スーパーロボッコ大戦外伝 ディファレンス・ロボッコ・バトル 作:ダークボーイ
「動かせるギア全部用意しろ! 武装もありったけだ!」
「シタラと文嘉も一度戻ってくるから、そっちもお願い! 私のも!」
「弾薬の在庫にも限りが…」
「言ってられる状態か!」
成子坂製作所の地下ハンガーで、磐田が中心となってアクトレスの出撃準備が急ピッチで進められていた。
「で、どうする。全機出すのか?」
「現場は私が出て指揮するしかないわ。リタは護衛に残って」
「私一人でですか!?」
「危険と判断したらここを放棄してアースラに避難するよう取り付けておいたわ」
「そっちの準備もしとくべきか………まあ出た後だな」
薫子が配置を決める中、磐田は最悪の事態を懸念する。
「準備にどれくらいかかる!?」
「こっちはいつでもいいわ!」
「もうしばらく待ってくれ! こっちは変身って訳にはいかねえんでな!」
ハンガーに顔を出した流子とすでに変身しているテイルブルーに磐田は怒鳴るように返答しながら作業を続ける。
「遅れました!」
「私達のギアは!?」
「今準備中だ!」
夜間警備にあたって、先程まで寝ていた夜露とのどかが状況を確認し、すぐにギアをまとえるようにこちらも準備に入る。
「問題は戦術ね………アースラの子達の戦い方がまだ未知数だわ」
「魔女っ子の戦い方なんて分かるわけねえだろうしな。あっちもアクトレスの戦い方なんて知らないだろう」
「準備不足もいい所だわ。けどやるしかない」
薫子もボヤきながら、自らのギアの装着準備を進めていく。
その頃、アースラ内部でも同じような状況だった。
「第二種警戒態勢! 搭乗員は有事に備えて武装を!」
「前線指揮はオレが! 動かせる奴は全員来てくれ!」
「ヴィータは主の護衛に残れ! 他ヴォルケンリッター三名、いつでも出撃可能です!」
ブリッジ内でリンディとクロノの指示が飛び交い、アースラの乗員達が大慌てで右往左往する。
「最悪、他の非戦闘員を全てアースラに避難させる事になるわ」
「動力炉の復旧目途すらまだ立ってませんが………」
「立てこもる事は出来るわ。絶対避けたい事態だけれど」
オペレーターが臨戦態勢すら取れないアースラの現状に苦言を呈すが、リンディは険しい表情で断言する。
「アースラは私とヴィータさんで守ります。撃退が不可能と判断した場合、アースラまで撤退してここで防衛戦を」
「マトモに動かない母船で防衛戦は避けたい所だがな」
リンディの指示に、純潔をまとった皐月がブリッジに現れ呟く。
「バリアとか張れるかな、この戦艦?」
「今の状況では無理です」
変身したテイルレッドがそれとなく聞くが、オペレーター達は色々シミュレートして首を左右に振る。
「つまり、全員で行って全部倒してくるしかないって事か!」
「アクトレス達も一度向こうに戻ったからな。すまないが何か移動手段はあるか?」
「そうね…」
「あるぞ」
気合を入れるテイルレッドだったが、皐月の確認にリンディが答える前に答える声が有った。
二人が振り向くと、狼形態のザフィーラともう一頭赤毛の狼がいた。
「もう一頭、じゃなくてもう一人いたのか!?」
「ご名答」
テイルレッドが驚くと、赤毛の狼が答えるとその姿が赤毛の活発そうな女性の姿に変わる。
「フェイトの使い魔のアルフよ。飛べないなら私達が乗せてってあげる」
「いいのか」
「戦列は整える必要が有る。手段は選んでいられないだろう」
テイルレッドの確認に、ザフィーラが答える。
「じゃあ一応男同士って事でオレがこっちに」
「いいだろう。さすがに狼に乗るのは初めてだ」
「乗せるのはいいけど、鞍も手綱もないからね。振り落とされないように」
「構わん」
再び狼形態になったアルフの毛並みを撫でながら、皐月も頷く。
「準備出来ました!」
「いつでも行けます!」
更にそこへバリアジャケットをまとったなのはとフェイトがブリッジに駆け込んでくる。
「現地サポートは私が!」
「こっちも準備OK」
「ぼちぼち行こか!」
さらにトゥアールとイースナ、メガ・ネも姿を見せる。
「成子坂製作所から連絡、もうじき全ギアの出動準備整うそうです!」
「マップを共有、速度差から合流地点を算出して!」
「敵、更に進軍! 詳しい総数は不明のままです!」
「なるべくここにも他の拠点にも近寄らせてはダメよ! 出撃を!」
『了解!』
「じゃあ行くわよ! フォーメーションを維持、奇襲の可能性を考慮して!」
