【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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376. 思考リンク起動! 接続をトピア・ポケクラフへ申請!

 甲児とマジンガーZEROが存在X相手に激闘を繰り広げている間に、天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)では再起動準備が進行していた。

 幸いにして次元力や螺旋力、魔力、Gパワーといったエネルギーの供給は問題無く続いていたが、制御信号の規格が全く合わないのが問題であった。

 

ラリー「天元突破轟雷で出る! 囮くらいにはなる筈だ!」

 

マイン「駄目だ」

 

 まず最初に、ラリーが天元突破轟雷で出撃して囮になると申し出た。しかしこれは即座に却下された。

 なお戦闘中かつ緊急事態の為、この会話は高速念話で行われている。

 

ラリー「何でだ!? 運用実績はあるんだぜ!?」

 

マイン「5つ理由がある。説明してやれ戦乙女(ヴァルキリー)

 

ターニャ「は」

 

 説明下手なマインに振られたターニャが代理で5つの駄目な理由を並べることになった。

 

ターニャ「まず1つに、天元突破轟雷ではこの天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の30万分の一程度の出力しか出せません。2つ目に、強化術式を一人で使う事になるので更に100万分の1に下がります。合算して3000億分の一です。3つ目に、中核螺旋力を担当するトピア代表かもしくはエンジニアを連れて行かないと起動出来ない為、どちらを連れて行かれてもこちらの再起動に支障が出ます。4つ目に、十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)に合体してからの天元突破でもやはりどちらかが必要です。5つ目に、対策が出来ていない為に同じハッキングで即座に無力化される可能性が非常に高いです」

 

ラリー「うっ……しかしだな!」

 

 ラリーも戦闘狂(バトルジャンキー)なだけで馬鹿ではない。冷静に考えてみればその通りなので、ラリーは言葉に詰まった。だが、こうしている間にも自分達の代わりに兜 甲児とマジンガーZEROが傷を負っているという焦りがあった。ラリーは自分が傷つくのは平気だが、人にそれを肩代わりさせるのは苦手であった。そこにトピアが助け船を出した。

 

トピア「追加で6つ目もありますよ。完全に復旧しないままでも動かせる方法があります。上手くいけばですが」

 

ラリー「本当か!?」

 

マイン「……なるほどな、やってみろ」

 

 マインがトピアの方を振り向くと、迅雷四型の後部サブシートにマキューズが座ってその膝の上にトピアが座るという形になっていた。なおこのマキューズはオペレーターをやっているマキューズとは別の複製体だ。便宜上オペレーター席の方をマキューズ2、サブシートの方をマキューズ3としよう。それを見たマインは即座に意図を察し許可を出した。

 

マキューズ3「了解であります! トピア殿、行くでありますよ! 思考リンク起動! 接続をトピア・ポケクラフへ申請!」

 

トピア「申請受諾、接続承認!」

 

 その宣言と共にマキューズ3がトピアの身体を抱きしめ、マキューズの虹彩が輝いた。百合の花が咲きそうな絵面だが、これは別にマキューズが興奮しているとかそういうことではない。より頭と頭の距離を近づけて固定する為だ。

 マキューズ3だけでなくトナル・マキューズの複製体には近距離思考読み取り機能がある。これは魔法を使えない為に念話会議に参加出来なかったマキューズが、それをどうにかするべく阿頼耶識改の思考読み取り機能を組み込んだものだ。

 更にマキューズ3は迅雷への阿頼耶識改有線接続を実施した。迅雷側に有線接続機能が残されているのは、人体改造により接続端子を備えていたステークに対してだけでなく、心の友(イバーク・ルイエ)との接続にも使える為であった。そしてマキューズ3は元々機械なので迅雷四型との生の電気信号による意思疎通が可能である。仮に信号の規格が合わなくてもすぐに修正が可能だ。

 こうしてトピア→マキューズ3→迅雷四型→轟雷→(中略)→十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)→天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)という伝達経路が出来上がった訳だ。つまりはトピアから迅雷への接続の間にマキューズ3が翻訳機として挟まった形だ。

