異世界チート転生のんびり最強やりなおしスローライフ~ギルドを追放されたSランクのおっさんはハズレスキルで無双し勇者と魔王と賢者と聖女と奴隷と魔術師と錬金術師と悪役令嬢に婚約破棄される〜   作:しらべ

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あらすじ 悪役令嬢編

 

 

 

 隣に裸のマヤが寝ていた。

 

 瞬間、ガクの脳内に流れ出す飲み会の記憶、その場のノリでマヤが唱えた魔法が暴走したところまでなら覚えていたが、それ以降はすべて不明瞭だった。

 

「それとなく昨日のことを聞いたら、顔を赤くして『言えるかそんな事』とか『式場はドラゴンの背の上がいい』とか言ってくるしで、俺顔面蒼白、まぁなかったことにはできねえから『四年以内に魔王倒して戻ってくる、その時にお互い気持ちが変わってなかったら結婚しよう』って婚約した、師匠の賢者メリアとは不仲らしくて、場所は教えるが同行はしないと言われて九死に一生を得たよ」

 

 レイクッドでマヤに別れを告げ、今度は南下して、海を渡った先にある孤島へと向かった。

 

 去り際、マヤは「ガクが帰ってくるまでに魔族を撃退する大魔法を開発しておく」と言っていた。

 

「で、道中もひと悶着あったが何とか港町のサンマリンに着いた、何とかっつー貴族の領地らしくてな、船を出すのに許可証が必要だったんだ、勇者一行って事で許可自体はすぐ下りて、船も貸してもらえることになった、ただその船所々壊れてて修理に時間がかかるっつーことで二、三日待たされた、そこでまた妙な話を聞いたんだ」

 

 曰く、サンマリンの領主であるサンマリノ伯爵の令嬢フィオナが、町に麻薬をバラまいているという。

 

 ()薬、依存性が非常に高く、摂取した人間は強烈な快楽に身体を支配され思考を放棄するようになるという。 さらに力が一時的に爆増し、暴走してしまうと手が付けられなくなる。 船の破損もその魔薬使用者によるものだった。

 

「俺たちはそこで新しい依頼を受けた、フィオナの無実を証明してほしいっていうな、依頼者はサンマリノ家のメイドからだった」

 

 既に魔薬騒動の主犯としてフィオナは捕らえられていた。 娘を牢屋に入れるのは流石に父親として躊躇われたが、領主として苦渋の決断だった。

 

 依頼をしてきたのはフィオナ専属のメイドであり、彼女は決してそんなことをする方ではないと懇願してきた。

 

「確かに眼光は鋭く、毒舌で人を寄せ付けまいとしておりますが、本当は心のお優しい方なのです、おとなしく牢に入られたのも、領民が少しでも安心できるならと自ら領主様に提言したのです」

 

 シンシアが、ガクなら真偽を確かめられると言い、フィオナのいる牢へと案内してもらった。

 

 酒を飲み、薄暗い地下牢に横たわっているフィオナにガクは話しかけた。

 

 

「いや~今時こんな典型的なツンデレタイプがいるんだって思ったな、酒飲まなくても根はいい子なんだなって分かったし、メイドの言った通り、主犯は別にいるって俺たちは確信した」

 

 途中フィオナの本心を言い当てたりしたところ、顔を真っ赤にしてたのが面白かったとガクは語る。

 

 夜になり、ルーミアは宿で留守番をさせ、シンシアとガクで領内の路地裏などで魔薬の取引がされてないかなど捜索する。

 

 しばらく練り歩いているとばったりその現場に遭遇し、売人をシンシアが一瞬で制圧した。

 

「俺の前ではどんな嘘もつけられねぇからな、そのあとは芋づる式に親玉の存在まで辿り着いた、主犯は港の警備をしている組織のトップ、やった理由はフィオナに振られたからとかそんなんだったな、怖いね~色恋沙汰ってのは……いやホントに…」

 

 自ら噛み締めるようにそういうガク。

 

「で、俺らはその親玉の所まで行ったんだ、最初は白を切ってたが、俺が心を読めることに気付いた瞬間、大量に魔薬を摂取しやがった」

 

 魔薬は使用者の思考を放棄させる。

 

「あん時もやばかったな、相手の心が読めなくて結構苦戦した、殺すわけにはいかなかったからな、シンシアが正気を失った親玉の動きを止めた時にベロニカから貰ったポーションを投げて、親玉の真上に来たのと同時にルーミアの魔法を直撃させて瓶を割って、頭だけを治癒させたんだ、思考回路を取り戻させたって訳だな」

 

 ガクの助けもあり無事シンシアは主犯格を制圧し確保、サンマリノ伯爵に引き渡し、領主と勇者の声によってフィオナの無実が領民に知らされた。

 

「そのあと感謝のしるしに領主の家でパーティーが開かれたんだ、シンシアも酒を飲むのを許可してくれてな、飲めるだけ飲んだ記憶がある」

 

 そして三度、事件は起きた。

 

「確か、そのまま客室に案内されて、そこで寝てたんだ、そしたらフィオナが入ってきてお礼がしたいとかなんとか…」

 

 段々と歯切れが悪くなってくるガク、ここの記憶すら怪しいのだろう。

 

「朝起きたら俺はベッドで寝てた、全身筋肉痛で二日酔いで頭も痛かった……ここまで言えばもうわかるだろ?」

 

 自嘲的に笑ってから続ける。

 

 

「───隣には裸のフィオナが寝てた」

 

 ガクは頭を抱えた。

 

 

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