【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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 第12章開始です。

 [2025/08/20]前話で終わっていなかった地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団の訓練が急に終わったことになっていたのを修正しました。


第12章:匠 VS 珪素生命体
247. これより匠衆(マイスターズ)戦略会議を開始します


 トピアが使命を受けてから50日目、マブラヴ世界では2001年12月10日の月曜日。

 惑星争奪戦の開催期間は時間一杯使うと一昨日の朝から今朝までとなっていたが、案の定ターニャが3時間ほどで終わらせたので、土曜を半休、日曜日を全休としてリフレッシュしたあとの月曜日だ。まあ惑星争奪戦が長引いてもターニャ以外にとっては観戦しているだけなので、どっちみち土日休みではあったが。

 

トピア「これより匠衆(マイスターズ)戦略会議を開始します」

 

 インファクトリ級2番艦デイリーライトの幹部食堂兼会議室では従来より大分面子が増えていた。列挙すると以下のようになる。先頭に○がついているのが投票権持ちだ。

 

 

 

○トピア・ポケクラフ 匠衆(マイスターズ)代表 大元帥相当官

 ・大蔵 九十九 代表相談役 兼 情報本部長 兼 理想郷の建設者(クラフトピアン)戦闘団副長 暫定大将

 ・カミール 代表助手 兼 付与課長 兼 文化研究課 技術大佐

  ・シュミット 魔法開発課 兼 付与課 技術大佐

○サティ・カフェイン・トリファクス 生産部長 兼 流通課長 技術大将

 ・ベッキー・スタンダール 惑星の開拓者(パイオニア)部隊隊長 兼 建設課長 暫定大尉

 ・モニカ・ルイネミリ 広報部長

○トリオ・ウーバーファクト 技術本部長 技術元帥

 ・ボルクロ・アーキネスト 生産部次長 兼 工業の伝道者(ファクトリオ)戦闘工兵隊暫定隊長 技術大佐

○ラリー・テアリジック 大地の冒険者(テラリアン)戦闘団団長 暫定大将

 ・ロゼッタ・グラニス・テラリア 人事部長

 ・リテリア・ダイナブラスト大地の冒険者(テラリアン)戦闘団副長暫定大佐

○スコア・パグキーパー 中枢の守護者(コアキーパー)調査中隊隊長 兼 情報本部長 暫定大将

 ・トーマス・パーキンソン 中枢の守護者(コアキーパー)調査中隊副隊長 兼 文化研究課長 暫定大佐

 ・アキ・リベラ 中枢の守護者(コアキーパー)調査中隊 兼 交通課長 暫定少佐

○テクス・ペテラロード 宇宙の探鉱者(プロスペクター)連隊暫定隊長 兼 流通部長 技術大将

 ・ゼータ 研究開発部次長 技術中将

 ・ホープ システム課長 技術中将

○マイン・ストリアニューダ 総軍本部長 総軍大元帥

 ・マジェリス・コランダム 参謀部次長 兼 産業の支配者(マインダストリー)戦闘団団長 少将

 

○聖騎士 星屑の聖十字軍(スターダスト・クルセイダース)軍団長 暫定大将

○ステーク 魔法開発課長 兼 理想郷の建設者(クラフトピアン)戦闘団団長 暫定大将

 ・鑑 純夏 総務部生活課

 ・タバサ・ドヴォルザーツ 魔法開発課 技術大佐

○香月 夕呼 研究開発部長 技術大将

 ・社 霞 技術本部助手 兼 人事部助手 技術中尉

 ・ロナルド・ジョーニアス・ハマー 科学開発課長 技術少将

○ターニャ・フォン・デグレチャフ 参謀部長 兼 地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団団長 兼 魔法開発課 兼 財務部顧問 中将

 ・グレーテル・イェッケルン 総務部長 兼 財務部長 兼 地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団 大佐

