【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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185. 地球戦線終結お疲れ様ですわ

 アヌビス神の紹介で少々脇道に逸れたが、匠衆(マイスターズ)のメンバー紹介が続く。

 

トピア「次に、私と同じくクラエル神の使徒にして私の師匠の大蔵 九十九」

 

九十九「よろしくゥ」

 

 青い半透明の一つ目生物が短い腕を上げて挨拶した。声が渋い。

 

トピア「同じくクラエル神の使徒、ステーク」

 

 全身鎧の南瓜頭が座ったまま頭を下げた。相変わらず顔を見せないが、パンプキンヘッドとかそういう生物なのだろうか?

 

トピア「人類の守護者、聖騎士」

 

 聖騎士は立ち上がって剣の腹を見せた。常に聖騎士と呼ばれているが、名前は無いのだろうか?

 

トピア「そしてこちらがテラリア王国の王女にして匠衆(マイスターズ)の対地球外交大使、モモ・グラニス・テラリア」

 

 モモ王女は立ち上がって綺麗なカーテシーを見せた。優雅だ。しかしその傍らに戦士の幽霊のようなものと7本の輝く剣が浮いているのは何なのだろうか。また、テラリア王国とは一体、という疑問が出席者の間に渦巻いた。

 

トピア「テラリア王国はバーナード星系第1惑星()()を領土とする国です。基本的にはこのモモ王女が交渉役になりますので宜しくお願いします」

 

 最後に爆弾発言を投下してトピア代表はモモ王女にバトンタッチした。

 これに衝撃を受けたのはオルタネイティヴ5計画支持者だ。バーナード星系を移民先として想定していたのに既に余所の国の領土になっているというのだ。匠衆(マイスターズ)の重役を任されている相手にお前の国土をよこせなどと要求するのは危険すぎる。いやそれでも諦めていない者もまだいるが。

 続きを任されたモモ王女は演説台に立つと、まずはぺこりと頭を下げてから口を開いた。

 

モモ王女「ご紹介にあずかりました、テラリア王国第1王女にして匠衆(マイスターズ)の対地球外交大使、モモ・グラニス・テラリアですわ。匠衆(マイスターズ)は七柱の神々の意向でBETAを駆除することを目的として結成された組織で、12日前からこの世界への介入を開始し、3日前にはバーナード星系第1惑星、通称はじまりの星とその衛星にあるハイヴの殲滅を完了しております。その時に()()したご縁でテラリア王国は世界間協力組織である匠衆(マイスターズ)へ加盟したのですわ」

 

 なるほど、匠衆(マイスターズ)はまずバーナード星系のテラリア王国を侵略するBETAを駆逐したらしい。地球のハイヴをわずか7時間で平らげたのに比べ意外と日数が掛かっているが、その10日間で生産拠点と戦力を整えたのだろうか。いや、それよりも重要な情報があった。まずバーナード星系にもBETAの魔の手が伸びていたこと。ならばそこがテラリア王国の国土でなかったとしても移民は不可能だっただろう。また、バーナード星系からわずか3日で地球に到達していることが判明した。ワープかそれに類する何かがあるのだ。先ほどの空間接続ゲートもその類いだろう。

 ところでこの王女の言葉だが、基本的には英語を喋っているように聞こえるが、英語よりもフランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポーランド語、ポルトガル語、ロシア語、中国語、そして日本語を得意とする者にはその言語で意味が分かるという奇妙な伝わり方をしていた。アヌビス神の言葉と似たような感じだが、カバー範囲は限定されるようだ。

 

モモ王女「そして匠衆(マイスターズ)は今後もこの宇宙に10(かん)、1037の個体が存在するというBETAを滅ぼすために活動して参ります。地球に来訪したのもその活動の一環ですわ」

 

 この王女もさらりととんでもないことを言い出した。1037と言えば宇宙全体の恒星の数よりもはるかに多い。本当ならばこの宇宙はほぼBETAの支配下にあると言っても過言ではないだろう。

 流石に聞き流すわけにも行かず、信憑性がどの程度なのかについて質問が飛んだ。匠衆(マイスターズ)は配置上は演説台に立っているが、これは演説ではなく交渉会議なのだ。

 

