【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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 ハイドーモー、昨日から本日にかけて1点と9点というほぼ両極端の評価を戴いて温度差で光と闇が備わって最強に見える感じの匠 VS BETAでございます。皆様評点ありがとうございます。

 [2025/11/24]電力網敷設手順をはじめとして加筆・修正しました。時間経過部分に仕切りを追加しました。


035. 軌道エレベーターを中心とした拠点ということで、『ユグドラシル』でどうでしょう?

 その後アヌビス神に相談してみたところ、ラリーとスコアの二人にも無事にレベルシステムが適用された。

 ラリーはLv.1の石板適用前でライフが既に500あった。テラリアンの初期ライフは理想郷の建設者(クラフトピアン)と同じ100であるが、初期ライフからその後永続ステータス向上アイテムであるライフクリスタル(Life Crystal)を15個とライフフルーツ(Life Fruit)を20個使うことで500まで増やしたとのことである。そしてここに成長の石板80個をつぎ込むことでラリーのライフは1,500まで上昇した。

 他にもマナクリスタル(Mana Crystal)9個によってマナが初期の20から180増えて200になっており、つまりこれらはクラフトピア方式のステータスにも影響を与える永続アイテムということなので、ラリーには他の仕事のついでで良いので見かけた永続ステータス向上アイテムを片っ端から確保しておく仕事が任された。

 スコアはLv.1の石板適用前でライフが既に593あった。こちらは熟練度やスキルで増えた以外にジャンボキノコや琥珀の幼虫などの永続ステータス向上アイテムで増やした物らしいが、それらは取り尽くしてしまってもうこの辺りには存在しないらしいので捜索は断念となった。成長の石板80個をつぎ込むことでスコアのライフは1,593まで上昇した。

 

 クトゥルフの脳(Brain of Cthulhu)の討伐報酬であるが、報酬が与えられる基準は報酬発生時点でその戦闘を行った者の仲間として世界に存在していたかどうかであるらしく、今回は全員が該当するとのことであった。

 ただしラリーには他の報酬も発生していた。単独行動をしていた頃に倒していたクトゥルフの目玉(Eye of Cthulhu)の討伐報酬である。この報酬を他の面子が受け取れない取りこぼし問題については、クトゥルフは何度でも召喚出来るので面子が揃った頃にもう一度狩れば大丈夫とのことだった。それで外敵を排除したことになるのだろうかという疑問はあったが、クトゥルフの脳(Brain of Cthulhu)の例で言えば、全てのクリムゾンハート(Crimson Heart)を潰して自発的に召喚する以外の方法で出てこなくなれば大丈夫なのだという。

 すぐに選ばなくてもよいとのことなので、ラリー達は今回は報酬を受け取らないことにした。何しろ初期限界のLv.50にも上げていないのだ。

 

 次に装備の強化実験についてだが、ラリーがきらめき(Shimmer)を使った分解再構成ガチャで 伝説の(Legendary) モディファイアをつけたプラチナの剣(Platinum Broadsword)をトピアとスコアとサティに、スコアが修理台で強化したオクタリンの弓をトピアとラリーとサティに、トピアが適当にでっち上げたフルエンチャント武器をラリーとスコアとサティに渡すことで、後付けでそれぞれの強化が可能かを試すことになった。サティに渡したのは分子分析機(M. A. M.)にかけるためのものであり、別途オクタリンと真紅石も少量融通された。

 また、強化が正常に効果を発揮しているかを確認するため、双方の拠点にそれぞれの仕様のチェストボックスを設置することになった。

 

 さて、肝心のポータル設置とこちらの拠点に電力を引いて採鉱機を設置する件である。

 まずこちらの拠点、あちらの拠点では呼びにくいので、拠点名を決めることにした。

 

スコア「そうだな、コアを中心とした拠点、『コアベース』と名付けることにしよう」

 

ラリー「元々お前のもんだし俺は構わねえぜ」

 

トピア「ではこちらは軌道エレベーターを中心とした拠点ということで、『ユグドラシル』でどうでしょう?」

 

サティ≪あら、トピアのことだからてっきりバベルとかつけるのかと思ったけど悪くないじゃない?≫

 

トピア「はははそんなまさか」

 

 トピアはコアベースからダブルゼータを連想して反射的にコアトップと命名しそうになったのをおくびにも出さず笑い飛ばした。

 

トピア「ユグドラシルを中心にまずは世界の半分、ゆくゆくはこの星全体をBETAやクトゥルフから取り戻していきましょう」

 

サティ≪いいわね≫

 

スコア「ふむ、世界樹か……了解した」

 

ラリー「景気のいい名前だな、気に入ったぜ」

 

