【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

328 / 387
328. 馬鹿な、予防浄解をもくぐり抜けたというのかッ!?

 第3集団の幼女のところを除くそれぞれの混成スーパーロボット軍団は激戦の直後にマブラヴ世界に来ているため、到来直後の機体は満身創痍となっており、修理が必要だった。しかし第4集団のGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)は整備用の施設群とはぐれた状態で訪れたため修理もままならず、かなり戦力が低下した状態のまま戦い続けていた。

 メタ的には公式に一年戦争時のMSより弱いとされる戦術機とのシナリオ上の戦力差をなるべく違和感なく埋めるハンデであり、キャラ商売なのでX-Ω(クロスオメガ)新規参戦側のマブラヴを少しでも強く見せなければいけないのは仕方ないが、そんな状態でマジンガーZを戦わせていたらいつZEROが覚醒してもおかしくないので、あとからその話を聞いたトピア達は背筋が冷えた。

 その話を聞いてすぐに匠衆(マイスターズ)はスーパーロボット軍団に必要物資を怒濤の勢いで送りつけており、そのお陰でマジンガーZEROとの対話までにひとまず必要な戦力が整った。

 

 トピアは今、そのスーパーロボット軍団の代表達との通信会談に挑んでいた。

 

 次の問題は、並行世界統合にこの4つのスーパーロボット軍団が巻き込まれてしまったという問題だ。

 第3集団の幼女のところは来ている人数が少ないこともあって他と被る人員はいなかったが、それ以外の3つの集団はかなりの数がいた同一人物にあたる人員が統合されてしまった。例えば兜 甲児ならば、αナンバーズとZ-BLUE(ズィー・ブルー)GGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)に所属していた兜 甲児が、全ての記憶と技能を持つ一人の甲児にまとめられてしまったわけだ。

 統合により個人の強さは大体の場合向上したのだが、それぞれの故郷世界に連れて帰れないというのが何よりの問題だった。えらいこっちゃ。流石のクォヴレーもこれには困り顔であった。

 また、機体の方も同一機体が統合されたのだが、ZEROは統合されていなかった。これは幼女側のZEROさん(かみさま)はミニパイルダーという子機を介して意思疎通していたので本体のマジンガーZがこの世界には来ていないのが原因のようだった。

 そして他の3集団のマジンガーZは、α世界のノーマルマジンガーZとZ世界のゼウス由来マジンガーZとX-Ω(クロスオメガ)世界の7つの魔神パワーを備えたマジンガーZが統合されており、統合後にゼウスの力とZEROの力が反発してゼウスの力を追い出してしまっていた。この結果も幼女の世界のZ-BLUE(ズィー・ブルー)にゼウスがいないのはZEROさん(かみさま)に追い出されたからに違いないという確信を深める根拠となっていた。

 

 それはともかく、統合された人物を綺麗に元通りに分離させるのは難しい。しかし並行世界分岐や交配所を活用すれば全てのプレイヤー部隊の記憶を持った状態でなら人数を増やせなくはないので、そのあたりで妥協してもらうしかない。トピアはそのように解決策を提案した。

 

トピア「――という感じの解決案がありますが、どうでしょう?」

 

大河長官≪いやはや、十分です。補給も含め、協力に感謝します。トピア代表≫

 

 デイリーライトの通信大会議場の画面に、頭を下げる大河 幸太郎長官の姿が映っていた。彼はGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)長官であり、第1集団αナンバーズと第4集団GGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)に所属している。

 

マックス艦長≪そうですね、余分な記憶があるだけならば大した問題ではないでしょう。それ以上を望むのは贅沢というもの。これで我々の世界で待っている人達の元へ全員連れて帰ることが出来ます≫

 

 こちらはマクロス7船団の防衛責任者であるマクシミリアン・ジーナス、通称マックス艦長だ。第1集団αナンバーズと第2集団Z-BLUE(ズィー・ブルー)に所属している。隣にシティ7の市長であるミリア・ファリーナ・ジーナスも映っているが、今のところマックスの言葉に頷くだけで、基本的には黙っているようだ。こちらの二人も頭を下げて感謝を表していた。

 

 彼らが統合されたことでスーパーロボット軍団のトップが()()()()()()()()()()()()()という意味では意志統一はしやすくなったのだが、部下達を連れて帰る責任がある彼らとしてもやはり困る所であった。