モモ王女「オリジナルハイヴに存在するBETAの統括ユニット、重頭脳(ブレイン)級から聞き出した情報ですわ。これがBETA全体の数なのか重頭脳(ブレイン)級の数なのかは分かりませんし、場合によっては勢力を大きく見せるための嘘かもしれませんが、ただの推測よりは信憑性が高いと思いますわ」

 

 何とBETAから直接聞き出したという。ならば交渉の余地があるのではないかという質問が当然のように出たが、モモ王女の回答は端的であった。

 

モモ王女「無駄ですわ。BETAは珪素生命体(シリコニアン)によって作られた()()()()()()()()()()()です。炭素生命体は全て自分と同じ生体ロボットだという認識ですので、交渉が成立しませんわ」

 

 また頭の痛くなる情報が出てきた。炭素生命型自律稼働重機。生物兵器ではないのか、という半ば願望のような質問が飛んだ。

 

モモ王女「資源採掘と本星への輸送を目的とした、ただの生体重機ですわ。ですから()()()()()()はあっても最初から戦術や戦略の概念が無かったでございましょう?」

 

 思い当たる節がありすぎる。確かにBETAは光線(レーザー)級などの新種を出してくることはあっても、駒の動かし方は基本的に数による平押ししかなかった。地球人類は力があって数が多いだけのただの重機を相手に30年以上も負け続けていたのだ。

 

モモ王女「でも地球の皆様は運が宜しいですわ。地球を侵略しているBETAは資源探査機能が故障しているせいで進撃速度が大分低下していましたもの。はじまりの星のBETAは半年で陸地の半分近くを覆うほどだったのですよ? こちらの戦力向上に合わせた新種を出してくる対応力も段違いでしたわ」

 

 モモ王女の言葉に合わせて地球にはいない種類のBETAがスクリーンに映し出された。情報戦に特化した光線(レーザー)通信級、電波妨害(ジャミング)級、諜報(スパイ)級や水中適応型はまだ分かる。しかしレーザーを無効化する一輪車(アインラッド)級、加えて電撃も無効化する重輪車(ツインラッド)級、空を飛びレーザーを反射する連結輪翼(ドッゴーラ)級、一撃で艦隊を消し飛ばす超重光線(レーザー)級、あろうことかそれが空を飛ぶ二輪艦(モトラッド)級、そのスケールが10倍になった二輪戦艦(アドラステア)級、精神攻撃で広範囲の生物を永遠に眠らせる天使の光輪(エンジェル・ハイロゥ)級。これらがわずか10日の間に出てきたというのだ。確かにこんなものに対抗するにはインファクトリやジンライ、トムのような圧倒的な武力が必要になるだろう。現行の地球の戦術機では全く話にならない。

 

モモ王女「ともかく、地球戦線終結お疲れ様ですわ。残ったBETAも補給が途絶えたことで1ヶ月ももたずに活動停止することでしょう」

 

 ともかく地球がBETAに蹂躙される時代は終わったのだ、という宣言に実感が徐々に湧いてきて、場の空気が緩んだ。そこで米国代表が挙手して質問した。

 

米国国連大使「その地球にいるものよりも強力なBETAを打ち倒したそちらの軍事力を、公開可能な範囲で教えていただきたい」

 

 米国代表が喋っている言葉は英語だが、モモ王女が理解可能な言葉なので以下原語記述は省略する。

 

モモ王女「分かりましたわ」

 

 モモ王女が快諾し、演説台の後ろにあるスクリーンに各種兵器の性能諸元が映し出された。まずは蜘蛛型の大型艦載機、トムからだ。

 

■名称:トキソピッド・ミラージュ、腹部(アブドメン)ユニット装着時はトキソピッド・オーバー・ミラージュ、略称TOM(トム)

全高(脚を含む):30m~100m

全幅(脚を含む):40m~180m

胸部:長さ50m、幅40m、上下厚み30m

主機関:7.5GW核融合炉×1~40(300GW)

