【完結】匠 VS BETA   作:MMZK

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383. 人類全体に喧嘩を売っておいて、数が多くて卑怯だなどと虫のいい文句を言うんじゃありませんよ

 正式名称『地球帝国宇宙軍 太陽系絶対防衛用超巨大人型決戦兵器 ダイバスター』。トップをねらえ2!で登場した最終兵器だ。ノノことバスターマシン7号がバスター軍団と合体して完成するそれは、頭頂高1万km以上。地球に近い大きさだ。並み居るスーパーロボット軍団の中でも天元突破を例外とすれば最大の兵器であり、バスター軍団に由来する無数の縮退炉を内蔵しているので出力も極めて高い。

 本来のダイバスターはブラックホール・エグゼリオを主動力源とする設計で、それを宇宙怪獣に奪われてしまった為に原作では全力を出せずに宇宙怪獣エグゼリオ変動重力源に敗北することになる。このブラックホール・エグゼリオとは、初代トップをねらえ第5話における太陽系絶対防衛戦で宇宙戦艦ヱクセリヲンの縮退炉をブラックホール爆弾化したのがそのまま残ったものだ。

 しかしスパロボZ世界では同じくブラックホール・エグゼリオが無いのにダイバスターは特に敗北を喫していない。それどころか強力なMAP兵器バスターコレダーと再行動(マルチアクション)でマップ中の殆ど全てのユニットを1ターンキル出来てしまう最強ユニットである。負けなかったのは味方が頼もしいお陰でもあるが、どうもダイバスター自体原作より大分強い疑惑がある。

 逆に第3次スパロボZにおける天元突破グレンラガンはゲームシステム上の問題で母艦扱いのためペアが組めず、再行動(マルチアクション)が出来ないので殲滅力が低いという問題があった。

 

 その第3次スパロボZ最強ユニット・ダイバスターの必殺技、ウルトライナズマキックが存在Xに容赦なく突き刺さった。電撃は吸収されそうなので足からのバスターコレダーは使っていない。

 存在Xは少なからずダメージを受けたが、むしろこれを好機と判断した。空間に亀裂が出来ている以上、あの図体の横を抜ければ逃走はむしろ容易だ、と身をかわした存在Xに再び大質量が襲い掛かった。

 

シモン≪今更逃がすかよクソ野郎!!≫

 

存在X「ホグワーッ!?」

 

 それはダイバスターの次にでかく、月と同等の大きさを誇る超銀河ダイグレンの艦首だった。艦長は大グレン団の団長でもあるシモン・ジーハだ。

 シモン達の士気は高い。反螺旋族(アンチスパイラル)だって決戦の場では最後まで殴り合ったのに、この期に及んで逃亡を図り、しかも原罪などという屁理屈で家族に害を及ぼそうとする外道など、絶対に逃がすわけにはいかない。

 シモン達が存在Xの言動を把握しているのは、マジンガーZEROが侵入したポイントを中心として侵入可能点を詳細調査していたらたまたま引っかかったためだ。そのあまりの外道ぶりに、激怒したスーパーロボット軍団の戦意は限界を突破していた。

 そうでなくてもシモンはトピア達に恩がある。余命幾ばくもなかったニアを治してもらったことだ。

 シモンは反螺旋族(アンチスパイラル)との最後の約束から、スパイラルネメシス回避の為に螺旋力を大きく制限していた。その一つが、死者を生き返らせるような無茶な用途で螺旋力を使わないというものなのだが、そのために恋人のニア・テッペリンを救うに救えずにいたのだ。ニアは元々反螺旋族(アンチスパイラル)に作られたメッセンジャーであった為、反螺旋族(アンチスパイラル)消滅から連鎖していずれ消滅を免れない運命であった。

 シモンは苦悶した。宇宙全体の為にも約束は守らなくてはならないが、これではニアを救出する過程で自らを犠牲にしたキタンにも申し訳が立たない。

 死者を生き返らせるのはNGでも生きてるうちに治療するのは医療範囲でOKなのでは、と普通は考えてしまうが、どうもニアを救うにはその存在自体を根本的に作り替える必要があり、それは死者を蘇生する以上に無茶だということが判明したのだ。

 その無茶を何とかしてみせたのがトピア達匠衆(マイスターズ)とその上司たる七圏守護神(ハーロ・イーン)だ。トピアは最初何故ニアを治療しないのかとストレートにシモンに尋ねたが、事情を聞いてみると思ったよりも深刻だったので、非礼を詫びてすぐさまクラエル神に協力を仰いだ。