 ・神宮司 まりも 練兵部長 少佐

○ファム 神事部長

 ・グリッター 総務次長 兼 催事課長 兼 神事次長

○モモ・グラニス・テラリア 外務本部長 兼 対地球外交大使 兼 テラリア王国代表匠衆(マイスターズ)大使

 ・珠瀬 玄丞斎 外交部長

○ジョエル・ジョンストン 地球代表匠衆(マイスターズ)大使

 

・アヌビス神 匠衆(マイスターズ)顧問

 

 

 

 上記リストで暫定階級となっている者は階級相当の士官教育が終わっていない。そういう意味では地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団も完全に訓練を完了したわけではない。これには短くても数ヶ月かかるので気長にやるしかない。

 ただし神宮司 まりも少佐は教官としての責任感と勤勉さで一足早く佐官教育課程を修了しているため、階級が暫定ではなくなっている。

 

 アヌビス神に投票権が無いが、アヌビス神は顧問かつ上意下達役である。そもそも匠衆(マイスターズ)自体が七柱の神々の意向によって動いている組織なので、上意を無視することはあり得ない。

 勿論神々も通達して終わりではなく、相談には応じる。アヌビス神や公認(マイスター)を通じて比較的気軽に連絡出来るようになったのでその辺りは柔軟になっている。

 なお七柱の神々は七つの世界圏から手を差し伸べた知性体の守護神ということで『七圏守護神』と呼ばれるようになっていた。勿論理想郷の建設者(クラフトピアン)達はこれを『ハーロ・イーン』と読んでおり、こちらも徐々に広まりつつある。

 

 夕呼の助手席についているロナルド・ジョーニアス・ハマーというのは、HI-MAERF(ハイマーフ)計画主任のことだ。原作にもいたはずだが原作に名前が全く出ないのでずっと主任と呼んでいたが、流石に幹部会議に出席している科学開発課長の名前を誰も覚えていないのは問題ということで幹部達もしっかり名前を覚えたのだ。

 肩書きは課長だが、地球の基礎技術は超科学世界と比べて低い方だ。しかし彼らは他の世界の技術者を巻き込んで学ぶべき技術をどんどん取り入れており、今や匠衆(マイスターズ)の先端技術水準に追いつこうとしている。これは必要に駆られてというよりも、新しい技術を習得して応用するのが楽しくて仕方ないようだ。

 

 新たに投票権を付与されたジョエル・ジョンストン(Joel Johnston)とは、モモ王女が()()を提供した例の国連会議にも出席していたやり手の英国国連大使のことだ。彼は英国国連大使の席を後進に譲り、地球代表匠衆(マイスターズ)大使になったのだ。

 国連では地球から出す匠衆(マイスターズ)大使をどこの国から出すかで長い間揉めていたのだが、観艦式を機に大量のインファクトリ級による天の川銀河進出とBETA征伐が始まってしまったので、彼らは漸く危機感を抱いた。このまま時間をかけすぎると3番目の国が先に代表を出して2番目の席が取れなくなるということだ。そこから利害のすり合わせが慌てて進み、露骨な自国贔屓をしないという明文条件をつけた上で一番弁が立つ英国国連代表がその任に選ばれたのだ。

 彼は男爵位持ちであるため、理想郷の建設者(クラフトピアン)を中心として「ジョンストン卿」と呼ばれ親しまれている。

 英国では家名と爵位名が別で、爵位や卿は領地と連動する爵位名の方につけるものだが、ジョエル・ジョンストンの場合は爵位名も家名と同じジョンストンなので、ジョンストン卿という呼び方がたまたま正解となっている。