燃料:液体重水素

装甲:ルミナイト(Luminite)合金

操縦インターフェイス:ツインスティック+ペダル

飛行原理:時空勾配推進(腹部(アブドメン)ユニット装着時)

大気圏内巡航飛行速度:2,400km/h(腹部(アブドメン)ユニット装着時)

最大走行速度:240km/h

防御機構:構造強化システム24倍、可変誘電体多層膜、バリアフィールド、リペアフィールド

ウェポンベイ:上下合計2,000m2

選択武装:Tech規格武装全般、代表的なものは反射レーザー、レールガン、垂直発射ミサイル、放電

 

 実際の働きも凄まじかったがカタログスペックもとんでもない。各国の国連大使よりも同席した専門家の方が現行の地球の技術レベルとの差により驚愕の色を見せていた。

 まず目を引くのが合計300GWの核融合炉だ。戦術機とは桁が違いすぎる。そこらの国の総発電量すら軽く超えている。専門家達はレーザー防御に少なくとも100GWクラスの発電量が必要と見積もっていたが、その3倍だ。実用上の余力を考えると、概ね見立てが間違っていなかったと言えるだろう。この膨大な発電量を背景とした防御力は堅牢な筈だし、繰り出される攻撃がBETAを貫くのも納得だ。

 また、同じく専門家達が重力推進の可能性を示していたが、やはりそれも当たっていたようだ。これならば衛士が加速Gの限界に悩まされることもないだろうし、衛士採用のための適性基準を下げることも可能だろう。

 名前にミラージュと入っているせいか、フランス代表の質問が一番早かった。

 

フランス国連大使「すまない、この構造強化システムというのは?」

 

モモ王女「突撃(デストロイヤー)級などの甲殻が生きている間だけ妙に頑丈なのはご存じでしょう? それを再現したものですわ」

 

 つまりそれによって装甲が24倍も頑丈になっているということだ。BETA由来技術をしっかり活かしていることが分かる。

 

英国国連大使「ではこのリペアフィールドというのは?」

 

モモ王女「範囲内を自動修復する装置ですわ。可変誘電体多層膜も修復出来るので常に万全の状態で反射出来ますの」

 

 レーザーを反射する仕組みとして専門家の意見では誘電体多層膜が候補に挙げられていたが、どうやらそれは正しかったらしい。それに熱で消し飛ばずに機能し続ける理由も判明した。しかしどうやって反射角を制御しているのか、その「可変」の部分が問題だ。また、どうやって修復しているのかも返答には無い。

 

米国国連大使「レーザー反射角制御の仕組みは? また、修復原理は?」

 

モモ王女「角度は高性能ナノマシンで制御しておりますわ。このナノマシンは修復()()()()()()()()()()の」

 

 ナノマシン。概念自体は地球にもあるが、まだまだ実験室レベルでも実現できていない技術だ。やはり技術水準が隔絶している。多くの国が各国代表補助席に座らせている専門家も現在の地球の技術では実現不可能と答えるばかりだ。

 

日本国連大使「このルミナイト(Luminite)合金というのは?」

 

モモ王女「はじまりの星で産出する最も硬度・靱性が高いルミナイト(Luminite)という金属を中心とした合金ですわ。強度が高すぎて加工難易度も高いのが難点ですわね」

 

ソ連国連大使「バリアの原理は?」

 

モモ王女「力場を応用したものでございますが、どのみち相手側の攻撃以上の電力が必要ですわよ?」

 

 興味は尽きないが、これも地球人類には手に余る代物のようだ。

 

 一通りの質疑応答が終わって、次にスクリーンに表示されたのは戦術機タイプの艦載機、ジンライだ。

 

■名称:53式魔導戦術歩行戦闘機 MTSF-TYPE53-3 迅雷 参型

全高:23.3m

頭頂高:21.5m

主機関:マナリアクター

燃料:液体マナ

装甲:★×12アダマンタイト鋼

操縦インターフェイス:戦術機管制ユニット+阿頼耶識改

飛行原理:魔力推進(宇宙対応)