 まずその本質が潜伏していただけで生まれつき反螺旋族(アンチスパイラル)メッセンジャーだったニアをオーバーリザレクションの巻き戻しで根治させることは不可能だ。しかし普通の人間から理想郷の建設者(クラフトピアン)への体質変更と同じ原理で反螺旋族(アンチスパイラル)メッセンジャーから普通の人間へと体質変更することは可能だった。更に言えば、時間の余裕さえあれば科学的手法だけでも全ての細胞を徐々に通常の細胞に入れ替えることも可能だった。確かテセウス・プランとか言っていたか。今回は既にニアが大分無理をしていたので神の力による体質変更で治療がなされ、ニアはすっかり元気になっていた。

 最も大事な人を救われた恩に報いずにはいられない。非礼だなんて思っちゃいない。心配して聞いてくれなければニアは助からなかったのだ。螺旋族最強、スーパーロボット軍団でも有数の戦力を誇るシモンの戦意が上がりに上がるのも当然であった。

 

マックス≪総員出撃!≫

 

 ダイバスターが割り開いた空間の亀裂からは超銀河ダイグレンだけでなくスーパーロボット艦隊が勢揃いで突入してきた。

 それらが入ってきた次の瞬間には超銀河ダイグレンが螺旋力と螺旋界認識転移システムで空間の亀裂を修復して存在Xの逃げ道を封じ、マックス艦長の号令で艦載機が一斉に発進していった。一通り艦載機の発進が終われば次は超銀河グレンラガンへの変形だ。

 

存在X「ちぃッ! 至高神Zや霊帝ケイサル・エフェスを討滅した連中か! 老体を数で囲んで恥ずかしいとは思わんのか!?」

 

タマゴロボ→AG(エージー)≪全く思いませんねェッ! そっちが少ないのは全滅寸前だからでしょうが! そもそも人類全体に喧嘩を売っておいて、数が多くて卑怯だなどと虫のいい文句を言うんじゃありませんよ、この寄生虫が!!≫

 

存在X「寄生虫!?」

 

 ソーラリアンから通信に割り込んだAG(エージー)が存在Xの印象操作を一撃で切って捨てた。彼は鼻持ちならない存在Xをぶん殴る為だけにFICSITから再びスーパーロボット軍団に合流していた。

 

 あれから技能の共有が進んで殆ど全員が真化融合を果たしているスーパーロボット軍団オールスターの襲来にもはや逃げることもかなわず進退窮まった存在X。その背後に、新たに機影が現れた。頭頂高21.5kmの三重轟雷(みえごうらい)十二騎士戦乙女轟雷(ナイトヴァルキリー・サンダーボルト)と大差無い膨大な次元力を発しており、衛士はトピア達全員であった。つまり存在Xのサイズに合わせるためなのか、天元突破状態は解除されていた。

 ならばまだ戦力的な勝ち目は、と存在Xが考えたところで、仁王立ちした三重轟雷(みえごうらい)の背後に超天元突破マジンガーZEROの姿が目に入って絶望した。アレは無理だ。よく見てみれば真ゲッターロボの背後にも別世界からゲッターエンペラーが出番待ちしているのがうっすら見えた。

 やはり聖者と聖霊を囮として切り捨てた存在Xにはもはや毛程の勝ち目も無いのだった。

 

 

 

 一方、三重轟雷(みえごうらい)の中の空気は間一髪といったところであった。

 

マイン「奴め、どうやら周到に退路を用意していたようだな」

 

テクス「危ないところでござったなあ」

 

 あのまま存在Xを取り逃がしていたら今後に多大な禍根を残すところだった。存在Xが神域から脱出しようとする気配には防壁の一部に穴が空いた瞬間に気付いたが、それを阻止出来るか、追跡して仕留められるかは100%確実とは言い難いところだったのだ。

 

トピア「皆さん、救援感謝します」

 

シモン≪何言ってんだ、むしろ恩を返す機会が無くなるんじゃないかとヒヤヒヤしてた所だぜ≫

 

トピア「うーん、既に十分返してもらったつもりなのですが、それだけニアさんを大切になさっていると受け取りましょう」

 

 何しろニアを治療した見返りに螺旋力の指導をしてもらった上にラガンや超螺旋機関の調査までさせてもらったのだ。それだけでもお買い得すぎるくらいなのだが、それでも気が済まないくらいに感謝してくれているのだろう。

 シモンとしてはニアの為にわざわざ神の力を借りてくれたと思っているが、実際のところスーパーロボット軍団最強の一角に多大な恩を売れると聞いて七圏守護神(ハーロ・イーン)の中で誰が出るかで揉めていた程だったので、トピアは何のコストも支払っていない。

