トピアはカミールを連れてブリガンダイン渓谷のダンジョン『殺戮の古庭』に赴いた。
ブリガンダイン渓谷は名前に渓谷と付いている通り確かに谷があるが、それ以上にエリアをぐるりと囲んだ城壁とヤーデン草原から繋がる大きな橋が目立っていた。この辺りは特に人工物が多い。だが他と一緒で朽ちて崩れたままの部分が多く、住民はメンテナンス技術を持っていないようだ。
殺戮の古庭の入口は、このブリガンダイン渓谷の北西にある集落とはまた別の、南東側の旧市街地のような場所のアーチの下にあった。このためトピア達はこれを見逃さないようにガンマの高度を大分下げて捜索した。そのためダンジョン入口のすぐ近くにあるボスフィールドに出現するボスの確認を怠ってしまい、後で少しだけ後悔することになった。
なおこの旧市街地には全く人が住んでいない。建物はまだ使えそうなものがあるのだが、敵対MOBがポップするので落ち着いて生活できないのだろう。加えて、地面が露出していないと畑を作りにくいという事情もあるかもしれない。
トピア「では行ってきます」
カミール「気をつけてな」
このやりとりも恒例になってきたものだと思いつつ、トピアはダンジョンへ突入した。
入口を潜って出ると、雲海の上に浮かぶ世界になっており、足元には円環状の池。正面には元は道か橋であったであろうものの切れ端、その先にボスステージがあった。また、左右には通行可能なルートがあった。同じ古庭とつくだけあるのか、南の廃城の中にあった亡者の古庭とよく似た構成であった。
つまり同様に左右のルートを制覇すれば正面への道が開けそうなので、トピアは今回も左のルートから行くことにした。
左側のルートはまず足場を繋ぐ光の道から始まる。その道を進んでいくと、円形の大きめの足場にグレムリン2体とゴブリン1体が待ち構えていた。
ヒルデブラントを振り回してをこれらを蹴散らすと次の光の道が現れたので、トピアは先へと進んだ。
その次の足場は四角く狭かった。足場から次のスイッチまでリフトが往復しており、そのスイッチから右の方の円形の足場までまた別のリフトが往復していた。
トピアは正面の足場に乗り、その先のスイッチにアクセスした。するとスイッチから更に奥へのリフトが出現した。
トピアは奥へのリフトに飛び乗り、更にもう一つ先のスイッチにアクセスした。今度はそのスイッチから左の部屋の入口までのリフトが現れた。今度もトピアはすぐにそのリフトに飛び乗った。右手の円形の足場に何があったのか若干気になったが、次の部屋までの到着はすぐであった。
部屋に入って左手を見ると、床一面から何百本もの槍が一斉に突き出していた。所々には隙間があり、ゴブリンアーチャーや宝箱、触手などが配置されている。触手といってもうねうね動く植物でしかなく、残念ながらえっちな展開にはならない。
トピアはまず生え揃った槍に横から触れてみたが、触った感触が全く無い。なので次にヒールの発動準備をしてから手をかざして次の突き出しを待った。そして突き出した槍がトピアの掌を貫通した。
しかし見た目だけで全く痛くもないしダメージも入っていない。全くのこけおどしであった。
それはそれとしてどこかの槍だけ即死判定があるといった罠もあり得るので、念を入れてジェットパックで全部飛び越した。
槍の林を渡った先にはスケルトンソルジャー、スケルトンアーチャー、サンダーウィザード×2が待ち構えていた。やや距離が空いていたのでサンダーウィザードの片方を仕留める間にもう片方に攻撃を許してしまい、ボールライトニングのような魔法を使われたのには驚いたが、攻撃がトピアに届くような距離ではなかったので落ち着いて一旦立ち止まり、ヒルデブラントを投げて仕留めた。