大気圏内巡航飛行速度:2,400km/h

雷速機動:540,000km/h

最大走行速度:1,821km/h

防御機構:マジックシールド、構造強化システム24倍、バリアフィールド、リペアフィールド

固定武装:頭部魔導機関砲×2、携帯レーザー防御モジュールMk.3 Type G×48

選択武装:近接戦闘長刀、ゼニス(Zenith)2000、フライングドラゴン(Flying Dragon)2000、ヒルデブラント2000、ファントムスパーク2000、パルスボウ(Pulse Bow)2000、エアリアルベイン(Aerial Bane)2000、ラストプリズム(Last Prism)2000

 

英国国連大使「すまないレディ、マナや魔力推進、魔導機関砲、マジックシールドというのは文字通り魔法のことなのか?」

 

 突然魔法の概念が出てきて各国代表が困惑する中、実際に使えるわけではないが伝統的に魔法に馴染みがあった英国代表がまず質問を投げた。

 

モモ王女「その通りでございますわ。全体的な性能の底上げの他に、雷速機動も魔法で実現しておりますの」

 

英国国連大使「おお……!」

 

 腹黒く冷徹な英国紳士も魔法の実在が確認出来たことには興奮を隠せなかった。

 

ノルウェー国連大使「飛行速度や走行速度が音速を超えているのに衝撃波が伴っていなかったようですが、何か仕掛けが?」

 

モモ王女「雷速機動同様、本来音速未満の速度を魔術的仕掛けで増幅しているためですわ」

 

 やはり魔法、物理法則に縛られていない。

 

インド国連大使「操縦インターフェイスの阿頼耶識改というのは? サンスクリット語のアーラヤ・ヴィジュニャーナのことかな?」

 

モモ王女「語源はそうですわ。パイロットが人型機械と精神接続をして人機一体を成すためのインターフェイスですの。これによってTOM(トム)では使えない魔法を大型ロボットでも使えるようになっているのですわ」

 

 一見戦術機と同じ操縦インターフェイスに見えるが、魔導戦術機では操縦桿やペダルはサブシステムで、精神接続の方がメインになっているようだった。

 

カナダ国連大使「近接戦闘長刀以外の選択武装が名前だけでは分からないので触りだけでも説明してもらえないでしょうか? また2000という名前が付いていますがこれは?」

 

モモ王女「ゼニス(Zenith)は剣を分身させて投げる魔法剣、フライングドラゴン(Flying Dragon)は衝撃波を飛ばす魔法剣、ヒルデブラントは槍、ファントムスパークは光の弓矢、パルスボウ(Pulse Bow)は同じく光の弓矢ですが貫通力特化、エアリアルベイン(Aerial Bane)は一度に多数の矢を飛ばす弓矢、ラストプリズム(Last Prism)は貫通魔導光線を照射する魔法結晶ですわ。2000というのは、迅雷用の武器が人間が持つものの約2,000倍の威力と重量があるためについている識別名ですわ」

 

 なるほど特にヤバい殲滅力を発揮していた光線照射武器はラストプリズム(Last Prism)という名前なのが分かった。原理が分からないものは魔法武器なので訊くだけ無駄だろう。

 

西ドイツ国連大使「★×12アダマンタイト鋼というのは、先ほどのルミナイト(Luminite)合金ほどは強くないのであれば採用理由は?」

 

モモ王女「魔法適性の高さですわ」

 

 物理強度と別に魔法への適性の高さという評価軸があるらしい。導電性のようなものだろうか。

 

日本国連大使「我が国の戦術機、不知火との類似性が見られますが、何か因果関係があるのですか?」

 

モモ王女「デザインと操縦系統は参考に致しましたが、中身は全く別物ですわ」

 

 あっさりとした回答であるが、そうなるとインファクトリの地球来訪よりずっと前から地球のことを知られていたことになる。ここまで詳しいとなると、地球人の中にあちらの手の者が既に紛れ込んでいると考えるのが妥当だろう。何しろ種族としての見た目には殆ど差違が無い上に言葉も通じているのだから。

 

 迅雷に関する質疑応答も一通り終わり、次はいよいよ頭上に停泊している巨大戦闘艦インファクトリの番だ。

 

