ジェネシック・ガオガイガーが繰り出したのは、
人工の電磁嵐である
凱「くっ!」
そのままならば胸部と腹部の間あたりに直撃するように見えたが、巨大ゾヌーダロボが咄嗟に身をよじって頭突きのように頭を差し出したことで着弾点がずれたのだ。
なるほど、巨大ゾヌーダロボを上下に分断して一旦二つの人質収容区画を切り離したならば、爆発しない上にコアが無い側が動かなくなるためにそちらに護が収容されていることがはっきりしてしまう。人質救出は格段に容易になるだろう。ヘル・アンド・ヘブンの呪文の最後に
だがゾヌーダはその作戦を打ち破った。ジェネシック・ガオガイガーの乾坤一擲の攻撃をやり過ごした巨大ゾヌーダロボは、反撃としてその巨大な両手でジェネシック・ガオガイガーの両肩を掴み、衝撃波を浴びせながら物質昇華を開始した。
ジェネシック・ガオガイガーは傍目には既にボロボロに見えるが、実際は溢れ出るジェネシックオーラでガンバスター同様に物質昇華を相殺することでここまで致命的ダメージを免れており、戦力の低下は殆ど生じていなかった。しかし巨大ゾヌーダロボに直接掴まれたとなれば話は別だ。更に巨大ゾヌーダロボは自らの両腕を切り離して浮遊させ、ジェネシック・ガオガイガーを引き裂きに掛かった。
凱「ジェネシック、すまない――」
エヴォリュダー凱は瞑目してジェネシック・ガオガイガーに謝罪すると、次の瞬間には一転して目を見開き、かなり思い切ったことをした。
凱「
ジェネシック・ガオガイガーが勢いよく分離し、傍目からは巨大ゾヌーダロボに五体を引き裂かれたように見えた。元々胴体・左腕・右腕のマシンが別々だからこそ出来る荒技だ。
これで凱とガイガーの脱出は出来たが、ガオガイガーの合体・分離はゲッターロボ程瞬時には出来ない。ましてや両腕となるプロテクトガオーとブロウクンガオーは巨大ゾヌーダロボに掴まれたままで、物質昇華が進みつつある。一体これでどうやって戦おうというのか。まさか勇者ともあろう者が諦めて逃げ帰るというのか?
無論、そんな心配は無用である。
この機会を待っていたのか、
ルネ≪行くよ凱!≫
凱「この時を待ってたぜ!」
ガイガーとガオファーが拳を突き上げて叫んだ。
凱&ルネ「ガオーマシンッ!!」
スワン「ファイナルフュージョン要請シグナル、来まシタ!」
大河長官「よォし、スワン君! ファイナルフュージョン! 承認ッ!!」
スワン「Roger! Final fusion, program ... drive!!」
いつもは
スワンはコンソールに備えられた
ところで、ジェネシック・ガオガイガーは元々
つまりこれはジェネシック・ガオガイガーの再合体ではない。
ファイナルフュージョン実行を受けて、ディビジョン艦から3つのガオーマシンが射出された。内訳はステルスガオーII、ドリルガオー、ライナーガオー。
それと同時にインファクトリ級の方からも3つのガオーマシン、ステルスガオーIII、ドリルガオーII、ライナーガオーIIが射出された。
こうなれば何をするかはもう分かるだろう。
凱&ルネ「ファイナルッ! フュージョーーンッ!!」
ゾヌーダ≪ゾヌッ!?≫
何が起こっているかを理解した機界新種が明らかに狼狽えた声を出した。随分感情豊かになった様に見えるが、もう遅い。ジェネシック・ガオガイガーの両腕と一緒に飛んで行った巨大ゾヌーダロボの両腕もガンバスターとマジンガーZEROに撃墜されており、再生が間に合っていない。更に多数の簡易攻撃端末はここが踏ん張りどころとばかりにスーパーロボット軍団が息を合わせて殲滅しに掛かったため差し向けられる数が少なく、