ヒルデブラントを投げてしまって素手状態のトピアにスケルトンアーチャーの矢が、続いてスケルトンソルジャーが急速に迫る。ヒルデブラントの着弾点にはボールライトニングが残っているので拾いに行くのも無理だ。しかし慌てることはない。トピアはまず一歩動いてスケルトンアーチャーの矢を避けるとボールライトニングの発動と同じように合掌し、両手を地面に着けた。ぶっちゃけると有名な錬金術発動モーションである。この手順によってトピアは地面からヒルデブラントを召喚した。スケルトンソルジャーに喋る能力があったら「ずるい!」と叫んでいたかもしれない。トピアはそのまま飛びかかってきたスケルトンソルジャーをカウンター気味に一突きして倒し、ボールライトニングの向こうにいるスケルトンアーチャーにもう一度ヒルデブラントを投げて仕留めた。最後に槍を再召喚して終了だ。
この槍投げというのが一応槍の通常攻撃では高威力の中距離攻撃なのだが、射程が弓矢ほど届かず連射も効かないのはまあ良いとして、居合斬りのようにクリティカル倍率が乗らない上に居合斬りと違って確定クリティカルでもなく、弓のようなヘッドショット判定も無いという色んな特殊攻撃の短所ばかり集めたような仕様で、エンチャントが充実するほど相対的に弱体化する残念なものであった。一応特定の動作をすることで槍投げ専用のバフが溜まり威力が向上するのだが、手間が掛かりすぎて実用性が無い。しかも投げた後に呼び戻す動作も必要であるため、普段は全く使っていないのだ。
なお錬金術師モーションによる槍の召喚は
その先は崩れた橋の途中から光の道が伸び、スタート地点へと繋がっていた。これで左ルート終了らしい。
スタート地点へ戻ったら次は右ルートだ。トピアが短い階段を上って四角い足場の上に出ると、建築とワイヤーフックが禁止状態になった。行く手の道は途切れており、単純なジャンプでは届かない距離に小さな足場、その更に先に対岸の足場があった。右手にはリセットスイッチがあり、足場の真ん中には一見何も無いが『開く』という選択肢が出た。
試しにこれを選んでみると、足場がゆっくりと前に進み始めた。なるほど、中間にあるのは足場ではなく、動く足場から落とすための障害物らしい。何事もなければ障害物を避けるのは簡単なので、途中でMOBの出現などの妨害もあるだろう。
内容は概ね読めたが、足場が進む速度があまりに遅いので、トピアはギミックを無視してジェットパックで対岸に渡った。トピアがいなくなった後の足場では案の定MOBが湧いて所在なげにしていたが、トピアはそれを一瞥するだけで前に進んだ。
対岸から右折して円形の広い足場に出ると、属性の違うグレムリン三体が待ち構えていた。出会い頭にシールドチャージをぶちかましてきたので、回避アクションで一旦かわしてからそれぞれヒルデブラントのサビにした。
すると更に奥に光の道が繋がった。
光の道の途中から建築、ジャンプ、ワイヤーフックが禁止状態になった。
次の足場に到達して右折すると、赤と青の結晶が手前にあり、膜状の足場が現れていた。対岸までの途中にも黄色い結晶と赤い結晶が1つずつある。トピアが青い結晶に触ってみると、元々あった青い足場が消え、新しい青い足場が出現した。例によってスイッチで膜の状態を切り替えて対岸に渡るパズルだろう。対岸には到達の証なのかまた別のスイッチがある。
トピアは例によって制限が掛かる前まで戻り、ジェットパックであっさり飛び越した。
この程度のパズルなら普通に解いても時間は掛からないとは思うのだが、むしろこれらを全部無視してもボスまでの道が開けるかどうかの方が気になったのだ。
トピアが対岸のスイッチを押すと、スタート地点までの光の道がつながり、同時にボスフィールドまでの光の道も繋がった。
どうやらこの最後のスイッチ以外は無視してもいいようだ、という検証結果にトピアは満足した。上位の
