スーパーロボッコ大戦外伝 ディファレンス・ロボッコ・バトル 作:ダークボーイ
「さて、今後の行動についてですが」
「コーヒーお替りあるよ」
「いただきます」
「コーヒー淹れるのうまいんですね」
「母さんからの直伝。実家喫茶店だからさ」
「コーヒー豆まで置いてあるなんてね」
「随分親切ですよね」
皆での朝食後、トゥアールが口を開くが皆食後のコーヒーを堪能していた。
「まあ確かに総二さんの淹れるコーヒーはおいしいですが」
「話は聞いてます。続きを」
トゥアールも思わずコーヒーを嚥下する中、魅零が続きを促す。
「取りあえず、しばらくはここを拠点にして行動するしかありません。食料は保存の効く物を含めてかなりの量が有りますが、無限ではありませんし」
「あまりに不自然な状況ですが、食料無しには行動できませんからね」
「じゃあ少し節約した方いいでしょうか?」
「いや、いつ戦闘になるかも分からない。食事はちゃんと取るべきだ」
トゥアールと魅零の話に、まもりが首を傾げるが総二はそれを否定。
「昨夜の内に簡易的ですがセキュリティと探索用のドローンを制作しました。このオマワール君二号でしばらく周辺を探索、異常を発見し次第探索に向かうという事で」
「それ昨夜私の所に来たんだけど」
「魅零さんの提案で渋々敵味方識別はつけました」
「渋々なんだ………」
何かそこはかとなくアレな雰囲気を感じた愛香と乱花が呆れる。
「ともかく、ここがどんな所か調べるのは大事ね」
「そうですね。アドベンチャー物でもまずは探検からです」
倫花と慧理那が賛同した時、突然アラームのような物が鳴り響く。
「何だ!?」
「オマワール君二号が戦闘を感知! 何かが戦ってます! 今急行させて詳細を!」
「オレ達も行こう!」
「何人かはここを確保しておく必要があります」
「じゃあオレと愛香で行く! 慧理那はここを守っててくれ!」
「はい!」
「私と魅零さんも行きます! 倫花さんと乱花さんお願いします!」
「トゥアール、ナビを! テイルオン!」
「ドライヴ!」
言うや否や外に飛び出した四人は、即座に変身して反応の有った方向に向かっていく。
「あっちか!」
「急ぎましょう、私達みたいな人達が戦っている可能性が高いです」
「と言うかそれ以外だったら最悪よ! 先行くわ! リボン!」
テイルブルーがエレメリアンから入手したエレメリアンオーブをかざすと、リボンがそのままウイングとなってテイルブルーに装着され、そのまま反応の有った方向へと一直線に飛んでいく。
「飛べるのですか?」
「エレメリアンオーブは相性問題がある! オレは使えない!」
魅零が軽く驚く中、テイルレッドが簡単に説明する。
やがて遠くから明らかに戦闘と思われる轟音が響いてきた。
「派手にやってるな!」
「ええ、そのようで!」
テイルレッドと魅零は呟きながら、更に速度を上げてそちらへと向かっていった。
「この野郎!」
ショートヘアの前髪に赤いワンポイントが一房入った髪型の少女が、手にした風変りな剣のような物を振りかざし、襲ってきた鳴動する四脚の異形を斬りさく。
「結構固いぞこいつら!」
「そのようだな」
その少女の背後、ロングヘアの少女が手にした日本刀を手に、異形と対峙していた。
二人の少女はショートヘアの少女は黒、ロングヘアの少女は白を基調とし、いかつそうなデザインの割にかなり露出が大胆な装備を身にまとっていた。
「何なんだこれ! 機械か!?」
「無人なのは確かだが、装備が良すぎる。高出力光学兵器搭載とは明らかに現在の技術水準では製造不可能だろう」
「じゃあなんだ!」
『流子、誰か来る!』
そこでショートヘアの少女、流子にだけ聞こえる声が何かを知らせる。
「エグゼキュートウェイブ!」
そこで上空から水流と共に放たれた刺突が、異形の一体を貫き、破壊する。
「大丈夫!? 今仲間が来るからそれまで持つ!?」
降りてきたウェイブランスを手にしたテイルブルーの姿に、二人の少女は驚いた顔をする。
「大丈夫だ!」
「問題ない」
「気を付けて、こいつら数が多い上にボスまで出てくるわよ!」
「ゲームか!」
「了解した。私は鬼龍院 皐月」
「纏 流子だ! お前は?」
「津辺 愛香、この姿の時はテイルブルーって呼んで!」
ロングヘアの少女、皐月と流子の簡単な自己紹介に、テイルブルーも答える。
「この姿、か。それは極制服では無いようだな」
「そっちのはそう言うの? 私のはテイルギアよ」
テイルブルーの紹介に僅かな疑問を感じた皐月に、そろそろ慣れてきたテイルブルーは簡単に説明してやる。
「にしてもそっちのすごいデザインね」
「あんたもな」
「製作者に言って」