 

トピア「それは何よりです。あとは……そうですね、帰る手段にお困りの方々には艦載用の万能転移機関(ユニバーサルワープエンジン)を提供する用意があります」

 

 超銀河ダイグレンという任意に宇宙を超えられるテクノロジーを持っているZ-BLUE(ズィー・ブルー)やその関連集団の幼女達はともかく、αナンバーズやGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)は自分の世界に帰る手段に困っていたようだった。

 

マックス艦長≪万能転移機関(ユニバーサルワープエンジン)というと、インファクトリ級や轟雷、ファイヤーバルキリーにも搭載されていたものですか≫

 

大河長官≪それは有難いですが……潤沢な補給に続いて、ここまで世話になりっぱなしでは逆に不安になるところがありますな≫

 

 万能転移機関(ユニバーサルワープエンジン)の性能は知っているが、悪用された場合の危険性からして基本的に門外不出とも聞いていた。それがよりによってどこに行くか分かったものではない熱気 バサラに供与されていたことも含め、マックスと大河はトピアの真意を読めずに問い質した。これだけ一方的に恩を着せて一体どうするつもりなのかと。

 しかしトピアはそれを一笑に付した。

 

トピア「ハハハ、ご冗談を。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が言うことではありませんよ」

 

 トピアが言っているのはαナンバーズのことだ。流石はスパロボ主人公達だとその筋金入りのお人好しぶりに感心するほかない。あまりに善良すぎて何の裏も無い善意100%だとなかなか信じられずに、呼び寄せた世界の夕呼も暫く疑心暗鬼に陥っていたくらいだ。

 Z-BLUE(ズィー・ブルー)や幼女の所も勿論善意で助けに来てくれているし、事故でマブラヴ世界に跳ばされたGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)ですらも、力なき人々の窮地を見てしまったからには見捨てられないと、修理もままならない状態であるにもかかわらず積極的に協力を申し出て戦ってくれていた。

 

大河長官≪む、それは……そうですかな?≫

 

トピア「筋の話から言っても、善意で助けに来てくれた相手にそのまま出費を強いるというのは幾ら何でも厚かましすぎます。しかし現地世界の地球には満足に支払えるものがありません。それであなたがたにしわ寄せが行くのは理不尽ですし、単純な打算から言っても、信用出来てなおかつ圧倒的なあなたがたの戦力を万全に発揮させないのは人類にとって損でしかありません。なので資源と生産力に余裕がある我々からの提供となりました」

 

 信用の話になるとほぼ全てのスパロボプレイヤー部隊にゲッターロボが存在するのが気になる所だが、トピアはそれについては殆ど気にしていなかった。

 それはあのスパロボ世界に時天空やラ=グースがいるか微妙であることと、スパロボ世界で実際にその類いの問題が発生したことが無いのと、いざ遭遇したとしてもスパロボプレイヤー部隊ならギリギリ何とかしてしまいそうな期待感があるからだ。具体的には天元突破と真化融合を突き詰めれば何とかなりそうだ。

 トピア達が考える対策はこの方向性に近い。むしろ対策の鍵も一緒に来てくれたことで助かったとすら思っている。

 

マックス艦長≪信用……ですか≫

 

エキセドル参謀≪そんなにストレートに褒められると、おじさん照れてしまいますな≫

 

 マックス艦長の隣に控えているエキセドル・フォルモ参謀がその緑色の顔を赤く染めていた。

 エキセドル参謀は初代マクロスの時代にブリタイ・クリダニク司令と一緒に地球人側で戦ったゼントラーディだ。彼は脳が小さくなることを嫌がってマイクローン化していないので地球人の6倍程の体格があり、バトル7のブリッジには下の階層から頭だけ突き出すという奇妙な状態になっている。

 ちなみにエキセドルの名前は初代TVシリーズと7が共通で『エキセドル・フォルモ』、初代劇場版で『エキセドル4970』となっているが、容姿は初代劇場版と7で脳がアフロのように肥大化した緑色の巨人、初代TVシリーズでは地球人類にもいそうな茶色い肌と赤い髪のおじさんとなっている。

 この食い違いは一体何なのかと言えば、映像化されたマクロスシリーズはマクロス世界の後の時代に作られた映像作品なので、つまりは名前の設定が初代TVシリーズと7で共通、エキセドルを演じる役者が初代劇場版と7で共通ということになる。

