【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

330 / 387
330. 勝負だッ! ブロウクンッ! マグナムッ!!

 ガオガイガーのバリエーションにはそれなりの数がある。

 

 まずは『勇者王ガオガイガー』第1話から登場してゾンダーと戦ったノーマルのガオガイガー。形式分類は重機動スーパーメカノイド。主題歌にも歌われる僕らの勇者王、(くろがね)の巨神だ。

 巨大メカライオンのギャレオンに凱が合体(フュージョン)して人型のガイガーになり、そのガイガーを中核として地球製の3つのガオーマシン、ステルスガオー、ライナーガオー、ドリルガオーが合体(ファイナルフュージョン)してガオガイガーとなる。

 しかしこのガオガイガー、緑の星から地球にやって来たギャレオンの破損したブラックボックスを解析してどうにかこうにか再現したものだけあって、初出撃時点ではとんでもない欠陥機だった。何しろ合体(ファイナルフュージョン)プログラムの成功率が()()()()0()()()()と言われており、それが成功しただけで奇跡だと喝采が上がり、成功しても接合部には割と深刻なダメージが入っていた。

 一体どこの09(オーナイン)システムだと言いたくなるが、まあ初回は殆どぶっつけ本番だったのでそれは仕方ない。流石にGGG(ガッツィー・ジオイド・ガード)も組織としてそれを放っておくようなことはなく、ガオガイガーは初出撃以降も継続的に改修が繰り返されていた。映像ではその結果が合体バンクに微妙に反映されたりもしていた。

 そのトライアンドエラーの積み重ねが後のスターガオガイガーやガオファイガーなどに繋がっていくのだ。

 

 次に『勇者王ガオガイガー』後半、対機界31原種戦で活躍したスターガオガイガー。ガオガイガーのステルスガオーをウルテクエンジン搭載のステルスガオーIIに変更したものだ。

 ただしこのウルテクエンジンの小型化が間に合っていないため巨大な2つのエンジンをそのまま搭載する形になっている。必然的に前面投影面積増大や重量バランス悪化などのデメリットがあり、基本的には宇宙用となっている。

 しかしスパロボでは単純にガオガイガーのパワーアップ形態として扱われる。ではこれは間違っているのかと言えば、一概にそうとは言えない。単純な上位互換ではないだけでパワーアップ自体はしているというのがより正確な表現だろう。

 理由はウルテクエンジンによる出力向上もそうだが、そのウルテクエンジンに取り付けられたファントムリングとプロテクトリングの存在も大きい。これらを利用することでブロウクンマグナムをブロウクンファントムへ、プロテクトシェードをプロテクトウォールへとパワーアップさせることが出来るからだ。その効果は侮れず、FINALの更にあとの時代に作られるガオガイゴーでは、ガオファイガーと違ってコアマシンのガイゴーにリングジェネレイター機能が無いのでこれを補うためにステルスガオーIの上位互換であるIIIを蹴ってIIに先祖返りしているくらいだ。

 あとはメタ的な理由として、巨大なウルテクエンジンを搭載したシルエットが力強くてかっこいいのと、後継機乗り換えイベントとして使えるというのもありそうだ。

 スターガオガイガーという名前は、勿論宇宙用という意味もあるが、よく見ると頭の上にステルスガオーIIの後端部分が三角形に突き出していることで足を開いて立ったときの正面からのシルエットが星型になっている。

 しかし原作劇中ではたった一度しかスターガオガイガーと呼ばれておらず、それ以外は単にガオガイガーと呼ばれている。まあ確かに違いは背面のステルスガオーIIだけなのだが。

 

 次に続編『勇者王ガオガイガーFINAL』の初期機体として犯罪組織やソール11遊星主と戦ったガオファイガー。正式名称ファイティング・ガオガイガー、主題歌にも歌われる闘う勇者王だ。続編『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』の中期参入機体としても活躍する。

 ギャレオンが護と一緒に星の海の旅に出てしまったために新たなコアマシンとしてファントムガオーが開発され、ファントムガオーと凱が合体(フュージョン)してガオファーに、ガオファーとステルスガオーIII、ライナーガオーII、ドリルガオーIIが合体(ファイナルフュージョン)してガオファイガーとなる。つまり合体するマシンの全てが初代ガオガイガーとは別物になっている。

 外見上の最大の特徴は、胸にライオンがついていないのでリアルロボット寄りのデザインになっていることだ。ガオファイガーは緑の星から伝えられたテクノロジーをベースにしてはいるものの純地球製の重機動ファイティングメカノイドであり、更なる技術の進歩によりギャレオン抜きでもスターガオガイガーの性能を凌駕している。

 その高性能の秘訣は従来ではGストーンを使い捨てにするしかなかった弾丸Xを昇華させたエヴォリュアル・ウルテク・パワーというブースト機構だ。弾丸Xと違ってGストーンを使い捨てにする事は無いが、高出力と引き換えに継戦能力は下がっている。