狼狽えるゾヌーダの目の前で2つの
今回は同時
風龍「合体開始!」
雷龍「おおよッ!」
ガイガーの腰が半回転して前後逆になり、風龍と雷龍の超AIを搭載したドリルガオーがカバーを開いてまっすぐガイガーの両脚を受け入れると、ダンパーと固定具でしっかり捕まえた。
ここで初登場なので超AI勇者ロボ達の元の特徴を説明しておこう。
風龍はビークルロボ竜シリーズの3号機(三男)でミキサー車に変形する。カラーリングは緑で、合体では右側担当。雷龍と
雷龍は同じくビークルロボ竜シリーズの4号機(四男)でダンプカーに変形する。カラーリングは黄色で、合体では左側担当。風龍と
なお竜シリーズと言っても竜に変形するわけではなく、個体識別名に竜や龍の文字が付けられたシリーズということだ。
ゴルディーマーグ「俺様に任せろォ!」
マイク「マイクも頑張っちゃうもんねぇ!」
風龍達と同時に、ゴルディーマーグとマイク・サウンダース13世の超AIを搭載したドリルガオーIIがガオファーの両脚に接続した。
ゴルディーマーグはゴルディオンハンマー+マーグハンドに超AI人格を持たせた事実上の自走ゴルディオンハンマーだ。超AIが最適化されているためか、ゴルディオンクラッシャーやゴルディオンアーマーに移植搭載されたこともある。ゴルディオンハンマーは初代ガオガイガーの切り札的存在であり、コア摘出機能も備えているが、今回は連携のしやすさという観点で1つしかないゴルディオンハンマーは適しておらず、ゴルディーマーグもサポートに回っている。
マイク・サウンダース13世はマイク・サウンダースシリーズの13号機(十三男)で、普段はコスモロボと呼ばれる3頭身くらいのマスコットめいた体型のロボだ。見た目に違わずマイクは性格もフレンドリーなので子供達に大人気だ。そのためスパロボ30ではガンマックスにコメディアン枠扱いされていたが、戦闘用のブームロボ形態では他の勇者達と変わらない体型で、マイクロフォン型のドカドカーンVやギター型のギラギラーン
マイク・サウンダース13世は末弟だが、マイク・サウンダース部隊の隊長を務めており、他の兄達12機は塗装に赤が使われていないので色数が少ない。原作ではその兄達12機が木星決戦で全機喪われてしまい、第4集団側の
氷竜「進入角、OK!」
炎竜「――成功ッ!」
ガイガーの腕が背面に畳まれ、氷竜と炎竜の超AIを搭載したライナーガオーが無闇に厳しい進入制限角度でガイガーの右肩から左肩への貫通を成功させロックを掛けた。
氷竜はビークルロボ竜シリーズの1号機(長男)でクレーン車に変形する。カラーリングは青で、合体では右側担当。炎竜と
炎竜は同じくビークルロボ竜シリーズの2号機(次男)で梯子車に変形する。カラーリングは赤で、合体では左側担当。氷竜と
光竜「キャーッ!」
闇竜「ウオオッ、ロック完了!」
その妹の光竜と闇竜の超AIを搭載したライナーガオーIIが悲鳴を上げながらガオファーの右肩から左肩へ貫通、合体自体は成功させた。
このプロセスをよく見てみると、ガイガーやガオファーの
光竜はビークルロボ竜シリーズの5号機(長女)でメーザー砲車に変形する。カラーリングは桃色で、合体では右側担当。闇竜と
闇竜は同じくビークルロボ竜シリーズの6号機(次女)で多弾頭ミサイル車に変形する。カラーリングは黒で、合体では左側担当。光竜と
この姉妹の所属は
ところで光竜・闇竜は個別だと女性的で可愛らしいデザインなのに、合体して天竜神になると途端にゴリマッチョ体型になる。これが変形合体機構の都合上そうなってしまったのか、それともゴリマッチョウーマンが好きな人が開発に関わったのかは謎のままだ。