 その歓迎ぶりにはジョンストン卿の方が内心面食らっていた。歓迎の理由は勿論、初代JOJOの出身地イギリスから英国紳士JOJOが来たからである。まあ初期ジョースター家のような清廉潔白さは無さそうだが、ジョージ・ジョースター一世あたりは人が良すぎて悪人にも無条件に親切にしてしまい逆に惨劇を招いていたので、多少腹黒いくらいが丁度いいだろう。5代目なんかはよりによってギャング・スターを目指していたので、それに比べれば腹黒いやり手政治家程度は普通の範疇に入る。まあ5代目に関しては育った環境が悪すぎ、初めて尊敬した相手が義理堅い無法者だったので仕方ないのだが。

 ともあれこのジョンストン卿に関しては、情勢把握能力が高く故郷の利益のためにはえげつない手段も辞さないだけで、私腹を肥やすための不正行為は一切していないという調査結果が出ているのでまあ問題無いだろう。

 更に言うならばマブラヴ世界の英国は目立ったやらかしが無く、半年戦い続けてBETAを国土から追い出した実績まであるという、日本帝国の上位互換のような国だ。地球の代表たる資格はあるだろう。

 

 さて、規模が大きくなったため匠衆(マイスターズ)の組織形態は今後の拡張も見据えて大きく改編されている。

 

 

 

・取締役幹部会……トピア代表、九十九相談役、カミール助手他

・顧問……アヌビス神

・・情報本部……九十九本部長等

・・・監視部……元監視課メンバー等

・・・諜報部……未定

・・・情報分析部……未定

・・総軍本部……マイン本部長

・・・参謀部……ターニャ部長、マジェリス次長

・・・練兵部……まりも部長

・・・実戦部隊

・・・・星屑の聖十字軍(スターダスト・クルセイダース)(※全員准将相当官)……聖騎士軍団長等

・・・・地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団……ターニャ団長、ラダビノッド副長、一文字艦長等

・・・・理想郷の建設者(クラフトピアン)戦闘団(編成中)……ステーク団長、九十九副団長等

・・・・惑星の開拓者(パイオニア)戦闘工兵隊(編成中、規模未定)……ベッキー隊長等

・・・・工業の伝道者(ファクトリオ)戦闘工兵隊(編成中、規模未定)……ボルクロ暫定隊長等

・・・・大地の冒険者(テラリアン)戦闘団(編成中)……ラリー団長、リテリア副長等

・・・・中枢の守護者(コアキーパー)調査中隊(編成中)……スコア隊長、パーキンソン副長、アキ等

・・・・宇宙の探鉱者(プロスペクター)連隊(編成中)……テクス暫定隊長

・・・・産業の支配者(マインダストリー)戦闘団(編成中)……マジェリス団長等

・・技術本部……トリオ本部長

・・・研究開発部……夕呼部長、ゼータ次長、霞助手等

・・・・科学開発課……ハマー課長、HI-MAERF(ハイマーフ)計画関係者、元名も無き中隊(ネームレス・カンパニー)開発部員、ブライ等

・・・・魔法開発課……ステーク課長、タバサ、ターニャ、リィズ、シュミット、中枢の守護者(コアキーパー)

・・・・システム課……ホープ課長等

・・・・品質保証課……ゼメキア課長等

・・・・文化研究課……パーキンソン課長、カミール等

・・・生産部……サティ部長、ボルクロ次長等

・・・・建設課……ベッキー課長等

・・・・設備管理課……デモスト課長等

・・・・付与課……カミール課長、シュミット等

・・・・農耕課……ノーフ課長等

・・・・料理課……京塚課長等

・・・流通部……テクス部長等

・・・・交通課……アキ課長等

・・・・流通課……サティ課長

・・・医療部……穂村部長、アビゲイル次長等

・・総務本部……未定

・・・総務部……グレーテル部長、グリッター次長等

・・・・事務処理課……未定

・・・・庶務課……純夏、イーニァ等

・・・・催事課……グリッター課長等

・・・法務部……未定

・・・財務部……グレーテル部長、ターニャ顧問等

・・・人事部……ロゼッタ部長、霞助手、イーニァ助手等

・・外務本部……モモ本部長等

・・・外交部……珠瀬部長等

・・・応対部……珠瀬部長等

・・・広報部……モニカ部長等

・・・神事部……ファム部長、グリッター次長等

 