■名称:航宙工作艦インファクトリ級1番艦 インファクトリ

全長:1,200m

全幅:450m

全高:300m

主機関:ホーキング輻射型縮退炉(戦闘出力400EW)

主機燃料:水もしくは水銀

補機:7.5GW核融合炉×136(1.02TW)

補機燃料:液体重水素もしくは液体三重水素

装甲:ルミナイト(Luminite)合金

操縦インターフェイス:ツインスティック+ペダル

飛行原理:時空勾配推進

大気圏内巡航飛行速度:マッハ10

防御機構:構造強化システム24倍、可変誘電体多層膜、バリアフィールド、リペアフィールド

固定武装:艦橋砲塔部可変出力レーザー主砲(現行最大50EW)

ウェポンベイ:合計450,000m2

選択武装:Tech規格武装全般、代表的なものは反射レーザー、レールガン、垂直発射ミサイル、放電

 

 技術的に見る限りはTOM(トム)を更に大型化したような内容だ。違うのは、ギガからテラ、ペタを超えて400EWにも達するという縮退炉とその威力が乗るであろう艦橋砲塔部可変出力レーザー主砲だ。主砲がどれのことを指しているのかは一目瞭然だが、桁が大きすぎて、大気圏内で最大出力照射されたら大気がプラズマ化して気候がどうなるか分からないほどのエネルギーだ。未だに発射していないのも理解出来る。

 

ソ連国連大使「待て、縮退炉で400EWは流石に無理があるだろう! エディントン限界が220GWくらいの筈だ!」

 

モモ王女「あら、よくご存じですのね? エディントン限界でしたら重力増幅で解決しておりますわ」

 

 専門家に何やら耳打ちされていたソ連代表が鬼の首を取ったように文句を付けたが、モモ王女はあっさりと返り討ちにした。エディントン限界はブラックホールの重力を放射圧が上回ることでブラックホールへの質量投入が困難になるラインのことだが、確かに重力の方を強めることが出来るのであれば解決可能だろう。というか、飛行原理に平然と「時空勾配推進」とついているのだから重力制御が可能なことくらい気付けと言いたい。

 恥をかかされたと思ったソ連代表は早速隣の専門家を叱責して責任を擦り付けに掛かっており、専門家の方は説明を最後まで聞かなかったのが悪いと必死に首を振っている。周囲からはそのコントは却って恥の上塗りではないかという視線が突き刺さっている。

 英国代表が横を見れば、米国代表の表情が何とも言えない物になっていた。核融合炉の時点ではまだ余裕があったのだが、HI-MAERF(ハイマーフ)計画の実現によるムアコック・レヒテ機関の予定出力を縮退炉で一足飛びに超えられたことで焦っているのだろうか?

 

日本国連代表「これだけの戦闘能力がありながら工作艦と銘打っているのは何故ですか?」

 

モモ王女「インファクトリ級は何も無い所に工業生産拠点を作る運用を見越して設計されたものですわ。移動生産拠点としても武装を始めとするほぼ全てを自力でまかなえる生産力を備えておりますの」

 

 何とこれでも生産力がメインで武装の方がおまけらしい。技術格差がありすぎて戦艦が工作艦に勝てないという異常事態が起こっているのだ。

 

中国国連大使「1番艦ということはインファクトリ級は複数あるのか?」

 

モモ王女「現在2番艦まで就役しておりますわ。更に設計をアップデートした3番艦を現在建造中です」

 

 匠衆(マイスターズ)がこの世界に介入し始めてから2週間も経っていない筈だが、あの巨艦が既に2隻完成しているらしい。恐るべき建造速度であり、週刊護衛空母も真っ青だ。技術格差のせいなのか、生産力も大きく水をあけられているように見える。また、既に数万隻などと言わないあたり真実味があり逆に恐ろしい。どうせ1隻でも散歩気分で地球を滅ぼせるような兵器なのだ。

 

モモ王女「軍事に関する質問は以上で宜しいでしょうか?」

 

 モモ王女がこれでもかと武力を見せつける質疑応答を終わらせようとすると、そこに空気を読まない主張が飛んだ。中国とソ連の代表だ。

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