隣接地とは言え、コアとその隣の最も近い4コアの間は1,414km、その次に近い4コアは2,000km程度離れている。エリア形式の2M8というのは、コア同士の探査可能半径が重なる、もしくは接する限界距離2,000km=2
エリア分割方式には2M8の他に隣接コアが正六角形頂点に等距離に並ぶ2M6などもある。こちらは探査範囲の隙間を空けないように並べると間隔が1,732km程度になり、一部は正五角形頂点上に並ぶエリアもある。サッカーボールの分割をもっと細かくした感じだ。
また、もっとエリアを細かく分割してコア間の距離を縮め、コアの射出によらない直接の進軍を容易にするレギュレーションなどもある。例えば100k6などとすると、コアの探査範囲を100kmに制限してその範囲内に正六角形状に隣接コアを並べることになる。この分割方式は地球サイズの惑星では分割が細かくなりすぎるので、もっと小さな惑星で採用される。
ともあれ今回は2M8方式であるため、最近接の1,414kmでも初期装備のコアユニット・アルファでは移動に2時間近く掛かってしまう距離だ。そのため、隣接地を攻めるにも結局の所新しいコアを大気圏外経由で飛ばして相手のコア近くの勢力圏外ギリギリに設置し、それを前進拠点として攻め上がるのが一番早い。
ルール上制限があるため兵器の射程や速度が今ひとつになっているが、この世界のテクノロジーはかなりレベルが高い。それを以てすれば2,000km離れた隣接エリアにコアをわずか数十秒で送り込むことが可能だ。しかし全て解禁して長距離レーザーや弾道ミサイルを撃ち合うだけでは決闘にならないので、ルールが整備されてこのような制限が色々と存在しているわけだ。
コアは基本ルール上は自軍が単独占有しているエリアから2,000km範囲内の隣接8コアまでしか飛ばせないが、地図上で10箇所ほど、拠点マーカーに白い枠がついているものがある。具体的にはエリア027、033、093、125、153、175、180、210、213、219の10箇所だ。ここはどれだけ距離が離れていてもコアを飛ばせる移動無制限エリアだ。
移動無制限エリアは自軍コアの探査とは別に最初から利用可能な資源が開示されており、資源が豊富な移動無制限エリアは序盤の狙い目に見える。しかしこれは諸刃の剣であり、互いに自由に移動出来るということは、相手側のコアもいつでも飛んでくるわけなので、焦って先取り占拠してもそのあとずっと防衛に煩わされることになる。占領の判断は慎重にするべきだ。
なお惑星全体の資源分布情報は別に秘匿されていないので事前に調査可能だが、エリア分割の基準となる原点座標が配置抽選時にランダムで決められるため、どのエリアで何が採掘出来るかは大体しか分からない。
ターニャの隣接地が初期拠点となった騎士団員がまずやるべきことは、資源収集を行い、ある程度の初期資源を搭載した新しいコアをターニャの本拠地に射出して防衛を強いることだ。或いはターニャが隣接エリアの内いずれか1つに進出した隙にターニャが不在となった最初のエリア114を攻めても良い。人数の有利を活かすのだ。
だがその作戦を実行するためには致命的な問題があった。映像を見ると、騎士達の手際が吃驚するほど悪いのだ。あれは道具の使い方が辛うじて分かっている程度の動きだ。今まで八百長で勝ってきたので全く最適化努力をしていないのだろう。あれならばマインが業務指導した一般クラフトピア住民の初日くらいの水準で、二日目にはもう追い抜いていただろう。つまり騎士団員の作業速度は、従来システムをマインが使った場合の作業速度を1マインとしておよそ0.1マインだ。
スコア「これはひどいな。うちの新人作業員と同等のレベルだとは」
テクス「まさか騎士は戦うのが仕事だとか言い訳してさぼってるんでござるかね?」
ラリー「でも実際は金の力で勝ってるんだろ?」
トピア「もうあれに自然に負ける演技の方がよほど大変じゃないですか?」
サティ「むしろ何度もやっている筈なのに進歩しないでいられることに吃驚よね。あんなあからさまに作業効率が悪いのにどうして我慢出来るのかしら?」
まあ散々な言われようであった。
一方のターニャは当然マインの指導を真面目に受けており、マインの建設配置設計ライブラリを使った上で資源効率より時間効率優先の手法で作業を進めている。更にOSのアップデートによるフリーズ現象の解消、FICSIT技術導入による建設速度の向上が合わさって、2.5マインくらいの作業速度が出ていた。特にFICSIT技術による建設速度向上の影響が著しいが、つまり騎士団員12人全員を合わせてもターニャの作業速度の半分にも満たないということだ。これはひどい。
ちなみに現行のシステムをマイン自身が使うと3.1マインくらいは出る。同じシステムで競争するとターニャの作業速度はマインの8割くらいということだ。これは
グリマルド「何だあれは!? 速すぎるぞ! おい判定員、反則ではないのか!?」
惑星争奪戦管理委員会判定員≪OSと建設システムの改良が申告されていますが、レギュレーションの範囲内です≫
マイン「何だ? 自軍の手際の悪さを普通だと言い張って多少速い程度の相手を異常呼ばわりする新手の駆け引きか? そもそも同等のシステムで比べても我の1/10程度の作業速度しか出ていないのが問題だとは思わんのか?
グリマルド「自称ではない! 全員正騎士に復帰している!」
マイン「んん? ……まさかとは思うが、一切の進歩が無いまま騎士称号だけ再取得したのか? あの腕前で騎士を名乗る方が余程恥ずかしいとは思わなかったのか? それともわざわざ騎士称号を献上しに来たのか?」
マインは相手の進歩の無さに呆れた。
相手に圧力を掛けて勝ちを譲らせるにしたって、戦闘内容を放送されたらどれだけ実力が伴っていないかは一目瞭然だろうに、その程度のことも考慮していないとは全く呆れるばかりだ。だから同業者にはあっさりばれて八百長騎士団などと呼ばれることになるのだ。
そもそも自分は盤外戦術をやり放題なのに相手が有利になった途端に反則だとわめき出す辺りが心底ブザマだ。こうはなりたくないものだ。
以前マインに限らず他の
自分は全く成長せずに他人の足を引っ張ってばかりいる神聖銀河騎士団の有り様は、
ところで今日のマインはマインらしくないくらいによく口が回る上にやけに落ち着いて見えるが、これはマインがモモ王女と念話術式で相談しながら返答しているからだ。別に場外同士での通信はルール上も禁止されていないので反則ではない。
ともあれ、この初動だけでも観戦者には両者の実力差がはっきりと伝わってしまい、なるほど人数も配置もこのくらいのハンデがないと勝負にもならないだろうなと、惑星争奪戦を初めて観戦するマブラヴ地球人にすら素直に納得されている始末であった。
Mindustry本来のエリア分割方式は2M6、つまりサッカーボール形式なんですが、これを地図上で再現するのがかなり難しいため、妥協してはじまりの星のコア配置と同じ2M8方式となりました。