スーパーロボッコ大戦外伝 ディファレンス・ロボッコ・バトル   作:ダークボーイ

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ディファレンス・ロボッコ・バトル EP13

 

「ふぁ~………」

 

 生あくびをしつつ、総二がアースラの通路を歩いていると、曲がり角でクロノと遭遇する。

 

「おはよう、よく眠れたか?」

「おかげさまで。世話になってばかりで悪いな」

「お互い様だ。なのはからもかなり出来る者達だと聞いてる。戦闘の時は頼りにさせてもらうぞ」

「あのすげえの見た後だと、どうかと思うけど………」

「なのはは当艦の中でも屈指の遠距離砲撃系魔導士だからな。管理局でも珍しいタイプだ」

「すごいんだな、あの子………」

「だが、JAMはどこからか対魔法装備を調達してる。サポートは必須になる」

「う~ん、他の世界にも魔法少女とか魔導士とかいるのかな?」

「かもしれない。恐らくまた違う世界から入手した技術だろう」

「厄介だよな、何が出てくるか分からない敵ってのも」

「だからこちらも戦力が多いに越した事は無い。すでに準備を始めている者もいる」

「すでに?」

 

 

「はぁっ!」

「ふっ!」

 

 刃と刃がぶつかり、甲高い音が周囲に響き渡る。

 

「なるほど、出来るな」

「そちらこそ」

 

 互いに刃を突き合わせたまま、純潔を発動させていない皐月と、シグナムが互いに笑みをかわし、一度距離を取って構え直す。

 

「剣の騎士とは言った物だ。かなりの修羅場を潜り抜けたと見た」

「そちらも、かなり鍛えているな」

 

 相手の力量を認めた両者が、再度刃を交えて激突する。

 

「朝一からハードなトレーニングしてるな………」

「いつ敵襲が有るか分からないから、あまり勧められた物ではないが」

 

 総二とクロノが模擬戦と言うにはハードな戦いをしている二人の剣士を見て思わず呟く。

 

「あれ、あっちの人昨夜も警備してなかったか?」

「ヴォルケンリッターは姿こそ人だが、人よりずっと頑丈とは当人達の談だ。それこそ無理はしてほしくないんだが………」

「オレもトレーニングすべきかな………」

 

 何度も響いてくる剣戟の音に男二人が少し顔をしかめる。

 

「それこそいつ敵襲が有るか分からない。個人の判断にゆだねるべきだろう」

「それもそう…うわあ!?」

 

 背後から聞こえてきた聞き覚えの有る声に総二が振り向き、そこにいる巨大な狼の姿に思わず声を上げる。

 

「あ、すまない。そういやこちらの姿は見せてなかったな」

 

 そう言うや否や、狼の姿が見覚えの有る屈強な男へと変化する。

 

「ああ、こういうのはそちらには無いのか」

「まあ、動物変身ってのは………」

「どちらも私だがな」

 

 人の姿になったザフィーラが思わず苦笑する。

 

「武器に変身する連中だったらいるぞ。ここには来てないけど」

「武器?」

「それはそれですごいな。ホントに色んな者達が集められてる訳だ」

 

 多種多様な戦闘スタイルに、クロノは少し考え込む。

 

「やはり今後の共闘を考えると、互いの戦闘スタイルや戦術を共有する必要があるだろうな」

「確かに。お互い初見だとびっくりする事多いし。特に、そのさっき言った武器に変身するアームの人達は………」

「何か問題が?」

「その、なんと言うか、エロい」

『は?』

「だからなるべくなのはちゃん達は共闘させない方いいかも………詳しい事はとてもオレの口から言えない………」

 

 言葉を濁す総二に、クロノとザフィーラは双方首を傾げる。

 

「これは情報共有を急いだ方がいいな………」

「そのようだ」

「それには私も賛成だな」

 

 クロノの提案に頷くザフィーラに、トレーニングを終えた皐月が汗をハンカチで拭きつつ同意する。

 

