【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

323 / 387
 [2024/5/13]αナンバーズの到来時期が間違っていたので修正しました。


323. 希望とは目覚めて抱く夢をいう(Hope Is A Waking Dream)

 では、別世界からマブラヴ確率時空に到来して奮戦していた4つの混成スーパーロボット軍団それぞれについて説明しよう。

 

 1つ目は霊帝ケイサル・エフェスとの最終決戦を終えた直後のαナンバーズ。第3次スーパーロボット大戦αのプレイヤー部隊だ。

 2004年12月にオルタネイティヴ6()の社 霞によるSOS発信に応じてこの世界に到来、H21佐渡島攻略を目的とした『竹の花作戦』に介入して以降、彼らは幾らか世界の情勢に煩わされながら地球や月、火星のハイヴを攻略しつつあった。

 その主人公はゲーム上ではスーパー系男のトウマ・カノウ、スーパー系女のクスハ・ミズハ、リアル系男のクォヴレー・ゴードン、リアル系女のセレーナ・レシタールから選択するようになっていたが、今回訪れているのはクォヴレー・ゴードンだった。

 オルタネイティヴ世界の救援に訪れたαナンバーズ本隊とクォヴレーは別行動をしており、彼だけ隣のエクストラ世界の方に救援に入っていた。ただしこうなったのは事前に打ち合わせた結果ではなく、別行動になった後にそれぞれの判断で救援に入った世界が偶然隣同士だったという形だ。流石は戦友、無意識レベルの阿吽の呼吸であった。

 トピアとしては元祖神雷の使い手であるトウマ・カノウと会えないのは残念だったが、クォヴレーと言えば虚空の使者にして因果律の番人だ。この確率時空においてその能力は大変頼もしかった。

 αナンバーズに所属していたイデオンは、マブラヴ世界にαナンバーズを転移させる際にパイロットを脱出させてそのまま姿を消していた。これにはトピア達も安堵した。

 イデオンは本気になれば宇宙を消し飛ばすレベルで強いのだが、問題はそれに宿る集合意識イデが全く信用出来ないことだ。第3次スパロボαではスパロボ補正のためか負の無限力である霊帝ケイサル・エフェスの対にするためかイデが大分善寄りになっていたが、原作イデは自ら双方の母星にメテオを連打して和解の余地を潰しながらそれで争う地球人とバッフクラン人を不合格と見なして宇宙ごとリセットしようとする理不尽の権化なので、可能なら遭遇したくなかったのだ。

 ちなみにバーチャロイドも3機だけ所属していたが、彼らはバーチャロン原作世界からスパロボ世界に到来してそこから更にマブラヴ世界に来るというややこしい経緯を辿っていた。原作ゲームでプレイヤーが操作出来るバーチャロイドの種類に比べて著しく少ないのは、そもそも原作のネームドパイロットがあまりに少ないという問題の所為だろう。

 この部隊で最も有力な戦力は、バスターマシン1号と2号が合体して完成する決戦兵器ガンバスターだ。メインパイロットのタカヤ・ノリコは原作で当初は落ちこぼれだったが、努力と根性で最終的には地球人類を救い、1万2千年後にまで語り継がれる英雄となった。トピアも憧れる全女性パイロットの希望の星なのだ。

 戦力に分類するのは微妙だが、マクロス7の主人公である熱気 バサラとロックバンドFire Bomberも居て、自由気ままに歌っては気軽にカルチャーショック(デカルチャー)をまき散らしていた。

 また、部隊そのものではないが、αナンバーズの影響で鑑 純夏が00ユニットではなく勇気に燃えるGストーンサイボーグになっていた。あとFire Bomberのファンにもなっていた。

 

 2つ目は至高神Zとの最終決戦を終えた直後のZ-BLUE(ズィー・ブルー)。第3次スーパーロボット大戦Zのプレイヤー部隊だ。

 彼らは1998年のBETA日本上陸時に助けを求める声に応じてこの世界に到来、やはり幾らか世界の情勢に煩わされながらBETAを撃退しハイヴを攻略していた。

 こちらの部隊にはαナンバーズ同様にガンバスターやFire Bomberが所属しているのは勿論、バスターマシン7号をコアとした地球と同じスケールのダイバスター、そして宇宙の環境によっては天元突破や超天元突破で銀河よりでかくなるグレンラガンが所属していた。

