地球の全てのハイヴをわずか7時間ほどで壊滅させた
考えられる可能性は4つほどあった。
1つ目、まず単純に今現在がH23オリョクミンスクが建設開始される1999年以前である可能性。しかしこれはアヌビス神の証言と食い違うし、電波ジャックのついでに地球の情報をかき集めてみてもやはり本日は2001年11月3日土曜日で間違いない。
2つ目、ここがステークが以前いた漫画版マブラヴオルタネイティヴの世界ではなく、最初期のR-18ゲーム版マブラヴオルタネイティヴの世界である可能性。このバージョンのみH23オリョクミンスク以降が存在しないのだ。しかしこれもアヌビス神に問い合わせてみた所同一世界の筈だという。更に言えば、その初期版世界だとしたら残っている人口が今確認できている25億人よりあと
3つ目、クラエル神がバーナード星系をいじくり回した結果地球に対するBETAの押しが弱くなった可能性。しかし以前確認した通りBETAが月や地球に到達した年も日付も全く同じのようなのでこれも考えづらかった。
4つ目、白銀 武のように未来の知識を持って行動している者や外部世界からの強い影響をもたらした者がいる可能性。これを念頭に置いて新たに実装された量子演算機のパワーで各国の機密情報を収集してみると、『ルナリアン』『カッサンドラ』というキーワードが頻繁に出てきた。
更に調べてみると、この世界の地球の経歴は以下のような違いがあった。
・1967年に月面で最初にBETAに遭遇したサクロボスコ事件で部隊全滅を免れている
・1973年4月に米国国家安全保障委員会指定第427号機密『ルナリアン案件』が発生している。これは
・米国の難民政策が合理化されており、有能な人間や兵役を希望する者だけ引っこ抜いて後は他国に押しつけ、押しつけた分の経済支援だけする形になっている。これは国家が義務として難民に掛けなければならないコストが難民受入国の生活水準に依存するため、生活水準が低い国で引き受けさせた方がコストが安いという原理によるもの
・パレオロゴス作戦失敗後に
・バンクーバー協定第63条『避難勧告非受諾者に対する例外規定』が存在する
・間引き作戦の有効性が早めに実証されているためハイヴ建設ペースが遅い
・H08ロヴァニエミの建設をかなり遅延させ、山岳地帯を盾にしたノルウェーの一部が健在
・H09以降の建設も順調に遅らせた結果2001年現在でのハイヴの数が4つ減っており、ソ連の国土が半分近く残っている
・ピレネー防衛線に至ってはいまだに奇跡的に機能し続けており、スペインとポルトガルが健在
・東ドイツ第666戦術機中隊
・
・F-22から対人用のステルス機能を削ったローコスト版が存在する
・戦術機の動きを柔軟に、操縦を簡便にする新型OS、
まあ要するにだ。
トピア「これ絶対デグさんが頑張った結果ですよね?」
そう、その殆どが存在Xに送り込まれたターニャ・デグレチャフ女史がマブラヴ・ルナティック・ルナリアンにおいて成したことなのだ。ルナティック・ルナリアンはフィンランド防衛までで話が途切れているのでその後の詳細は分からないが、スペインやノルウェーの滅亡回避、ソ連の後退速度遅延、F-22の対人特化回避もその影響で間違いないだろう。
つまりこの世界はステークがいた世界で間違いないが、彼がいない間に存在Xの手によって送り込まれたターニャが歴史改変していたということになる。まあ概ねいい方向に変わってはいるのだが、このまま白銀 武不在で何の助けも無ければ隣のエクストラ世界の数式が手に入らないため00ユニットが完成せず、大分厳しい戦いになっただろう。可能性があるとすれば、ステークが試みたが成せなかったG弾による
九十九「国連の名簿に普通に名前が出てくるねえ、デグレチャフ君」
ターニャ・デグレチャフ
しかしターニャの合理性の恐ろしさを語るのによく引き合いに出されるBELKA計画だが、トータルイクリプスで登場したレッドシフトは核爆弾でアラスカを切り離してBETAの侵攻を阻止しつつ戦後G元素を大量保有することになりそうなソ連を潰すプランなので、ターニャが提案しなくてもBELKA計画に類するものは結局どこからか提出されたことになる。
余談だが、国連事務次長は事務次官と呼ばれることもあり、今現在オルタネイティヴの原作通りに
ともあれ、あの有名なシカゴ学派市場原理主義者の存在が確定したことで、
さて、そのヘッドハンティングだが、国連横浜基地で香月 夕呼副司令に要望リストを送ってはみたものの、仮にも国連に所属する人員の引き抜きに対して即答を期待していたわけではないので、トピア達はご検討下さいの一言でその場を辞し、ひとまず上の方に掛け合うことにした。上の方。つまりは国連本部である。インファクトリは一路ニューヨークへと向かい、インファクトリを国連本部の上空に堂々と停泊させて会合に臨んだ。ハイヴ攻略で艦底部から大量破壊兵器を連射してみせた後で国連本部の上空に陣取るというこのあからさまな砲艦外交はモモ王女の案であり、武力を誇示して結論を急がせる単純明快なプランにはマインも大賛成であった。
交渉プランはまず自己紹介で適度に神の威光を示し、エジプトが反応したならアヌビス神がその心を掴み、間違いなく聞かれるであろう兵器の性能に関してはどれだけ隔絶しているかをこれでもかと誇示し、考え無しに突っかかってくる共産主義国家をモモ王女が論理合気道でぶち転がしてプレイヤーとしての力量を示した所でターニャが影響力を持っている米国か元々交渉力が高い英国を利益で釣るというものであり、米国の反応が案外鈍かったので主に英国に主導させて交渉をまとめることになった。フランスは国土を失って影響力が無いし、日本は案の定外交音痴なので交渉相手として不足であった。オーストラリアは食品関係では価値を認めさせるのに役に立ってくれた。
祈るだけで教えの部分が無いし現世利益もあるから宗教じゃないもんねー、という理屈も勿論カール・マルクスの主張を事前分析した結果の理論武装である。お陰で目的の一つである信仰集めの障害を可能な限り排除することが出来た。
なお中国・ソ連の
こうしてつつがなく国連本部での用事を終えて勧誘への障害をなくし、まずは放っておくのが一番不味いであろう鑑 純夏を救うべくステークを連れて国連軍横浜基地を再訪問したところ、脳髄部屋にてヘッドハンティングの第3カテゴリ、つまりは純粋に能力目的での勧誘筆頭候補であるターニャ・デグレチャフと遭遇したわけである。なお第1カテゴリはループトリガーで、第2カテゴリは正史では死ななかったがステークの意向としては今回も犠牲にしたくない相手だ。
ちなみに横浜基地地下の
つまり方針決定後の流れはここまでほぼ予定通りだったわけだが、ターニャに妙に警戒されているのはトピアも内心首を傾げる所であった。まあ魔法を使えないターニャに
今回で100万文字到達です。