スーパーロボッコ大戦外伝 ディファレンス・ロボッコ・バトル 作:ダークボーイ
「とりゃあ!」
「おらぁ!」
先陣を切り、テイルレッドのブレイザーブレイドと流子の片太刀ばさみが多脚型の陸戦JAMの脚部を左右から切り飛ばす。
「ふんっ!」
「はぁっ!」
擱座した陸戦JAMにザフィーラが魔力のこもった拳を撃ち込み、皐月が内部に白刃を突き刺して破壊する。
「この調子だ!」
「まだまだ来っぞ!」
「完全に突撃型か…」
「背後に着くぞ、あの二人だと猪突猛進もいい所だ」
嬉々として次の敵に斬りかかるテイルレッドと流子に、ザフィーラは思わず苦笑し、皐月は呆れながら二人のサポートに徹する。
「そっちの特技は?」
「私は速度特化です」
「なら足止めを」
大鎌形態に変化したバルディッシュ・アサルトを構えたフェイトに、大剣を構えた魅零が確認する。
「行きます」
フェイトが高速移動しながら陸戦JAMの脚部を次々と斬り捨て、そこに魅零が大剣の一撃を叩き込んでいき、撃破していく。
「すごいパワーですね」
「そちらもかなりの速度です」
「それって、貴方の相棒なんだよね………」
フェイトと魅零が互いをほめる中、サポートに当たっていたアルフがそれとなく聞いてくる。
「アームとはこういう戦い方をするんです。多いので加減してる暇は有りません」
そう言いながら、魅零は大剣の峰に舌を這わせ、僅かに刀身が振動したかと思うと、大剣からエネルギーが溢れ出す。
「今何か変な事しなかった?」
「うん、気にしたらダメよフェイト」
首を傾げるフェイトに、出がけにざっとだけ目を通していた他の者達のデータを思い出したアルフが話題を変える。
「変わってるのはこちらもだからね」
フェイトはそれだけ言うと、更に速度を上げ、JAMの大群へと向かっていった。
「何とかうまく行ってるようね」
「急造のフォーメーションという割にはな」
テイルブルーとシグナムが背中合わせになりながら、襲ってくる陸戦JAMへと相対する。
「こっちは薙ぎ払うわ! そっちは!」
「ならこちらも」
『エグゼキュートウェイブ!』
『シュランゲバイセン!』
テイルブルーのウェイブランスから水流と共に強烈な刺突が繰り出され、それが横薙ぎに払われて軌道上の陸戦JAMを次々薙ぎ払っていき、シグナムのアームドデバイス・レヴァンティンの刃が連鎖状に伸びた刃と化し、刃の鞭となって周辺を薙ぎ払う。
「やるわね」
「そちらもな」
「あまり飛ばし過ぎないでね!」
互いの技をほめるテイルブルーとシグナムに、倒しきれなかった分を巨大手甲で殴り飛ばしながら乱花が注意する。
「確かにまだまだいるわね」
「疲弊を避ける為に小技で行くか、効率重視で殲滅戦か、判断が難しいな」
「しばらくは様子見ね!」
まだ底が見えないJAMの大群に、テイルブルーとシグナムは得物を構えて向かっていった。
「高度とフォーメーションを維持! 後方攻撃の軌道と地表の味方配置を念頭に!」
ブラックとブラウンでカラーリングされたギアをまとった薫子が、その手にバクルス・ライフルを構え速射しながら指示を出す。
「確実に落とす事を重視! 漏れたのを無理に追わないで!」
「と言われても…」
「この数は!」
薫子の指示を聞きながら夜露と文嘉は雲霞がごとく押し寄せる空戦型JAMに向けてトリガーを引き続ける。
「適当に狙っても当たるかもよ!」
「さすがに適当は無理です!」
シタラが冗談めかすのをのどかが思わず怒鳴り返しながら、押し寄せる空戦JAMに向かって弾幕を張り続ける。
「やはり、全機ECMは標準搭載機ね………フレーム認識とサーモ感知でなんとか出来るけれど」
「どこからこれだけの数を!?」
「考えるのは後!」
戦いづらい相手にアクトレス達から悪態や悲鳴が漏れるも、攻撃の手は休めず続けていく。
だがその弾幕を突っ切るように高速で向かってくる敵影に、複数の銃口が向けられるが放たれた銃弾はその表面で弾かれる。
「やば! 固いぞ!」
「回避…」
「大丈夫」
こっちに向かって特攻でもするように高速で迫る突撃型JAMをアクトレスは回避しようとするが、そこで複数の魔力の剣が放たれ、突撃型JAMを串刺しにして撃墜する。
「突破しようとする敵機はこっちで対処します! 弾幕の維持を!」
「やるわね」
「魔法少女だけでなく魔法少年もいるとは………」
いともたやすく突撃型JAMを撃破したクロノを見たアクトレス達が唖然とするが、即座に攻撃を再開する。
「広域魔法を使えば一気に撃破出来ますが、この後何が来るか分からない。出来れば魔力を温存しておきたいので…」
「それは同意ね。その破壊力は取っておいた方が…」
クロノの提案に薫子が頷こうとした所で、地上から発射された閃光が別の突撃型JAMを貫き、破壊する。
「今のは…」
「なのは! 魔力は温存を…」
『まだまだ大丈夫だよクロノ君!』
「………若い子は元気ね」
更に立て続けの閃光が放たれるのにクロノが怒鳴るが、発射している当人から平然とした返信が来るのに薫子は思わずぼやく。
「魔法少女に負けてられないぞ!」
「勝てるかしらね………」
シタラが喝を入れようとするが、文嘉はその威力に呆然としつつも、アクトレス達は攻撃を続けていた。
