何故この世界だったかと言えば、第1の世界でG弾を投下されたイモータルズ空母打撃群がG弾で消滅せずにそっくりそのままこちらの世界に跳ばされていたからだ。そしてそのイモータルズが抱える時代を問わない豊富なクローン衛士の中に
とはいえ、ループが発生した時代の都合上、テロリストの
なおヴァルターが居ない代わりに同時代の
リィズに関しては
一方ベアトリクスは案の定イモータルズの規律がぬるいとこぼしており、色々と不満はありそうだったが、再びBETAと戦って勝利する機会が与えられる事に前向きなのは他の衛士達と変わらないようだった。
原作でもこのくらい柔軟ならあんな面倒なことにならなかったのだが、やはりなんもかんも
さて、魔導衛士達が
この第4の世界に跳ばされたイモータルズ空母打撃群は、人員と装備の無事を確認したあと、第1の世界とは比べものにならない程荒れ果てたこの世界の探索を開始した。イモータルズは第1の世界でG弾が投下された地点と同じ九州博多沖から進発して太平洋側沿岸部の元人口密集地を辿っていったが、それは人類の生き残りがいないことを確認するだけの作業であった。大地にはBETAが闊歩し、植生は壊滅し、ガイガーカウンターも頻繁に危険を訴えていた。
国連軍横浜基地に到達したイモータルズは、そこで初めてこの世界の人類の生き残りに接触した。生き残りの中には、この世界の香月 夕呼基地司令、鎧衣 美琴大尉、珠瀬 壬姫中尉の姿があった。
美琴や壬姫は大人の姿に成長していたが、夕呼も含めて外見上は全く老いた様子が無かった。そもそも第1の世界で2023年に49歳である筈のイモータルズの夕呼からして全く老いていない。夕呼には第1の世界でも再生医療を大きく発展させた実績があるので、もしかするとオルタネイティヴの対話時代同様に自力で不老化を成し遂げたのかもしれない。或いは天才だから老いという概念が無いのかもしれない。
メタ的にわざわざ老いた姿の立ち絵を描いても需要がないだけだと思考停止するのはお勧めしない。彼女達にとっても
なお自身の成長した姿を見たイモータルズの美琴と壬姫は、最初は胸が殆ど成長していないことに絶望していたが、残された数少ない衛士として頼もしく育っていたことに関しては自らの可能性に希望を抱いた。
しかしこの世界の現実は優しくはなかった。横浜基地は鎧衣ヴァルキリーズの精強さと夕呼がAIを魔改造した自律稼働戦術機、生産量が心許ない核地雷、海軍に辛うじて残された半壊状態の戦艦大和の砲撃力、そして横浜基地原子炉直結の電磁投射砲など、可能な限りのありとあらゆる手段を駆使してしぶとく生き残っていた。もう駄目だと思う状況は一度や二度ではなかった。それでも歯を食いしばって絶望を超えてきたのだ。それをツギハギだらけの戦術機達が物語っていた。
つまり鎧衣大尉と珠瀬中尉は自然にそう育ったわけではなく、散っていった先達に後を任され、厳しい現実に対処するために必死に成長せざるを得なかったのだ。精神的にはとうに限界を超えており、この状態を理想の未来として憧れられても困るというものだ。
世界各地の状況はどうかというと、この世界では
それから北米がどうなったのかは定かではないが、時代は下ってイモータルズの到着より2週間前に最もBETA勢力圏から遠いエリアの一つであるオーストラリアとの交信が途絶え、それ以降横浜基地は何処とも交信出来ていなかった。この横浜基地が人類の最後の砦である可能性すらある。
イモータルズと横浜基地は、双方のトップである夕呼同士で協議した上で、横浜基地からの脱出作戦を組み立てた。
脱出後の行き先に関しては、イモータルズ空母打撃群で面倒を見るというプランもあったのだが、横浜基地の夕呼がこれを拒否した。この暫定第4の世界の避難民が第1の世界に渡った場合、因果導体同様に破滅の因果を運んでしまうことを危惧したためだ。イモータルズの夕呼専務は既にBETAが流入しているのだからそれは杞憂だと主張したのだが、横浜基地側には行き先の代案があったのでそちらを選択することになった。
ではどこに行くことにしたのかと言えば、衛星軌道上に最後に残された移民船だ。つまり暫定の最終目的地はバーナード星系ということになる。
何故今までそれを実行しなかったのかと言えば、横浜基地から衛星軌道上へ向かうHSSTを打ち上げる際に
そしてその戦力提供の見返りとしてイモータルズには横浜基地に残されたG元素が譲渡され、イモータルズも元の第1の世界に帰還が叶うという算段だ。ここまで聞けば双方に損が無いように見えるが、ことはそう簡単ではなかった。
