【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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335. 伝説の 特級の 高級な 上質な ピザだが?

 スパロボ方面の喫緊の問題が片付いて一息ついた所で、人材勧誘の話だ。

 Z-BLUE(ズィー・ブルー)には仮面の怪人ゼロ、本名ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが所属している。

 『コードギアス』の主人公であるルルーシュは、ロボットアニメの主人公の割には身体能力は比較的低く、パイロット技能も一般兵程度でしかない。そのあたりは枢木(くるるぎ) スザクの得意分野だ。しかしその分指揮技能が強力で、ルルーシュはスパロボでも『()()指揮』というユニークスキルを持っており、これが全ユニット中唯一にして絶大なバフ効果を誇っていた。ただし指揮ばかりしていると経験値を稼ぎにくいのが難点だ。

 『コードギアス』原作ではルルーシュが戦略、スザクが戦術と表現されていたが、実際にはほぼ命令を受けて突撃して戦うだけのスザクは戦技に近い分野で、ルルーシュがやっていたことはスパロボでもそう表記されているように前線指揮が戦術、そして全体的な国盗り計画が戦略に相当するだろう。

 ルルーシュはいわゆる天才型主人公だが、同じ天才型でも『デスノート』の夜神 月(やがみ ライト)などと違って妙な増長をせずに徹頭徹尾妹のために戦い続け、自身の意図に反して出してしまった犠牲に対しても軽く考えず真剣に思い悩むので、人間性に好感が持てる。対機界新種の作戦立案における活躍を見る限り、その優秀さにも疑いはない。

 またルルーシュはシスコン故か、慈しむべき妹とそうでもない妹を見分ける妹ソムリエのような眼力を持っており、スパロボXではナナリーと同じ車椅子生活の妹でも全く違う、アンジュの妹シルヴィアの腐った性根を一目で見抜いていた。

 

 ルルーシュが原作で顔と身分を隠してやっていたことは神聖ブリタニア帝国に支配された日本(エリア11)独立を目指す非対称戦争、いわゆるテロ行為なのだが、これを卑劣な行為だと糾弾するのは早計だ。何故ならブリタニアは苛烈な圧政で植民地住民の権利を著しく制限し、時には虐殺までしていたし、被支配民がブリタニアに対し正式な手続きで意見を通す手段はおよそ存在せず、何より力を以て皇位継承を争えというブリタニアの国是がルルーシュの行いを肯定していたからだ。それにゼロが率いる黒の騎士団は、他のテロリストと違って民間人を犠牲にすることを良しとしていなかった。総じて、ブリタニア人の意向一つで消し飛んでしまう正式な独立手続きを夢想して出世のために唯々諾々と命令に従って自国民を犠牲にしていた枢木 スザクよりは余程マシだと言える。

 

 しかし人材勧誘と言ってもルルーシュに限らずスーパーロボット軍団の面々はこちらの世界に助けに来てくれているだけなので、その内帰らなければならない。だからこちらに就職してもらうのは難しいのだが、そこで出てくるのがゼロことルルーシュだ。ルルーシュはブリタニア皇族としては自ら企図した憎しみ終息プランであるゼロレクイエムでもう死んだことになっているので、むしろあちらの世界でまともな職に就く方が難しい。

 なのでトピアとしては別世界への移住を兼ねて匠衆(マイスターズ)に入ってくれないものかとワンチャン狙っているのだが、他の転生技術者などの勧誘にも交渉のための人材を送っているため、今現在は交渉のための人員が足りていなかった。夕呼もシュウ・シラカワ博士との話をまとめたあとはステークの最終出撃準備に入っている。

 それでトピアが直接交渉することになったわけだが、ルルーシュが幼女に「ニッポンポン」と呼ばれている不意討ちにはトピア達も堪えきれずに笑ってしまい、少々機嫌を損ねてしまった。それにしても幼女は一体どこでニッポンポンMADに触れたのだろうか。

 

 また、勧誘で提示された条件では、初っぱなからの地位が高すぎるというのも逆に警戒を招いていた。天の川銀河全域並びに近隣銀河にまで絶大な影響力がある匠衆(マイスターズ)の参謀部所属で幹部会議にまで出席出来る準幹部待遇は破格だ。ルルーシュとしては地位に相応しい能力を持っているつもりだが、それとは関係なく周囲から妬まれても何ら不思議ではない好待遇なのが分かる。

 

