電力と魔力、今回の場合はそれに加えて信仰力で
そのため、特に本体に常に接触している機界新種細胞はある程度過熱させておいて常温超伝導光電変換膜が熱を吸収するという形で侵食を防いでいる。温度差でエネルギーポテンシャルの障壁を作っているわけだ。機界新種細胞の温度が必要以上に低下すると常温超伝導光電変換膜が熱の綱引きに負けて物質昇華されてしまうので要注意なのだが、周囲がこれだけの焦熱地獄であれば好都合というものだ。
また、その外側では機界新種細胞が月光蝶ナノマシンとの綱引きで侵食を食い止めている。この辺りの共食い現象が解決すればもっとエネルギー吸収効率が上がるのだが、
徐々に巨大化しているというのも
普通に考えると原子核パスタ製のフレームが大きくなる筈はないのだが、またナノマシンが仕様外で頑張ってフレームを拡張していた。幾ら高性能だからと言っても大分無理をさせており、本来水や水銀、マナを生産するのに使われる轟雷内部の仮想実体化装置では月光蝶の分も併せて汎用ナノマシンを大量生産していた。幸いエネルギーは周囲に多すぎて困る程にあるのだ。
そうして機界新種細胞の面積と体積が増える程に、月光蝶ナノマシンの増産が進む程に、熱の吸収効率は更に上がっていき、
テクス「いやまあ、まだ全然使いこなせてはいないんでござるがね!?」
使いこなせているかと言えばそんなことはない。今以てテクスがシステムを監視しながら応急処置を繰り返しているのを見れば分かる通り、現行の
というか、そもそも文明を守護する側の
最大出力の炎の大剣を叩き付けても突破出来ないのであれば、もはや残る手段はただ一つ。
更に
要するに熱量の一点集中により貫通力を増したということであり、これは戦力集中の原則にも適った行動ではあるのだが、自らの存在維持に必要な熱量まで構わず吸収させているあたり、捨て身の行動であった。
スコア「これが
テクス「ここに来てそんなに死力を尽くされると困るでござるなぁ!!?」
エネルギーは有り余っている為にバリアはまだ保持出来ているが、エネルギーの過剰流入で処理が追いつかず、流石の機界新種細胞も溶け始めた。それをゾンダー由来の再生能力と修復装置が補って修復し、それでも足りなければ内側から機界新種細胞の厚みを増して穴を塞ぐ。また、周囲に散布していた月光蝶ナノマシンを全て
スコアも狭い世界の中で動き回って熱の集中を逃れ、追加の信仰力と冷却の魔法を駆使して過熱を抑えようとしていた。だが
あまりの熱量に内部への熱の浸透を抑えきれなくなり、空調の冷却限度を超えて轟雷の操縦席まで温度が上昇、スコアの汗が噴き出しては蒸発した。テクスの方は元々環境耐性が高い
スコア「GSライドは使えないか!?」
テクス「既に起動してるでござる!」
勇気の力に応じてGパワーを発揮するGSライドを併用すれば多少の足しにはなるだろうとスコアが問いかけるが、そんなものはテクスの判断で既に起動済みであった。スコアは眉をしかめた。
テクス「しかし
スコア「モゴッ!?」
テクスはスコアの口に橙色の液体が入った瓶を突っ込んだ。以前
スコア「かッ、らァーーーーーーーいッ!!!?」
いつぞやのラリー同様に、スコアが辛さに悶えるのは必然であった。
ところでヘルレジストポーションの説明文には以下のように書いてある。
しばらくの間耐熱・耐獄炎が上昇する。地獄の中でも最上級の辛さが、あなたを今猛烈に熱血してる! という気分にさせてくれる。
元ネタは言わずと知れた『NG
テクス「おおっ!? その調子でござるよ!!」
生み出された大量のGパワーにより月光蝶と機界新種細胞の間の共食いが軽減され、
そうしている内に
テクス達の前で、もはや吹けば消えてしまう程の残り火となった
テクス「やったでござるよスコア殿! ……スコア殿?」
しかし戦闘中に人機一体を解除するわけにもいかず自分で水を飲むことも出来なかったスコアも瀕死になっており、終わった後でそれに気付いたテクスは少々気まずい表情でハイリザレクションを掛けた。