 ところで「ガオガイガーのコアマシンがガイガーならガオファイガーのコアマシンはファイガーじゃないの?」という疑問は誰しも抱く所だろうが、どうも商標問題でファイガーが使えなかったらしい。作中でその呼び名が使えないわけではないが、玩具として商品化する際に「ララァ・スン専用モビルアーマー」のような哀しみを背負うことになる。

 

 次は『勇者王ガオガイガーFINAL』の最終機体で、ソール11遊星主と戦ったジェネシック・ガオガイガー。人呼んで最強の破壊神、勇気の究極なる姿。

 ギャレオンを対ゾンダー用に調整する前のジェネシックギャレオンに戻し、これに凱が合体(フュージョン)してジェネシックガイガーに、そのジェネシックガイガーに同じく緑の星で作られた5つのジェネシックマシン、プロテクトガオー、ブロウクンガオー、ガジェットガオー、ストレイトガオー、スパイラルガオーが合体(ファイナルフュージョン)してジェネシック・ガオガイガーとなる。合体するマシン全てが緑の星で作られたものであり、これこそが純正のガオガイガーとも言える。

 作中ナレーションでも破壊神扱いされているだけあって面構えがより野性的というかシャープで凶悪になっており、デザインは地球製ガオガイガーとは全体的に違うのだが、見た目上の最大の特徴は頭からたてがみ(エネルギーアキュメーター)が生えていることだ。また合体するマシンが左右別々になっており、列車が右肩から左肩まで貫通するプロセスが無い。

 滅茶苦茶強そうな外見と破壊神という肩書きに負けずにその戦闘能力、特に破壊力はガオガイガーシリーズの中でも際立って高いのだが、原作では吃驚するくらい苦戦する。ソール11遊星主のアンチプログラムなのに何故かソール11遊星主に相性負けしているという不思議な状態だったが、これはソール11遊星主がそれだけジェネシックと勇者達を警戒して幾重にも対策を張り巡らせていたせいだと作中で凱も看破している。

 その苦戦するイメージが強いせいか、ジェネシック・ガオガイガーは対ゾンダー用に調整されていないのでそのままゾンダーと戦うと同化されて負けるなどという説が巷に流布されているが、これは脚本家にはっきり否定されている。そもそもGストーン自体がゾンダーへの抵抗力を持っているため、そんな事実は存在しないということだ。

 では一体何のための調整だったのかという肝心の所には言及されていないので推定するしかないが、全ての挙動の破壊力がいちいち高すぎてゾンダー核や原種核の摘出が出来ないためであろうと考えられる。つまりゾンダー化した人間の犠牲を許容すればそれぞれのゾンダーロボの破壊までは出来るが、大元のマスタープログラムへの対処が不可能なので延々戦い続けることになる。実際スパロボX-Ω(クロスオメガ)のユニットシナリオでは、ガオガイガーの前日譚として緑の星のカインが駆るジェネシック・ガオガイガーが無数に湧き続けるゾンダーと戦い続けて対処しきれなくなるエピソードがある。

 そもそもガオガイガーやガオファイガーはヘル・アンド・ヘブンの時に両手を組んで相手にぶち込みそのままコアを引きずり出すという動作を当たり前のようにこなしているが、これでコアを傷つけずに引きずり出すのはかなり無茶な芸当だ。ジェネシック・ガオガイガーもヘル・アンド・ヘブン・アンリミテッドは使っているが、これが命中すると基本的に標的は爆散するため、摘出に使えるような技ではないだろう。

 ところで星をも砕くゴルディオンクラッシャーがジェネシック・ガオガイガーの必殺技の代名詞のようになっているが、経緯からしてこれはガオファイガー用に作られていたものなので規格が合っておらず、ジェネシック・ガオガイガーからの接続(クラッシャーコネクト)は、とりあえず拳をぶち込んでから勇気(エヴォリュダーパワー)で繋ぐというかなり強引な方法で行っている。

 ではジェネシック本来の同等の装備は何かと言えば、破壊規模が小さい代わりに消費も小さく、まるで通常攻撃のように繰り出せるゴルディオンネイルだ。むしろそのような小規模サイズで作れなかったために開き直って巨大な規模で作られたのが地球製ゴルディオンシリーズと言える。星をも砕くゴルディオンクラッシャーはまさにその極致だ。

 ジェネシック・ガオガイガーは、想定する相手が再生能力特化だったからそのアンチプログラムとしては仕方ないのだが、こいつだけ『破壊神』という通常は敵寄りの概念の扱いを受けている。そして後の『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』では終焉を超えた誓い(オウス・オーバー・オメガ)に乗っ取られて本当に敵にされてしまうという不遇な扱いを受ける。

 なおジェネシックとは起源、創始を意味するジェネシスから生まれた造語であり、医薬品に使われるジェネリックとは無関係である。

 形式分類はジェネシックメカノイド。スパロボαにおける最強機体の一角を占める。

 

 今回来ているスーパーロボット軍団に存在した経歴があるガオガイガーバリエーションはここまでの4種で、ここから先は続編の『覇界王 ~ガオガイガー対ベターマン~』登場メカになる。その内ガオガイゴーとファイナル・ガオガイガーはスパロボ30にだけ登場しており、ベターマンと合体した夢装ガオガイガーや夢装ガオガイゴーはそのスパロボ30にすら登場していない。