作戦は実行され、美冴や祷子に危ない場面はあったものの、
だが、分かった所で移送は困難だ。車両が通行可能な道路など残っていないし、戦術機に相乗りさせるにしても100人は無理だ。そもそも既に弾薬と戦力が摩耗している。厳しい状況の中、管理官率いるイモータルズ アルファ・ユニットの衛士達はどうにかこの100人あまりを救助しようと知恵を絞り、放置列車の車両と自律機を上手く使えばどうにか出来そうだ、と算段を立てたのだが――鎧衣大尉は頑として反対を貫いた。
流石に様子がおかしい、とイモータルズの面々が事情を問い質した所、珠瀬中尉に促された鎧衣大尉はそれまで伏せていた事情を話し始めた。
鎧衣大尉≪席が……ないんだ……。
絞り出すような声で語られたその絶望的な事実に、イモータルズのアルファ・ユニットを率いる管理官は息を呑んだ。
鎧衣大尉≪現状でもHSSTの座席は抽選状態……横浜基地にいる人間の半分しか乗れないんだ……≫
美琴≪じゃ、じゃあ……≫
鴨川の避難民を救助する名案を出してやる気に満ちていた
鎧衣大尉≪これ以上、助けても意味がないんだ……。ううん、違う……。意味がないどころじゃない……。ひょっとしたら……場合によってはだけど……助ける事によって、殺し合いが発生するかもしれない……≫
人々を助けるために知恵を絞っていた
頭が緩そうな発言が目立つが、時折重そうな過去を何でもないように語り始めたりするので、どうも空気を和ませるために敢えて脳天気な振りをしているのではないかという疑いがある。実際何でも美味しそうに食べる
そんなムードメーカーの
鎧衣大尉≪もう、そんな状態なんだ……! 全員は助けられない、何人も基地に残されるんだよ! それでも君は、助けろと言うの?≫
普段は英語混じりの奇妙な日本語で有り余る元気をまき散らしているカリン・エドワース、TACネーム:ジャーナリストも言葉を発することが出来ないでいた。
カリン・エドワースは米国籍のジャーナリストで、日本に取材に来ていた際にBETAの侵攻で帰国出来なくなり、そのまま横浜基地にとどまっていた。
カリンはその高いコミュニケーション能力で横浜基地の避難民達の世話係という割と重要な役目を果たしているのだが、それだけでは満足出来ないらしく、戦術機のシミュレーター訓練を必死にこなして今回が初出撃となった。このシミュレーターのAI挙動は白銀 武の戦闘機動をベースとして鎧衣大尉達のデータを追加したものであり、生半可な腕では勝利することは出来ない。だがそれを突破出来ないと同じAIが実装されている無人機より役に立たないのでなかなか出撃許可が下りなかったのだ。
実はカリンは教練の最終課程までは進んだがそこで時間切れとなっており、全ての課程を終えてはいない。しかしこれが最後の作戦と聞いて、半ば脅迫するような形で作戦に同行したのだ。手段は乱暴だったが、それはひとえに役に立ちたい、人々を助けたいという善意によるものだ。
なのでカリンも鴨川の避難民を助けに行きたいのはやまやまだが、それで割を食うのは同じ横浜基地の人々だ。安易に行動すれば善意が人を殺してしまうと分かったからには迂闊なことも言えない。
その責任は、横浜基地の安全を担っている鎧衣大尉の肩にはより重くのしかかっているのだ。
鎧衣大尉≪そんな残酷なこと……ボクにはできない……≫
だからこそ、
この暫定第4の世界の人々は、他の世界に比べれば人間同士が協力して支え合って生きてきた。それはそうでなければ生きていけなかったからだというのもあるが、理由は何であれ誇るべき人の輝きであっただろう。しかしそんな彼らにようやくもたらされた最後の希望は、手を取り合うことを許さないカルネアデスの板だったのだ。何と皮肉で残酷な現実であろうか。
いたたまれない沈黙の中、それは全く空気を読まないような声で告げられた。
アイリスディーナ≪皆、話は聞かせてもらった。私にいい考えがある≫
管理官が率いるアルファ・ユニットとは別の部隊を率いているアイリスディーナ・ベルンハルト隊長だ。丁度補給でデウカリオンに戻った所らしいのだが、この絶望的な状況で、どういうわけか彼女は微笑みすら湛えていた。
もしや本当に何かの解決手段があるのでは、と一同は藁にも縋る思いでその笑顔に期待を寄せた。
ヴァルターがのけ者にされているのは一人だけゲーム上で実装されてない=イモータルズに存在が確認されていないからです。
あとXFJ計画関係の衛士ではタリサだけ未実装です。ただし一つ前のソシャゲであるストライク・フロンティアでタリサが猛威を振るったようなので、こちらは満を持して強キャラとして実装される可能性がありますが。