 これだけでもとんでもないのだが、大グレン団だけでなくZ-BLUE(ズィー・ブルー)()()()()()()()()()()上に、更に『真化融合』という人機一体の極みのような切り札を会得していた。

 ゲームシステム上では真化融合で増加する攻撃力は2,000程度だが、普通に考えて天元突破グレンラガンの全力攻撃がビームライフルの数倍程度でおさまるわけがないのだから、スパロボの攻撃力は桁を圧縮した対数表記になっているものと考えられる。その中での+2,000はかなり絶大な効果だ。

 そもそもスパロボ全体に言えることだが、どんなロボでも改造して大幅強化出来るのは相当すごいことではないだろうか。匠衆(マイスターズ)技術本部もアストナージ・メドッソを筆頭とするスパロボ整備班のワザマエには興味津々である。

 結局の所何が言いたいのかと言えば、彼らは万全かつ本気で戦えば現状の匠衆(マイスターズ)よりも遙かに強いだろうということだ。争う理由が無いのが幸いだ。

 ところでこの全員天元突破や真化融合は、熟練のエース部隊だからこそ実現した奇跡の御業に見えるが、実はその面子の中にニュータイプ能力に驕って何もかも分かったつもりの意識高い系我儘娘クェス・パラヤやあまりに身勝手すぎて反面教師としてカミーユを逆に落ち着かせたカツ・コバヤシ、ほぼほぼただの小悪党であるジェイソン・ベック一味なども混ざっているので、実はコツが分かれば習得出来そうな狙い目の能力である。

 

 3つ目はZ-BLUE(ズィー・ブルー)の関係者らしいのだが第3次Zに出ておらずどの原作世界にも属していない幼女をリーダーとした集団。

 どうもリーダーの彼女は第2の集団と同じく1998年のBETA日本上陸時にこの世界からの助けを求める声に応じて助けに来てくれたそうで、それどころか宇宙にコロニーを作って難民の受け入れまでやっていた。コロニーはシリンダー型ではなく宇宙に巨大な島を浮かべる未来世紀型だ。遠心力を使わずに重力を制御する技術があることが窺える。

 最強レベルのニュータイプ感応能力を持つその幼女は心優しくて面倒見がよく、保護した難民にもおひいさまと慕われているのだが、どうもその善意に付け込んだ各国にあれこれ煩わされているようだった。

 よりによって幼女の善意に付け込むというあまりの情けなさに、本当に地球(うち)の馬鹿が迷惑を掛けてすみませんと頭を下げたくなる。というかジョンストン卿が率先して跪き頭を下げていた。基本的に打算を優先するジョンストン卿だが、こればかりは地球人として、紳士としての矜持によるものであった。

 なおその紳士の頭が丁度届く位置にあったので、幼女によしよしされていた。尊い。

 ところで何故この集団が2つ目と別扱いされているかと言えば、まず2つ目とは別のマブラヴ並行世界に助けに入ったこと。そして2つ目の集団がこの幼女と面識が無かったことが理由だ。

 これにより、いざ両者を引き合わせてみたら家族に忘れられたとショックを受けた幼女がギャン泣きしてしまう事件が発生した。無駄に高いニュータイプ能力で幼女の本気の悲しみが周囲の全員に伝わってしまい、Z-BLUE(ズィー・ブルー)のいい大人達がオロオロして平謝りする事態になった。しかし当人達は本当に幼女のことを知らないらしいので、恐らく元のスパロボ時空側でも別の並行世界の存在ではないかと思われる。

 結局の所、これは事態を見かねたバサラが歌い出したことでどうにかなった。伝説の悪魔の軍団(プロトデビルン)や生物かどうか疑わしい銀河クジラまで一緒に歌わせるバサラにとっては、歌で子供を泣き止ませるくらいは朝飯前だ。普段はぶっきらぼうなバサラだが、案外子供には優しく、ちびっ子達が集まるステージでは歌のお兄さんをやってみせたりもするのだ。