 

 今現在の凱の乗機の選択肢は第4集団GGG(ガッツィー・ギャラクシー・ガード)に所属していたスターガオガイガーと、第1集団αナンバーズに所属していたジェネシック・ガオガイガーの2つだった。共通部分のギャレオンは統合されて両用になっており、ガオーマシンとジェネシックマシンが1セットずつある状態だ。

 ノーマルのガオガイガーにするにはステルスガオーIが足りないし、場所が宇宙空間なのでスターからノーマルに戻す意味も無い。コア摘出能力持ちの中で最も戦闘能力が高いガオファイガーはソール11遊星主との戦いで修復不能なほど破壊されてしまった。

 今回凱が選択したジェネシック・ガオガイガーは、破壊範囲が大雑把でコアの摘出という繊細さを要する作戦には全く向いていないのだが、それでもなおこちらを選んだのは、出現した機界新種が大幅にパワーアップしているため、まずはそれを倒すための戦力を優先した形だ。

 とはいえ、凱は決して人質救出を諦めたわけではない。

 巨大ゾヌーダロボのスキャンの結果、(みこと)が変化したゾヌーダ、そして護が、巨大ゾヌーダロボの胸部と腹部に囚われていると判明している。全機にその2箇所を破壊しないように通達され、匠衆(マイスターズ)にも情報共有されている。

 ただしその2箇所がスキャンを通さないためにそういった結論になっただけで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()は完全には分からなかった。前回同様ゾヌーダが胸部に存在するならば消去法で腹部に護ということにはなるが、確実ではない。

 ここで困るのが、ゾンダーロボやゾヌーダロボはコアを摘出すると僅か数秒で爆発するということだ。つまり先に救出したのが(みこと)であった場合、取り残された護は爆死する。これもゾヌーダによる人質活用作戦の一つだった。なかなかえげつないことを考える。

 

 ジェネシック・ガオガイガーをはじめとするスーパーロボット軍団が出撃して巨大ゾヌーダロボを取り囲んだところに、匠衆(マイスターズ)の増援が駆けつけた。内容は現状で即座に出撃可能な轟雷3機とインファクトリ級1個基幹艦隊500万隻だ。

 轟雷3機はともかく、スーパーロボット軍団の周囲を更に囲むゼントラ特盛りの1個基幹艦隊は何のために連れてきたのかと一同はぎょっとした。

 その動揺を収めるべく仮面のゼロ、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが口を開いた。なお彼の正体はZ-BLUE(ズィー・ブルー)のほぼ全員が知っているが、けじめとしてこのスタイルを貫くようだ。

 

ゼロ≪匠衆(マイスターズ)は私が呼んだ。万が一の時は()()()()()()彼らがやってくれる≫

 

甲児≪おい何を――!?≫

 

 混成スーパーロボット軍団に所属している者達は、皆が(みこと)と護を救助するつもりでいる。諦めるつもりなど全くない。

 しかし500万隻を伴って現れたからには、いざというときには始末するという言葉は全く冗談には聞こえない。

 実際人質を無視するならば、ベルカ砲でも乱射すれば簡単に巨大ゾヌーダロボを仕留めることが出来るだろう。或いは100万倍強化した斬澗刀(ざんかんとう)の剣戟を叩き込んでもいい。

 

トピア≪ですから、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 つまり、失敗したときの尻拭いはこっちでやるから後の余力など考えずに全力を尽くせとトピアは言っていた。

 スーパーロボット軍団からすると仲間は勿論大事だが、そのためにこの世界を危険に晒すことは出来ない。考えたくはないが、頭のどこかで万が一のための対処余力を考えざるを得ないのだ。

 

凱「――感謝する!!」

 

 山程貰った補給物資が裏目に出てしまったのは何とも言いがたいが、こちらの確率時空でも最大の勢力を誇る匠衆(マイスターズ)のバックアップがあるのは頼もしい。

 万が一の備えとして超銀河グレンラガンやダイバスター、先ほど和解に至ったマジンガーZEROを控えに残す算段だったが、万が一を考えなくていいのならばアークグレンラガンやバスターマシン7号の状態で戦力として出せる。

 ならば凱のやることは、迷いを捨て勇気を以て戦うことだ。GSライドは勇気に応えてくれる。

 

凱「勝負だッ! ブロウクンッ! マグナムッ!!」

 

 ジェネシック・ガオガイガーの右手首が高速回転し、腕の振りかぶりに合わせて弾丸のように打ち出された。地球製ガオガイガーと違って前腕は射出せずに残ったままなので重量は小さいが、貫通力は抜群だ。

 打ち出された拳は、巨大ゾヌーダロボのバリアと少しばかりせめぎ合ったあとにバリアごと右肩を貫通した。

 流石の破壊神(ジェネシック)だ。爪がゴルディオン仕様なのは伊達ではない。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。