トピア達が次に訪れたのはペディオ神が管理するテクスの故郷世界だ。天の川銀河にあるGSO惑星開拓基地B57981-J管理下の資源惑星。Techの楽園こと惑星テラテックだ。
重力は地球と同等だが、単位面積あたりで地球の倍近い光の照射を受けているため赤道近くでは水源が悉く干上がっており、海の面積がかなり小さい。しかし見た目に反して強靱な環境抵抗力を持つ
そして今回テクスが会いに行く相手は、テクスがこの星に墜落したあと最初に出会った
トピア達は森林地帯の一角にマイクの姿を発見し、元々知り合いのテクスが声を掛けた。
テクス≪マイク殿ーっ。久しぶりでござるなー?≫
マイク≪おっ、召喚士の小僧か? また会った……またえれぇモンに乗ってきたじゃねえか。そう言や他の
振り向いたマイク、というよりマイクが乗っているTechの見た目は、操縦席を頭に、回転アンカーを脚に、ローダーブレードを両手に見立ててGSOのブロックを人型に組んだだけの、いわばカカシのようなものである。一応飛行用のブースターはついているが、手足の関節すら無いので、通常の意味での機動性も戦闘能力もほぼ皆無だ。地上に出ている部分はサイズにして全高5m程度になる。
ちなみに召喚士というのは、敵対Techを発見次第AIミサイルタワーを召喚してアウトレンジ攻撃で片付けるというテクスの常套戦術からついた二つ名だ。歯に衣着せぬ者には鬼畜召喚士とも呼ばれていた。
テクス≪壮健そうで何よりでござるよ。お礼参り……と言えなくもないでござるな? 今からGSO本社に商談をしに行くゆえ、
対するテクスが乗っているのは膝関節の高さが65mに達する
マイク≪本社に? まあ俺様ともなりゃあ、GSO本社にも多少の伝手はあるがな。それで一体どういう商談をしようってんだ? 装備の良さを見る限り悪い話じゃなさそうだが≫
テクス≪デバッグして安定化に成功したTech OSと、新しい鉱石資源の交易の話でござるな≫
マイク≪…………は? おめぇあの絶望的なスパゲッティコードを直したってのか? 俺様だってそんな嘘吐かねえぞ? 新しい鉱石資源よりよっぽど無理があんだろ?≫
テクス≪まあ実際使ってもらえればわかるでござるよ≫
完全に安定させるにはコードの問題以外に演算処理系の電力不足問題もある。
マイクはテクスの言い分を最初全く信じていなかったが、テクスの自信ありげな言葉と受け取ったサンプルデータ、そして明らかにTechの規格を外れた目の前の非常識なメカを見て、考えを改めた。
マイク≪ふむ……つまりこいつは、でけえ商談になるってことだな?≫
テクス≪でござるな。上手くいけばGSOの再建も夢ではないでござるよ≫
以前一度触れたが、GSO、
だが、安定したTech OSによる業界の標準化と新しい資源の独占供給が叶うのならば、再び業界のリーダーシップを取り戻すことも決して夢ではないのだ。
マイクの中でもその算段が立ったようだ。
マイク≪よーし俺様に任しとけ! たとえ嘘っぱちでも通してみせらあ!≫
テクス≪いや別に嘘ではないのでござるが……そういう所は相変わらずでござるな≫
マイク≪馬ッ鹿野郎おめぇ、同業他社を出し抜いて業界をひっくり返すチャンスだぜ? やらねえ手はねえだろうがよ≫
繰り返すが、マイク・クラフティは
そもそも彼が実際やっていることと言えば、新人の
テクスも最初はGSOのミッションで接触したものの、詐欺師という噂から警戒していたのに実害が全く無いことに逆に驚いたものだ。マイクがやっているのはむしろ詐欺師という肩書きを掲げる看板詐欺だと言えるだろう。
そのため詐欺師だと知れ渡っているのに
つまりテクスの言う
このあとインファクトリ11でワープを繰り返して訪れたGSO本社では、マイクの口添えもあり思った以上にスムーズに交渉がまとまった。
以前にも述べていたように、テクスとしては取引窓口がどうしてもGSOでなければならない理由は別に無いのだが、元々が政府機関であってカバー範囲が広い割に困窮していて恩を売りやすいというのがトピア達にとって都合が良かったため、今回の第一候補となったのだ。そしてGSOはマイクの口車に乗って無事そのチャンスを掴んだ形になる。
GSOがこのままではいかに先が無いか、そして今回の取引がいかに千載一遇の好機であるかを生き生きと語るマイクの様はまさに詐欺師であった。いや契約自体には何も嘘はないのだが、ぽっと出てきた
トピア「マイクさん、もしうちの交渉担当として来ていただけるのならそれなりの待遇で歓迎しますよ?」
マイク「ハハッ、馬鹿言っちゃいけねえよお嬢ちゃん。俺様はひよっこ共に
やっぱり悪ぶっているだけの面倒見のいい人ではないかとますます評価が上がってしまったのは言うまでもない。
なおこんな渋いことを言っているマイクもTech乗りである以上は当然
この契約成立によりGSO再建の目処まで立ったことで、これをもたらしたマイクの昇進が決まり、テクスのGSOライセンスのグレードが限界の5を超えて6に上がった。
ついでと言っては何だが、Tech自体は強くないがTech由来テクノロジーの有用性が非常に高いので、他の世界と交流することになっても安売りしないようにテクスは忠告しておいた。具体的には仮想実体化、遠隔共有インベントリ、瞬間設計組み替え、超高効率バリア、超高効率太陽電池、重力制御あたりだ。GSOの担当者はこれに感謝を述べたが、それぞれの世界同士での技術交流が進むと
なお
そのようにほぼ自営業と言える就労形態であるため、GSOライセンスレベルが5に達した
これまでもGSOライセンスは他の企業のライセンスを獲得するための基礎ライセンスとして公然と扱われていたが、そこに
とはいえ別の世界への移動というのは当初眉唾扱いされており、単に新しく見つかった資源惑星での仕事だと思われていたのだが、元々
ただし惑星テラテックの様子を見れば分かる通り