テイルブルーの突っ込みに流子も思わず返す中、三人は互いに背中合わせに向き合う。
「無茶はしないでね」
「そっちもな」
「来るぞ!」
「居た!」
「やっぱりあいつらと誰かが戦っています!」
現場に到着したテイルレッドと魅零が、テイルブルーと戦っている黒と白の戦闘装束の少女を発見する。
「おりゃあ!」
黒の少女、流子が力任せに異形を叩き切り、そこへテイルブルーが止めを刺す。
「流子、無駄が多いぞ」
白の少女、皐月が手にした刀で的確に異形の足を斬り、動きを止めた所で追加の斬撃で止めを刺していく。
「うるせえ! 倒せばいいだろ!」
「その通り!」
「馬鹿が二人になったか」
「そこだ!」
「牽制します」
同調する流子とテイルブルーに皐月が呆れる中、テイルレッドと魅零が合流して攻撃を加えていく。
「あれが仲間か」
「そうよ」
「なんかやけに小さいのと大きいのが…」
「その割にはいい得物を使っている。特にあの大剣」
「あの剣も仲間だから!」
「はあ?」
「説明は後! ややこしいから!」
「確かに、な」
状況の理解よりも解決を先と判断した皐月が、異形へと突っ込んでいくと白刃を縦横に振るって次々と脚部を切断していく。
「トドメは任せる」
「任せろ! デカいのぶちかますぞ、全員退いてな!」
皐月に促され、流子は手にした得物を腰だめに後ろへと向けると、得物が一気に変化、巨大な刀身が出てくる。
『武滾流猛怒(ぶった切るモード)!』
巨大な剣を流子は横なぎに振るい、その軌道上に有った異形達を次々と両断、破壊していく。
「すげ………」
「中々の破壊力ですね」
とっさに上に跳んで回避したテイルレッドと魅零はその一撃に思わず感心する。
「一気に片付けるぞ!」
「了解です」
落下しながら双方得物を構えた二人は、そのままの勢いで真下に残っていた異形へと刃を振り下ろした。
「雑魚はこれで最後!」
テイルブルーのウェイブランスが最後の一体を貫く。
「後は!?」
『………反応は有りません。ボスは出ないようですね』
「なら安心ね」
テイルレッドが周囲を見回すが、間近に来ていたオマワール君二号から投影された通信画面越しにトゥアールが安全を確認、皆が胸を撫でおろすと、それぞれ変身を解いていく。
「………おい、さっきそいつ女の子だったよな?」
「あっちの子は剣だったぞ」
「今説明するから」
変身を解いたら姿が全く変わった二名がいる事に流子と皐月が思わず突っ込み、愛香が取りあえず手で制する。
「取りあえず礼を言わせてもらおう。私は本能字学園生徒会長、鬼龍院 皐月」
「纏 流子、人呼んで関東無宿の流子だ」
「観束 総二、私立陽月学園高等部の1年」
「同じく津辺 愛香よ」
「処女(とこのめ) まもりです」
「敷島 魅零、まもりさんのパートナーです」
「早速聞きたいが、ここはどこだ?」
「いや、実はオレらも分からなくて………」
「貴方達のいた世界じゃなさそうってのは分かってるけど」
「世界?」
「え~と、なんて説明すればいいでしょう?」
皐月と流子からの質問にどう答えるべきか皆口ごもるが、そこで乾いた音が響く。
「まあそれよりも、悪ぃけど何か食うのないか? 昨日から何も食ってなくて………」
流子の腹から響いてきた腹の虫に、増援に来た者達が顔を見合わせ、思わず吹き出す。
「まずはトリノタウンに戻りましょう」
「そうですね、何か簡単ですぐ食べられる物を…」
『待ってください。皐月さんに流子さん、貴方方は本当にお二人ですか?』
まず帰還を促すまもりと魅零だったが、そこでトゥアールからのストップがかかる。
「どうしたトゥアール?」
『お二人の衣装から、生命反応が感知されてます。何ですかその服?』
「お、分かるのか?」
「これは神衣。生命戦維で作られた、生きた服だ」
「あたしのは鮮血、皐月のは純潔ってんだ」
『つまり、ある種のバイオスーツ。それがお二人の力ですか』
「その通りだ、中々理解の早いのがいるようだな」
「生きてる制服? そんなの着てるの………」
「アイロン掛けると喜ぶぜ」
「また変わってるな………」
「まあ、私達も人の事言えませんけど」
「それよりまず飯だ飯」
『はい、何か用意しますね』
『何がいいかな?』
『帰り気を付けてください』
通信画面に倫花と乱花、慧理那も映る中、皐月は再度増援に来た四人を見る。
「そちらも全員戦えると見ていいか?」
「一応ね。あ、トゥアールは元だけど」
「すごい優秀なエンジニアさんです。このドローンも一晩で作ったんですよ」
「なるほど、どうやら色々集められているようだな」
「だから飯だって」
「とにかく、帰るか」
新たに増えた二名を連れ、一行はトリノタウンへと帰路に着いた………