します。それ以下の距離でも他のBETAを間に挟めば誤射を避ける為攻撃してこないので、それを利用してどうにかといったところですね。あとは蒸発して重金属雲を発生させる弾頭を迎撃させて一時的に威力を減衰させることは出来るようですが、これは超重
トリオ「……その戦法で、戦った連中は勝てたんか?」
トピア「多大な犠牲を払いながら重
サティ「えええ……全力で戦っても厳しい相手と生存闘争しながら人類同士で足を引っ張ってたの? どこの文明圏よそれ」
バイザーに隠れて顔は見えないが、サティの口ぶりは明らかにその文明圏の人類を軽蔑しており、トリオの表情も同意しているようだった。
トピア「まあはい、どちらも地球っていう星なんですが」
トリオ「は?」
サティ「へ?」
反応からしてトリオ工場長も地球に近い文化圏出身だとトピアは理解した。
まあ広島弁が公用語になっているスペースヒロシマなんてものがある時点でほぼ分かっていたのだが。
トピア「恐らく別の世界の、とつきます。その地球でも滅んでは過去に戻ってやり直していた人がいまして、ただでさえ絶望的なのに人類同士も協力できていない状況で、相当頑張って悲願を達成したようですね。それでも犠牲が大きすぎてハッピーエンドとは言いがたいのですが」
トリオ「……別世界やらやり直しやら意味が分からんが、今度は魔王を討伐する勇者の御伽噺かの?」
トピア「あ、これは科学文明がそれなりに発展した地球のお話です。というかこれそもそもは創作のお話だった筈なんですけど、どうもその世界出身らしき人が
サティ「ああ、それで妙に詳しいのね」
なおそのBETAが存在する世界出身らしき