天元突破マジンガーZEROと存在Xの激闘は続いていた。
甲児は更に重傷を負っており、魔神パワーによる回復を重ねても今や満身創痍の様子であった。もはや皮膚は焼けただれ、金属のサイボーグ骨格が露出していた。視覚や聴覚にも重篤な問題が発生している。骨格部分は機体本体同様に魔神パワーですぐさま修復出来ているのだが、生体部分は空中元素固定装置によるものなので、少しばかり時間が掛かる。だから攻撃を続行する為に最低限の回復以外は後回しにしていたのだ。だが見えなくとも聞こえなくともマジンガーZEROの感覚を借りることが出来る為、戦う分には不自由していなかった。
満身創痍の身体で、口から血を吐きながら甲児が更に存在Xを煽った。
甲児「ゴホッ、どうした、もう終わりかい神サマよ。俺達ゃまだまだ戦えるぜ?」
存在X「ええい、何たる諦めの悪さよ。鬱陶しい」
一方存在Xの方は繰り返し傷を負いながらも、修復が間に合う範囲に留めていた。だがこの傷の浅さは勝利の証ではない。
天元突破マジンガーZEROを簡単に始末出来ないのならば、天元突破マジンガーZEROに攻撃されながらでも動けない天元突破
だがもう一押しだ。目の前の邪魔者さえ片付ければ、身動き出来ない天元突破
トピア≪
いつの間にか存在Xの真横至近距離にいた天元突破
ホームランバットはクラフトピア由来の武器の一つで、『フルスイングLv.4』という吹き飛ばし特化の固有スキルがついている。しかもレガシー版では武器耐久値が著しく低くてほんの数回しか使えないという大欠点があったのだが、シームレス版では武器耐久値というパラメータそのものが存在しない。
また、従来版では自身より体格が大きく勝るボスなどは吹き飛ばせないという制限もあったのだが、魔法開発課が改良した強化版では従来存在しなかった『フルスイングLv.6』をつけて吹き飛ばせる相手の範囲を可能な限り拡大しており、何より現在の存在Xと天元突破
トピア≪大変お待たせしました。しかしここまで一つも攻撃を通さず持ちこたえるとは、流石は兜 甲児とマジンガーZですね!≫
トピアは賛辞を述べつつ甲児へハイリザレクションを掛けた。甲児の身体はサイボーグボディのまま生身部分がすっかり元通りに回復した。
甲児「おう、助かるぜ!」
ZERO≪我ガ友ハ無理ヲスルカラナ。マッタク
何とZEROが自慢や謙遜をする前に冗談交じりに甲児の身を案じた。これまでの所業からすれば驚くべき変化であるが、甲児がマジンガーZを誇りに思っているのが伝わったのだろうとトピアは理解した。
と、そこへ再び
甲児「ちっ、距離を――」
詰めるぞ、と甲児が言おうとしたときには既に天元突破
存在X「我が雷を避けただと!?」
ZERO≪アノ動キ、ワープデハナイナ≫
並行世界の神としての権能を持つマジンガーZEROは当然超空間も観測出来る。その感覚によると天元突破
甲児「じゃあどうやったんだ?」
ZERO≪見レバ分カル≫
甲児達の視線の先では、天元突破
トピア≪ドーモ、存在X=サン。
典型的なブッディズムスタイル。無論、宣戦布告を兼ねていた。
存在X「笑止!」
存在Xが杖から溜め無しの
存在X「――雷速か! 厄介な!」
トピア≪
吹き飛ばされながら存在Xが忌々しげに見解を述べると、トピアはあっさりそれを肯定した。
どういうことかと言えば、存在Xは先ほどから
天元突破
トピア≪必殺! ライジング・メテオ!!≫
最後に稲妻の頂点に先回りした天元突破
存在X「何が必殺だ、全く効かぬわ!」
その言葉の通り、ここまでの攻撃は見た目が派手なだけで存在Xには殆ど全くダメージが入っていない。そもそも吹き飛ばし特化のホームランバットを起用したのは、全開の105万分の一程度の力では奇襲してもダメージが通らないかもしれないという判断によるものであった。それは拳が防壁を突破出来なかった時点で正しいとトピアは確信していた。
だがそれでもホームランバットを使い続けていたのは、当然ダメージが入らないことも計算に入れてのことである。トピアは今一人で存在Xに相対しているわけではないのだから。
ZERO≪イイアシストダ≫
甲児「0に還れ! スクランダーカッター!!」
トピアが最後に存在Xを飛ばした先には当然のように天元突破マジンガーZEROが待ち構えていた。
スクランダーカッターとは本来マジンガーZの武装の一つで、ジェットスクランダーの翼ですれ違いざまに斬りつける攻撃だ。
ただし今この技を使っているのはマジンガーZEROで、装備しているのは変形自在のZEROスクランダーだ。ZEROスクランダーはアイアンカッター同様に弓状に変形し、全体を刃としながら頭上までを覆う形で全翼機の翼のように広がっていた。その状態で天元突破マジンガーZEROがすれ違うのではなく頭から全力で体当たりをぶちかましたのだ。
存在X「何、ぐほぁぁぁ!!?」
ゴウランガ! 背中からまともに食らった存在Xは、あまりの威力で上下に真っ二つになっていた。
この強力な攻撃を何故今まで使わなかったかと言えば、変形に若干の時間が掛かること、加速距離が必要なので一旦距離を離す必要があること、距離を取れば存在Xに天元突破