 

甲児≪AG(エージー)、お前無事だったのかよ! 心配させやがって!≫

 

竜馬≪おう、もっと言ってやれ甲児≫

 

AG(エージー)≪ええハイ、それにつきましては大変反省しておりますと申しますか≫

 

甲児≪でもよく戻ってきてくれたな、俺は嬉しいぜ!≫

 

AG(エージー)≪アッハイ≫

 

 AG(エージー)としても元々はジ・エーデル・ベルナルとして敵対していたのでそこまで真剣に心配してもらえるとは思っておらず、そのお人好しぶりに若干の困惑を見せていた。

 だが歴戦のスーパーロボット軍団としては敵対していた相手が仲間になることは別に珍しくもなく、ならば喪った筈の戦友が戻ってきたことは慶事以外の何物でもないのだ。

 

 何やら同窓会めいた雰囲気になってきたので逃げる隙はないものかと存在Xが改めて探ってみるものの、この調子でも油断はしていないようで、隙は無いという無情な結論が得られるだけであった。

 

存在X「もはやこれまでか……だがこれで終わったとは思わぬことだ。次こそは――」

 

トピア「あなたに次はありません。拘束縛鎖(テザー・チェイン)ッ!!」

 

 どこかの魔王のような存在Xの負け惜しみを一蹴したトピアは、三重轟雷(みえごうらい)の拳を握ったまま正面に手首の内側を見せるように左右に両腕を伸ばした。すると腰の跳躍ユニットから大量の鎖が伸びて存在Xに容赦なく突き刺さった。

 

存在X「ムッ!?」

 

 だが不思議なことに痛みは全く無い。ならば名前の通り拘束専用の道具なのだろうと存在Xは推察した。

 

トピア「イヤーーーーーッ!!」

 

 更に袖口から輝く正八面体を取り出した三重轟雷(みえごうらい)は、それを片っ端から存在Xに投げつけ始めた。

 

存在X「まさか……捕獲だと!?」

 

 存在Xは輝く正八面体をぶつけられて捕獲と抵抗の拮抗状態になり、トピアの行動の意図、そして配下の信仰力がどのように利用されていたのかを理解した。

 そう、これは()()()()()()()()()、その強化型だ。そして拘束縛鎖(テザー・チェイン)の方はボスキャラ捕獲の際に必要になる()()()()()を強化したものだ。どちらもクラフトピア文明由来アイテムである。

 そもそもモンスタープリズムは何の強化もしなくても()()()()()()()()()()()トンデモアイテムだ。日常モードのアヌビス神に限られるとはいえ、強化前から元々神の分体を捕獲出来ていたのだ。

 無論ぶっつけ本番ではなく運用試験はつつがなく完了しており、最終的には鎖式拘束弾との組み合わせでLv.255ダークアヌビス神やLv.255月の支配者(Moon Lord)も問題無く捕獲出来るようになっていた。

 

 対象をかなり弱らせていないとモンスタープリズムの捕獲成功率は極めて低いものになる。今も存在Xは二次抽選で辛うじて脱出に成功し、再び拘束縛鎖(テザー・チェイン)の打ち込みからモンスタープリズム投擲というループを繰り返していた。

 しかし捕獲が成功しなくてもトピアは全く焦っていなかった。百発のスリケンで倒せぬ相手だからといって、一発の力に頼ってはならぬ。一千発のスリケンを投げるのだ、とドラゴン・ゲンドーソーも言っていたではないか。何しろ今回トピアが使っているスリケン、もとい強化型モンスタープリズムは機体内で生産し続けている為、残弾は一千発どころではない。無限だ。存在Xがどれだけ抵抗しようと、力尽きるまで繰り返す所存である。

 

 結局存在Xは10分程で諦めの境地に達し、捕獲完了となった。

 存在Xが割と短時間で諦めたのは、捕虜ならばまだ再起のチャンスがあるだろうと方針を変更したためだ。だがそれは意図を大きく読み違えていた。トピアが次など無いと宣言したのは本気も本気である。何しろトピアは捕虜を取ったつもりなど欠片も無く、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()などと考えていたのだ。

 モンスター料理とはその名の通り、モンスタープリズムで捕獲したモンスターを原料に使った料理のことである。当然加工は不可逆だ。ちなみに元々レシピが存在しなかった月の支配者(Moon Lord)は、今や()()()()()とも呼ばれる京塚料理課長の手によって美味しい蛸料理へと姿を変えていた。

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