トピア「……といった感じで、このバーナード星系と地球周辺のハイヴは全て攻略済となっています」
魔導師装束の女「いやはや、派手にやったものだね。とはいえ、君達が無事で何よりだよ」
トピア「ご心配をおかけしました。あと工房の管理ありがとうございました」
魔導師装束の女「気にすることは無いよ。あの場所は僕らにとっても共有財産だからね」
インファクトリ級2番艦デイリーライトの大食堂でスクリーンに情報を表示しながらトピアが状況を説明すると、新たな参加者である緑髪で魔導師装束の女が苦笑気味にコメントした。彼女こそが空回りアセンと札束魔法装備を発案したことで有名な上位の
一人称がやや変則的だが、札束魔導士は言わば僕っ娘であった。それも僕っ娘に多い元気系ではなくインテリ系であった。
その札束魔導士がなぜここにいるのかと言えば、クラエル神が
ここに集っている
呼ばれた
魔導師装束の女→タバサ「僕らが協力した迅雷の力を以てしてもBETAの駆逐にはもっと時間が掛かるものと思っていたが、7つの文明が協力するとここまでとはね」
この世界に来た時点の迅雷弐型は、機動力と攻撃力は十分であったが、殲滅力と防御力が今ひとつ心許なかったし量産の目処も立っていなかったので、ここまで手早く終わるとは思っていなかったのだ。
九十九「そこは吾輩も驚いたものだヨ。流石は七柱の神が自信をもって送り出した
タバサ「ああ、神なあ。そこも吃驚したよね。邪神としか思ってなかった
ステーク「黙っていたのはすまなかった」
タバサ「いや、別にいいよ。因果導体の作用で忘れてしまうんならそいつは仕方ない。そんなことより純夏ちゃん達を助けられてよかったじゃないか。僕らも手伝った甲斐があるというものだ」
タバサ以外の
純夏「えへへ、皆さんありがとうございます」
ステーク「ありがとう、本当に世話になった」
マブラヴオルタネイティヴは立派な心を持った人々が身を挺してはどんどん犠牲になっていく物語なので、それを覆したという結果はタバサ達からしても満足度が高いものであった。多大な困難を超えて幸せに辿り着いた純夏とステークを見る視線は非常に温かい。
タバサ「しかしあれだね、宇宙の人々をBETAから救ってクラエル神達七柱の神々の名を広める作戦か……」
トピア「気が進みませんか?」
特にクラエル神が問題で、これまでの所業が所業なので、みんな邪神としか思っていなかったのだ。
タバサ「いや、思う所が無いわけではないが、今後は改めてくれるようだし、何より存在Xの干渉が確認されているのなら、やはりクラエル神達は味方として可能な限り強化する方針が正しいだろう」
札束魔導士のこの判断に殆どの
文明をリセットするクラエル神の所業自体が邪悪ではないとは決して言えないが、一方で自分達
ターニャ「そちらでも有名なのですか、あの悪魔だか邪神だかは?」
タバサ「……それはもう。いや、貴女がいたことも吃驚しましたが、
ターニャ「は、微力を尽くします」
ターニャに
これまで幼女戦記の書籍データや映像データを持ち込んでいなかったため、トピア達もターニャには幼女戦記の主人公であることをまだ伝えていない。
しかし実はターニャもそろそろ気付き始めている。彼女は普通と見なす水準が常人とは隔絶しているために色々と勘違いが発生しているが、頭が悪いわけではないのだから。
ターニャ「あの、もしかしてなのですが、小官の前世の世界大戦も何かの物語になっているのですか?」
トピア「デグさんが気付いた!?」
タバサ「おや、割とあっさり気付いたね」
そう、ターニャがマブラヴを知っていたからBETA大戦に関する知識があったように、これだけ多くの
ターニャ「なるほど、そういう……」
仕事ぶりをこれだけ評価されているからにはよほど出番があったのだろう、と考えた所で衝撃的な言葉がターニャの耳朶を打った。
九十九「ちなみにタイトルは幼女戦記だヨ」
ターニャ「よ、幼女……!? おのれ存在Xッ!!」
前世では幼少期の栄養不足が祟ったのか確かに幼女体型のまま全然成長しなかったが、
ステークも自分の物語のタイトルの「マブラヴ」はどういう意味なんだろうと首を傾げることはあったが、「幼女戦記」ほどあからさまに酷くはなかったので、ただ黙祷を捧げた。