「とにかく、私達は一刻も早く元の世界に戻り、こちらの地球を滅ぼそうとしている母に引導を渡せねばならん。そのための協力なら惜しまん」

「………なるほど。確かにそれは急がねばならんだろうな」

「主に聞かせたくない話ばかり聞こえてくる気がするのだが」

「こちらもあまりよその事は言えないがな」

「どこも複雑だな………」

「違いない」

 

 顔をしかめる男達に、皐月はむしろ苦笑していた。

 

 

「それでは、昨夜の内にここの機材でポータルを造っておきました! とりのタウン、成子坂製作所双方に自由に移動可能です! 肝心の動力炉は少しかかりそうですね!」

 

 朝食のために食堂に集まった皆の前で、やたらとハイテンションのトゥアールが経過を報告する。

 

「トゥアール、徹夜か?」

「いや~、ここの動力炉、中々面白いシステムでして! 更にそれを外部干渉でオーバーロードさせて破壊した痕跡も有って、まずそっちの調査を最優先させまして、いやこれが中々…」

 

 総二に対して明らかに普段以上のテンションで話すトゥアールに、皆が思わず半目になる。

 

「あれ、大丈夫?」

「元から変わった方では有りましたが………」

「未知の技術にエンジニアとして好奇心が刺激されたのだろう」

 

 シタラと文嘉が心配そうにトゥアールを見るが、皐月は平然とした顔で食後の紅茶をすする。

 

「取りあえず動力炉の方は私が見るから、トゥアールは少し寝た方がいい」

「そやそや、睡眠不足は女の大敵や」

 

 イースナが心配そうにトゥアールに休息を促し、給仕をしてたいメガ・ネも賛同する。

 

「オレもそう思う。少し休んだ方いいぞ。トゥアールが疲労でぶっ倒れたりしたら、色々大変になる」

「はあ、総二さんがそう言うのなら、少し休息としますか」

 

 そう言うや否や、トゥアールはテーブルに突っ伏すと寝息を立て始める。

 

「部屋は用意してるから、出来ればそちらで休んでほしいのだが………」

「何やかやでトゥアールさんの負担はかなり大きいですからね………」

「戦闘員は多いが、それを支える優秀な技術班が足りていないな」

 

 クロノが安らかに寝息を立てているトゥアールを困った顔で見る中、文嘉と皐月が考え込む。

 

「まあしばらく寝ててもらったら? 倒れても困るし」

「そうだな………でも出来ればベッドで」

 

 シタラが熟睡しているらしいトゥアールの頬をつついて睡眠レベルを確認し、総二も頷く。

 なお、用意された部屋に寝たまま移動させる事になったトゥアールは、総二に抱きかかえられるまでテコでもテーブルから離れず、狸寝入りを疑われる事となった。

 

 

『じゃあ、修理にはまだかかりそうなのね?』

「ええ、外部干渉が原因との見解が出ているから、その対抗策も考えないと」

『では今後の事も考える必要があるでしょう』

 

 アースラのブリッジで、通信越しに薫子、リンディ、魅零が現状を詳細確認していた。

 

『こちらは設備は有っても居住性に問題があり、とりのタウンは居住性は有っても設備に問題が有り、アースラには双方有るが、これだけの人数を受け入れるキャパが無い、と』

「そうなるわね」

『難しい問題ですね、拠点を絞れれば戦力も集中出来て防衛とかも楽になりますが、それは難しい………』

「とにかく、互いに行き来して実際に確認する必要があるわね」

『移動はトゥアールさんが何とかしてくれましたが、物資や食料も確認しないと』

「まだアースラには食料関係は余裕があるし、緊急時用の保存食糧も有るわ。まああまり小さい子達にそういうのを食べさせる状況は避けたいけれど」

『警戒や探索のシフトも組まないと。戦力確認も必要か………』

「やる事だらけね。とにかく、まずはこちらから何人か送るわ。何故かなのはさん達はとりのタウンに行かせるなと言われてるのだけれど」

『いや、その………アームのペアは実際に関係を持った者達というのが多くて………』

『つまり、小学生にはあまり見せられない物も有るかもしれないという事らしいので………』

「………ああ、なるほど。変わった能力を持った人達ばかりとは聞いてたけれど。こちらもそちらから見ればそうなんでしょうけど」

 

