【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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374. だからこそ汝らにはこの言葉を贈ろう。バベルの混乱(カオス・シェル・バベル)……ッ!

 天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)も結局天元突破轟雷と同じサイズになったわけだが、強さも同じかと言えばそんなことはない。

 まず天元突破によってでかくなった分だけ強くはなるのだが、そのスケールアップはあくまでイメージで補ったものであり、実物に比べて強化倍率が低い。実際の原理は色々と複雑だが、実物のパワーがサイズ比3乗で増えるのに対して天元突破では拡大する程内部密度が低下する為にサイズ比2.5乗程度でしか増えないと考えていただきたい。言わば実物の餅(リアル・オモチ)実体化した絵に描いた餅(バーチャル・オモチ)の差だ。

 グレンラガン原作でもグランゼボーマと超天元突破ギガドリルブレイク対決をして超天元突破や天元突破のギガドリルが砕かれたのに最終的にノーマルグレンラガンのギガドリルで勝ったという不思議な逆転現象があったが、これも天元突破のエネルギーの塊状態には実物程の強化倍率がなかったからであると言える。

 つまり倍率が2200(がい)倍になる轟雷よりも、2兆2千億倍で済む十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の方が天元突破でのサイズ落差が小さい為に実物に対する性能低下割合が軽いと言える。

 

 あまり正確な計算ではないが、実物の大魔導鎧であればサイズ10倍でパワーが103 = 1,000倍になるのに対し天元突破では102.5 = 316倍程度になるとしよう。

 すると、轟雷からの天元突破では最大出力は6.23×1027×(2.20×1023)2.5W = 6.23×1027×2.27×1058W = 1.41×1086W = 141(けい)無量大数(むりょうたいすう)Wになる。万全に動作さえすれば十分に強く、ビッグバンにすら余裕で耐えるだろう。実際にはラリーとトリオ工場長が無理をして何とか動かしていたので、縮退炉の緊急出力を超えた仕様外動作をしていながらもこの出力には達していなかったが。

 では天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の出力はと言えば、6.63×1060×(2.20×1012)2.5W = 6.63×1060×7.17×1030W = 4.76×1091W = 4760(がい)無量大数(むりょうたいすう)Wになる。

 その差は5桁半であり、つまり十二単(フルドレス)からの天元突破に比べて、大魔導鎧を1段階飛ばすごとに半桁パワーダウンすることになる。逆に13段階目以降の大魔導鎧と合体していれば天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)よりも更にパワーアップすることになるが、生憎そんな物はまだ作っていない。

 

 また、天元突破の倍率が高い程に維持に莫大な螺旋力を必要とする為、戦闘に使える螺旋力が減ってしまうのも問題だ。この意味でも土台がしっかりしている十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)からの天元突破の方が有利と言える。

 

 あとこれは轟雷と十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の差ではないが、今回はメインのトピアが発する螺旋力だけでなく10人全員の魔力、次元力、Gパワーを一緒に練り合わせているので、大分余裕が出来ている。まあ魔力は機体から生み出しているマナが元なので、人数が増えても量自体は誤差程度だが。

 

 これらの要素の違いにより、天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)が噴き上げる螺旋力の炎は天元突破轟雷のものよりも安定して見えた。

 

 天元突破が無事成功してサティ達が各部のチェックと索敵をしていると、やや遅れて存在Xが同じスケールまでの巨大化を完了し、向かい合った。

 なお天元突破マジンガーZEROは既に天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の隣に平然と並んでいたが、マジンガーZEROの天元突破イベントはスパロボXにも既にあったので、今更驚くに値しない。だからこんな出鱈目な存在とわざわざ敵対したくはないし、味方に付ければ心強いのだ。

 

ターニャ「重役出勤だな、存在X」

 

 腕を組んで待ち構えていたターニャが、遅れて天元突破のスケールに辿り着いた存在Xを嘲笑った。

 何故問答無用で攻撃しないのかと言えば、こう見えて天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)は碌に試験運用出来ていない天元突破システムで複数のエラーが発生した為にその修正で忙しい。もう少しで終わる程度の作業だが、マインがジェスチャーで「引き延ばせ」と言っていた。

 

存在X「……全く嘆かわしいことよ。()()()を叩いた挙げ句に自らの成果に驕り神を見下すとは。まるで汝らはバビロンの民だ」

 

ターニャ「――バベルの塔か。ハッ、モノは言いようだな。人間が力を合わせて高みに登ろうとするのを許せずに仲を引き裂くなど、器の小ささが滲んでいるぞ存在X」

 

 バベルの塔。これも『創世記』の一節にあるエピソードだ。神の領域まで手を伸ばす塔を建設しようとして神の怒りに触れた結果、共通語を喪失し、建設が頓挫したか、或いは塔そのものを壊されたという話だ。

 なお『バベル』とはアッカド語で『神の門』を意味し、ヘブライ語では『混乱(バラル)』が語源であるとされる。つまり前者の意味で存在Xは人類の真化を許さないと言っていることになる。解脱は推奨しているのに実に面倒くさい。

 

存在X「だからこそ汝らにはこの言葉を贈ろう。バベルの混乱(カオス・シェル・バベル)……ッ!」

 

 存在Xが持つ杖の先がほんのり輝いた。力の練り方からして恐らく直接的な攻撃ではない。

 

ターニャ「むッ……!?」

 

 バベルの混乱と聞いて、ターニャはまず乗組員同士の意思疎通を阻害するデバフを警戒した。しかし口頭と念話でさっと確認してみた所、全く正常に意思疎通が出来ていた。

 だがターニャはすぐに異変に気付かされることになった。人機一体している筈の天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)が全く動かせないのだ。

 

ターニャ「これは……一切の制御を受け付けないだと!?」

 

マイン「どういうことだ?」

 

サティ「パイロットとの精神接続が混乱しているせいよ! 修正しようにもコンパイラが通らなくなっているわ!」

 

スコア「言語混乱ってそういう方向でか!?」

 

トピア「どちらかと言えばHOSの方のBABELでしたか」

 

 見れば情報ディスプレイにはご丁寧にBABELの赤文字が大量に並んでいる。これではコンソールからの入力すら難しい。

 

トリオ「エラー修正の隙を狙われるとは迂闊じゃったわ」

 

 匠衆(マイスターズ)では無人兵器を大量に運用しているため、当然ハッキング対策を厳重に施しており、これまで一度たりともシステムに侵入されたことは無かった。だがそれは完成した機動兵器ならばという条件がつく。天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)は今日作ったばかりのもので試験運用など出来ていない。先ほどラリーと工場長が一度天元突破しているが、あれは本来のシステムを半ば無視した仕様外運用だったのでそのままフィードバックは出来ない。しかも実際に稼働させて出たエラーを修正中の所に丁度バベルの混乱(カオス・シェル・バベル)を突っ込まれたのだ。実にタイミングが悪かった。

 

 この期に及んで人力で戦うというのは流石に無理がある。それ以前に潮汐力キャンセラーが止まってしまえばブラックホール化待ったなしなので、地味に絶体絶命の状況であった。

 

甲児≪そう簡単にやらせるわけにはいかねえな!≫

 

トピア「甲児さん! ……()()()()お願いします!」

 

ZERO≪任セテオクガイイ≫

 

 行動不能になっている天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)を庇うように天元突破マジンガーZEROが前に出ると、存在Xは面倒くさそうな顔で天元突破マジンガーZEROを睨んだ。




 天元突破の強化倍率が同スケールの実物には劣るというのは完全にここだけの独自解釈です。
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