迎撃火力は濃密で、レーザーだけではなく実弾や爆発物、
ステークがBETAを返り討ちにしながら
ステーク「戦術機級、よりは大分でかいな、かといって
戦術機サイズのBETAなら既に出現・討伐報告があり、シンプルに戦術機級と名付けられていた。あれはラザフォード
それにひきかえ、目の前の存在は明らかに轟雷を意識したサイズで、手には銃剣らしきものを持ち、更に
ステーク「名付けるなら大魔術機級、だな。ふん、どうした? 今更人間様の真似でもしたくなったのか?」
ステークが無駄とは思いつつも周囲の大魔術機級BETAを挑発すると、4体が一斉に銃口から光線を発射し、それが轟雷に直撃した。
ステークは眉をひそめた。ダメージは殆ど受けていないが、誘電体多層膜で弾けない。つまりは普通の光線ではない。しかし粒子砲の類いでもない。これは魔導ビームだ。
ステーク「厄介だな」
BETAが魔法技術を活用し始めている。実際のところ、魔法は機械よりも生物に相性がいい技術なので、構造上は炭素生命体のカテゴリに入るBETAが活用出来ても不思議は無いのだ。
それに、こうしている間にもリーディングでステークから情報を引き出そうとしている。
魔導ビームが効かないと見た大魔術機級は、即座に方針転換して一斉に距離を詰め、銃剣でステーク機に斬りかかった。速度計によると雷速程度の速度が出ている。これも魔法の活用だろう。
ステークは術式で時間感覚を調整して太刀筋を見切ると、跳躍でぬるりと躱して1機を標的にし、首を斬りつけた。しかしバリアに阻まれ、ダメージが通らなかった。
ステークは気にした様子も無く、同じ1機を標的にして少しずつ威力を強めていった。すると2回目でバリアを貫通し、3回目でラザフォード
ステーク「なるほど、このくらいか」
丁度いい塩梅を見極めたステークは、そのまま残りの3機の背後に回り込んで順次首を落としていった。
首を落とされた大魔術機級4体は制御を失ってその場に崩れ落ちた。
厄介と言った割に随分簡単に倒してしまったが、それはこんなハイヴ中枢に近いところで大型で耐久の高い標的を出されると、オーバーキルの次元断効果で中枢の重
現状の大魔術機級の脅威度は、素人が乗った轟雷よりもまだ低い程度だ。しかしここから魔法の探究が進んで魔導衛士並に使いこなすようになると侮れない。本拠地攻略までにもっと日数が掛かっていれば、本格的に脅威となっていただろう。BETAもまさか即日で本拠地攻めされるとは想定していなかったに違いない。
まあ魔導技術が
ステークは死亡確認を兼ねて大魔術機級のサンプルをインベントリに入れて持って帰ることにした。ここで胴体側があっさり入ったのに頭が入らなかったので、ステークは死んだふりと断定して頭を踏み潰しておいた。恐らく
そんなことより今は純夏だ。ステークは
中枢に繋がる
ステーク「けど、今は違う」
ステークは左の魔導銃剣で追撃のBETAを薙ぎ払いながら、右の魔導銃剣を振りかぶって
そして
あ号標的はかつて見たときよりも遙かに巨大に成長しており、反応炉部分だけでも間違いなくキロメートル単位の大きさになっていた。これだけでかいと、多少の酵素を注入した程度で休眠させるのは難しそうだ。
それよりも問題なのはその反応炉の上に触手の代わりにやはりキロメートル単位の人型の上半身が生えていて、00ユニットの反応がその人型の心臓部あたりにあることだった。
ステーク「純夏ッ――!」
肉眼では見えないが、轟雷のスキャン結果から確かにそこに純夏がいることが分かる。
ステークはすぐにも純夏を助け出したい衝動を堪え、各種センサーを全開にして周囲の観測を開始した。状況も分からず手を出して純夏を殺してしまうのは本末転倒だし、どうやって並行世界を統合しているかの原理解明も必要だったからだ。
そうしている間にあ号標的の上半身部分の背中に生えた触手がステークの轟雷に殺到し、バリアに衝突した。この触手の太さも以前より遙かに増しており、直径が100mくらいある。
バリアに衝突した触手はそのままエネルギーを吸収し始めた。なかなかの吸収量だが、それでも轟雷の縮退炉の戦闘出力Minuteモード400
とはいえエネルギーを与えてやる義理も無いので、ステークは限界吸収ペースを把握した段階で魔導銃剣を振りかぶり、無造作に触手を切り払った。
続いてレーザー、魔導ビーム、実弾、爆弾の弾幕が押し寄せるが、ステークは観測を続けながらこれらの出元を自動迎撃のディストーションレーザーと魔導ビームで一つ一つ丁寧に潰していった。無論押し寄せる増援の強化型BETAも片手間で一緒に潰していった。
それと同時にあ号が試みたのは、阿頼耶識改の無線通信への介入だった。しかしこれも
ステーク「残念だったな。オレの阿頼耶識は
そう、魔導衛士の中でもステークだけは首の後ろの端子を介して有線で直接精神接続している。元は反応速度や操作精度を少しでも上げるための拘りだったが、ESPや念話による無線接続への介入を完全にシャットアウト出来るという利点が大いに発揮されていた。
制御系の無線通信への介入すら効かなかったことで、どことなくあ号標的の焦りが伝わってくるように思えた。
なお現在ステーク自身も通信拒否術式を起動して念話やESPの類いを全てシャットアウトしている。今更話を聞いても無駄だし、考えを読まれるだけ損だからだ。