さて、問題はアヴェニュー神が管理するマインの故郷世界である。
何が問題かと言えば、唯一の顔見知りであるマインのコミュ力が壊滅的であることだ。業務成績では首位であったとはいえ、マインの古巣である
まあ
無精髭の男「そうか話は分かった。マイン・ストリアニューダ! お前は
マイン「なん……だと……!?」
まあ結果は散々なものだった。容赦ない解雇通告である。
ただし端から見ると、経緯説明が主観まみれで到底リアリティが無かったのも話がこじれた一因であろうと思われた。
ここは
その機動本社に、トピア達は迅雷で乗り付けていた。流石に大型艦船用ドックは無く、接舷して乗り込むくらいなら連絡艇用のハッチから入った方が早かったからだ。
無精髭の男→マジェリス「あん? 何を不思議そうな面してんだ? お前仕事をすっぽかして1ヶ月以上行方をくらましてたんだぞ? その穴埋めでどれだけ損失が生じたと思ってるんだ? こちとら信用商売なんだよ、成績がトップだったからって赴任予定の戦場を無断欠勤していいってもんじゃねえんだぞ? 大体お前は成績と態度でプラマイゼロくらいだったんだから、仕事まで不真面目になったらいい加減面倒みきれねえぞ。全く
言葉は辛辣だが、その内容は割と正論である。組織の信用を台無しにするような奴はたとえ能力があっても必要無い。それだけのことだ。
マインがショックのあまり硬直しているので代わりにアヴェニュー神が出てきて場をおさめようとした。そもそもマインはサボろうとしてサボっていたわけではないのだ。
アヴェニュー神「まあ落ち着け、マインは我が使命に従って働いていたのだ。その件についてはこのアヴェニューの顔に免じて許してやるが良い」
マジェリス「なんだアンタ? まさかそいつの親かい?」
どこからともなく出てきたアヴェニュー神に
アヴェニュー神「ふむ、マインが我が使徒である以上はそうと言えなくもないな?」
マイン達の言葉が独特すぎるので、
マジェリス「そうか、仕事中に私用で連れてくたぁ、子が子なら親も親だな! ちょっと見た目がいいからっていい気になんなよ!?」
マインもアヴェニュー神も見た目だけで言えば誰が見ても美形であるが、
アヴェニュー神「貴様下手に出ていれば調子に乗りおって! これ以上我が使徒を馬鹿にするのなら我が怒りが
マジェリス「俺が文句を言ってるのはオメーもだよ馬鹿野郎! いいから
駄目だ、
モモ王女「初めましてマジェリス・コランダム
マジェリス「テラリア王国ぅ? 聞いたことねえですが、その王女様が何のご用で?」
モモ王女「はい、この本社の状況と、あなたの
モモ王女がそう指摘すると、マジェリスは覿面に眉をしかめ、口をへの字に結んだ。
モモ王女「マイン様が姿を消してすぐに
マジェリス「はあ……戻ってこなきゃあ有耶無耶になってたんですがね。タイミングが悪いぜ」
マイン「ということはやはり何かあったのか
マジェリスの発言がマインを思ってのものだったことに気付いたマインが激しく食いついた。そこまで分かっているのなら抵抗は無駄だと判断したマジェリスは、心底嫌そうな顔をして事情を語り始めた。
マジェリス「いやあれはな、俺もわりぃんだよ。ここのところはお前が勝つことを前提に資金繰りしてたからな。無敵のマインが負けるはずがねえってな。リスク管理がおざなりになってた。まあ当然1回や2回負けたくれぇでどうにかなるようにはしてなかったんだが、お前がいなくなった途端に金融機関が一斉に貸し渋りや貸し剥がしを始めやがってな。資金繰りが焦げ付いてるところを
マイン「あの騎士団? ……あの自称騎士団か!」
トピア「何ですかその自称騎士団って?」
九十九「また何とも弱そうな名前だネ」
マジェリス「!?」
ぬいぐるみらしき何かがやたら渋い声で喋ったことに驚いたマジェリスが二度見すると、トピアに抱えられたままの九十九がぴこぴこと腕を振って応えた。
気になりすぎるが、話が進まないのでマジェリスは一旦それを流した。
マイン「以前我に名指しで惑星争奪戦を挑んできた連中だ。まあ家柄と騎士称号しか自慢するものがない連中だったから、まとめて返り討ちにしてやったがな」
マジェリス「おう、まあ正式名称は神聖銀河騎士団っていうんだが、その名前に反して勝利を金で買ってることがこの業界では有名でな。裏では八百長騎士団とも呼ばれてたぜ。そのお得意の八百長取引を蹴った上で、代わりに少しでも勝率を上げてやろうと煽って1対12のハンディキャップマッチを開催してな。それでまとめて返り討ちはなかなか痛快だったぜ。同時に無敵の
モモ王女「まあ、流石はマイン様ですわ」
サティ「本当に常勝無敗だったのね」
マイン「フフフ、それほどでもない」
マインはいつもの調子で形だけ謙遜した。
マジェリスは
アヴェニュー「うむ、我も見ていたが、普通なら負けようがないほどのハンデの代わりに騎士称号を賭けさせて、エセ騎士共の騎士称号を剥ぎ取ってやったのは実に愉快であったぞ」
アヴェニュー神は自身を信仰しているマインの一族を元々気にかけてはいたが、BETA討伐イベントに送り込む
マジェリス「ああ、あいつら実力はねえくせに家柄と金に物を言わせて本物の騎士称号を持ってたからな。それを一斉に失ったせいで今度は『神聖銀河
モモ王女「12対1で負ける程度の実力なのですから、元々騎士の称号など不相応だったのですわ」
サティ「……ちょっと待って? ということはマインったら自称
トピア「つまりはマインさん一人で
マイン「貴様ら
なるほどそういう視点で見てみれば、(実力で勝ち取った12倍の)