トピアがスタート地点から正面の光の道を進みボスフィールドに入ると、紅眼のリザードエクスキューショナーLv.45が出現した。両手にハンドアックスを持った極めて攻撃的なリザードマンだ。
これもレガシーワールドから存在したボスキャラで、殆どの場合最初に咆哮を放ってこちらをスタンさせようとするので、トピアは回避アクションの前転で前に進みながらこれをやり過ごし、ヒルデブラントで突き殺した。
敵の耐久力が上がってきて、今回も1回の攻撃では斃れなかった。そろそろバフを使うべきだろうか。
報酬の宝箱からは例によって渓谷関連の特産素材が20個ずつ、あとは消耗品と換金アイテムが出てきた。
トピアは周回を省いて足早にギーザ台地の塔に戻った。
そして8種類の特産素材を使っての時代進化。ワールドLv6、火の革新時代の到来だ。
早速次のワールドLv7で解放されるアイテムを確認すると、今までに無いものがあった。
まずアダマンタイト装備。レガシーのクラフトピアではアダマンタイトは遂に用途不明のままだったのでこれは嬉しいのだが、プラチナからダイヤ、黒曜石、パラジウムを飛ばしているためか思ったほど性能が伸びていない。それでも武器の性能は従来より大分高いのだが、ツール類の性能が低下しており、例えばアダマンタイトのつるはしは
何よりクラフトツリーをよく見てみるとアダマンタイトの★の数が鉱石の時点で8に減っている。ダイヤの★×9より下ということだ。『アダマン鉱石』と名前が変わっていることも含めて、もしかしてこれは従来のアダマンタイト鉱石★×12とは別物ではなかろうか? 折角使えるようになっても弱体化しては意味が無いのだが。あとパラジウム★×11は結局用途が無いままお蔵入りしたのだろうか。
『二式機械翼』。グライダーシリーズにまだ上があったらしい。アダマンタイトを使うようだが、性能はいかほどのものか。
『熟練の機械工場』。デザインがリニューアルされている。
『砂の人工岩盤』。例に挙がっているのは砂だけだが、アダマンタイトなど他の種類もあると嬉しい。
『アダマンタイトチェスト』。見た目は完全にレガシーで言うスーパーダイヤモンドチェストだ。ダイヤ素材シリーズは本格的にお蔵入りしたらしい。
『SMG弾』。サブマシンガンの弾薬らしい。アサルトライフルでも弱いのに果たして使い道があるのだろうか。
やはり問題はアダマンタイトで、レガシーレシピを使えなければレーザー強化の鍵となるダイヤモンドインゴットを危うく生産出来なくなるところであった。いや確かに製法も用法もおかしいものではあったが、何も今になってそんなことを気にしなくてもいいではないか。
パラジウムに関してはもう使い道が一切無いのでサティにぶん投げるしか無いだろう。
トピア「パラジウムは犠牲になったのですね……」
カミール「何のことだ?」
トピア「存在を忘れ去られた鉱石の話です」
カミール「幻の鉱石か?」
トピア「いえ、アダマンタイトの一段下でした」
カミール「そうか……」
まあパラジウムに関しては不憫ではあるが、ダイヤモンドのように頑丈さ以外を求める用途が無ければ結局の所最終的には関係ないのだ。
次のワールドLv7で要求されるのは、『スノーミント』×10、『氷山のアクアマリン』×25、『凍り付いた木』×25、『氷山の古代人形の破片』×10。名前からしてシャルバート氷山の特産素材だろう。要求数こそ今までと異なるが、8種類要求されないのは助かった。
あとついでとばかりに20万ゴールドを要求されているのが駆け出しの
トピア「では現状最後のダンジョンがある氷山へ行きましょうか」
カミール「そうだな。いざ氷山へ……防寒対策は大丈夫か?」
トピア「フリーズレジストポーションなら400本ありますよ。半分差し上げましょう」
カミール「すまないな、助かる」
斯くして二人はこの島の最後のエリア、シャルバート氷山へと向かった。