【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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378. 総員接続、天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)フルパワー!

 ライトニング・メテオからのスクランダーカッターで上下真っ二つになった存在X。その上下に分かれた身体が空中に霧散した。

 ここまで粘った割には妙にあっけない最期だなと(マイスター)達が訝しんでいたところ、すぐさま異常事態が発生した。神域の宇宙から星々が消えていったのだ。これは先ほどのビッグクランチの際に取り残されたものや、ビッグバンの際に吸収されなかったものだ。

 

甲児≪星が消える……どういうことだ?≫

 

ZERO≪友ヨ気ヲ抜クナ。()()()()ゾ≫

 

ラリー「何だ、時間操作か!?」

 

サティ「いいえ、これは……時空の因果が混乱しているわ! 因果操作攻撃よ!」

 

スコア「因果律操作で消されるということか!?」

 

テクス「恐らくパワーアップも兼ねているでござるな!」

 

トリオ「こいつは厄介じゃぞ!」

 

 テクスの推測を裏付けるように、星の消滅と反比例するように因果の混乱が激しくなり、それが濁流のように渦巻いて天元突破マジンガーZEROと天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)を呑み込んだ。それは因果に溺れているとも形容出来る状態であり、両機からはとんでもない勢いで各種エネルギーが失われていった。エネルギーが枯渇すれば次は質量だろう。

 

マイン「ニンジャ、全ての出力を因果抵抗に回せ!」

 

トピア「やってます! でも大分パワーが足りませんよ!」

 

マイン「構わん、1秒でも多く稼げ!」

 

 天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)には因果操作攻撃に対する4つの抵抗力ある。

 1つ目はバリア。因果攻撃が今回のように接触面から作用するものであれば、バリアで耐えることが出来る。しかし接触部分のバリアが片っ端から消失する為、多大なエネルギーを消耗することになる。

 2つ目はその宇宙を遥かに超える巨大質量だ。これだけの質量を無かったことにするには相応の力が必要になる。とはいえ、質量単体では単に耐久力が高いだけだ。

 3つ目は回復力。失われていく質量は元々無かったことになるので修復装置は役に立たないが、螺旋力で順次再建造していけば力業で耐えることが出来る。

 4つ目は次元力。これ自体が因果を操る力である為、因果操作攻撃に対する直接的な抵抗力となる。ただし存在Xが持つ次元力に対し大幅に出力が低い為に、直接はねのけることが出来ていない。

 

 今現在天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)を操縦出来るのはトピアとマキューズだけ、力を十全に扱えるのはトピアだけだ。トピアは周囲の因果の流れに対し今のままでは出力が足りないと理解出来ていた。コンディションが万全ではないために力負けした天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の螺旋力の炎が弱まり、手足の先から消滅しつつあった。他の物で例えるならば、超人予言書のページを端から炙られているような状態だ。もし因果ごと存在を消されてしまえば、リスポーンすらも不可能になるだろう。

 そもそもトピアの螺旋力は螺旋族最強のシモンと比べると大分低い。元々才能で及んでいない上にこれまで螺旋力を自覚して使っていた期間が短いのだから当たり前だ。にも関わらず天元突破を成功したのは、まず天元突破を13番目の仮想大魔導鎧として定義・構成する補助システムが組まれていたこと、そしてベースとなる十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)が超銀河グレンラガンより遥かにでかく、目標サイズである50億光年とのスケール差が小さかった為だ。

 超銀河グレンラガンのサイズが月の直径と同じ3,470km程度であるとするならば、十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)の215億kmはその618万倍も大きいのだ。そう考えると215mから天元突破したラリー達が大分おかしく見えるが、僅か3.8mのスコープドッグが天元突破した例もあるので元々不可能というわけではない。

 そういうわけで、手足が先に消えているのは意図的なもので、コックピットがある頭部分の回復を最優先にしている為だ。限られた螺旋力を有効に使っているのだ。

 

 消滅までのカウントダウンが進む中で戦闘要員はありったけの力を振り絞り、エンジニア達は復旧を急ぐ。だが間に合わない。計算してみたところ、復旧見込みに対し天元突破消滅までの時間が数秒足りない。仮に時間停止したとしても相手が物理ではなく因果の流れなので意味が無い。

 

サティ「天元突破消滅まで32……31……30……!」

 

 自分の作業を続けながらサティが絶望的なカウントを読み上げる。残り30秒。これはあくまで外殻の天元突破部分が消滅するタイマーではあるが、それ以上侵食されてしまえばもはや十全な戦闘力を回復するのが非常に難しくなる。

 状況のまずさを悟ったマインは切り札を切ることにした。

 

マイン「戦乙女(ヴァルキリー)、いけるか!?」

 

ターニャ「準備は出来ております」

 

熾天使(セラフィム)「うむ、頃合いであろうな」

 

 小さくなった熾天使(セラフィム)がターニャの肩の上でマインの方を振り向いた。お馴染みの翼の生えた蛇の姿だ。ステルス化してトピアがこっそり持ち歩いていたのだ。無論サティはそのことを知っていた。

 ターニャは操縦出来ない間も次元力の供給だけに励んでいたわけではない。その時間を利用して次の段階の準備をしていた。ただし返事をしたターニャはかなり嫌そうな顔をしていた。それはこの熾天使(セラフィム)が味方面しているからではない。どうしても()()()()()9()5()()()()()を思い出してしまう為だ。だがここで渋って負けてしまうよりは遥かにマシだ。最後の切り札を切らざるを得ない。

 

トピア「()()()()()()()()()()()勝てるかもしれませんが、どうしますか?」

 

ターニャ「いえ、やりましょう。万全を尽くさずに負けるわけには行きませんし、とどめを刺し損ねてもあとに響きます。そして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

トピア「承知しました」

 

 覚悟を決めたターニャの言葉に、トピアも神妙な顔で頷いた。

 

トピア「デグさん、貴女に託します(ユーハブコントロール)!」

 

ターニャ「確かに託されました(I have control)!」

 

 その言葉とともに、因果の濁流の中で天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)が次元力の青い輝きを放ち、因果の侵食が目に見えて鈍化した。

 

サティ「カウントダウン――240まで回復!」

 

トリオ「よし、間に合うぞ!」

 

 次元力を発しているターニャ自身が操縦出来ているわけではないので効果は限定的だが、ともかくカウントダウンは完全に安全域まで巻き戻った。

 それから暫く、それぞれがベストを尽くしていると、遂に朗報がもたらされた。

 

マキューズ2「完了! 全システムフル稼働可能であります!」

 

 時間が無いので省略しているが、全システムとは基本制御システム、天元突破システム、幕を下ろす者(デウス・エクス・マキナ)システム、そして侵入防止(セキュリティ)システムの4つだ。これら全ての処理をマキューズ達はこの短時間でやり遂げたのだ。ついでに言えば工場長がFactorioシステムで機界新種細胞と月光蝶の研究を進めた分のフィードバックも入っている。

 

マイン「でかしたッ! 総員接続、天元突破十二単轟雷(じゅうにひとえごうらい)フルパワー! 超天元突破を実行せよ!!」

 

魔導衛士達「うおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 

 戦闘要員全員のパワーが制御可能になり、システムの完成により天元突破の維持に掛かる螺旋力のコストが低下したことで、失われつつあった手足が戻っていった。ひとまずの安定状態だ。そしてこの安定状態を足がかりに、因果の波を乗り越えるべく更なる巨大化、超天元突破に挑むのだ。

 それを、彼方から響く歌の力が後押ししていた。

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