 

 

 全体的に軍隊と企業が融合したような組織となっており、総軍本部に所属していれば軍事階級を、技術本部に所属していれば技官階級を持っている。技官は軍事に対し階級相当の意見や拒否は出来るが指揮権は持たない。それ以外は部署長の肩書き以外の階級が無い社員のような扱いだ。

 取締役幹部会の下に監視課から発展した情報本部、戦闘班から発展した総軍本部、生産班と製造課、設備課から発展した技術本部、総務課から発展した総務本部、外交大使から発展した外務本部を設置し、そこから下が更に細分化されている。

 

 組織図を改めたものの人員が不足しているため兼任が多く、空席のままのポストが幾つもある。

 

 

 

 情報本部長は九十九が務めているが、別に九十九は情報のエキスパートではない。しかしここがまともに機能しないと全体の方針がおかしくなるというあまりにも重要なポストなので空席にするわけにもいかず、信用出来てある程度以上博識な人員の中から消去法で決まったようなものだ。

 

 監視部は人工衛星や自動航行艦などの自動監視装置から集まった情報を集積する部署で、これは元々衛星監視をしていたメンバーがスライドして入っている。

 

 諜報部長は下手な者に任せられないというのもあるが、そもそも専属の諜報部員自体がまだいないので空席のままになっている。現状ではステルス聖騎士たちがこの任を担当している。

 

 情報分析部長も同じように空席だが、こちらは今のところ参謀部に丸投げする形になっている。

 

 

 

 軍のトップである総軍本部長には当然マインが着任しているが、総軍本部の直下に参謀部が新設されており、部長にはターニャが収まっている。ターニャに投票権が付与されているのは参謀部長という要職に就いたからであって、先日の惑星争奪戦の報奨というわけではない。というよりも、その名目で騎士称号以外の報奨を受け取るのをターニャが固辞していたのだが。

 ターニャが参謀部長に着任して兼務がまた増えてしまったため、ターニャに偏る業務量を緩和すべく地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団のとりまとめは副長のラダビノッド少将がほぼやっている形だ。

 

 その隣の練兵部では神宮司 まりも少佐が部長となっており、ターニャ式の地獄の訓練を習得して引き継いでいるほか、今は探鉱者(プロスペクター)達に「喧嘩に武器を使ってはいけません」という常識を叩き込んでいる。見た目は幼児のおいたを叱る保母さんなのだが、相手の中身はみんな大人なので当人としては複雑である。

 

 実戦部隊は元々意思が統一されている星屑の聖十字軍(スターダスト・クルセイダース)地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団以外はまだ編成中となっている。地球連合(ユナイテッドアース)戦闘団も訓練が完全に終わったわけではないのだが、全員魔導演算宝珠Mk.2までは使いこなせるようになっているので既に出撃は可能な状態だ。つまり現状で出撃可能なのはこの2つに加えて碌に編成もせずに実戦証明(バトルプルーフ)を積み上げた匠衆(マイスターズ)幹部戦闘班の面々くらいとなっている。

 実戦部隊は概ね出身ごとに分けられており、理想郷の建設者(クラフトピアン)大地の冒険者(テラリアン)といった書式に合わせたそれらしい名前がその場の思いつきで適当に付与されている。

 工業の伝道者(ファクトリオ)戦闘工兵隊や宇宙の探鉱者(プロスペクター)連隊は一応の隊長が決められているが、隊長として適格かというと本人のやる気からして微妙なので暫定となっている。

 産業の支配者(マインダストリー)戦闘団は名も無き中隊(ネームレス・カンパニー)の指揮官クラスが中核となっているが、それ以外にもマインとアヴェニュー神の呼びかけに応じた深淵森人(アビスエルフ)も参加している。ただし深淵森人(アビスエルフ)は信仰的なやる気はあるものの、従軍経験が無い者が多いので一から訓練に励んでいる。

