スーパーロボッコ大戦外伝 ディファレンス・ロボッコ・バトル 作:ダークボーイ
地下からせり上がって来たのは、複数のロボットだった。
RPGのゴーレムを思わせるような物、多脚の動物型の物、逆に引き延ばした卵のような無機質な物、多種のロボットの出現に皆が唖然とする。
「これは、アームの訓練用ロボットです!」
「あんたら、こんなので訓練してんのか!」
「いや、私達はすぐ出奔したので、使った事は…」
「来るぞ!」
ゴーレム型が巨大なアームを振り上げ、振り下ろす。
たったそれだけの動作だったが、振り下ろされたアームは轟音と共に地面に深くめり込んだ。
「どう見ても訓練じゃないよな…」
「まだ来るぞ!」
テイルレッドがその破壊力に頬が引きつる中、多脚型が迫り、卵型がレーザー攻撃を放ってくる。
「そんなモン!」
ヴィータがシールドでそれを阻みつつ、卵型にグラーフアイゼンを叩きつけるが、衝撃で吹き飛んだ卵型が体勢を立て直して再度攻撃してくる。
「なんだ? 手ごたえが妙だ!」
「強度重視で作られているとは聞いてますが…」
「魔力にもか!?」
ヴィータの疑問に魅零がそれとなく答えるが、更なる指摘に魅零の表情が険しくなる。
「シュート!」
なのはが単発魔法をゴーレム型に撃ち込むが、それも表面が僅かにへこんだだけで終わる。
「対魔法対処済みのようです! もっと強力な物を!」
「分かった! テートリヒ・シュラーク!」
トゥアールの指摘に、ヴィータが更なる魔力を込めた打撃魔法を卵型に叩き込み、卵型が大きくひしゃげると、程なく爆散する。
「これは…表面にアンチマジックミストが塗布されてます!」
「あれそんな使い方も出来んのか!」
「なるほど道理でなんか切れ味悪いと思った」
「だな」
トゥアールが爆散した破片から相手の強度の正体を探り出し、皆が仰天したり納得したりする。
「デカイの程多めに塗ってあるみたいね!」
アルフがゴーレム型を魔力を伴った拳で殴りつけるが、その効果の薄さに警戒して距離を取る。
「それなら壊れるまで攻撃すりゃいいだけだろ!」
『そんな単純な事では…』
「そうだな!」
流子がものすごく単純な対処方を思いつくのを鮮血が止めようとするが、テイルレッドもそれに乗って得物を構える。
「あちらの多脚型を。私達は右から」
「じゃあ左だな!」
魅零とフェイトが多脚型の一番手前の脚部、その関節に同時に刃を食い込ませ、その反対では流子とテイルレッドが同じように刃を叩き込み、双方の脚部が斬り飛ばされる。
「行ける!」
「このまま他のも…」
効果を確信したテイルレッドと流子が次へと狙いを定めようとするが、そこで多脚型の胴体部分の一部がスライドして穴のような物が露出したかと思うと、そこからミサイルが発射される。
「マジか!」
「ロボだけに重武装だぞ!」
飛んできたミサイルを各自回避しようとするが、ホーミングで追ってくるそれを何とか撃墜し、爆風が各所で吹き抜ける。
「全員無事か!」
「全弾撃墜には成功してます!」
「気を付けろ! また撃って…」
テイルレッドの確認に魅零が素早く全員の状態を確認し、流子が再度警戒した所で、多脚型の下部から銃口が迫り出してくる。
「そっちもか!」
流子の顔が引きつる中、バルカンの回転音と共に銃弾が凄まじい速度で発射される。
「危ない!」
なのはがとっさにシールドを張ってトゥアールを守る中、他の者達は全速で動き回って銃弾を回避していく。
「ホントにこれ訓練用か!?」
「多分改造されてます!」
「訓練でミサイルやバルカン使ってたまるか!」
流子が全力で多脚型の背後に回って銃弾を回避しながら叫び、魅零が敏捷に跳ねて回避しながら答える中、テイルレッドが飛び上がって多脚型の背に張り付いて銃弾から逃れる。
