ここまでの原理説明ならばブロウクンスマッシャーとはガオガイガーの『ブロウクンマグナム』そのものなのだが、実際のところ違うのは名前だけではなく、色々と相違点がある。
まずこの前腕射出機能はGSライド搭載前から実装されており、その際の名前は『ライトニングスマッシャーパンチ』だった。この名前はマジンカイザーやグレートマジンカイザーの『ターボスマッシャーパンチ』に由来している。マジンエンペラーGだと『グレートスマッシャーパンチ』になり、射出前に前腕から刃が飛び出すのだが、轟雷で高速戦闘中に素早く刃を形成することは出来なかったので刃形成機能の実装は断念している。なおよく見てみるとこのグレートスマッシャーパンチは前腕の回転方向と刃筋が90度ずれており、刃物としては役に立たなそうに見える。
それはそうとこの轟雷のライトニングスマッシャーパンチは、ただのカイザーやエンペラーの物真似ではない。まず轟雷の腕は原子核パスタ構造材で構成される超重量弾であり、更に腕に時空勾配推進機とベルカモーターが内蔵されている。つまり、射出前に縮退炉から注ぎ込まれた電力を元手に、射出後に自ら加速して超光速で飛んで行く。光速を越えてしまえばもはや見てから避けるのは不可能であるし、しかも相手が射線を読んで避けたとしてもベルカ砲同様に追尾する。
原理的に殆どベルカ砲そのものとなっているが、それも当然で、そもそもこの武装は、ベルカ砲を更に強化する為の課題から生まれたものだ。というのも、ベルカ砲では砲弾重量が大きい程威力が高まるのに原子核パスタ構造材を使った超重量弾頭を毎回生成出来ないという課題があり、これを解決するプランとして弾頭を使い捨てにせずリサイクルするというものがあった。その実現に元々関節駆動用の時空勾配推進機が内蔵されており30.5cm砲弾よりも遥かにスペースに余裕がある轟雷の前腕が好都合だったという話だ。
無論これはこれで飛ばしている間は腕が使えなくなるという大欠点があるのだが、飛ばしたあとも移動・回転自在の制御が可能であることを考慮に入れるとむしろ腕のリーチと自由度が上がるとも言えるので、とりあえず実装はされていた。まあ残念ながらライトニングスマッシャーパンチとして使用される機会はほぼ無かったのだが。
そして轟雷にGSライドを、腕にブロウクンマグナムの機能を組み込んだことで名前も組み合わせて『ブロウクンスマッシャー』となったわけだが、ライトニングスマッシャーパンチにGSライドから注ぎ込まれた破壊のGパワーが追加され、更に破壊力を上乗せされていることになる。破壊のGパワーは縮退炉出力に比べると大したことがないように思えるかもしれないが、Gパワーは元々魔法や超能力の類いである。つまり威力加算ではなく魔法のように攻撃力倍率が掛かるので、元々強力な攻撃に重ねがけすると相当タチが悪い。
ちなみにターボスマッシャーパンチ由来なので左腕にも回転射出機構が備わっており、こちらはヘル・アンド・ヘブンの都合上守護のGパワーが注がれているため、威力よりも反射と損傷回避優先の『プロテクトスマッシャー』となる。
あとターボスマッシャーパンチやグレートスマッシャーパンチは前腕だけが回転して拳が回転しないのだが、これだと回転が拳の威力に寄与しないので、轟雷では元々ブロウクンマグナム方式で拳ごと回転させている。
結果としてブロウクンスマッシャーにも
改めて説明しておくと、
目の前の小型恒星とその発射元をどうにかしたトピアは、次にバリアに貼り付いた
トピア「サンダーボルトプレッシャーッ!!」
トピアが念じると球状の電撃フィールドが広がり、バリア越しに
これは放電タレットによる物理的な電撃とは全く違うものだ。轟雷に放電装備が無いわけではないが、球状に展開するような機構は無い。ボールライトニング使用時に展開されるライトニングフィールドに似ているが、これはそのボールライトニングを再設計した『サンダーボルトプレッシャー』という術式だ。魔力が乗るタイプの攻撃なので、今回は当然信仰力を混ぜている。
サンダーボルトプレッシャーにはフィールド自体に攻撃力と相殺能力があり、何よりボールライトニングと違って動作の硬直が無いのが特徴だ。流石にこの速度域の戦闘で魔法発動のたびにいちいち隙を晒してはいられない。
サンダーボルトプレッシャーは発動時間の長さも任意に調整出来る。つまり攻撃力のあるバリアのようなものなのだが、当然魔力を消費し続けるし、攻撃範囲を集中していない為に魔力効率が良くない。消費エネルギーあたりの防御だけなら通常のバリアの方が優れているので、サンダーボルトプレッシャーを常時ONにしておく必要は無い。
ところで普通の蛇の内臓はその長い身体に割とまんべんなく存在しており、骨と筋肉だけの尻尾部分は全体の1割前後しかない。そして今回二つに分断した
しかしトピア達は生命力などと考える時点で生物の常識に囚われすぎていたかもしれない。千切れ飛んだ下半身への警戒がやや薄まっていたのだ。気付いたときには転移で接近したそれが機体全体に絡みついていた。また、バリアを二重にしたことで接近戦に対する慢心もあったかもしれない。絡みついた下半身にはサンダーボルトプレッシャーが作用している筈なのだが、
サティ「何これ、蛇の下半身!?」
トピア「……なるほど、鱗だけでも動くなら当然そうなりますか」
絡みついた胴体部はどうやら爆弾になっているらしく、今まさにサンダーボルトプレッシャーの出力を上げて胴体を焼き切ろうとしていたトピアは、そこに釘を刺された形だ。
トピア「それは光栄ですが、困りましたね。そうなると無力化の手段が限られてしまいます」
頭か心臓が中核になって再生が発動するのならばそこを潰せば良いが、そうなると殺すしかない。
トピア「
サティ「トピア?」
トピアは最上位の天使ともなれば普通に光速から超光速くらいの機動や攻撃をするものと想定していたのだが、
そしてわざわざ降伏を勧告したことと、トピアの推測に対し
トピア「そりゃあこうするんですよ。ふんぬらばッ!!!!」
トピアが
なお自分の分体なので冷静に対処すれば再吸収も可能だったのだが、トピアのあまりに力任せの対処に驚いて対処が遅れていた。
トピア「どうですか、これが匠の
やはり
サティ「何だかまた強引なルビを付けてる気配があるわね?」
見た目は100%脳筋戦法だが、高倍率強化術式にも技巧というものが必要なので技というのも別に間違ってはいない。
トピアは
トピア「生憎私達は降参などしている暇はありません。貴方の方こそ早く降参して私達をここから解放することをお勧めしますよ!」
トピアの轟雷が左前の半身になって