 

トピア「天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)、起動!」

 

 トピアとの人機一体リンクが再接続されたことで、腕組みしたまま固まっていた天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)が動き出し、兵装担架から武器を取り出した。

 

テクス「動いたでござる!」

 

スコア「流石だなトピアさん」

 

サティ「でもまだ万全とは言えないわ。()()()はどう?」

 

マキューズ2「()()にお任せあれ、であります!」

 

 サティが隣のマキューズに目配せして問えば、マキューズ2は自信満々に返答した。

 ひとまず応急処置で天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)を動かせるようにはなったが、万全とは言い難い。まず現在動かせるのが実質トピアだけ、というのが問題だ。トピアも魔導衛士の資格は得ており、その中でも実力では上澄みの方だ。しかし魔力制御が一人分しか通らないので強化倍率は105万からその数倍止まりだ。フル出力より6桁低い。

 実は天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)を動かすだけならマキューズ単独でも出来るのだが、心の友(イバーク・ルイエ)がGSライドを介して魔法を行使するシステムはまだ基礎も出来上がっていない。そのため魔力その他の制御が碌に出来ず、トピアが動かすよりも更に6桁戦力が低下する。そういった判断の結果、マキューズ3は親友と機体との間を取り持つ役割に徹することになったのだ。

 一方で限界強化倍率が高いターニャの方を何故選ばなかったかと言えば、トピアの方がマキューズと元々交友があり、トナルというニックネームの名付け親でもある為に格段に接続しやすかったからだ。トピア自身が人間よりそれ以外の方が相性が良いというのもあるし、ターニャが思考を読まれるのを嫌がる傾向があるというのもある。リンク精度が低下すれば、最大6050万倍の限界出力どころか105万倍に達するかすら怪しい。

 また、マキューズ4以降を動員してターニャや他の魔導衛士も接続すればもう少しくらい倍率が上がるのではと考えるのは原理的には間違っていない。しかしこれはあくまでも裏技的な応急の接続方法であり、迅雷側の複数接続時用魔導衝突回避システムが利用出来ないので、複数の魔導衛士の接続を同時に受け入れて互いに阻害しないように運用するのは無理があったのだ。

 

 マキューズ2が何とかしなければならないのは精神接続機構だけではない。まず操縦席のコンソールがBABEL表示に占有されている為に作業進捗が思わしくないのでこれを解決しなければならない。天元突破システムのエラー修正も途中だったので、これを片付けないとまたハッキングを受ける可能性がある。ハッキングが二度と通らないように原因を特定して穴を塞ぐ必要もある。更に、幕を下ろす者(デウス・エクス・マキナ)システムの改良も途中だったのでこれも完成させなければならない。しかもコンパイラが使えなくなっている為にAIオートデバッガーも機能しておらず、システムが理解出来るようにコンパイラを作り直すか、或いは機械言語でプログラムを修正しなければならない。

 心の友(イバーク・ルイエ)がどれだけ高性能だと言ってもマキューズ2単体では処理しきれない作業量であった。だがマキューズ2の返事は安請け合いではない。何故ならここに存在するマキューズは1体ではないからだ。実を言うとマキューズ3を計算に入れた2体というわけでもない。他に更に398体のマキューズ複製体が、各々の作業を進めていた。

 姿が見えないのは、迅雷と轟雷の隙間では狭すぎて400体も入れないので、残りは轟雷より外側の区画に布陣しているからだ。迅雷の膝の上のテーブルにコンソール込みで10の椅子が並ぶのだから、同じ形式でも轟雷の膝の上のテーブルにはその100倍、1,000の椅子を並べることが出来る。

 つまりここにいるマキューズ2は自身が実務作業をしているのではなく、作業の配分をした上で他の個体が完了した作業をとりまとめて迅雷四型を通してプログラムをアップデートするという作業をしていた。マキューズ複製体は規格が統一されている上に個体が分かれているのでリソース配分もしやすかった。マキューズ3もそこで作業をしていたうちの1体を応急接続のために連れてきたものだ。

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