 何故か視線をそらして説明する魅零と薫子に、リンディがそれとなく納得する。

 

「とにかく、最優先は安全の確保。こちらから必要な物資は提供します」

『トゥアールさんの設置してくれたセンサーセキュリティが有るので、双方とリンクしてた方がいいですね』

『有事の際は戦闘可能要員を即座に送り込む体制も必要でしょう』

「それぞれでシフトを組まないといけないわね。考えなければいけない事が山積み………」

 

 必要な事が次々と上げられていく中、リンディはふとかろうじて動いているアースラのレーダー画面を見る。

 

「次はいつ、どこからどう来るのかしら………」

 

 

「それじゃあ、その戦艦が直れば脱出できるのかな?」

「修理が結構かかりそうって話」

「でも、可能性が出てきたのはいい事だと思いますよ?」

 

 とりのタウンの物干し場で、倫花、乱花、まもりが洗濯物を干しながら今朝聞いたばかりの情報を話し合う。

 

「さすがにこんな訳の分からない所にいつまでもいたくないしね」

「出会った人達が皆さんいい人ばかりなのは良かったですけど」

「それは有りますね。まあ変わった人多いですけど………」

「お姉ちゃんお姉ちゃん、多分向こうもこっちの事そう思ってるから」

 

 そんな取り留めのない話をしていた三人だったが、そこで突然警報が鳴り響く。

 

「敵襲!?」

「こんな朝から!?」

「向こうに時間間隔有るかは謎だけどね」

 

 干しかけの洗濯物を洗濯籠に残したまま、三人は警戒する。

 

「敵の反応有り! リビングに来て!」

 

 愛香の声を聴き、三人は急いでリビングへと向かう。

 リビングにいつの間にか設置されたトゥアール製ディスプレイにはアースラから転送されたらしいレーダー画面が表示されていた。

 

『動体センサーに多数の反応! 物理反応微弱、魔力反応無し! JAMの軍勢と推定されます!』

 

 アースラのオペレーターの報告に、聞いていた者達の顔色が変わる。

 

『けど、場所がおかしいような?』

 

 同軸通信で成子坂製作所で見ていた夜露の指摘通り、JAMの大群は三か所ある拠点のどこにも、正確にはそのちょうど中央辺りに向かっていた。

 

「いや、これは………」

 

 先に来て見ていた魅零が、相手の意図を推察する。

 

『このまま相手の進軍を許せば、どこに向かうか分からない。最悪分散して各拠点への各個攻撃の可能性が有るわね』

 

 リンディも考えられうる最悪の展開を予見。他にも何人かがそれを予測していたらしく、頷いたり沈黙したりする。

 

「それって、どうすれば!?」

「ど、どうするって言われても………」

 

 まもりと倫花が慌てる中、魅零は少し考え込む。

 

「手は、一つしかありません」

『そうなるわね』

『でしょうね………』

 

 魅零の呟きに、リンディと薫子も頷く。

 

「どうするのよ?」

「動員できる限りの戦力を持って、相手の分散前に迎撃します」

 

 愛香の質問に、魅零が断言する。

 

『やられる前にやれって事か。いいなそれ』

『恐らくそれこそJAMの狙いでしょう。こちらから迎え撃たなければならない状況を造り出して、こちらの総戦力を見ようとしている』

 

 やる気満々の流子に、トゥアールが珍しくまじめに呟く。

 

『すぐに迎撃準備を!』

「とりのタウンは優先度は低い、総員成子坂に移動後、アクトレスの方達と出撃します!」

『こちらも出撃準備を! アースラには最低限の守備だけ残して総出撃!』

「あ、洗濯物!」

「後よ後!」

「急げ!」

 

 まだ互いの力量を確かめる暇も無く、皆が総力戦に向けて慌ただしく準備へと取り掛かった………

 

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