住居捜し
二度目の生を受けて思ったことが一つだけある。
「…毎回森の中なのか…」
何と言うか、めんどうだな。
「…まずは住む場所を探すか」
雨風が凌げれば何処でも良いんだけど…
「…洞窟…か」
雨風も凌げるし、冬は暖かく、夏は涼しいと聞くし…良いな。
中は心地よい温度だ。何か霧みたいなのが漂ってるけど、何だこれ。
「…ぐ…ぅ…」
「…おい、おいおい…おいおいおいおい!」
幼女が血塗れで倒れていた。何です、そういう呪いとか掛かってたりします?
何とか霊力流して傷が回復しないか?
「っふぅ…」
良かった…治ったか…。
「…っあ…何だぁ…?傷が治って…ッ!?」
「…あー、大丈夫か?」
思いっきり警戒されたんだが…?
「…なんで助けた?」
「あ…?何でってそりゃ…死にかけの奴がいたから助けただけだが?」
何か変かな?
「…っはは!面白い奴だな…!私よりも強くて、妖術も使える奴は始めてだよ!」
「…ありがと…んん?妖術!?」
妖術って…俺人間じゃないのか!?
「ん?何を動揺してるんだい?
鬼…って?!
「頭に角が!?」
「ん?何言ってるのさ…あぁ、生まれたばかりなんだね?」
いや、まぁ生まれたばっかりといえばそうだけど…
「じゃあ私はお前さんのお姉ちゃんって訳だ!」
ワハハと笑う少女、ワハハじゃないんだが?
「私は伊吹萃香だ!お前さんは?」
…名前なぁ…
「無いんだよな…」
「…名前、無いの?」
「…あぁ」
「本当に無いの?」
「…無い」
「本当に本当に?」
「だから無いって言っとるやろがい!」
おっとっと…言葉が乱暴になってしまった。
「…ご、ごめん…」
「あ、いや…怒ってるわけではないんだが…」
「…」
「…」
不味い、空気がだんだん重くなっていく…。
「…この辺に家というか…住める場所って無いか?」
話題を切り替えよう。重い、重すぎるから空気が!
「…この辺は家とか村なんて無いよ。山と山、あと海くらいしかないよ…」
「ッスー…そうか、ありがとう」
あれ、詰んだ?
住む場所がない→安心できる場所がない
安心できる場所がない→落ち着けない
落ち着けない→死ぬ
終わった…?
「…村まで走るか…」
「いや待ってよ!」
…伊吹さんに止められた。なんやねん、住む場所無いんやから今のうちに探さないと…
「私と一緒に住めば良いじゃん!」
「…何故?」
何故俺が転生して初めに会う奴は女性であり一緒に住めと言ってくるんだ!?
一つ言っておくがなぁ!俺はロリコンじゃねぇ!
「なんで毎回幼女と住まなきゃいかんのじゃあー!!!!!」
俺の魂の叫びが山に響いていった。