リィズが操る轟雷が兵装担架から魔導銃剣弐型2M改+99を引き抜いてGAMMA艦隊に向かって構えた。
魔導銃剣弐型というのは
つまりはアサルトライフルとショットガンと銃剣が一体化したような魔法武器だ。ターニャがここぞというときに使うチャージショットはこの中では単発魔導光線に分類される。
魔導刃は銃の先端からグリップの直前まで全体を覆う形になるので、ストライクのシュベルトゲベールのように先端だけただの金属などということはない。
そして魔導銃剣弐型を2,023挺融合させてスケールアップした魔導銃剣弐型2000が迅雷用、それを更に1,000挺融合させた魔導銃剣弐型2Mが轟雷用になる。
ただし、迅雷用まではともかく轟雷用のものは近接戦闘でも魔導刃を使ってもそのまま殴りつけるのと大差無いので、魔導刃はあまり使われていない。
何故なら轟雷はまず基礎性能として迅雷四型比で
構造強化の倍率自体は既に述べたように24倍から更に16倍の384倍になったわけだが、問題はこの倍率ではない。分子間力の大幅強化により、分子構造を縮退させて
原子核パスタとは原子と中性子を過密に詰め込んだ縮退物質で、中性子星の内殻に存在すると言われているものだ。つまり自然環境にはほぼ存在出来ない物質構造であり、元々FICSIT社の粒子加速器を使えばこれを精製することは出来たが、圧力変換キューブに封じておかないと構造を維持することが出来なかった。しかしG元素カフェ1による構造強化が大きく進歩したことで、その圧力変換キューブの代わりを果たせるようになったというわけだ。
原子核パスタの強度は純鉄のおよそ100億倍。元々★×12アダマンタイトの時点で鉄の20倍くらいは出ていたので、★×12アダマンタイトと比べると5億倍の防御力である。
更に厚みがスケールに比例して10倍なので合わせて
なお迅雷にはアダマンタイトの魔法特性を組み入れているので他の素材に変えるのは難しいとステークが以前言っていたが、時間をかけて再設計した轟雷の場合は構造材と伝導材を分離して原子核パスタフレームと原子核パスタ装甲の間に魔導回路を通しているので、ただの伝導材から回路になったことでむしろ以前よりも魔導適性が上がっている。
ところで原子核パスタには密度がとんでもなく高いという特徴がある。その重さはざっと水の100兆倍。迅雷四型に採用されていない最大の理由がこれだ。床や地面の上に立たせれば足元を崩壊させてめり込むことが確実で、こんなものは地上では駐機出来ないし走るのも困難だろう。
他にも、原子核パスタ構造の維持に必要な電力が足りない、時空勾配推進機関がなければ超重量を動かせないなどといった問題があり、サイズの都合上発電力と拡張性に乏しい迅雷でそれをどうにかするのは難しかった。
しかし轟雷で使うことを考えるのならば、移動も関節動作も時空勾配推進システムで動くようになっているため、回転に起因する慣性以外は気にしなくて良い。むしろ同じ速度でぶつかった場合の攻撃力が格段に増すだろう。そういうわけで、轟雷では原子核パスタの中でも特に密度が高いアンチニョッキ型を採用している。
★×12アダマンタイトの比重が10程度なので、迅雷と比較した重さはスケール比を含めて1,000×100兆÷10 = 1
要するにとんでもなく重い物を10倍のスピードでぶん回しているのだから立派な質量兵器だ。
物理系エンチャントを碌につけていない魔法用エンチャント仕様ですら、通常物理攻撃1発あたりのダメージが何と4920
さて、巨大兵器に使う分には良いことづくめに見える原子核パスタ構造材だが、一つ問題がある。水の100兆倍重いということは、原子核パスタ構造材を1m3作る為の材料として、資源生産用の縮退炉に突っ込む材料の水が100兆m3=10万km3必要になる。鉄で7.87倍、アダマンタイトで10倍、金でも19.32倍の所、100兆倍というのは天文学的な生産性の悪さだ。
なのでこの原子核パスタ構造材は有人機と有人艦にしか採用されていない。壊されても人的資源の喪失に繋がらない無人機や無人艦は、同じ材料で10兆倍の数を揃えた方が遥かに有意義だからだ。何しろ無人艦全部に原子核パスタ構造材を使っていたら、現時点で10
最新仕様にアップデートを終えた
ところで以下の質量一覧を見てもらおう。
・F-22戦
・10式戦車:44t、車体長7.11m
・RX-78-2:43.4~60.0t、頭頂高18.0m
・一般的戦
・迅雷:240t、頭頂高21.5m
・ガンバスター:9,800t、頭頂高200m
・轟雷をアダマンタイトで作った場合:240,000t、頭頂高215m
・インファクトリ級:1.50×107t、全長1.2km
・第一世代型マクロス級:1.80×107t、全長1.2km
・轟雷:2.40×1018t、頭頂高215m
・月:7.35×1019t、直径3,476km
・ヘビーインファクトリ級:1.50×1020t、全長1.2km
・地球:5.97×1021t、直径12,714km
原子核パスタ構造材で作られた轟雷の時点で桁が大きく飛んで月に近い質量、ヘビーインファクトリ級に至っては月より重く、そのあまりの重量からそこらの天体を潮汐力崩壊させてしまうため、どちらも天体直近距離での運用が基本禁止となっている。
一応重力制御が正常に機能していれば何の影響もないので、許可があれば惑星上の短期滞在は可能だ。
この問題から、デイリーライトなどの惑星上に常駐する用途の艦はヘビーインファクトリ級への改装を行っていない。
ガンバスターが大分軽いように見えるが、体積で迅雷の半分程度になる戦術機が60~100t程度と考えると、迅雷やアダマンタイト製轟雷が重すぎるということもないので、どちらかと言うとガンバスターの方がスケールの割に軽すぎることになる。ガンバスターはあの図体で亜光速戦闘に対応しているので、意外と機動性重視なのかもしれない。
更にその戦術機ですら戦車に比べると密度が低いが、戦術機は匍匐飛行を前提とした設計なので可能な限り軽量化しているのは当然だ。
また、ここまで密度が高いとブラックホール化閾値のシュヴァルツシルト半径が気になってくるが、轟雷は3.56μm、ヘビーインファクトリ級は223μmなのでまだまだ大丈夫だ。
生産性について補足すると、轟雷は新型の拡張インベントリになら何とか入るので、一部は超時空倉庫を使って複製することで数を増やしている。しかしこの複製は人力作業だ。幾らインベントリに入るとはいえ、
轟雷とはつまり、
搭載している縮退炉が1つならどちらかと言えばシズラー扱いじゃないのかという疑問が当然あるだろう。しかし、ガンバスターは原理上2つの縮退炉のブラックホールを合わせて1つの大きなブラックホールとして扱うことで莫大な出力を確保しているらしいが、
さて、そういう原理で轟雷の
リィズ「術式起動! アハハッ、私とお兄ちゃんの未来のためにィ! 死ねェェッ!!」
だが実際にリィズが9体の分身を出してそれぞれ魔導銃剣弐型2M改+99のトリガーを引くと、それぞれの銃口からインファクトリ級の主砲を遥かに超えるまばゆい10条の光線が迸り、光線に貫かれた
それはまるでGビットを率いてサテライトキャノンを斉射したような光景であった。いや、スケールから考えると実際の破壊力としては確実にそれ以上だろう。
なお戦術機の重量に関する公式設定は無いので推定です。