「上空はアクトレスの方々に一任しましょう! 遠距離砲撃で厄介そうなのを狙ってください!」
「分かりましたわ!」
「はい!」
トゥアールの指示にテイルイエローとなのはが答えながら遠距離砲撃を続ける。
「こうやって見ますと、双方色々なタイプがいますね………」
「そうですね。大きいのが今の所来ないのがよかった…」
テイルイエローとなのはが俯瞰で見える戦場について呟いた時、遠くから大型の陸戦JAMが複数近付いてくるのが見えた。
「うわ、おっきい!」
「あれなら一度戦いました! 皆さんなら大丈夫!」
なのはがそちらにレイジングハートを向けようとするが、テイルイエローはそれを制止させる。
「なのはちゃん、陸戦は地上班に任せましょう。誤射の危険もあるわ」
「そっか、フェイトちゃん達もいるし」
サポート兼護衛についていたシャマルの指摘になのはが頷いた所で、沸き上がる劫火と突きあげる水流、無数の雷の剣が大型JAMを貫くのが見える。
「レッドとブルーが頑張ってるみたいです」
「あ、あれフェイトちゃんだ」
「どこもすごいですね…」
各所で起こる強烈な攻撃に、イエローとなのはは無邪気に観察するが、シャマルは少しばかり驚く。
大剣による両断や斬撃の竜巻が大型JAMを完全に破壊したのを見たシャマルは、少し顔を引きつらせる。
「本当に戦闘特化の人達ばかり集まってるようですね」
「どこも変わった方々ばかりですけれど」
「え~と、私達もだよね………」
あちこちからたまに大技が飛び交うのを見たシャマルの呟きに、テイルイエローはうなずき、なのはは少し言葉を濁す。
「高空に動体反応! 上を取られそう!」
「あの遠距離攻撃、出来んか!?」
「私一人では無理です! 総二さんがいないと!」
そこでイースナが空中戦を行っている者達の更に上の反応に気付き、メガ・ネが確認するが、テイルイエローは首を横に振る。
「あれ? ここからだとかろうじて見えるかどうか………」
「何とか狙います!」
シャマルが目を細めて僅かに上空に見えるJAMをかろうじて捕らえるが、なのはそちらに向けてレイジングハートを構える。
「かなりの高度です! 狙えますか!?」
「レイジングハート!」
『OUT of renge、Difficult』
トゥアールからの問いになのははレイジングハートに聞くが、レイジングハートからは射程外、困難と返ってくる。
「私がなんとかします!」
そこでシャマルが一対のペンデュラムの形状をしたアームドデバイス・クラールヴィントをかざし、それが虚空に円を作り上げると、円の内部が歪んだかと思うと、そこに拡大された高空型JAMが見えた。
「おお、空間制御!」
「これが限界! なのはちゃん!」
「はい! 行くよレイジングハート!」
『Standby』
「スターライトブレイカー!」
シャマルが明けたワームホール越しに、なのはの必殺魔法が放たれ、ワームホールに吸い込まれたそれは虚空に開いたもう一つのワームホールから出現し、こちらにむかっていた高空型JAMを貫き、撃破する。
「そんな事出来るんですか………」
「そちらみたいに衛星軌道はさすがに無理だけど」
テイルイエローが驚く中、クラールヴィントを戻してワームホールを塞いだシャマルが大きく息をする。
「それにさすがにあの威力を転移は少し無理があったみたいで………」
「大丈夫ですか!?」
「ええ、なんとか」
「また来ないといいんですけど…」
なのはが荒い呼吸をしているシャマルを気遣い、シャマルが頷く中テイルイエローが上空を警戒する。
「さすがに高空型はそういないと思いますが…」
「分からないわよ、あいつらデタラメだもの」
メガ・ネに乗ったまま周辺を索敵しながらトゥアールが戦況を解析する中、イースナは寄ってくる飛行型JAMに応戦しながら戦場を睥睨する。
「レッド、流子、前に出過ぎです! 他と連携を! ブルーはもっと一人で前に出てください!」
『こんな時くらいまともにサポートなさい!』
トゥアールが戦線を維持しようと指示を飛ばし、明かにデタラメを言われたテイルブルーから文句が来る中、トゥアールは戦況をさらに細かく解析していく。
「地上、空中共になんとか戦線は維持出来てますね。急造のフォーメーションの割には連携も取れてますし」
「どう見ても互いに好き勝手やって隙間埋めてるだけにも見えるけどね」
「まあうまく行けてんやったらいいと思うで?」
何とか善戦している事にトゥアールは少しだけ安堵し、イースナとメガ・ネは援護攻撃をしながら頷く。
「問題は大型がどれくらい出てくるか、さっきの高空型もまずいですけど、下手したらもっと…」
トゥアールが襲ってきているJAMの分類を進める中、遠くから重い異音が響いてくる。
「………は?」
最初はまた誰かがぶっ放したのかと思ったトゥアールだったが、その異音が定期的かつ徐々に大きくなってきているのに気付き、顔色を変える。
「な、何あれ………」
「超大型動体反応確認や! 何かすんごいが来るで!」
戦場の遠くに見える巨影にイースナも気付き、メガ・ネもそれを確認する。
それは、小山程は有ろうかという巨体に、それを支える無数の巨大な多脚を持った超大型JAMの姿だった………