ボルフォッグ「ドッキング! ……パーフェクトロック!」
ボルフォッグの超AIを搭載したステルスガオーIIが急降下してガイガーの背中にドッキングした。
ボルフォッグは
ボルフォッグはビークル形態が他と違ってトラック型ではないので、基本の人型形態のサイズが小さく、ビッグボルフォッグでも他のビークルロボの基本形態程度の21.8mしかない。しかし隠密型と銘打つだけあって忍術のような技を多数使えるので戦闘能力も低くなく、非常に有能だ。
ボルフォッグの第一の任務は天海 護隊員の警護なので、今回の事態には責任を感じているようだ。まあ他と比べて小型と言ってもノーマルボルフォッグで全高10.7mあるので艦内や屋内の通路には流石に入れず、今回護が人質に取られたのは別にボルフォッグの責任ではないのだが。
トモロ-0117「ステルスガオーIII、ドッキング完了。システムオールグリーン」
ボルフォッグと同時に、
トモロ-0117は
キングジェイダーは人型形態で全高101m、戦艦形態ジェイアークで107mある。ガオガイガーに比べると確かにでかいのだが、テーマソング『美しき光の翼』で繰り返し超弩級戦艦と歌われるのにドレッドノート級の160.6mより小さいのでちょっと名前負けしている。ただしその戦闘能力に偽りはなく、初登場時にはノーマルのガオガイガーがボコボコにされた機界31原種相手に無双する活躍を見せ、「すごい……すごく強い、すごくでかい、すごいロボットだ!」と護を驚かせていたのは有名だ。
しかもこのジェイアーク級、赤の星では一人一殺構想で原種と同じ31隻も建造されている。
逆にそんな圧倒的な戦力でどうやってゾンダーに負けたのかと疑問に思う所だが、これはジェイアーク級が完成する前にゾンダーが先制攻撃でトモロ型生体コンピュータをゾンダー化させてしまったことで、ジェイアークが全艦不完全な状態で出撃せざるを得なかったためだ。実はジェイアークにサイボーグ戦士ソルダートJ、制御担当のトモロ、浄解担当のアルマが揃ったのは地球に来てからが初めてだった。しかもソルダートNo.J-002とトモロ-0117に至っては到来当初ゾンダー化して機界四天王なんてものをやっていた。
そのトモロ-0117がどうしてステルスガオーIIIに搭載されているのか。単なる数合わせならマイク・サウンダースの1世~12世で12機も余っているのだが、13世と同時にファイナルフュージョンさせようとするとマイク・サウンダース部隊の編隊制御プログラムとバッティングしてシミュレータ上でもエラーが出たからだ。これを解決する時間は無く、ルネの提案で試しにトモロを搭載してみたらあっさり成功したので代役抜擢となった。何故上手くいくのか、原理的にはGストーンとJジュエルには最低限の互換性と共鳴強化現象があることが考えられるが、まあ単にルネとソルダートJの絆ゆえかもしれない。
各ガオーマシンが接続に成功すると、ガオガイガーの胸部の鬣が展開してライオンの顔が完成、同時にガオファイガーのコックピットが閉じて胸部から腹部のブロックが形成された。
次にライナーガオーから畳まれていた上腕が出てきてステルスガオー付属の前腕と接続、前腕からは回転しながら拳がせり出してきた。
最後にステルスガオーに収納されていたヘルメットが頭部に被さって顔を鬼のような面頬が覆い、赤い眼光が灯ると額のGストーンには
勇者達「ガオッ!
斯くして2体の勇者王、スターガオガイガーとガオファイガーがここに堂々顕現した。『勇者王ガオガイガーFINAL』では不幸にも敵対して哀しい戦いを繰り広げることになった両雄が、ここに並び立ったのだ。