「これどこかに弱点とか無いのか!」
「軍の武装モジュールに類似してるなら、ハードユニットが背面中央部に!」
「中央、これか!」
テイルレッドが思わず叫んだのに魅零が昔の杵柄からの助言が返され、テイルレッドは張り付いた自分のそばにあるカバーを見つけると、そこにブレイザーブレイドを突き刺す。
スパークが飛び散ったかと思うと、多脚型が突如としてデタラメに暴れ始める。
「うわっ!?」
「暴走してねえかこれ!?」
「もっと完全に破壊してください!」
「こうか!」
テイルレッドは暴れる多脚型から振り落とされそうになるのを堪え、魅零のアドバイスにブレイザーブレイドから炎を発し、多脚型の内部を焼き払い、ようやく多脚型は動きを止める。
「これで一丁上が…ん?」
止めを刺したと思ったテイルレッドだったが、ふと多脚型の内部から何か電子音のような物が響いてきているのに気付き、まさかと思って慌てて飛び降りた直後、多脚型が爆発する。
「こいつら、自爆装置付いてるぞ!」
「訓練用にそんな物付いているはずは!?」
「後付けだろ!」
「半端に壊すんじゃねえ!」
とんでもない装備にテイルレッドが顔色を変える中、ヴィータが怒鳴りながらグラーフアイゼンを巨大化させて卵型を縦に文字通り粉砕する。
「ケチったら自爆されるって訳ね!」
「飛んでもない仕様してるわね!」
ゴーレム型を相手していたテイルブルーとアルフが思わず悪態をつく。
「動きを止めて大技叩き込めばいいのね!」
「けどこいつ頑丈!」
先程からゴーレム型の動きを止めようと攻撃を繰り返すが、強度とコーティングの性で大したダメージにならない事に二人は悪態をつきながらも攻撃を繰り返す。
「こいつには弱点とかないの!?」
「同じく背部にあるかと!」
「で、こいつどっちが背中!?」
無人機の特性か、背後に回ろうとしても死角も関節も無視した動きで前後構わず攻撃してくるゴーレム型に、振り回されるアームをかわしながら皆が判断する。
「ええいこうなったら、オーラピラー!」
テイルブルーがブレスレットから放出されたエネルギーでゴーレム型を封じようとするが、相手はその圧倒的なパワーとコーティングによる阻害でその呪縛を解こうとする。
「封じきれない…! 誰か大技を」
「どけぇ! ラケーテンハンマー!!」
そこへヴィータがスパイクを伴った形に変化したグラーフアイゼンから魔力を噴出させながら自ら回転、ベルカ式カートリッジを消費させて更に威力を増しながらゴーレム型へと渾身の力で叩きつけ、相手の胴体を撃ち抜く。
「伏せてヴィータちゃん! スターライトブレイカー!」
さらにそこへなのはが必殺の砲撃魔法を叩き込み、相手を完全に粉砕させる。
「ふ~、魔法少女達は誰も過激ね」
「人の事言える奴この中にいんのか?」
「かもな」
テイルブルーが胸を撫でおろす中、思わず呟いた言葉に流子とテイルレッドが苦笑する。
「恐らく、これはオリジナルではなくカスタムされたコピー、と言った所でしょうか」
「私もそう思います」
僅かに残った破片を調べながら、トゥアールと魅零が同じ結論に達した時だった。
足元から轟音が響いたかと思うと、校舎らしき建物が崩れ落ち始める。
「今度は何だ!」
「まさかここ毎自爆すんじゃないよな!?」
「違います! 何か出てきます!」
慌てる者達の中、一早くフェイトが地下から何かがせり上がってくるのに気付く。
それは、崩れ落ちた校舎よりも更に高くせり上がると、文字通り見上げる程の巨体をこちらへと向ける。
「これも訓練用か?」
「だったら相当な趣味だけど…」
「ち、違います! まさかこれは!」
現れた巨体に、魅零は絶句するしかなかった………