 

 技術本部長はお馴染みのトリオ工場長で、その下の研究開発部長には万能転移機関(ユニバーサルワープエンジン)を完成させた夕呼が収まっている。枠の都合でゼータとホープが別々の部署に入っているが、実際の仕事は一緒にやっていることが多い。工場長もFactorio社員も宣言通りにわりと好き勝手に仕事をしている。

 

 生産部はサティが部長を務めており、インフレし続ける生産計画を主導している。やろうと思えば総務本部長も兼任出来そうだが、本格的に事務をやり始めるといよいよ抜けられなくなりそうなので断っている。

 

 生産部の担当範囲は若干複雑になっている。

 普通の作物については完全自動生産出来るため、設備の建設は建設課、整備は設備管理課の担当になる。ただし設備の拡充は農耕課からの申請になる。

 フルエンチャント作物の製造は付与が必要だが、付与課は主に武具への付与とその設計を担当しているため、作物に対する付与は農耕課の担当になる。

 同じ理屈で、料理への付与もセルフサービス以外は料理課でやっている。作った料理をわざわざ付与課に運んで付与してもらうのは面倒だからだ。

 そして農耕課の大半が携わっているのが手作業が必要な金色地下作物だ。これは戦闘用の主要バフ食材で、なおかつマスタリパッシブスキルの都合上人手が無いと作れないので地味に重要な仕事である。

 

 農耕課のノーフ課長というのは、元々『集落の農夫』というネームが付いていた名無しのクラフトピア住民だ。名前が無いままだと呼びにくいという話になった際に、当人に名前への拘りが全く無かったことから、「じゃあいつも農夫さんと呼ばれてるからノーフで」と決まってしまった結果がこれだ。なおフルネームではノーフ・アストロノーカになる。

 

 流通部というのは、ポータルやTechストレージロジスティクス等を管理する部署だ。

 

 交通課管轄下のポータルに関しては、研究が進んでポータルをグループ分けしてグループ内のポータル同士でしか通行出来ないように権限付与出来るようになったので、これを設定して権限が適切になるように管理するというセキュリティ上かなり重要な部署である。

 課長はアキ・リベラだが、今後規模的に人間が把握するのが不可能になりそうなので、全体の接続構造を読み込んでセキュリティホールが出来ていないか確認するチェックツールをシステム課が開発中となっている。

 

 流通課管轄下のTechストレージロジスティクスは、今後別アカウントに転送する機能や世界をまたぐ機能を追加することでアカウント間での流通が発生するようになる。つまり流通課のメインはその管理だが、現在まだ完成していないため、星屑の聖十字軍(スターダスト・クルセイダース)が運用するインファクトリ11~20による他の世界との交易がこの部署の管轄に入る。

 流通課長を商人スミス達がやりたがっていたが、Techストレージロジスティクスの在庫管理も担当する流通課を人間的に信用出来ないスミス達に任せるのは無理なので、今はサティが兼務している。

 

 医療部はその名の通り医療を担当する部署で、穂村部長と看護婦(Nurse)のアビゲイル次長が回している。

 

 

 

 総務本部長は5つの本部長の中で唯一空席になっているが、ここには総務本部で特に功績を挙げた者が入る予定だ。恐らく今後グレーテルかロゼッタ王女が入ることになるだろう。

 

 財務の仕事はターニャが片手間にやっていたが、やはり兼務が多すぎるので、財務部長として新たに抜擢されたのが実務で長年ターニャの片腕を務めていて信頼が篤いグレーテル・イェッケルンだ。