薫子が先頭に立ち、完全武装のギアをまとったアクトレス達とそれにおぶさったり抱えられる形でアームとツインテイルズが共に出撃していく。
「一応固定はしてるけど、大丈夫です?」
「問題ありません」
「もっと飛ばしていいから!」
夜露の確認に、魅零と隣でのどかに抱えられる形の乱花が答える。
「さすがにこんな形で人運ぶの初めてで………」
「こんな大きな武器持った状態でなんてアクトレス免許試験でも想定はしてないわ」
「すいません、さすがに発動状態じゃないと危険なので………」
のどかが思わずボヤくのを夜露がたしなめ、魅零が思わず謝る。
「急げ! なるべくヤサから離れた所で迎え撃たねえと!」
「アースラからも出撃したそうです! この調子ならランデブーポイントまで五分とかかりません!」
文嘉のギアの背中で叫ぶ流子に、文嘉が双方の現在地を確認する。
「そこから接敵までにどれだけ準備出来るか………」
「寄せ集めはいつもの事! やれるだけやるだけよ!」
薫子が準備不足を懸念するが、リボンエレメーラの飛行形態で曳航される形のテイルブルーが気合を入れる。
「できれば、魔法少女の方達をゆっくり見てみたかったですけど………」
「終わってから見ればいいって!」
背負ったテイルイエローが呟くのを、シタラがたしなめつつ、合流を急ぐ。
「そろそろ合流のはず…」
「こんにちは!」
薫子がアースラ勢の反応が間近に来ている事を確認してた所で、隣に現れたなのはに挨拶される。
「来たわね」
「はい! はやてちゃんとヴィータちゃんはお留守番ですけど!」
薫子の問いに元気よく答えるなのはの隣に、クロノが進み出る。
「そういうのは後だ! これで出撃してきたのは全員ですか!」
「こっちも防衛に一人置いてきたけど、後はこれで全員よ!」
「問題はこの人数をどう展開するか………」
「この先に平原地帯が有ります! そこで迎え撃ちましょう!」
人数の確認をした薫子とクロノに、飛行形態のメガ・ネにイースナと相乗りしているトゥアールが先行させておいたオマワール君からの情報を元に迎撃ポイントを算出する。
「じゃあそこまで急ごう!」
「うわ、総二何その獣!」
「私達の仲間です」
「やっぱり魔法少女にはお供がいるのですね。ちょっと大きいですけど」
「小さいのは今動力炉の修理手伝ってて…」
「取りあえず後だ! 見えてきたぞ!」
互いに色々聞きたい事は山とあったが、とにもかくにも見えてきた平原地帯に全員が展開していく。
「さて、戦場はここでいいとして………」
「どう戦うか………」
薫子とクロノが、互いのメンバーを見て呟く。
それぞれ明らかに武装も戦い方も違う者同士が集まり、どうすればいいかを検討する暇すら無い事に苦悶する。
「簡単だ! 近接戦が出来る奴が先行して、遠距離戦が出来る奴が後方支援、防衛線を決めてそこから漏れた奴から攻撃って事で!」
テイルレッドが提案したあまりに単純すぎる作戦に、皆が思わず互いを見る。
「いいと思います。初めて共闘するならば、むしろ互いに出来る範囲で戦って届かない所は任せれば」
テイルレッドの提案に魅零が賛同する。
「そうね、上空はこちらで抑えるわ。シタラさんは後方から援護砲撃を」
「じゃあオレとブルーは地上を。イエローは後方から」
「私と倫花さん達も地上近接ですね」
「じゃあ私と流子も前線だ」
「なのはとシャマルは後方、フェイトとシグナム、ザフィーラは前方。アレフは後方の防衛に当たれ。オレは中間点に」
「イースナ、私達も中間点で攻撃しながら随時敵を観察!」
「分かった!」
「来るで!」
応急で陣形が組まれていく中、メガ・ネの指摘通り、遠くからJAMの軍勢が迫ってきているのが見えてくる。
「この平原を防衛線として、ここを突破されるようならアースラに撤退、防戦体勢に!」
「了解したわ! 全員前に出過ぎないように、複数で組んで戦って! 乱戦になったら特に!」
クロノと薫子の指示が飛び交う中、JAMは更に迫ってくる。
「クロノくん!」
「先制攻撃いいかな?」
「そうですね!」
そこでなのはを先頭に、シタラとテイルイエローがそれぞれの武装を展開、迫ってくるJAMへと向けていた。
「味方に当たらないようにな!」
「あくまで遠方にね!」
「はい! それじゃあ!」
「行くぞ!」
「戦闘開始です!」
三人の攻撃が一斉に放たれ、三種の攻撃がJAMの軍勢へと直撃、爆炎が上がるが、JAMはそれを気にしないように進撃してくる。
「行くぞ!!」
そこへテイルレッドを先頭に、皆がJAMへと向かっていった………