トピア「タイトルはともかく、そういうわけでみんなデグさんがもの凄く仕事が出来ることは知ってるんですよ」
ターニャ「……まあその評価は有難く頂戴します」
ちなみにトピア達は作品内容の詳細をわざわざターニャ本人に伝える予定は無い。何故って勘違いの内容を伝えなければ今後も愉快な勘違いを生み出し続けてくれそうだからだ。つまり
トピア「それで話を戻しますと、戦力的には今のところ何とかなっているのですが、政治交渉や行政をやれる人が少なくて困ってるんです。そういう方面に強い人っていませんか? 最終的には世界間の利害調整なんかも発生するかもしれないんですが」
トピアが問いかけてみるも、反応は芳しくない。
タバサ「うーん、利害調整……それやる必要あるかな?」
問題は根本的な所で、それをやる必要があるのかということだった。
レガシークラフトピア世界は同じフォーマットの複数の世界に分かれており、それぞれの世界を担当の
九十九「ああ、吾輩達の世界は大きくても集落程度の組織しかないし、特産品が完全に被ってる上にロールバック複製という手段があるから世界同士で交易する必要もあんまり無いからネ。だから超時空倉庫一つで完結してしまったんだヨ。他の世界は普通に経済活動があるだろうからやはり利害調整が必要になることはあると思うヨ。ほら、企業が複数あるだけでもそうなるだろう?」
トピア「まあ
タバサ「……なるほど、僕もクラフトピア世界に慣れすぎていたようだね。でも元々ここに来る予定があったクラフトピア世界以外と交流する意図はどのあたりなんだい?」
タバサから見ると、他の世界に全く関わらなくてもBETAを殲滅するには既に不自由していないように思えるのだ。
トピア「当人が帰郷したいときに問題無く帰れるようにするという意味が一番ですね。それで諸々の問題を解決しようとすると関わらないわけにはいきませんし。二番目に人材確保というのがあります。
タバサ「ああ、マブラヴ世界の地球人だものね。過半数かつ目が届かないほどの人数にするのは僕も躊躇うね」
この理由はマブラヴを知っている者達には大いに共感出来るもののようであり、それぞれ頷いていた。乗っ取りを企てられる可能性が非常に高いということだ。
今後この世界でBETAを駆逐しながら勢力圏を広げていくとしても、BETAがあの形状で知能を持って統率される生物として成立していることを考えると、地球と無関係な文明圏では知性体の形状が人型ではない可能性も高いと考えられる。そうなると益々地球人の人的資源としての価値が上がってしまうのだ。だったらこの世界の地球人ばかり採用せず、他の世界の地球文明圏から採用する伝手があって損は無いということだ。
トピア「そして三番目に更なる技術収集、四番目は様々な娯楽コンテンツを購入出来ることです」
タバサ「それは重要だね」
ステーク「クラフトピア世界にはオレらの頭の中から持ち寄ったもの以外にほぼ無かったからなあ」
九十九「種は蒔いておいたけど、この世界でエンターテインメント産業が発達するにはもう暫く掛かりそうだからネ」
娯楽と聞いてタバサ達は覿面に食いついた。クラフトピア世界には娯楽が無さ過ぎて、必要に駆られて各自の記憶から娯楽コンテンツを抽出するMODを作ってしまったくらいなのだ。
この世界の他の文明圏から購入する手が無いわけでもないが、既に述べたように地球と全く縁が無い文明圏の場合は相手が人型であるかも分からず、そうであればその文明の娯楽を楽しめるかは甚だ怪しい所なのだ。獣人、ケンタウロス、ハーピー、ドラゴンくらいの人外度だったらまだいけそうだが、クリーチャーじみた見た目のキャラに感情移入するのは難しい。
トピア「どのみちクラフトピア世界以外はまだ公認
タバサ「あー、そう言えばあの人、元々そんなの作ってたね」
オルタネイティヴ原作で夕呼が作っていたものは因果導体限定かつ縁のある並行世界限定ではあったが、それに使う電力は原子炉程度であったし、超科学や魔法の恩恵も無かったので、縮退炉の電力を前提として今ある技術で作ったらもっとすごいものが出来そうな期待があるのだ。
というわけで、トピア以外の