 グレーテルは元は共産主義による平等を目指していたが、長年ターニャの仕事を手伝ったことでターニャも認める程度には資本主義の経済原理を理解していた。つまりシカゴ学派の愉快な理屈が()()()()()()()()貴重な人材だ。逆に儲けすぎて恨みを買わないように幹部会に釘を刺されるくらいだが、方向性さえ共有出来ていれば大丈夫だろう。

 

 総務部は元はファムもしくはグリッターが部長になる予定だったが、ファムが神事部に異動してグリッターが組織拡大による業務範囲の増大に悲鳴を上げたため、仕事が出来ることに定評があるグレーテルがヘルプに入った形だ。

 グリッターをはじめとする総務部が仕事を満足にこなせるようになり次第部長はグリッターに交代する予定となっていたが、パーティガール(Party Girl)のグリッターはどう考えても催事課長の方に向いており、それ以外の能力はあまり高くない。更に現状ではグレーテルの兼務が3つに増えてしまっているため、軍務の方を一旦休む形になっている。しかしグレーテルは元々戦闘よりも事務仕事や政治の方が得意だったので適材適所とも言える。

 なおグレーテルが総務の仕事を頑張ったお陰で事務手続きが最適化されて現場の事務仕事が大分減っており、グレーテルはあっという間にドワーフ達に大人気になってしまった。見た目からして胸と背が控えめなのも人気の一因らしい。

 

 法務部には法律の専門家が必要だが、こちらもその専門家がいないので部署が動いていない。必要が生じ次第幹部会議で検討して決定するような形になっている。

 

 新たに加入したロゼッタ王女が人事部長についている。これはについては少し揉めた。ラリーとしてはモモ王女に明確に劣る地位にはしたくなかったが、これまでのモモ王女の実績が大きいため、こちらは外務本部長確定だ。能力は恐らく同等なのだろうが、実績の差からロゼッタ王女は人事部長となった。とはいえ人事部長も有数の重要ポジションであり、決して軽く見て良いものではない。

 ESP発現体の霞やイーニァが助手についているが、彼女達はロゼッタ王女があまり好き勝手しないためのセーフティを兼ねている。

 

 

 

 新設された外務本部は、対地球外交大使の任を見事に果たしたモモ王女が本部長となっており、これに異論を挟む者はいなかった。むしろ戦友としての信頼がある上に積極的に(マイスター)達の苦手分野を補ってくれるので喜ばれているくらいだ。

 

 外交部長には珠瀬 玄丞斎が入っている。これまでも国連との折衝を色々とやっており、その腕前に引き続き期待したい所だ。

 

 応対部長も珠瀬 玄丞斎が兼任している。というのも、この部署はあらゆる部署の外向けの窓口を担って電話応対や来客への応対を行うため、「責任者を呼べ」という事態が発生しがちなので責任者不在に出来ない。しかし適任者がなかなかいないため、隣の外交部長がこちらの部長も兼ねることになったのだ。

 当然のことながら、情報部との連携を前提とした部署となっている。

 

 広報部は匠衆(マイスターズ)のパブリックイメージを形成する部署であり、分かりやすく伝えるためのパンフレットなども作っている。部長は元営業職のモニカで、広報の仕事もしていたようなのでまあ問題は無いだろう。

 広報部はその業務上、隣の神事部とも協力体制を築いている。

 

 神事部はBETA討伐イベントの本来の目的である布教を推進する部署だ。神事(イベント)担当という意味では総務本部に入っていてもおかしくないが、外向けの活動が主になる部署なのでこちらに入っている。

 なかなか責任重大な職務であり、これに挙手したのが元々クラエル神の狂信的……もとい、敬虔な信徒であったファムだ。ファムは広報部や総務部催事課とも相談して意欲的に布教プランを練っている。

 なおファムは人事から神事部に異動しているが、投票権はそのままとなっている。つまり肩書きが変更されても余程のことが無い限り投票権は失われないのだが、このまま増え続けると(マイスター)の意見が通りにくくなって問題なので、何らかの対策が必要になる。

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