 名前も決まったところで、設置手順だ。

 まずトピアが洞窟の入り口まで戻ってサティ達と合流し、サティがFICSIT規格の電柱を資材の続く限り設置しながらユグドラシルに戻り、トピア達はそれを護衛する。

 ユグドラシルに到着したらポータルを設置し、ポータルの起動を待つ間に残りの電柱を設置する。ついでに近場の鉱脈に採鉱機を設置してユグドラシルまでのトラック輸送路を整える。

 ポータルが開通したらコアベースに移動し、トピアが護衛しながらサティがコアベースから洞窟の入り口まで電力網を繋げる。

 それが終わったらもう一度コアベースに戻り、オクタリンや真紅石をはじめとした各種鉱脈にFICSIT採鉱機を設置し、コアベースまでの輸送路も整える。

 以上のようなものである。

 しかしここで一つの疑問が浮上した。

 

スコア「こんな危険生物だらけの所に電力網を設置したら、かじられて破損したりしないのか?」

 

サティ≪FICSITの電力設備にも猛獣よけの効果があるから、野生生物の攻撃で破損した例は少なくとも今の規格が成立して以降存在しないわ。流石に大型モンスターやBETAが相手だとどうなるか分からないけれど≫

 

トピア「そこは併せて結界の旗を設置するので大分被害を受けにくくなると思いますよ」

 

 とのことであった。

 ならば当面は大丈夫だろうということで各々の行動は開始された。

 ほぼ全ての作業に関与しないラリーはまずトピアと一緒に洞窟入り口まで出てから真紅(The Crimson)の隔離にかかり、最低限の補強をすると凄まじい勢いで周囲を削り取っていった。最初から浄化にかからないのは残りのクリムゾンハート(Crimson Heart)を保全するためと、環境変更液(Solution)の在庫が心許ないせいである。環境変更液(Solution)を補充するにはスチームパンカー(Steampunker)を探す必要があるが、スチームパンカー(Steampunker)肉の壁(Wall of Flesh)討伐後にしか出てこず、その肉の壁(Wall of Flesh)を討伐したら侵食領域が一気に広がるため、不浄(The Corruption)領域に全く手をつけていない現状では事実上補充が出来ないのだ。

 スコアも前半はほぼノータッチなので、まずは大いなる壁の封印を解きに行った。ついでに既に狩ったことがある巨獣のアゼオスとテラワロス……もといオモロスも狩って、時間が余ればオクタリンをはじめとした鉱脈を追加で探してくる予定である。

 

 

◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■

 

 

 そして合流の時間にポータルから現れたのは3つの人影であった。

 

トピア「お邪魔しますよー」

 

サティ「直接会うのは初めてになるわね、私がFICSIT社の惑星開拓者(パイオニア)、サティよ」

 

スコア「ようこそ、私が探検家のスコアだ……それでこちらの紳士が例の?」

 

 低い背丈に骨太の手足、そして立派な髭。頭には黄色いヘルメット。

 

トリオ「がはは、紳士とは恐れ入るの。儂は工場経営をやっておるトリオ・ウーバーファクトじゃ。工場長とでも呼んでくれ」

 

スコア「うむ、宜しく工場長殿」

 

ラリー「俺は大地の冒険者(テラリアン)のラリーだ。話すのは初めてだが、工場長は新しい仲間ってわけでもないんだよな?」

 

サティ「元々いたけど私が地上からトピアのバックアップをしてたときは周囲警戒をしてもらってたから会話に参加出来なかったのよ」

 

スコア「そういうことか」

 

 スコアはトピアと一緒の拠点で過ごすトリオに対する嫉妬が湧き上がりそうになったが、拠点同士が繋がったことで大して距離に差は無いと思い直し、ぐっと堪えた。

 サティに関してはいつものフルフェイスヘルメットを被っており、バイザーがマジックミラーのように周囲の風景を映しているので顔が全く分からなかった。スコア達はサティがどんな容姿なのか気になりはしたものの、これから建設作業をするのにヘルメットを脱げとは言えないところであった。

 

サティ「トリオ工場長は工作と大量生産のプロよ。特に工作はドワーフだからかちょっと人間には意味が分からないくらいの腕前よ」

 

ラリー「ドワーフ!? おっさんドワーフなのか!?」

 

スコア「おい失礼だろうラリー」

 

 ドワーフと聞いて急に興奮し出したラリーをスコアが咎めるも、ラリーの勢いは止まらない。

 

ラリー「いや俺は色んな種族に知り合いがいるがドワーフはいなかったんだよ。仲間になれて嬉しいぜ!」

 

トリオ「ほうかほうか、宜しゅうの兄ちゃん」

 

 トリオの方も特に気を悪くした様子は無く、ラリーとトリオは笑顔で熱い握手を交わした。それはスコアにはちょっとついていけないノリだった。

 それよりもラリーが「兄ちゃん」ならば自分は何なのかという所が微妙に気になるスコアであった。

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