 泣いていた幼女もこれには大喜びであった。勿論Fire Bomberのファンであるオズマ・リーやサイボーグ純夏も同席していたし、いつの間にかそこに紛れていたトピアはデカルチャーと叫びながらちゃっかりサインをおねだりしていた。

 

 4つ目は木星でZマスターやインベーダーとの決戦を終えた直後のGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)

 GGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)と言えば勇者王ガオガイガーのTVシリーズ後期の組織名で、それが何故混成スーパーロボット軍団に分類されているのかと言えば、ここにはガオガイガーの他にマジンガーやゲッターロボが所属していたからだ。そもそもインベーダーというのも『(チェンジ!)ゲッターロボ 地球最後の日』の敵勢力だ。

 GGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)にマジンガーとゲッターが所属しているのはこの世界に来る前からだったらしく、そう聞くといかにもスパロボ時空っぽいのだが、それが何処のスパロボ世界なのかというのがなかなか特定出来なかった。

 彼らは救助要請に応じたのではなく、ザ・パワーとゲッター線の干渉による偶発的な事故でこの世界に跳ばされてきたとのことであった。時期は甲21号作戦(オペレーション・サドガシマ)凄乃皇(すさのお)弐型が自爆した直後で、面倒なことにインベーダーの残党まで一緒についてきていた。

 その後の推移では当面のインベーダーは殲滅出来たようだが、原作の(チェンジ!)でも殲滅したはずのインベーダーが密かに生き残って勢力を増していたので、本当に殲滅出来たかを今後しっかり確認する必要がある。

 

 最終的に理想郷の建設者(クラフトピアン)の識者が気付いた所によると、スーパーロボット大戦X-Ω(クロスオメガ)のマブラヴコラボイベントがこのような展開であるらしい。つまりこれはマブラヴ二次創作の類いではなく、()()()()()()()()()()()()であった。一番特定が難航したのが公式とは……?

 

タバサ「いや、ソーシャルゲームは盲点だったね。知ってる理想郷の建設者(クラフトピアン)がいて助かったけど」

 

九十九「流石に課金前提のソーシャルゲームを再現しても空しいだけだからネ」

 

 暇を持て余した理想郷の建設者(クラフトピアン)達の無駄に高度な記憶抽出再現技術により多くの娯楽が再現されていたが、見たものをそのまま再現すればいい映像、漫画、小説と違って、内部の仕組みが外からは分からないゲームの再現は案外難しい。

 それでも名作ゲームの類いはどうにかならないかあれこれ検討されていたのだが、そうなると無課金では無駄にハードルが高く、逆に無尽蔵に課金すると簡単になりすぎるソシャゲを再現する意味は益々薄く、その一つであるスパロボX-Ω(クロスオメガ)は当然検討されてもいなかった。

 娯楽再現の目的は娯楽そのものを確保することであって金銭を稼ぐことではない。そもそも理想郷の建設者(クラフトピアン)は自動化農園で幾らでも稼げるので、金に困っていないのだ。

 

 なお、X-Ω(クロスオメガ)のプレイヤー部隊名はアリストテレスの言葉「希望とは目覚めて抱く夢をいう(Hope Is A Waking Dream)」を由来とするH.I.A.W.D(ハイアード)なのだが、これはあくまでメインシナリオ上のプレイヤー部隊のことだ。実はイベントシナリオはメインシナリオ世界とまた別の並行世界の出来事なので、こちらにH.I.A.W.D(ハイアード)は基本的に登場しない。そのため彼らはガオガイガー世界の組織であるGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)を名乗っているのだ。

 X-Ω(クロスオメガ)のイベントシナリオだけに登場する作品群にはマブラヴ以外にもケロロ軍曹、クレヨンしんちゃん、アイカツ!、ミンキーモモといったロボットものとは言いがたい作品も含まれており、コラボが生命線のソシャゲならではの実に混沌としたラインナップになっていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。