 しかしトピア達としても折角のルルーシュの意見を直接聞けなくては意味が無いので、あまり序列を下げるわけにもいかないという事情があった。そもそもこれはターニャの初期待遇に準ずるものであり、その頃とは比べものにならないくらいに組織の勢力が膨れ上がっているせいでより好待遇に見えるだけなのだ。

 

 ルルーシュとしてはわざわざ元テロリストの首魁を指名するのは汚れ仕事でもさせる為ではあるまいなという可能性を考えなくはないが、これについてはまず無いだろうという結論に至っていた。何故ならこっそり悪さをするなどという面倒なことをするくらいなら正面からごり押しするのが匠衆(マイスターズ)だからだ。連中の意図を深読みするだけ無駄だというのがそろそろルルーシュにも分かってきていた。

 となればやはり単純に能力目当ての採用と考えられるのだが、それにしても元の世界に帰る場所が無いという事情を熟知しすぎているのが気に掛かる。この分だと恐らくナナリーのことも知られているだろう。諜報力が高いのか、或いはギアスのような能力か。

 流石のルルーシュも、原作アニメやゲームで知られているなどという特殊事情は考慮出来ていなかった。

 

 そうしてルルーシュが考え込む様子を、まあ困惑するだろうなという顔でターニャが見ていた。同類を見る目だ。

 

 すぐに返事をしないルルーシュを見てスザクやカレンが何か不思議そうな顔をしていたが、横からC.C.(シーツー)が真面目ぶった顔でルルーシュの背中を押すような言葉を掛けた。

 

C.C.(シーツー)「ルルーシュ、この提案は受けておけ。後悔するぞ」

 

 C.C.(シーツー)。緑色の髪の美女で、ルルーシュにギアスを与えた張本人にして共犯者だ。初期設定名から本名はセラ・チャールズとも推定されているが実際のところは定かではない。

 

ゼロ「それは一体どういう……いや待て、その手に持ったピザは何だ?」

 

 ルルーシュは自分が買い与えた覚えが無いピザに不信感を抱いた。()()()()()()

 

C.C.(シーツー)伝説の 特級の 高級な 上質な ピザだが? 聞いて驚け、今なら()()()()()()だ」

 

 付け加えると、C.C.(シーツー)はピザが大好物だ。しかも不老不死という特殊性から、幾ら食べても太らない。まあ不死の力の根源であるCの世界を崩壊させてからもそれが適用されるかは若干怪しいが。

 しかし何しろ不老不死なので、()()食べ放題の有効期限は無期限であり、計算上でも無限の価値があると言えよう。まさに無限のピザパラダイス。

 

カレン「というか、あたしはもう決まった話だって聞いてたんだけど? C.C.(シーツー)から」

 

 紅月 カレン。紅月は母方の苗字で、本名はカレン・シュタットフェルトだが、彼女は黒の騎士団のエースだ。その実力はスザクとほぼ互角で、原作中での最強パイロットの一人だ。

 こちらは赤い髪の美女で、日本とブリタニアのハーフだ。ブリタニア貴族であるシュタットフェルト家の唯一の後継者なので普通に暮らしていれば将来は安泰だったのだが、シュタットフェルト家で純日本人の母が使用人扱いで露骨に冷遇されていたことと、純日本人の兄がレジスタンス活動をしていたのが原因で彼女自身もレジスタンス活動にのめり込み始めた経緯がある。

 カレンは身体能力もかなり高く、C.C.(シーツー)にはゴリラ呼ばわりされることもあるが、見た目上は筋肉質ではなく、おしとやかな演技をしていれば深窓の令嬢でも通るくらいだ。

 なおその腕前だけでなく、ちょっとエッチな扱いを受けることにも定評がある。

 

スザク「僕もそう聞いたよ」

 

 枢木 スザク。原作最強パイロットの一人で、ルルーシュの幼なじみだ。生き別れている間にルルーシュと正反対の方針で日本を取り戻すことを決意し、ブリタニア軍に所属するが、紆余曲折を経て最終的にルルーシュの仲間になる。スパロボZ世界でもそうだった。

 

ゼロ「貴様ァッ! 人の身柄をピザで売るんじゃない!!」

 

 将を射んと欲すれば先ず馬を射よとは言うが、C.C.(シーツー)は既に激ウマピザ食べ放題で買収されて、カレンやスザクもその口車に乗せられていたようだった。ルルーシュは威厳をかなぐり捨ててC.C.(シーツー)に抗議し、トピアと九十九は爆笑した。勿論犯人はこいつらだ。E&E(エンジョイ&エキサイティング)精神が溢れすぎていた。

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