 しかし目の前の映像に出ているエキセドル参謀は本人以外の何者でもないので、現実離れして見えるマクロス7は結構歴史に忠実に作られていたということになるだろう。バサラのトンデモぶりも含めて。

 

トピア「ええ、万能転移機関(ユニバーサルワープエンジン)にしても、皆さんなら悪用なんてしないでしょうし、皆さんがそれぞれの世界に帰ってからも()()出来ればこちらとしても有難いです。それに、時間をかけて超銀河ダイグレンの螺旋界認識転移システムの解析を進めればそちらで独自に開発するのも不可能ではないでしょう。それを加味すると、まあお近づきの印みたいなものですよ」

 

 交流。お近づきの印という話と合わせるならば、つまり困ったときには戦力として頼りにしたいということだろうかとマックス達は推定した。

 この匠衆(マイスターズ)という巨大組織が困る程の事態というのは余程のことだが、マックスや大河が見てきた限りにおいて、匠衆(マイスターズ)という組織に打算はあっても邪悪さは殆ど見られない。砲艦外交染みたごり押しや現地政府の了解を得ないままの作戦行動を割とやっているが、結果的には手早く問題を解決することになり、より多くの人々を救っている。総じて色々見てきた組織の中でもかなりまともな方だ。

 この世界に来てからこれまで以上に面倒な政治的事情に煩わされてきたことで必要以上に人を疑う癖がついてしまったようだ、とマックス達は自らを恥じた。善良すぎる。

 

マックス艦長≪分かりました。ご厚意をお受けします。決してあなた方の期待を裏切らないとお約束しましょう≫

 

大河長官≪無論こちらもです≫

 

トピア「はい、是非とも宜しくお願いします」

 

 実際のところ、匠衆(マイスターズ)の思惑としてはスーパーロボット軍団を戦力として当てにしたいというのも勿論間違ってはいないが、直接戦ってもらいたいというよりは真化融合や天元突破について詳しく教えてもらいたいという方が大きい。それだけでも十分すぎる程の見返りだ。

 また、マブラヴ地球人のようなのとばかり顔を合わせていると故郷世界を思い出してストレスが溜まるので、たまには裏のない相手と交流して心洗われたいというのもトピアの本音だった。件の幼女はその最たるものだが、後方保護者面連中の層が厚すぎて近寄りがたいのが難点だ。

 スーパーロボット軍団の心意気、人の心の輝きに、様々な地雷はさておき流石は歴戦のスパロボプレイヤー部隊だとトピアは何だか嬉しくなっていた。あれこれ融通を利かせているのは、建前とは別に個人的に肩入れしているだけという部分もあった。何しろ善行を働くものが報われるという因果応報論は、放っておいても自動的にそうなるものではない。ならば身を挺してまで人々のために戦っている人達が報われるように少しだけ手助けしてあげてもいいではないか。

 トピアはそのくらい彼らを特別視していた。

 

 それで、次の話題もその地雷処理の一つだ。

 

トピア「では次に(みこと)さんの件ですが――」

 

スワン≪長官、緊急デス!≫

 

 トピアが次の話題に入ろうとした所で、大河の方の画面に別の声が割り込んだ。この妙に片言な喋り方はGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)のオペレーターの一人であるスワン・ホワイトだ。

 

スワン≪検査中の(ミコート)サンの容態が急変しまシタ! 急速に機界新種へと変わりつつありマス!≫

 

大河長官≪――馬鹿な、()()()()をもくぐり抜けたというのかッ!?……検査室周辺の人員の避難は済んでいるか!?≫

 

スワン≪間もなくコンプリート……イエ、(マモール)隊員が囚われマシタ!!≫

 

大河長官≪何だとッ!!?≫

 

 よりによって機界新種対策の要となる天海 護(あまみ まもる)隊員が囚われたと聞いて、大河の顔が驚愕と焦りに歪んだ。作戦上必要なのは勿論だが、万が一のことはあってはGGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)を信頼してまだ小学生の護隊員を預けてくれた親御さん達に顔向けが出来ない。

 

マックス艦長≪総員出撃! 機界新種を撃退し、()()を救出せよ!!≫

 

 マックス艦長が対処のための号令を発していくその様子に、トピアは全てが後手に回ったことを察した。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。